比企谷八幡とその周辺 作:無題
タイトルは装いも新たに『乙女理論とその周辺 -Bon Voyage』に!
003
「あの、サーシャさん…。」
「ん、どうしたの?デザインが気に入らなかった?」
「いや、そうじゃなくて…。」
「じゃあ、どうしたのよ。」
「…なんでメイド服を持ってきているんでしょうか…。」
サーシャさんと雪ノ下による比企谷改造計画は次の日から始まった。
礼儀作法に上流階級のマナー。ハウスクリーニングや美味しい紅茶の入れ方まで一通り使用人としての技術は叩きいれたと思う。そこまでは良かったのだ。
しかしサーシャさんが奉仕部にメイド服を持ってきた時から話が変わった。
「なんでメイド服ってそりゃ私の代わりだからね。」
「え、それってつまり使用人って訳じゃなくて…」
「メイドさんよ。私と一緒で。」
うそだといってよ、バーニィ!
てっきり使用人って言うから執事とかそこら辺だと思っていたのに。ってかなんでメイド服じゃなきゃダメなんですか!!
「主人って今、同じ学校の同級生数人と同居生活を送っているの。その同居人の1人が男性恐怖症なのよ。そ・れ・に、フィリア『女学院』よ。いくら男子部があるからって女性部は男子禁制に決まってるじゃない。その姿のままだと主人の従事が出来ないし。」
言われてみたらそうだった。なんたる不覚。ブッタはいないのですか。
「まあ、私に任せなさい。私が八幡を完璧なオ・ン・ナ・ノ・コに変えて魅せるわ。」
もうどうにでもな~れ。
004
そうやってサーシャさんは俺に化粧を施しながらメイク講座を始める。なお他の部員はまだ来ていない。来ていたら恥ずかしかったから良かったぜ。
「まずはしっかりと洗顔する。顔に油分が残っていると化粧の乗りが悪くなるからね。」
「優しくお肌を傷つけないようにするのよ。まあ、八幡のお肌は日に焼けてなくてキレイだから元々しっかりとしているんでしょうけど。」
「ふん、ボッチの帰宅部を嘗めないで下さいよ。焼きたくても外に行く機会がないんですから。」
「なんかごめんなさい。」
「洗顔の後はしっかりと髭を剃るのよ。残っていたらみっともないからね。毛抜きも使いなさい。」
「毛ってなんで抜いたら次に生えてくる時は太くて数が増えるんですかね?」
「知らないわよ。そんな事。」
「スキンケアもしっかりと。化粧水と乳液でお肌に潤いを与えましょう。この辺は男でもやっておくべきよ。」
「時々小町のを使ってやってますよ。」
「それはキモいから止めるべきだわ。」
「まずは下地作り。男性と女性の肌の違いは一部の人を除いて一目で分かるからしっかりと丁寧にやるのよ。」
「コンシーラー、フェイスパウダー、ファンデーションの順番が基本よ。」
「そういえばさっきの一部の人って誰ですか?」
「うーん。シスターみたいな格好をしたヨーヨー使いだったり前向きに卑劣なやつとか言われている人とか。」
「色々スゴいですねその人達。」
「シミや赤み、シワなどを周りの肌と同化させるようにコンシーラー、ファンデーションを塗っていくのよ。」
「ポイントはムラなく塗ること。女性と違って男性は凸凹しているからお肌を均等にする必要があるのよ。」
「じゃあ女性は?」
「女性は逆にメイクで立体感を出すのよ。男性と違って凸凹していないからね。」
「次にシャドーね。八幡の目は腐っているように見えるのでここは念入りにするわよ。」
「ナチュラルにディすらないでくださいよ。俺の硝子のハートにヒビが入りますよ。」
「バカ言わないの。ここは重要な所よ。」
「基本的にアイシャドウを塗る位置は、アイホールって呼ばれている「目頭」と「目尻」を半円状に囲んだ場所よ。」
「この範囲にアイシャドウを塗ると、アイメイクのバランスや仕上がりが格段に良くなるわ。」
「次にアイシャドウのパレットについて。まぶた全体に透明感を与えて目元に明るさとツヤを与えるハイライトカラー。メインカラーよりも薄い色味でグラデーションを作るミディアムカラー。目元を引き締めてくれる一番濃い色で目の際や二重の幅に入れることで目を印象的にしてくれるメインカラーの3つが基本よ。」
「多すぎませんかね。」
「世の中の女性は毎日自分を磨いているの。あーだこーだ言わないの。返事は。」
「サーイエッサー!」
「よしなら次は塗り方よ。」
「まずハイライトカラーをブラシで取り、手の甲で余分な粉を落とす。今から言われた通りに自分でやってみなさい。」
「サーイエッサー!」
「アイホール全体にハイライトカラーをのせて、まぶたのくすみをカバーする。」
「そして上まぶたの目の際に細くメインカラーをのせるのよ。」
