何時ものことか
自分の部屋を出た織斑マドカが見た物は亡国企業の警備員の頭が弾け真っ赤な花を咲かせた光景だった。
「⁉︎」
余りにも唐突な人間の死を目の当たりにしたマドカはたじろぎ悲鳴を上げそうになった己の口を塞ぐ。
「あら?」
女の怪訝な声が聞こえる、知っている声と同時に悟った
「K‼︎貴様裏切ったか‼︎」
返答は………銃弾で返って来た、明確な反逆行為だ
「ッ‼︎」
即座に専用機 『サイレント・ゼフィルス』とISスーツを同時に展開する
展開した瞬間、頭部に重い衝撃が走り脳を激しく揺する
「ッッ‼︎」
その衝撃を何とか歯を食いしばり耐える
(なっ何て銃を使っているんだ彼奴は⁉︎然もこの暗闇の中頭に当てるなんて⁉︎)
通常兵器其れも歩兵が携帯する小銃ではISを展開している人間の頭をこうも揺さぶる事もシールドエネルギーを減らす事も出来る筈が無い。
(まさか……ISの武器を使っているのか!何10キロもある物だぞ⁉︎)
ISにダメージを与える為には最低でも車両搭載兵器でなければならない、其れ以外だとISにダメージを与える事が出来ないのだ。
だから必然的にISが使う小銃は車両搭載兵器を小型化したものを使用している、当然ながら重量は生身の人間が一人で使うには困難な物だ。
「可笑しな事を言いますのねMさんは」
Kの声が響く、何時ものように冷静でかつ冷酷な声が響いた
「私が来てからSASの元隊員達や大英連邦最強と謳われている大英連邦国家代表が此処に来る何て…都合が良いとは思いません?」
言われてみれば……亡国の奴等は喜んではいたが…確かに都合が良い、いや良すぎるとはスコールも言ってはいたが
「全ては……此れの為か」
「えぇ」
『M‼︎』
突如としてプライベートチャンネルにスコールの焦った声がした
『如何したスコール!こっちは裏切り者の対処をしなきゃならない』
『ッ…そう聞いて頂戴、滑走路が大英連邦側の特殊部隊に制圧されたわ』
『なん……だと⁉︎まさか奴等の目的は…』
『えぇ…彼等の目的は私達亡国の情報の奪取よ』
『IS部隊は?』
『全滅よ、如何やら寝込みを襲われたらしわ……だけど、整備員三名がラファールに乗り込んで滑走路を抑えに行ったわ』
正式な操縦者では無いにしろ、ある程度の操縦技術は備えている筈そしてたかだか歩兵戦力が未熟とは言えISを相手取り無事である筈が無い。
滑走路を抑えている部隊にISがいる可能性はない…奴等が特殊部隊という事はISを所有してはいない、ISの性質上隠密や撹乱などの作戦をする特殊部隊にISは適してはいないし…大半が女尊男卑に染まっていると言えるIS操縦者を部隊にいれる訳がないが……其れにしても解せない。
今奴等がやっているのは電撃戦
隙を見せている敵に対し稲妻の様な攻撃を仕掛ける電光石火の作戦だ
ならばこそISは適している筈…なのだが
そう思考していると唐突に目の前が真っ白に染まった
「‼︎⁉︎」
訳が分からなく混乱する……その隙を見逃す様な奴等では無くガァァン‼︎と言う重い音と衝撃と共に吹き飛ばされた。
「がっ…」
『M⁉︎』
プライベートチャンネル越しに心配するスコールを聞き流し、漸く回復した視界で私を吹き飛ばした者を見る。
其れはISとしては珍しい『全身装甲』をしており、Kのウィリアム・バロウズも全身装甲だが…目の前にいるISはそのウィリアム・バロウズでは無い。
「ロイヤルガード…」
目の前で万能武器と呼ばれているハルバードを肩に掛け私を見下ろしているのは、大英連邦が開発した『BT機 最終機 ロイヤルガード』だ。
このロイヤルガードは大英連邦が開発したBT機の完成型であり、大英連邦のフラグシップ機だ。
「…………」
「ッ…この!」
倒れている私をセンサーアイ越しに見下ろすロイヤルガードに対し姿勢を戻し、量子領域からナイフを取り出し突貫
「………愚かな」
冷ややかな声と同時に私は冷たい地面とキスをした
「なっ…⁉︎」
困惑しながらハイパーセンサーを確認する……足にワイヤーが絡まってる⁉︎
「そう言えば初めてでしたっけ?『インコム』を見るのは」
インコム……確かBT適性が無い人間向けに開発された兵器で、有線でコンピューター制御で動かす物で私のサイレント・ゼフィルスや試作BT機 ブルー・ティアーズに搭載されているビットの完成型と言えるものだ。
噂だけだが…曰くこのインコムとロイヤルガードが完成した暁には、ロイヤルガードの簡易量産型が生産されると言われている。
こんな私を見逃す筈が無く、何時の間に展開したのか6機のビットと4機のインコムが私を囲んでいた。
「さようならM」
その言葉と共にビットとインコムの同時射撃が行われた
「グゥゥゥ⁉︎」
レーザーの熱がサイレント・ゼフィルスの装甲が赤く融解し、シールドエネルギーが凄まじく減り…現在のシールドエネルギーの残量は僅か一桁になら
………サイレント・ゼフィルスが強制解除された。
「………お姉ちゃん…一夏姉さん……会いたかったよ………」
嘗て…いや今でも私の大切な家族の名前を言う、ゴメンなさい…
何時の間にか涙を流していた私は心の中で謝罪をし其の儘倒れた。
「……………」
私は気絶させ倒れているMを見下ろしている、本来なら殺しても良かったのだが如何にも殺す気にもなれなかった…原因は分かっている。
「流石に家族に会いたがっている人間を殺す程私は墜ちていない筈です……M、今から敵対する仲ですが…貴女の家族と会える事を祈って居ます。」
そう気絶しているMに言い背後を見る、其処にはSASの隊員達と周りに銃を『浮遊』させている香奈枝お嬢様が居た……私がMと一戦を交えている間に後方から敵が来たのでしょうが……やはり香奈枝お嬢様達によって釣瓶撃ちにあったらしいです…全く敵ながら私達の敵になるなんて同情します。
「お見事です香奈枝お嬢様」
クルリと香奈枝お嬢様と隊員達が私の方を向く
「あら、其方も終わったの?」
「えぇ…随分と手こずりましたが」
「そう……私には手こずっていた様には見えなかったのだけど?」
「気の所為では?」
「そう…さて皆さん邪魔者は居なくなりましたし早く撤収しましょう」
確かにモタモタしていては又増援が来るかもしれない、そして輸送機が撃破される可能性もある…
基地の外に出た私達を迎えたのは数両の武装車両だった、その一両から1人の老婆が顔を出す。
「さっお嬢様方お早めに乗り込んで下さい」
彼女の名は永倉さよ、香奈枝お嬢様に昔から使えている従者で、老いているにも関わらず驚異的な身体能力を持っているのだ、その身体能力はSAS隊員よりも遥かに高い物だ。
取り敢えずさよさんに何かを言い掛けている香奈枝お嬢様を車に押し込み私達も車の中に入る。
そうして、車は発進し敵の妨害も無く無事に亡国の情報の奪取に成功した。
結局描写が出来ませんでしたが、香奈枝達が滑走路に来る前にIS三機が襲撃して来て、その三機共全部
さよが倒しました。
……さよの戦闘シーンは後々書きます
後、香奈枝がやった銃の浮遊は劔冑 ウィリアム・バロウズの能力を使用しています。