アタシの彼?はマジ鬼畜だ
幼い頃からなぜか自転車が苦手で更に輪を掛けて二人のりが怖くて嫌いだ
おバカな私は回るタイヤを見てると吸い込まれそうな気がしてホントに巻き込まれて怪我こそなかったけど大泣きした経歴の持ち主だ
お陰で今でも自転車は苦手なままであるが気にすまい
勿論それはアイツも知っている
何しろ嫌がる私に
『うっせぶす、さっさと乗れっ!』
っとほざいて私のトラウマを産み出してくれた張本人なんだからさ
まぁその辺りはアイツのお母さんにブス発言も含めてきっちりみっちりたっぷりとお説教されてるから私があえて言うこともなければ同情の必要もない
強いてかける言葉かあるとするのならざまぁみろだ
ふんっ、ホントの事だからって言って良いことの区別くらいつけろ…
アンタにだけは言ってほしくないんだからさ
確かにがさつで無神経の代名詞、アホの子の代表選手みたく言われてるけど神経無い訳じゃない
アタシだって惚れた男の前じゃ可愛い女でいたい…
「っぎゃー~っ!」
乙女らしかぬ絶叫をあげている私は苦手な絶叫マシンに乗せられて生死をさ迷う思いで帰りの時を待っている
早く帰りたいと願いながら
『…』
返事がない、ただの邪魔くさい屍のようだった
はい、今の私は魂がお留守のようですね
帰宅予定は聞いてませんけどまぁお気になさらずに
「全く…絶叫マシン苦手なくせに無理しちゃってバカじゃねえよ、バカ…」
そう言われた私は
「そんな今更なことを…」
そう今更だ…アタシだって好き好んで乗ってない
頭弱くて運動もダメ…
おまけにたいして可愛くもないアタシはいつだってアンタに捨てられる恐怖に怯えてる
おんなしガッコ通ってるけど工業科にいるから機械音痴で特に理数系がダメなアタシは一緒のクラスには慣れないし学校じゃ男友達優先で殆んど構ってくれない
仕方無い…アタシなんかその程度の存在にすぎないんだから
頭も顔もそこそこ良くてスポーツが得意なアイツはがっこの人気者
だから誕生日のプレゼントやバレンタインのチョコはがっこじゃ渡さないし高校に入ってからは私から話し掛けた事はない
そしてついにその恐れていた時がきた
がっこじゃ人気者の娘が修了式の日にコクったらしいって話を聞いた
だからこれがアイツとの最後のデートなんだろう…
まぁデートなんだっても一対一はなくてダブルデートだったり皆と出掛けたりとかなんだけどね
そして…帰り道の今、アイツの背中にしがみついてる
スピードが出る分自転車より恐いから
この絵面だけなら昔と変わりない…
いよいよアタシの部屋に着いてお別れの時だ…だからせめて最後くらいはきっちりしめなきゃ
「今までアリガト、もうムリしてアタシなんか構わなくて良いからね」
そう言って部屋に駆け込もうとする私の腕をつかみ
「なにバカ言ってんだよ?今日はお前の誕生日だろうが?工場の皆も待っているし俺も…俺達未だ高校生だし俺は未だ18になってないから未だ結婚は無理だけど…高校出たら結婚してくれっ!」
そう言って指輪を渡されて呆然とするアタシに
「な、なんだよ?俺じゃ不満かよ?」
そう言われた私がふるふる首を降り
「あ、アタシとアンタじゃ釣り合わない……がっこじゃ人気者のアンタと影の薄いアタシなんかじゃ釣り合うわけないじやんっ!」
そう小さく叫ぶと
「お前の魅力がわからない奴等なんか放っておけよ、少なくとも工場のおっちゃん達や俺が仲間だって認めた奴等はお前の事、わかってる
特にサチ先輩とアキ先輩なんかトモを泣かせんじゃないよっ!
と、まで言われてるん…お、おいなに泣いてんだよ?こんなとこ二人に見られたら…」
「見られたらなんだって?」
そう言われたアイツが真っ青な顔をしてるのをニヤニヤしながら
「まぁ、嬉し涙みたいだから今日は問題ないから安心しな、トモ皆待ってるから早く来なよ?主役の登場を待ってるんだからさ」
そう言って母家に戻る二人の先輩達を呆然見送ってたら
「返事聞かせてくれるか」
我に返ったアイツに聞かれたアタシは俯いて
「あ、アタシでよければお嫁さんにしてください…貴方のお嫁さんになるのが小さい頃からの夢でした…」
そう答えてアタシはアイツの胸に飛び込んだ…大勢のギャラリーに覗きみられてるとも知らずに…
勿論その後アタシ達は皆から散々弄られたのは言うまでも無いこと
短編集第二団です、予想外にたくさんの人が見てくれた一作目感謝です…アリガトです