「メインカラーをアイホールに向かって軽くなじませてそのままミディアムカラーをその上にのせるのよ。」
「ここでワンポイントアドバイス♪横に塗って縦になじませるの。そしたら綺麗なグラデーションができるのよ。」
「アイホールの外側ラインにハイライトカラーを軽く重ね、下まぶたの部分目元から目尻にかけてのせる。そしたら完成よ。」
「次は眉ね。無駄毛を処理した後、スクリューブラシで毛流れを整えるの。」
「ここでも毛抜きの出番ですか。」
「まあ男性と毛には密接な関係があるからね。仕方ないわよ。」
「まずは眉尻から書く事。眉ペンシルの役割は、眉尻の毛が薄い部分に書き足す事よ。」
「一本一本毛みたいに書いていくの。わかった?」
「これって失敗すると…。」
「眉全体、失敗すると両さんみたいになるわよ。」
「そういえばまたアニメ化するらしいですよ。」
「関係ない話をしない!!」
「サーイエッサー。」
「眉頭から中間あたりまで、アイブロウパウダーの一番明るい色をいれるの。眉頭を明るい色にするとおしゃれ顔になって、太眉でもなじみやすくなるよ。」
「そして眉の真ん中あたりにパウダーの中間色をサッといれる。」
「逆に眉尻には暗い色のパウダーをいれるよ。」
「仕上げに眉マスカラで毛の色を統一するの。毛流れに沿って一度塗りしてナチュラルにね。」
「ラストにアイブロウパウダーを使って目頭から鼻へのくぼみにノーズシャドウを入れて。そうする事によって眉がくっきりと立体的に見えるのよ。そしたら完成。」
「付けまつ毛もして目を大きくしましょう。」
「ラストは鼻よ。」
「やっと終わりですか。」
「そうよ。ラストスパート!頑張りましょう。」
「最初に鼻筋にハイライトを細く入れるの。」
「そして眉頭から鼻の付け根まで、ノーズシャドウを入れてね。」
「細めの筆に持ち替え、鼻筋にノーズシャドウを入れるわよ。下に向かって徐々に細くなるように入れるのがコツよ。」
「筆に残っている粉を使って、鼻先にシャドウを入れて。鼻先に陰影を付けることで、鼻の頂点がより高く見える効果があるのよ。」
「最後にフェイスパウダーを入れてノーズシャドウが自然になじむようにするの。そしたら完成よ。」
そうして鼻元の化粧も完成したがこれは凄い。目の部分が違うだけで一瞬誰か分からなくなるし、顔全体の凸凹が目立たなくなって女顔に見えるのだ。まあ目の腐り具合は緩和されただけだけどな。
そしてウィッグネットかぶりウィッグを付けたら完成!鏡の前には誰だか分からない目の腐さった美少女が!!「これが俺…。」とお約束が本当だったのだと実感する事になるとは。
そしてサーシャさんから紙袋が渡される。ちょっと待って下さい。それって…。
「多分想像通りだと思うわよ。女装用体型矯正下着やパットなどの一式が入っているから早く着替えちゃって。」
「この花柄の下着を着ろと…。」
「文句は言わない。スリーサイズも合わせてきたから問題ないはずよ。」
あぁ、ここまで本気だと吹っ切れるな。そうして俺は自分とサーシャさんの二人しかいない奉仕部の隅でさっさと着替え始めた。
「あ、メイド服の着方は分かる?」
「なんとか分かります。」
「流石デザイナー。服の事なら大丈夫なのね。」
「それを言うならサーシャさんもじゃないですか。」
メイド服は着やすい上下セパレートタイプでセミロングのスカート。ストッキングを履いてエプロンを着けたる。胸元のリボンを着けてカチューシャを着けてたらはい完成!
「終わりましたよ。どうですか?」
「うん、良いわよ。そしてこれを付けてっと。よし!完璧!!」
サーシャさんが付けたのは黒縁の伊達メガネ。成る程これなら腐っている目を隠せるな。
鏡を見ると黒緑メガネをかけたアホ毛が立っている黒髪ロングの美少女が立っていた。これならば誰がどう見ても比企谷八幡だと気付かれないぞと意気込む。そうしていると奉仕部のドアからノック音がすると雪ノ下が「失礼します。」といって入ってきた。
ふふふ。俺を見て固まっている雪ノ下に俺は「どういたしましたか?」丁寧に聞いて見る。俺が誰かわからないだろと思っていると「あぁ比企谷君ね。」と気づかれた。
「え、雪ノ下。なんで俺ってわかったんだ?」
「だって比企谷君。あなた声、今までと同じで男声だからその姿でその声は気持ち悪いわよ。」
あ、やべ。女声忘れてたわ 。
ってか女声ってどうするんだ?
vita版が出るってことで急いで投稿。
あと、女装教室で一話丸ごと使いたかった。
つり乙シリーズをやり直そうと思っていたがどうやら売ってしまったらしい。なるべく原作をやり直してから投稿したいので次回の投稿は何時になるかわかりません。