生徒会の雑務   作:炎の妖精

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なんとか3分割目でこの話は終了。


お仕事しないで駄弁る生徒会3

「さっきの紅葉先輩とお姉ちゃんの会話で思ったのですけど……杉崎先輩とお兄ちゃんって成績優秀者なんですよね?」

 

あぁ、その話続けんのね。俺が勉強出来るのは知ってる真冬だったが、杉崎も普段の言動行動からして勉強できる奴だとは思わんだろう。

それと優良枠とはさっき話したと思うが、人気投票とは別の方法で生徒会に入れるシステムとはこれのことだ。

わかりやすくいうと、学年末の試験で成績がトップの学生を指す。その学生は任意で生徒会に入ることができる。今年は俺と杉崎が同立トップだった。杉崎はもちろん、即返答で生徒会に入ったがさっきの回想で先生にも言ったが、俺は初めは断った。

このシステムは見てくれだけじゃなくて、中身も優秀な人物を獲得するために取り入れたらしいが、俺のように勉強が出来るやつが普通美少女だらけの生徒会なんて入らないだろ。周りに異性しかいないのに、その中に飛び込むのってかなり精神力がいると思うだよな。

良く、美女だらけの女子校に男のやつが入学したいとかっていう設定あるじゃん。想像してみろ。基本趣味の合うやつはほとんどいないだろうし、女子しかいないわけだから環境も考え方も違うんだぜ?出だしが良けりゃ問題ないかもしれんが、失敗したら肩身の狭い思いをして学園生活を送らないといけないんだからな。

そういう意味では杉崎は凄いとは思うんだが……

 

「成績優秀ってか、たまたま学年末の試験でトップだったってだけだぞ俺は」

 

「ユーウ?それはあたしに対する嫌味か?」

 

「さぁな。深夏がそう思ってるんだったらそうなんじゃねーの?深夏の中では」

 

「……今度は負けねーからなっ!!」

 

下唇を噛み、悔しそうにそう宣言する深夏。深夏の発言からわかるかもしれんが、俺と深夏は前回学年末の試験で総合点数が高いか勝負をしていた。深夏が敗者は出来る範囲で何でも勝者に従う!というなんとも深夏らしい言い回しをして、勝負を吹っかけてきた。このやり取りをLHR中で担任がそろそろ試験だから勉強しとけよ!なんて、激を飛ばしてる中で宣言していたわけで……クラス全員が俺たちに視線が集まってたな。

男子たちの視線が突き刺ささり、似非超能力者からはその勝負俺に受けさせろとかテレパシー送ってきたし。

……お前じゃ深夏よりも成績悪いのは明らかなんだけどな。

あ、勝ったのはもちろん俺だったので深夏には今度俺の好きそうな本を買って来いとパシリの司令を出した。

それなりに難易度が高いのは当然だ。だって喧嘩吹っかけて負けたの深夏だし。

でもまぁ、長い付き合いである深夏からしたらそうでもないのかもな。俺がだいたいどんな本でも読むってことを知ってるわけだし。

だというのに、不服そうにしていたので……なら、今度本買いに行くから一緒に来て金は出してくれ。に変えた。

女に物を買ってもらうとは微妙に情けないかもしれんが、これなら深夏も納得できるだろうと思い提案したら、予想以上にご機嫌になっていた。

だが、本は自分が選ぶと聞かなかった。自らハードルを上げていくのか……

 

「散々言ってきたことだけど、やっぱりこの学校の生徒会役員選抜基準はおかしいわよっ!人気投票からしておかしいけど、優良枠にしても、成績面だけじゃなくてメンタル面まで評価に加えるべきだわ!そのせいで杉崎みたいなのが入ってきちゃうじゃない!」

 

会長先輩はバンッと机を叩き、もう何度目になるか数えんのもめんどくなった文句を言う。

で、その会長先輩の悩みの種である張本人も

 

「俺はこのシステム、最高だと思いますけどね」

 

