メテオリウム─翠晶眼の傭兵─   作:影迷彩

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 最新話です。
 カヨウも経験を積み、段々と動けるようになりました。
 ツキカゲ、こちらは逆に最近はいいところ無し‥‥‥前回なんか、作者の個人的に悪役っぽくなったなと反省してますし。

 今回は久々に、そして今まで以上に二人の場面に力を入れました。

 連載して二年、まだまだ稚拙な文ですが、彼と彼女の関係をきちんと描写できてたらいいなと思います。


──第九話 少年少女、高らかに叫べ──
──親愛距離、遠くて近し──


 「クランチェイン!!」

 

 白スーツにモヒカンの血だらけ男は、クランチェインというエニマリーパーティーから逃げていた。右手にアタッシュケースを、左手にライフル銃を構えている。

 パアアアン!!

 銃弾が男の足下の地面を穿つ。

 

 「チッ、噂のスナイパーか!!」

 

 大通りに出て、男は通行人を押しのけながら逃げ走る。

 銃弾は男を追い、足下や近くの壁を撃ち男の退路を誘導している。

 

 「へっへっへっ‥‥‥けっ、当たらないでやんの!!」

 

 誘導されていることに気がつかず、男は路地裏に逃げ込んだ。銃撃がピタリと止む。

 

 「へっ、いくら高所からの狙撃であっても、この路地裏に逃げ込めば俺は見えず銃弾は当たらない!!」

 

 男は勝ち誇り、だが一旦冷静になる。

 

 (待てよ、スナイパーには確か運び屋の相方がいるらしい‥‥‥)

 

 男はライフル銃を構え、前方に銃口を向けた。

 

 「けっ、まぁいい。目の前を阻むなら一発よ!!」

 

 男の目の前を、エンジン音を立てずに一台の車が路地裏の出口を阻んだ。

 

 「けっ、言ってすぐ釣れたぜ!!」

 

 男はライフル銃を目の前の車の窓ガラスに撃ち込もうとした。

 しかし、行く先を阻んだ車のドアが開き、中から翠色の眼の少女が飛び出した。

 

 「今だ、ロー!!」

 

 運び屋の合図に答え、ローと呼ばれた少女は自身の前方に可変シールドを展開し銃弾を防御する。そしてシールドの隙間から男の肩や足首、首筋をMt・Hg"ベレッタM92"二挺で素早く撃ち抜いた。

 

 「けーーーーーーーーーっ!!」

 

 男は銃撃に倒れ、手からアタッシュケースを離した。

 ローは車から降り、アタッシュケースへと向かう。

 

 「けっ‥‥‥どうやって追いついた‥‥‥!!」

 

「追いつけない、アケヨなら」

 

 ローは身につけた武装類を背中の“Coil up snake”に収納し、アタッシュケースを回収した。

 

 

──「ふう‥‥‥」

 

 鐘のある協会の最上階、そこではカヨウがスナイパーライフルを構えて待機していた。

 

 『アケヨ、ナイス』

 

 左耳に装着した無線機に、ローからの通信が入る。

 

 「ロー先輩‥‥‥‥」

 

 『誘導、よくやった。持ち逃げ野郎、確保』

 

 「ロー先輩‥‥‥‥」

 

 カヨウはスコープから目を離す。申し訳ないと言っている目であり、頭のアホ毛は元気をなくし項垂れていた。

 

 「狙撃‥‥‥‥全て外してしまいました‥‥‥‥」

 

 (えっ、あれ全部当てる気だったの‥‥‥)

 

 ローは、カヨウの真面目さをどえらく思った。

 それと、ローは謝る必要もないのに謝るカヨウを可愛いと思った。

 

 

──「スナイプ実戦お疲れ!」

 

 「アケヨ、任務は誘導、ローガン向かわせる。アケヨの狙撃、問題ない」

 

 レンタルした車の中で、ローは落ち込んでいるアケヨを慰めた。

 

 「初めてのスナイプにしては良かったんじゃねぇか。俺らの所に標的は来たわけだし」

 

 車を運転しているサバイバも、バックミラー越しにカヨウを見ながら彼女を褒める。

 

 「今回は相手も雑魚だったから問題ないぜ。まだ上達してねぇのを気負わなくていい」

 

 「そう、ですか‥‥‥ありがとうございます!」

 

 カヨウは顔を上げた。アホ毛が立ち、表情には笑顔が戻っている。

 

 「そうだぜアッキー、今日はいつもより上手くできたと笑ってな!」

 

 サバイバも快活な笑顔となったが、カヨウの手元を注視する目は困っていた。

 

 (それにしてもなぁ‥‥‥)

 

 今回のように、最近のカヨウは銃器に触れすぎている。アッキーの射撃の腕は確かに上達しており喜ばしい点ではあるが、家出中の少女にとってその成長は如何なものか。

 

