アナゴ9時30分枠に出張する。   作:寅好き

9 / 23
アナゴ、ヤムチャのもとで修行する

「おっ、段々目に見えて強くなってきているぞ。アナゴさんはまあ置いとくとして、アブサロムはさすがだな。」

「私を置いとくとはどぅいうことだぁ。」

「ガルルルル、おいらは天才だからな。」

「褒めるとすぐこれだ、集中しろ。」

『はい。』

今ヤムチャの前でアナゴとアブサロムが座禅を組んでいた。なぜ座禅を組んでいるのかというと

――――

「ヤムチャオイラに〈気〉というものを教えてくれ。」

ゲッコーモリアとの話が終わり、部屋につきすぐにアブサロムがヤムチャに頭を下げて頼み始めたのだ。

「どうしたんだよ、アブサロム?いきなり〈気〉を教えてくれなんて。」

「まずこれを見てほしい。」

アブサロムは手を壁に向け

「死者の手」

と言うと、アブサロムの手から何かが飛び出し、手が向いている先の壁が崩れ落ちる。

「見たところ、腕の下の所から玉が飛び出していたな。」

「一回見ただけで見抜いてしまうとは、さすがはヤムチャだな。そうオイラの〈死者の手〉は〈スケスケの実〉の能力で透明にして見えなくしたバズーカを撃つというものだ。今まではこれで満足していたが、オイラはバズーカという武器を使うのではなく、自らの力で戦いたいのだ。」

アブサロムは熱の籠った真剣な眼差しで訴えるので、ヤムチャは以前亀仙人に弟子入りを志願した時の自分を見るようであり、その真剣さにほだされて快く了承した。

「ありがとうヤムチャ。では今からすぐに頼む。」

「ああ、だがもう一人お前と一緒に修行させたいやつがいるからそいつも連れていこう。」

――――

「ぬあんだとお、私に〈気〉の使い方を教えてくれるぅだとお。しかし残念ながら見ての通り今私はペローナ様の洋服の洗濯をしているぅ、そしてぇ、トイレ掃除がまぁだ残っているのだぁ。」

アナゴはセルの姿でペローナの服と洗濯板を使って格闘しているという、とても奇妙な光景を演出している。

「じゃあしょうがな―「いいぞ、唇行ってこい、ホロホロホロホロ。」

ヤムチャが断念しようとしたとき、突然入ってきたペローナが、アナゴの修行を了承した。

「いいんですかぁ、ペローナ様ぁ。」

「ああ、いいぞ。お前が力を得れば私としても戦力が強化されて嬉しいからな。ただし、帰ってきたら残りの仕事はしてもらうがな、ホロホロホロホロ。」

「……はい。」

了承されて喜んでいた、アナゴであったがすぐに現実に引き戻され落ち込んでいた。

「苦労しているんだな。」

アブサロムはアナゴの肩に手を置いて慰めようとしたが、これ以上かける言葉が見つからなかったのでそのままにしておいた。

――――

とまあ、こんなことがありヤムチャの元で〈気〉の修行をしているのである。

「よし。もういいぞ。二人ともかなりの上達ぶりだ。これならすぐに実践にはいれるな。」

「ヤムチャよ、私もアブサロムと同じように〈気弾〉を覚えるのかぁ?」

「アナゴさんは違うぞ。アナゴさんにはもっと素晴らしい技を覚えてもらう。この技を修得すれば、誰もが恩恵を受ける。俺とアブサロムにとってはアナゴさんが神にも見えるようになる技だ。」

「その技とはぁ?」

「まあおいおいな。」

ヤムチャはかなり浮かれていた。新しい世界に来て弟子が二人もでき、しかもその内の一人は見た目だけだがあのセルであるからだ。

それから浮かれながらも、ヤムチャはしっかりと二人に〈気〉の使い方を教えこんだ。確かに二人とも飲み込みがよく、素質もあるが、如何せんまだ一日目ということで体内の気を高めることどまりであった。

「じゃあ今日はここまでにしよう。このまま続けていけば、アブサロムは後3、4日。アナゴさんは難しい技だから1~2週間ってところだろう。頑張っていこうぜ。」

『ありがとうございました、ヤムチャ師匠。』

「おう。(ああ師匠か~。なんて心地いい呼ばれかたなんだ。この世界に来て良かったぜ。)」

改めてこの世界に来て良かったと幸せを噛み締めるヤムチャであった。

心地よい疲れを感じながら帰ったアナゴを待っていたのは、ペローナの愛の仕事の山であったとさ。合掌。

 

オマケ

「ところで、アナゴさんは何歳なんだ?」

ヤムチャは疑問に思っていたことを尋ねる。見た目から言うと当然アナゴのほうが年上であると思われたので、〈さん〉付けで呼んでいたが、もしも想像以上に年上であれば、いくら弟子とはいえ、敬語を使わなくてはいけないのではないかと思ったからだ。

「僕の年かい、ふふん見た目より若いと言われるんだよ。僕の年は28才だよぉ。」

「……」

想像だにしない真実に、ヤムチャは絶句した。どう見ても40ぐらいだろ!!と突っ込みたくても突っ込めないぐらいに衝撃を受けた。

「まさか、俺のほうが年上だったとは。喜んでいいのか、悲しむべきなのか。」

34才になるヤムチャはこの時からアナゴを〈さん〉付けで呼ぶことをやめるのであった。




ヤムチャはセル編後という設定です。
あと短くてすいません。次回は新たなワンピースキャラを出し少し長くなるんじゃないかなと思います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。