魔法科高校の幻想紡義 -旧-   作:空之風

62 / 62
改訂版の公開と、旧版(本作)のチラ裏移動について

作者の空之風です。

 

大変長らくお待たせして、申し訳ありませんでした。

 

今回、改訂版を新規にて作成、公開致しました。

 

http://novel.syosetu.org/73722/

 

ついては旧版、つまり本作はチラシ裏に移動させて頂きました。

 

旧版は更新停止、今後は改訂版を更新していきます。

 

本来は本作を改訂していく予定でしたが、設定変更なども多々あり、改訂前と改定後が一緒だと読者も作者も(オイ)混乱すると判断したため、新規にて投稿させて頂きます。

 

これまで多くのご評価やご感想を頂き、本当にありがとうございました。

 

特に高評価を頂いている本作をチラ裏に移動させるのにはかなり葛藤がありましたが……。

 

今は寧ろ前向きに、心機一転の気持ちで改訂版の更新に励みたいと思います。

 

今後とも、改訂版の方にてよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

さて、文字数もだいぶ余りましたので、ちょっとしたネタをこのまま投稿

します。

 

「魔法科高校の劣等生」第18巻のラストを見て、きっと誰もが思いついたネタです(ぇ

 

やっつけネタですが、どうぞ――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間主義者達が持っているアンティナイトの影響で、水波が苦悶の声をあげて展開している魔法障壁が揺らぐ。

 

「悔い改めよ!」

 

「天罰!」

 

動揺する深雪達に、“魔女”を害さんと手が全方位から人間主義者達の手が伸びて――。

 

 

 

「待ちなさい」

 

ひどく悲しげな声が、皆の耳に届いた。

 

 

「何者、だ……」

 

人間主義者のリーダーは振り返って……言葉を失った。

 

振り返った先には、二人の成人男性が佇んでいた。

 

それだけならば、言葉を失ったりはしない。

 

リーダーを、そして深雪達を含めた全員を絶句させたのは、二人のうち一人が“後光”を放っていたからだ。

 

「迷える子羊達よ」

 

格好は市販の冬服にジーンズという至って普通の格好なのに後光が差している成人(?)は、穏やかに人間主義者達に話しかけた。

 

「父は全てを造られた後、この地を人の子に託した。そこにあるもの全ては父が許したもの。彼女達の魔法も、父によって許されたものなのです」

 

「な、何を……」

 

「もう一度、あなた達が手を伸ばした相手を見てみなさい」

 

成人、というか聖人の言葉に、人間主義者達は改めて深雪達を見た。

 

「そこに悪魔はいません」

 

そこで聖人は何故か情報端末を操作して、何かを確認した後に告げた。

 

「本物のルシファーは、今は臨海公園でサッカーしています。SNSの投稿時間が十分前なので間違いありません」

 

「いやイエス、そこは教えなくていいんじゃないかな」

 

二人の遣り取りを聞きながら、深雪達はどうしていいのかわからず困惑していた。

 

(えっと、これは助けてもらっているの、かしら?)

 

(きっと、そうだと思いますけど……)

 

小声で会話を交わす深雪達。

 

そこに、遂に本家本元の『言葉』が降臨した。

 

「子羊達よ――悔い改めよ」

 

瞬間、後光が更に増して、人間主義者達を照らした。

 

「お、おおぉぉ……!」

 

聖なる光によって、彼等の目から負の感情が浄化されていく。

 

「主よ、私が間違っておりました!」

 

そして、一斉に膝を付いて両手を組み、懺悔を始めた。

 

「え、ええ……?」

 

「精神干渉魔法……じゃないよね?」

 

「というより、魔法は使ってないと思います……」

 

彼女達の感覚は正しい。

 

これは魔法ではなく、奇跡なのだから。

 

……普通はそっちの方がおかしいが。

 

 

 

その後、人間主義者達は深雪達に深々と謝罪した後に帰っていった。

 

やたらと済んだ目をして、清々しく帰っていったのが非常に気になるが。

 

「イエス」

 

「ごめんねブッタ、世紀末前の最後の休暇なのに」

 

「いや平気だよイエス。寧ろイエスらしくて安心したよ」

 

「うん、それじゃあ行こうか」

 

「あ、あの!」

 

背を向けて立ち去ろうとした二人に、深雪が声を掛けた。

 

「助けて頂いてありがとうございます」

 

「えっと、ありがとうございます」

 

それぞれが感謝を告げると、イエスと呼ばれた聖人が罰の悪い顔を浮かべた。

 

「いやいや、寧ろ私の方こそ謝らなくては、彼等はただ私の教えを……うぅ」

 

「イエス! 聖痕が開いているから!」

 

「あ、頭から血が流れています! 何処かお怪我でも!?」

 

「い、いえ、本当に大丈夫なので! 行こうイエス!」

 

「あ――!」

 

深雪が止める間も無く、二人はそそくさと立ち去っていった。

 

「一体、何だったのかしら……」

 

「さあ、わかりかねます」

 

二人は通りすがりのイエス・キリストとブッタである。

 

……そんな答えが、深雪達にわかるはずも無かった。

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告