 (もし俺の子が、アッキーのようにいつの間にか銃をバンバン撃ってたら‥‥‥撃ってたらああああああああ」

 

 「サバイバさん!?」

 

 サバイバの心の内の嘆きはいつの間にか口に漏れており、カヨウに心配されることとおなった。

 

 「そうだアッキー、ウチに入って数週間経ったし、もう故郷教えてくれね?」

 

 サバイバは疲れた様子でハンドルにもたれかかり、ニヤニヤと笑いながらカヨウに尋ねる。

 

 「えっその‥‥‥そのぅ‥‥‥」

 

 この人達になら自分の出地を言っても受け入れてくれるのではないかとカヨウは思った。

 

 「どうなのよぉその辺。もう教えてくれたっていいんじゃないか」

 

 自分が、空中都市の貴族“スカライズ”であることを言おうかどうか。

 

 「じゃあせめて理由だけでもさ。ま、理由次第じゃあ送り返すがな」

 

 おちゃらけたままのサバイバであったが、この質問は真剣味を帯びていた。

 

 「ア、アケヨ、無理しない」

 

 ローはしどろもどろになりながら、迷っている様子のカヨウのジャケットの袖を握った。

 

 「アケヨの秘密、ローガン、気にしない。あっても‥‥‥仲、悪くない」

 

 顔を猛烈に赤くしながら、ローはカヨウのジャケットの袖を強く握る。

 

 「まぁローはアッキーから離れるの嫌だしなぁ~」

 

 サバイバはニヤニヤしながらローをからかった。

 

 「サバイバ、寂しくない!? アケヨ離れる、嫌じゃない!?」

 

 ローは眼を吊り上げて、サバイバに剣幕を立てた。

 

 「いや、俺は運び屋だしぃ~。帰る所あるんなら送り届けるってのが仕事だし」

 

 サバイバはもたれかかったままハンドルを切った。

 車はスムーズに右の道路に走る。

 

 「で、でも‥‥‥」

 

 「それに離れるってわけじゃねぇだろ? 一度縁が出来たんだ、離れたっていつかまた出会えるさ」

 

 ハンドルから顔をあげ、サバイバは後ろの席にローとカヨウの二人に陽気な笑顔を振り向けた。

 

 「今一緒かどうかじゃねぇ、心で通じ合うってのが仲間なんだぜ!」

 

 「心‥‥‥ですか」

 

 「サバイバ、格好イイ」

 

 「だろう? へへっ」

 

 サバイバは正面に顔を戻す。その時、車の横を通りすぎた犬に彼女は気がついた。

 

 「ちょっと待てっ!! あの犬!! ロー!!」

 

 ローは背中のサブアームに取りつけられているカメラアイで、犬の情報を読み取る。

 

 「一致」

 

 「よし、依頼は受けているし、急いで回収だ!!」

 

 サバイバはハンドルをハンドルを切り、車をターンさせて犬を追った。

 カヨウの故郷に関する話題は、うやむやに流れていった。  

 

 

 

──「ありがとうございます! 報酬はこれだけですが、お食事もご用意したので是非」

 

 「え、いいんですか!?」

 

 依頼人の家に迷い犬を届けたサバイバ一行は、玄関前で奥方に食事を誘われた。

 

 「‥‥‥いえ、俺らエニマリーは報酬が支払われば、それでいいんです。食事なんて

俺らの働きに対価できないものです」

 

 サバイバはチラリと後ろに目線を送った。

 ローもカヨウも、サバイバにコクリと小さく頷いた。

 

 「では、俺らには次の任務が待っているので、この辺りで去らせていただきます」

 

 「そうなの‥‥‥頑張ってくださいね」

 

 奥方は残念だと思い、だが心から応援した。

 

 「えぇ、もし縁があれば、その時はワンちゃんを交えて食事しましょう」

 

 サバイバは快活な笑顔で振り向き、一行を連れて車に戻った。

 

 『サバイバぁ!』

 

 「なんだカーチス? こちとら腹が減ったんで戻ってるぞ」

 

 サバイバは車を停車し、通信端末の画面を起動してカーチスからの連絡に出た。

 

 『ちょうどいい、今ツキカゲも任務を終えたからよ、さっさと町からズラかるぜ!! ハーハッハ!!』

 

 カーチスの笑い声と共に、近くの廃屋で爆発が起きた。

 カヨウは驚き、車の窓を開けて外に身を乗り出した。

 燃える廃屋の中から、赤い血にまみれたツキカゲが、切り刻まれた悪漢を引き摺って現れた。肩には同じく血塗れのWACK・Nが義歯を立ててツキカゲにしがみついている。

 

 「ツキカゲさん‥‥‥」

 

