嘘短編 暗黒魔導騎士   作:春雷海

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嘘番外編

神話や歴史で出てくる英雄を使い魔として顕現させた存在――サーヴァント。

 

そのサーヴァントに彼は成った。

 

嘗てはボッチでDMMORPG『ユグドラシル』の一プレイヤーとして、そして異界では国を支配し、友人と共に世界を統一した騎士が。

 

異形や人間たちからは英霊と謳われ、心無い者たちからは悪魔の化身と反英霊と蔑まれし騎士が。

 

いま、異界の英霊が人理継続保障機関――カルデアに所属する少女に召喚された。

 

「我が名はセイバー・オクト。暗黒を極めし、魔導騎士」

(あぁー、また面倒ごとに巻き込まれたかぁ。 めんどいわぁ)

 

八幡ことオクトは、度重なる面倒ごとに巻き込まれたためか達観するようになり、心情では全くやる気が感じられなかった。

 

 

 

 

 

 

 

その刃は闇色に輝く。

一振り一振りが愚者らを暗黒の淵へと送り込む。

 

オクトは闇色の剣を中段に構え、骸骨たちに無造作で突き出したかと思いきや。

 

「シャドウブラスト」

 

剣の鋒から闇色の奔流が噴き出し、骸骨たちを呑み込んだ。

更にはシャドウサーヴァントとなったボディコン風の服を着たライダーを、胴体の半分にして斬り裂いた挙句に心臓を貫かれた挙句に、残った胴体を執拗に斬り裂いてバラバラにした。

 

無論四肢胴体を裂かれて心臓まで貫かれたことで、現界できるわけもなく、ライダーは黒い霧になって空に溶けていく光景があった。

 

戦闘を終えたオクタは闇色の剣を投げ捨てる、瞬間にその剣は魔力へと分散しオクトの体内に戻った。

 

『いやいやこれは凄すぎるでしょ……』

 

Dr.ロマンはただ茫然と呟くしかなかった。

圧倒的戦闘能力、強力な暗黒に陥りながらも正気を保つ上にそれ相応な実力を誇る彼が、元々は数合わせの一般公募に当選した一般人ともいえるマスター候補の少女が主として、サーヴァントという存在にて顕現されていること自体、いまだに信じられないのだが……。

 

「おい、さっさと行くぞ――こんな煙と炎に塗れた街などいたくもないからな」

 

「うん、よろしくね、セイバー」

 

オクトの唯我独尊ぶりにも腹立てることなく、そして彼の強さと姿に畏怖も抱くことなく少女――藤丸 莉華(りか)は頷いて当たり前のように答える。

 

「は、はい……」

 

「わ、分かりました」

 

しかし莉華と違い、デミサーヴァントであるマシュ・キリエライトと所長であるオルガマリーはオクトの闇とその力を恐れ、必要以上に近づこうとしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「なんなのだ、一体何なのだ貴様はあああああああああああああ!」

 

「貴様風情に語る必要はない。さっさと消えろ、下級風情が」

 

レフ・ライノールの叫びにオクトは特に答えることなく、自らの魔力で生み出した魔剣を振るい、レフの腕を斬り飛ばす。

そしてそれだけでは止まらず、次いで左腕と右足を斬り裂き、レフの胴体が宙に舞った。

莉華とマシュにオルガマリーの目には、オクトが振るう速度が速過ぎて闇が弧を描いたようにしかとらえることが出来なかった。

 

両腕と片足を失い芋虫のような姿となったレフに対して、止めを刺そうと魔剣から闇の奔流を放とうと魔力を募らせた――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

「我が名はアインズ・ウール・ゴウン――死を支配したマジックキャス……ってオクタ君!?」

 

「あっ、アインズさん!?」

 

「二人とも友達なの!?」 「おぉ、これはまた凄まじい英霊だねぇ……ダヴィンチちゃんはもう君の幸運に脱帽だよ」

 

(また超越した英霊を呼び出したーっ!?)

 

(しかもオクタさんと同類かそれ以上の英霊をッ……うぅ私って存在していいのでしょうか、先輩ぃ)

 

カルデラに戻り、聖晶石による召喚を執り行った際に現界したのは――死を支配した大魔術師であり支配者・アインズ・ウール・ゴウンだった。

その手にはスタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンが握られていた。

 

 

 

――この時決まったのかもしれない。オクタとアインズ・ウール・ゴウンことモモンガが現界されたことで、世界の命運が既に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セイバー:オクトとキャスター:アインズ・ウール・ゴウンことモモンガの対談。

 

「オクトくん、セリカたちは召喚できないの? もし可能だったら、俺もアルベドたちを召喚(よ)んで特異点を修正しようと思うんだけど」

 

「あぁ、俺もそう思って召喚しようとしたんですけど……如何せんこのカルデアって場所が脆くて、俺らの魔力に耐えられないんですよ。 一度試してみたんですけどダークバーキャリアスナイト6体が限界で…………多分モモンガさんのデスナイトは3体が限度かも」

 

「えっ。 それ本当? 参ったなぁ、それじゃあアルベドたちを召喚べないじゃないか……今のあの子じゃ、俺もワールドアイテムを使えないし、ギルド武器も大して起動しないから、使えるのは自分の魔法だけか」

 

「ですね。 まぁやることはやっちゃいましょう、俺がなるべく前に出るんで、モモンガは後ろでお願いします」

 

「あははは。でも久しぶりだね、こうやって一緒に喋るなんてさ」

 

「あの世界じゃ結構派手にやってたからしょうがないっすよ……それにモモンガさんは国を纏めて、俺は反乱の芽を潰しまくるのに忙しかったら、会う暇も少なかったですし」

 

「世界を支配したと思ったら今度は未来を護るための仕事かー……」

 

「俺らって結局社畜から逃れられないんですねー」

 

 

 

『アーッハッハッハッハッハッハ…………はあっ』

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