※どうしてこうなったかは、前の閑話休題「大倶利伽羅と乱籐四郎」をお読みください(^^;)
……
「うわーー…可愛いー!」
3代目が思わず声を上げた。2代目は仏頂面で「やめろ」と言った。その隣で4代目も目を見張っている。
乱が「最高傑作!」と言いながら、2代目の髪を綺麗に整えた。
「ほんと、可愛いぞ。2代目君!」
乱がそう言って、2代目に鏡を向けた。
「!!」
2代目が目を見張り、「え?これ俺?」と言った。
「そうだよ。なかなかのもんだろ?」
「もっと、化け物みたいになると思ってた。」
2代目が、自分の顔をまじまじと見ながら言った。
「化け物って。」
4代目が笑った。3代目が「こっち向いて!こっち!」と、2代目の肩に手を乗せた。
2代目が向いた。
「まじ、めっちゃ、可愛いーー!」
「倶利伽羅っ!」
乱が怒ったように立ち上がり、3代目の顔を両手で挟んで「あなたの恋人はこっち!」と言った。
「ふぁい。ごめんなひゃい。」
3代目が謝った。2代目4代目が笑った。
乱が「そうだっ!」っと、3代目の顔から手を離して言った。
「お前達、踊ったらどうだ!」
「え?」
「3人で踊るんだよ!そうだな、2代目真ん中にして、お前達がバックダンサーな。」
「ちょ、ちょっと、俺も?」
4代目がうろたえたように言った。
「もちろんだ!やるからには、完璧にやらなきゃ!」
「おい、乱。俺達にも女装しろって言うのか?」
「お前達は、ホストだ!」
「ホスト?」
「そうだ!よしっ!何かいい動画探して来てやる!」
乱の暴走に、3人は逆らえず黙ってうなずいていた。
……
結局、3人で踊らされる羽目になったが、乱のスパルタ教育のおかげで、かなりのレベルの高いダンスを披露できた。
「これ…鬼ごっこよりきついな。」
ホストの格好をした3代目が、宴会場の隣の部屋で座り込み、息を切らしながら言った。4代目も同じホスト姿で座り込んで、うなずいている。
2代目が「やっと終わったー!」と、女装のまま大の字に寝転んだ。
3代目が、笑いながら言った。
「まさかビデオまで撮られるとは。」
「あれ、ずっと残るんだよな。消されるまで。」
「うん。俺達が死んでもな。」
「うわー。なんか恥ずかしい!」
「お前達はいいよ!俺なんて、女装したのが残るんだぞ!」
2代目が飛び起きて言った。3、4代目が顔を見合わせて笑った。
「それは、確かに嫌だな。」
「消せないか?長谷部さんが酔っ払ってる間に、カメラ奪って。」
「主に見せるって言ってたからなぁ。主も楽しみにしてるって言ってたらしいし。」
「…消せないか…」
「2代目あきらめろ。」
3代目の言葉に、2代目はがっくりと肩を落とした。
……
どんなだったかは、ご想像にお任せいたします(無責任)