 カヨウは麗しい瞳は、遠くで佇むツキカゲの眼とあった。

 爛々と翠色に灯る瞳と目が合い、カヨウの身体は強張った。

 

 「はいはい、ツッキーを乗せてく」

 

 サバイバは車をバックし、ツキカゲの元へと向かおうとする。

 

 『いらない』

 

 通信に、今度はツキカゲが出た。

 

 『自分で帰る。お前らはアケヨを守ってればいい』

 

 ツキカゲは悪漢を放り投げ、腕に装着した風影駆からワイヤーを射出、建物の屋根に引っかけてのぼり、そのまま走り去った。

 

 「たくっ、便利な移動手段を持ったからって‥‥‥アッキーが寂しがってるぞう」

 

 「はいっ!?」

 

 カヨウは顔を赤くし、すっとんきょうな声をあげた。

 

 「なんでい、その通りだろう?」

 

 「え、えと‥‥‥最近あまり一緒にいる機会はないです‥‥‥夜も皆さんと寝るようになりましたし‥‥‥リプルさんの時以来、話すことも少なくなって」

 

 カヨウはツキカゲのことを思い出す。苛烈で、触れるもの全てを切り裂いたツキカゲを。

 

 「たくっ仲良くなれよなぁ、あのバカは‥‥‥任務にキレがあるのはいいけどさぁ」

 

 「ツキカゲ、いらない! ローガン、いる!」

 

 「えっ、あっ、ハイ、ありがとうございます!」

 

 「‥‥‥こっちもこっちで大丈夫かなー?」

 

 サバイバは呆れてため息をついた。

 そんなとした会話をしているうちに、一同はアームドレイヴンに到着した。

 

 

 

──(ツキカゲさんは強くて‥‥‥私も、もっと力をつけないと!)

 

 アームドレイヴン内にて、カヨウは両拳を握りながら廊下を歩いていた。

 

 (‥‥‥そういえばツキカゲさん、確かに最近は避けられてる気がします?)

 

 頭のなかでは、未だにサバイバの言っていたことが奔流している。

 

 (だって、ツキカゲさんは強いですから。私みたいな弱小に、構っていることなんて)

 

 カヨウは思考と歩行を一旦止めた。

 

 「私は、ツキカゲさんに構われたいのかな」

 

 カヨウは呟き、そして顔をフルフルと横に振った。

 

 「ツキカゲさんと、何か話さなきゃっ」

 

 「なぁツッキー」

 

 カヨウは廊下の突き当たりに隠れた。

 そっと顔を覗かせると、ツキカゲに対しサバイバが腕を組んで話していた。

 

 「人付き合いしねぇのは分かってるけど、アッキーぐらいには構いな」

 

 「‥‥‥お前らの方が仲いいだろうが。アイツのことをフォローし守れてるしな」

 

 サバイバからの忠告に、ツキカゲは煩わしそうな様子で反論した。

 

 「へへへっ。そりゃ、俺らはもう仲間だしな!」

 

 サバイバは快活に笑い、そして真剣な表情になる。

 

 「だがよ、アイツの中身までは完全に分からねぇ。アイツがどこから来たのか、どうして故郷から離れてぇのかも分からねぇ。そういうのを知っているのはお前だけだ」

 

 隠れて聞いているカヨウは、顔を伏せて曇らせた。

 

 「俺達は仲がいい。それだけだぜ。アッキーが何に悩んでるか、それが分かるのは、アイツの依頼を受けているお前だけだぜツッキー。だから、もっと親身になってやんな」

 

 ツキカゲは顔を歪めて伏せた。煩わしいと思っているようにも見え、悩んでいて苦しんでるようであった。

 

 「まぁいい、今度任務があったとき、アッキーをお前につかせる」

 

 「何だと?」

 

 ツキカゲは驚いて顔をあげた。

 

 「アイツだって経験ぐらい積んでるんだ。お前が心配するほど、もう弱くねぇさ」

 

 「俺が、心配‥‥‥だと」

 

 ツキカゲが狼狽した。その様子は、今廊下にいる面々は初めて見たものであり、微かに驚きを感じた。

 

 「あぁ心配してる。アッキーとの生活に慣れて、お前はアイツに臆病になってる」

 

 「何だと!?」

 

 「もう五年もいれば分かるさ、仲間の性格ぐらい」

 

 サバイバは一息つき、ツキカゲの肩を叩いて彼を通り過ぎる。

 

 「お前が俺らを雑兵と見てても、俺はお前を仲間として心配してっからな。それが嫌なら、俺らに思われるような態度は止めな」

 

 最後に一度、サバイバはツキカゲに顔を振り向かした。

 

 「アッキーは優しい娘だ、心配させず悲しませるなよ」

 

 サバイバはツキカゲを諭し歩き去る。

 

 「ん?」

 

 サバイバは、誰かが廊下を走り去る音を聞いた。

 

 「‥‥‥ありゃりゃ、ヤバイか」

 

 サバイバはヘマをしたといううように頭をかいた──

 

 

──「ツキカゲぇ、お前は気が散ってるなぁ。何を考えてる、“戦闘鬼”がよぉ?」

 

 廊下の壁にもたれかかり、苦々しげな表情をしているツキカゲに、カーチスは茶化すように近づいた。

 

 「別に、何も考えてねぇよ」

 

 ツキカゲとカーチスは睨み合った。それは日頃の光景であり、クランチェインのメンバーなら一日に必ず見る争いであった。

 

 「カーチス、何を覗きこんでやがる? 任務があるならさっさと言いやがれ」

 

 「いやいや、何か悩んでるっぽいなぁっと!」

 

 ツキカゲは苛立ち、カーチスはそれを楽しむ。

 普段のペースで喧嘩になるかと思いきや、カーチスはフイッと顔を逸らして歩き去る。

 

 「何だ、今のは」

 

 「何でもねぇだろう? 俺たちのいつも通りじゃねぇか」

 

 カーチスの目線は、部屋にいるであろうカヨウに向けられていた。

 

 「何かあるとしちゃあ、俺たちの仲を邪魔するお転婆1人っ娘だなぁ」──

 

 

 

──ツキカゲとサバイバの会話を聞き、カヨウはしどろもどろな気持ちとなっていた。

 

 「アケヨちゃん、最近どうだい調子はよぉ。ただの依頼人が、任務に出まくって戦果あげてよぉ」

 

 その口調は、日頃ツキカゲを茶化し、喧嘩に持ち込むときのものであった。

 

 「おぉっと悲しい顔をするなって、俺はそこを責めてるわけじゃないんだ、戦果あげてるのは結構」

 

 カーチスは手をあげ、警戒するカヨウを宥めた。

 

 「俺が言いたいのはねぇ、アケヨちゃん。そろそろツキカゲが受けた任務を終わらせろや」

 

 カーチスは笑みを浮かべるのを保ったまま、カヨウを攻撃するように威圧した。

 

 「任務を終えてこそ傭兵だ、アイツに駄々こねて掴まってんじゃねぇぞ」

 

 かつてネコ回収の時、カヨウがカーチスと口論した時の状況が思い返される。

 

 「ツキカゲには戦場があればいいんだよ、お前みてぇな女の存在はアイツの邪魔だ」

 

 「ツ、ツキカゲさんは!」

 

 「シー・バルバス以来、お前がツキカゲの何を知った!? 知ってるのは、アイツが戦狂いなだけだろうが!! アムドゥスキアスでもそうだ、あれがアイツの本性だ!! リプルを斬ったアイツは、相手の事情に構わず勝つために斬れるのさ」

 

 カーチスは刺々しい言葉でカヨウを何度も突き刺し、言い終えたのか彼女の前を通り過ぎる。

 

 「アイツの側にいるのは俺だけだからよぉ。俺は戦場が大好きだ、アイツと同じになぁ」

 

 カーチスは最後にカヨウに顔を振り向かした。目は赤くなっており、燃える地獄のような暗さを感じ取れるものだった。

 

 「なぁアケヨちゃん、アレはお前には合わねぇんだ! 俺だ、俺だけだ! ツキカゲの隣にいていいのさ」──

 

 

──昼時、クランチェインの一同はグレイお手製のサンドイッチを食していた。サンドイッチ内のピリリと辛いソースと固めの肉が、脳を噛み応えと共に刺激する。その味覚はカヨウの内にある心暗さをも刺激した。

 

 「‥‥‥ツキカゲさん」

 

 カヨウはボソッと小さく呟くようにツキカゲを呼んでみた。彼はサンドイッチを食べ終わっていた。、

 ツキカゲは無言で眼だけを向ける。カヨウは彼の鋭く端整な横顔と流し目に、照れた表情が更に気恥ずかしさで燃えるように赤くなる。

 

 「えと、こ、今度‥‥‥よろしければ、私とその‥‥‥一緒に‥‥‥」

 

 カヨウの横ではサバイバが応援するかのように拳を握っていた。

 ローは、何故か悔しいような嫉妬するような応援したいような、色んな感情に葛藤しておりケバブを噛みちぎっていた。WACK・Nも同様に、ミルクを苛立たしげにペロペロと舐めていた。

 

 「さて皆、これから忙しくなるぜぇ!!」

 

 そんな最中、カーチスは指を鳴らしてホログラムを開き注目を集めさせる。

 

 「どうしてかって? ここに止まるからさ!!」

 

 「‥‥‥チッ」

 

 ツキカゲはホログラムの地図上に写し出された地名を見て顔をしかめた。

 サバイバも既に疲れたという風に気だるげに肩を伸ばし、ローはいつも以上に冷めた表情となる。

 グレイは微笑んでいた。だが地図を見ようとしない。

 カヨウも、地名に思い当たる節があった。

 

 

──頬に写るそこは、至るところが廃墟であった。

 かつて人が住んでいた町であり、今は無人となったボロボロの建物群。

 様式美のある壁の造形はかつて栄えていた町だというのが感じられる。

 カヨウは町の光景を目にし、心まで寒くなるような退廃的な町並みに既視感を抱いた。

 アムドゥスキアス、あるいはスカイカントリーに似た思い、そしてそれらが失われたという悲しさをカヨウは抱いた──

 

 "元第1都市直轄管理下現無統制区域、エー・ヴァサゴ"

 かつて地表と天を繋いだ町跡。

 それが、この無法地帯の名であった──

 

 「皆さんなら知ってるよなぁ。かつてスカライズと貿易を結んでいたとされる町。しかぁし10年前の“血の握手事件”以降、スカライズはこの町を捨てると共に地表との直接貿易を中止してしまった、いわば原罪的な無法地帯!!」

 

 カーチスは嘲笑しながらホログラム上の地図を親指で指した。

 

 「カーチス、いよいよ頭が腐りきったか? 俺らがこの町に因縁のあるぐらい、責任者のテメェならわ分かるだろうが」

 

 サバイバは怒りを込めてカーチスを睨んだ。カヨウはサバイバの手が恐れるように震えているのに気がついた。

 

 「因縁があるからどーした? ちょうどこの町にお得意さんがいるんだ、傭兵なら場所問わず任務を遂行するものだぜ」

 

 カーチスは嘲笑を崩さずサバイバに反論した。

 

 「あー、だが行きたくねぇなら行かなくたっていいぜ? 俺も無理強いはしねぇ。今回ある任務はツキカゲ一人でも遂行できるレベルだしな」

 

 「‥‥‥それなんだが、カーチス」

 

 ツキカゲが手をあげ、意見を申し出た。

 ツキカゲは普段自分から発言しないため、カーチスも目を開くほど驚く行動であった。

 

 「おいおいどーしたツキカゲぇ、お前も行きたくねぇってか?」

 

 「俺宛てに任務があるんだったら‥‥‥アケヨをサポートに連れていく」

 

 そして、その発言内容もまた、カーチスを驚かすものであった。

 

 「は、おい? おいおい? 何、お前から誰か人を連れてくだって、えっ!?」

 

 狼狽し始めたカーチスを見て、辛そうな表情であったグレイは微笑みを戻してきた。

 

 「いいんじゃない? ツキカゲ君とアケヨちゃんが一番仲は悪くなさそうだし~ローちゃん達は無理でしょ?」

 ローはそっぽを向き、誰にも表情を見られないようにした。

 

 「決まりね、カーチス。初めての共同任務、頑張ってね~」

 

 カーチスは笑みを何とか保ちながらも、目だけはツキカゲとカヨウを睨んでいた。

 二人は、それぞれ互いと瞳を合わせず、アームドレイヴン着陸までどこか気まずそうな様子のままであった。

 

 

──カヨウとツキカゲは廃墟である町を共に歩く。

 先程カヨウから提案した通り二人で行動することになり、カヨウは久しぶりの同伴に心が浮き立ちそうになると同時に、町のアングラな雰囲気に身が引き締まる。

 

 「ヴァサゴ‥‥‥地表が悪逆非道だと示した地表の代表都市」

 「そうか‥‥‥アンタらの所では、そうなっているのか」

 

 ツキカゲはカヨウを隣に連れて歩く。サングラスをかけており、色のない瞳を隠していた。普段外出する時の衣装であり、翠晶眼であることは隠せても彼の持つ威圧と警戒心は際立っていた。

 

 「おい、アンタ」

 

 ツキカゲはサングラスの奥の眼をカヨウに向けず、歩くままカヨウに声をかけた。

 

 「はい!」

 

ツキカゲに呼ばれ、カヨウは思わず声をあげ緊張した。

 

 「ああっとな‥‥‥何だ。最近はどうなんだ?」

 

 ツキカゲはそれとなく自然に尋ねることを心がけた。

 

 「最近ですか? えっと、ロー先輩から銃器の取り扱い方を、サバイバさんから整備技術を学んでいます」

 

 「あぁ、そうか‥‥‥仲いいしな」

 

 ツキカゲはサングラスの奥の眼を細め、隣で歩くカヨウとは反対方向に頭を傾けた。

 別にカヨウに苛立ったのではない、ただカヨウから無意識に離れたくなった。

 

 「あ、あとワクさんも元気です! 最近はサバイバさんも許して、レイヴン内を散歩させています!」

 

 頬を紅潮させながら、カヨウは微笑んだ。ローがいたならば、その愛らしい微笑みに倒れていただろう。

 

 「頂いた報酬で食事をさせることもできています。最近はそのことが嬉しくて、こうして働けるのは嬉しいんだなって」

 

 「そうか、上手くやれてんだな」

 

 ツキカゲは無意識にカヨウから離れて歩いていた。

 カヨウはそれに気づき、少しだけツキカゲに近づいた。

 

 「で、ですがその‥‥‥私は上流なのを隠しているので‥‥‥あの人達に何でも話せるわけではないです‥‥‥どうしても、一歩踏めない関係のようで、あの方達に申し訳なく」

 

 「言っとくが、バラすんじゃねぇぞ」

 

 ツキカゲはカヨウを見下ろして忠告した。

 カヨウは、上から刃物が振り落とされるような感覚に陥った。

 

 「はわわわ‥‥‥分かっています。私も、知られたくないです‥‥‥」

 

 カヨウはおどおどと、ツキカゲを見上げたまま目を離さない。

 

 「あの‥‥‥ツキカゲさんは、私のことは分かるでしょうか」

 

 「こと?」

 

 「え、えと! ツキカゲさんは、私の故郷を唯一知っているので‥‥‥」

 

 「あぁ、それ以外は知らねぇがな。知ろうとも思わん」

 

  ツキカゲはそっぽを向き、カヨウの悲し気な表情から眼を逸らした。

 

 「いいか、アンタは俺の依頼者だ。アンタは貴族で、俺は傭兵だ。その関係でアンタの故郷を知ってるだけだ」

 

 カヨウを向かないままツキカゲは忠告を続ける

 

 「‥‥‥俺なんかと、繋がりなんて保つんじゃねぇ」

 

 そう言ったツキカゲは、少し憂いのある口調であった。その時の表情をカヨウは見れなかった。

 カヨウは思わず止まり、落ち込んで地に尻をつきそうになった。

 

 「それは‥‥‥私がアナタより上ということでしょうか?」

 

 だがカヨウは止まらなかった。ここで止まってしまったら、ツキカゲと話せないと思ったが故。

 

 「い、今は私も傭兵です!! アナタと対等なハズです!! なので、ツキカゲさんのこと、もっと知っていきたいです」

 

 目をきつく閉じ、精一杯声をあげて離れるツキカゲに寄ろうとしたカヨウは、しかし息をつくと顔が一瞬で恥かし気に赤くなった。

 

 「す,すみません! 何を言ってるんですかね、私‥‥‥」

 

カヨウはあたふたと手を振って言い訳をした。

 ツキカゲがようやくカヨウに顔を向けた。

 「対等じゃねぇよ」

 

 その表情は、戦場での磨がれた太刀のような鋭さあった。

 

 「アンタは、俺より弱い」

 

 ツキカゲは野獣のごとき威圧を発する。サングラスの奥の眼は、爛々と翠色に灯っていた。

 

 「俺は何とも同じじゃねぇ、何よりも強い‥‥‥戦闘鬼だ」

 

 太刀を振るような力ある断言をしたツキカゲに、カヨウは気圧され身体が震えた。

 

 「だからアンタは、俺と一緒にはなれねぇんだよ」

 

 「うっ‥‥‥うん、それでもついていきます!」

 

 カヨウはツキカゲの隣にぴったりとついた。自分で思っている以上に、今日はツキカゲの隣に出来るだけいたかった。

 ツキカゲは眼を細める。彼はいつものぶっきらぼう面で人には読めぬ表情が、ツキカゲはカヨウのことを内心驚いていた。任務を幾つか受けたせいか、初めて会ったときより堂々としてきてるように感じる。

 

 (初めて‥‥‥か)

 

 初めて会ったときのカヨウは弱々しく、魑魅魍魎悪逆蔓延る地表では、1日も生きられぬであろう儚き小動物のような女だとツキカゲは思っていた。

 そんなカヨウは、傭兵用のジャケットで身分を隠し、髪は短くなってアクティブな見た目になり、太股には拳銃のホルスターを装備している。

 初めて会ったときのカヨウよりは、確実に強くなっているだろ。

 

 このまま、傭兵として生きるのはどうなのか?

 

 「‥‥‥ツキカゲさん、アレは?」

 

 カヨウは立ち止まり、ツキカゲも彼女を置いてくわけにはいかず立ち止まった。

 二人の前では、一組の家族を兵士らしき不良五人が取り囲んでいた。

 不良達は罵声を飛ばしながら、家族の持つ林檎を入れた籠を蹴り飛ばし、父であろう人物に詰め寄っていた。

 

 「アレは!? ただ事ではないです!」

 

 「止まれ、アケヨ」

 

 カヨウは一歩踏み出し、太股のホルスターに手を添えた。

 その構えを、ツキカゲは静止する。

 

 「ツキカゲさん!? このままでは!」

 

 「止めるっていう任務を俺らは受けたか?」

 

 カヨウは止まった。ホルスターに添えた手がダラリと落ちる。

 

 「いいか、あんなのは常日頃の事だ。大方立ち退きを命じられたんだろ、立ち向かわねぇ弱者が悪い」

 

 「そ、そんなの!」

 

 「そんな弱者の為に、わざわざ力を振るうつもりか?」

 

 カヨウはハッとしたように顔を蒼白させた。

 

 「アンタ勝手に動くのは構わねぇ。アンタは力を持ったからな。だが、無差別に力を出したいんだったら止めておけ」

 

 「っ‥‥‥ツキカゲさん、私は行きます!!」

 

 ホルスターから拳銃を抜き、カヨウは両手でコルトガバメントを構えた。その動きには無駄がなく、彼女が訓練を積んだことで得た技術というのが一目で分かるものであった。

 そのままカヨウが立ち向かおうと走る時、傍らに幼い少年が泣いて立っていることに気がついた。手には林檎を入れた箱を持っている。

 少年はカヨウを見上げ、なお恐怖して泣く。

 

 「お姉ちゃんも、苛めるの?」

 

 その言葉にカヨウは呆然とし、銃を構えたまま下におろし立ち止まった。

 

 「わ、私は、」

 

 カヨウは答えられなかった。力を手にし、これから成敗をしようとする自分は、あの兵士達とどう違っているのだろう?

 

 「私は‥‥‥私は」

 

 「おい、ガキ」

 

 惑い始めたカヨウを背に回し、ツキカゲは少年を見下ろして前に立つ。

 

 「林檎二個、あとで寄越せ」

 

 「ふぇっ?」

 

 少年は驚いて涙を引っ込め、おずおずとしながらコクリと頷いた。

 

 「任務、開始」

 

 少年の頷きを確認し、ツキカゲは迅速に駆け抜けた。

 

 

 

──「いいからシャバ代だ!! どれだけ延滞してると分かってるんだ!!」

 

 「ヒィッ、お願いです、このままでは生きられず」

 

 「だったら店の商品全て差し出して死ね!! 生きても意味ねぇ虫けらが」

 

 ツキカゲは疾駆する先、標的に捉えた兵士の顎を不意打ちに鞘の先で殴った。

 

 「グバァッ!?」

 

兵士の顎が砕け、血ヘドを流した。

 

 「何だテメェッ!?」

 

 兵士達は拳銃を抜く。そのうち一人はツキカゲが力強く蹴り飛ばした不良にぶつかり拳銃を落とした。

 

 「何だ、“会”の連中か!?」

 

 残りの兵士達がツキカゲに発砲も、ツキカゲは屈みこんで銃弾を回避する。同時に鞘を振って飛ばし、納められた“ヤギュウ”の刀身を露にした。

 

 「ニノ術“影払イ”」

 

 ツキカゲは回りながら起き上がる。

 “ヤギュウ”が舞い、刀身の煌めきがツキカゲの周りを走る。

 そしてツキカゲが一呼吸起き、兵士達の内ツキカゲを囲んだ三人の足、指、肩と首が切り刻まれた。

 

 「あぁぁぁ!!」

 

 「あ、ああああ!!」

 

 「や、止めてくれ!!」

 起き上がった兵士に“ヤギュウ”の鋒を向け、ツキカゲは無言で鋭く威嚇した。

 

 「ひ、ひぃぃぃぃぃぃ!!」

 

 圧倒するツキカゲに何も言えず、兵士達は足を引きずって退散した。

 

 「だ、大丈夫ですか!?」

 

 カヨウが倒れている家族に駆け寄った。

 

 「よ、良かった!! 憲兵達にイチャモンをつけられていて」

 

 「もう安心してください!! 私達が」

 

 「そしたらこの男が乱入して!! エメリスタリーだろ!? 次は俺たちが襲われる!!」

 

「えっ、いや」

 

 カヨウは一瞬顔を悔しく歪ませた。彼ら家族はツキカゲも不良兵士と同等だと見ていたのだ。

 

 「違うんです! ツキカゲ‥‥‥さん?」

 

 ツキカゲは荒らした場を既に歩き去っていた。

 翠色に灯っていた眼の前には、少年が震えながらツキカゲに林檎を二個差し出していた。

 

 「報酬だ、貰うぞ」

 

 ツキカゲが林檎を受け取ったとき、少年はツキカゲを見上げた。

 

 「えっと‥‥‥ありがとう‥‥‥」

 

 ツキカゲは一瞬立ち止まり、間を開けてカヨウに翠色の眼を向けた。

 

 「行くぞ、アケヨ!!」

 

 「は、はい!」

 

 カヨウはコルトガバメントをホルスターに納め、ツキカゲへと走った。

 すれ違いに、箱を抱えた少年が家族へと走り、お互いの無事に安堵した。

  

 

──「ほう、相変わらず強気なガキだ」

 

 鉄塔の上から、長身痩駆壮年の男性がツキカゲの立ち回りを見ていた。黒染めのコートを着込み、長大な刀身の薙刀を背負っている。

 

 「依頼主の軍が倒された。ならば、逆らった者には制裁をせねば沽券にかかる。マスター、我々は出陣するべきでしょうか」

 

 側には、短槍2本を背負う騎士めいた外観の者が、マスターと呼んだ男性に指示を仰いだ。

 

 「フロウ、私たちの任務は防衛だ」

 

 マスターは薙刀を構えた。フロウと呼ばれた騎士めいた人物も、彼にならって2本の短槍を抜いた。

 

 「ならばアレは侵略行為。私たちは、依頼主に危害をくわえる野獣を処分するのです」

 

 「ハイサッ、マスター」

 

 フロウは戦意で心を固めた。

 その身の周りは、翠色の粒子が舞っていた──

 

 

──「うっ‥‥‥ぅうっ‥‥‥」

 

 アームドレイヴンの看護室にて、グレイは必死に吐き気を抑えている。

 

 「うっ‥‥‥ううっ! カーチス、もう離れたい‥‥‥」

 

 「我慢しろグレイちゃん、任務があるんだ、アイツらに任せて待つのみだ。それまでしばらく堪えてな」

 

 「‥‥‥ツキカゲとアケヨちゃんを、どうするつもり?」

 

 カーチスはグレイから離れ、喘ぐ彼女の顔から目を離した。

 

 「二人に分かせるんだよ、テメェらは相容れねぇって」

 

 カーチスの笑みは、二人を蔑み嫉妬しているようであった。

 

 「戦闘鬼に偽善者な嬢ちゃん‥‥‥何で繋がったか知らねぇが、崩れるには早くねぇ」

 

 グレイは吐くのを忘れ、カーチスに見惚れた。

 

 「ちょうどこの町みてぇにな‥‥‥地表とスカライズ、絶対的に好きにはなれねぇよ」

 

 

──「‥‥‥何だ?」

 

 「い、いえ! その、先程は、私の代わりに、あ、あ、」

 

 カヨウはツキカゲの顔を見つめたまま、どもりながらも言葉を続けようとする。

 ツキカゲの眼は、既に光がなかった。

 

 「ありがとうございます!! ツキカゲさん、強くて素敵でした!!」

 

 「あのなぁ、そういうこと言ってんじゃねぇぞ‥‥‥次言ったら置いてく」

 

 ツキカゲはそっぽを向き、歩みを止めずカヨウから離れようとした。

 カヨウはそんなツキカゲに、必死に追いつこうとする。

 

 「アケヨ‥‥‥いや、カヨウ」

 

 追いついたカヨウを見ずに、彼女の本名を呼んだ。

 

 「手前勝手に動くのは構わねぇ。だがな、それは手前がどう思われようが構わねぇっていう覚悟だ」

 

 本名で呼ばれ、そして冷静に結果を受け入れているツキカゲに、カヨウはポーッと見つめるしかなかった。

 

 「俺ら傭兵はイイように見られない。人に嫌われたくないなら、俺ら傭兵から離れるんだな」

 

 

──カヨウはあの時見ていた。

 少年に感謝されたときの、ツキカゲの虚を突かれたようなキョトンとした、予想外で驚いた表情は、カヨウが今まで見たことのないツキカゲの表情であった──

 

 「離れたくないです」

 

 カヨウは立ち止まった。

 

 「ここまで来て、どうして傭兵に固執するんだ?」

 

 ツキカゲも立ち止まり、苛立たしげに振り返った。

 

 「もっと、近づきたいからです」

 

 カヨウの顔はいつも以上に赤く、彼に必死になっていた。

 ツキカゲの眼が、また一瞬虚を突かれたように開いた

 

 「私は、ツキカゲさん、貴方に近づきたいです!」

 

 カヨウの一言はツキカゲの心を揺らし、そして彼女自身も思わず出た一言に羞恥し、湯気が出そうな程に顔を真っ赤にした──




 いかがだったでしょうか。 特にラスト、ここで切るのかと私自身は問題かなと思っています。これ以上他にラストを思いつけない程ネタ切れな私が悲しい‥‥‥

 このラストですから、来週はツキカゲからも心情を言わせます。
 それに関してですが、読者からの今までのツキカゲの印象で出し方を調整したいとおもっています。

 そんなこんなで、最近筆がノッてきましたので、今週にまた投稿したいと思います。
お楽しみに!

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