お決まりのパターンで反論していた。学園側が適当に投げているように見えて、実は理にかなってる点もあるからな。あ、そこら辺は杉崎の議事録読んでおいてくれや。

こっちで同じこと書くの二度手間だし。字数稼ぎすんじゃねーとか言われたくもないし。

 

「しかし、鍵も良くやるよなぁ。そのパワーは尋常じゃねーぞ」

 

「そのパワーは別のベクトルに持っていくことをオススメする」

 

「頑張るのは悪くないけどね。でももうちょっと欲望は抑えたほうがいいんじゃないかしら」

 

俺と深夏、先輩の言葉に会長先輩は激しく頷く。

こいつがエロくなかったら、それはきっと杉崎の皮を被った何かに違いない。普段の杉崎を見てたら、この考えに行き着くのは当然である。

 

「俺は自分以外美少女のコミュニティに入るためならなんだってしますよ。入学当初ほとんど最下位の成績でも、一年でトップに上り詰めるぐらい、朝飯前です」

 

自分以外って所でこっちを睨むんできやがったが、無視する。それは俺のせいじゃねーだろ。

 

「な、なんか真冬たまに杉崎先輩が凄く大きく見えます……」

 

「理由はなんであれ、努力を続けられるってのは中々できることじゃないからなー」

 

「お、おいっ!ユウに真冬!正気にもどれ!鍵なんかに憧れたりするんじゃないぞっ、私は幼馴染が性犯罪者になって、テレビに映ってコメントするのは嫌だからな!」

 

「ちょ!俺はまだ何も罪を犯してないのに失礼すぎじゃね!?」

 

「まだ?ということは計画してたりするのね」

 

「してもないですし、犯行に及ぶつもりもないですからね!変な詮索はしないでください!」

 

両肩を掴み、必死な表情で揺さぶりまくってくる深夏。そ、そんな心配する必要ないから止めてくれ。

気持ち悪くなるだろうが。

 

「た、たとえ俺が変態であろうと頭が良いのは事実!」

 

「あ、自覚はあるのね」

 

「紅葉先輩、今日はガンガン行ってますね……」

 

「先輩はいつもこんな感じだぞ真冬」

 

さっきから先輩の鋭い言葉に、杉崎の勢いが弱まってきていた。先輩がSなのは今に始まったことではない。

中学時代もこんな感じで俺はからかわれ続けてたし。

 

「動機が不純なんだよ……いい加減な心持ちで生徒を束ねる生徒会に在籍しようなどと―――――」

 

「そうか。なら俺は生徒会役員でいるべきじゃないな。明日からまた帰宅部に戻るわ」

 

「―――――副会長ならな!他はともかく、副会長以上の役職なら生徒の見本になるべき!」

 

今までありがとうございました。とみんなに一礼し鞄を肩に担ぎ、席を立って退出しようとしたら、物凄い速さで先輩と真冬が俺を拘束しにきてびびった。

ま、真冬がこんな俊敏に動ける……だと?

右腕を真冬に。左腕を先輩に取られ元の席に戻され、そのまま2人はいつのまにか俺の左右に置いてあった自分のイスに座る。

 

「いや、あの……何でくっついたままなんです?」

 

「だって、こうでもしないとユー君逃げちゃうじゃない」

 

「逃げませんから……腕離してくれません?」

 

「ふふふ……良い気分だわ」

 

俺の左腕は先輩の右腕に組まれたままでいて、先輩は俺の肩に頭を置いているので、自然とこっちを上目遣いで見るてくる形になる。先輩に離れてくれと言ってみるが、効果なし。目を閉じてリラックスしきってるようにも見える。

む、胸が当たらないとはいえ、これは色々と問題があるシチュエーションじゃないのか?

 

「そ、そうですっ!これはお兄ちゃんを逃がさないために……し、仕方なくやってるだけなんだからねっ!」

 

「おい、真冬。それただのツンデレだぞ」

 

「……そ、そうやって真冬を言いくるめようとしても無駄なんだからっ」

 

思わずテンプレ乙と口に出かけてしまうほどのツンデレ台詞を吐く真冬。指摘してやると、めっちゃ頬を赤らめ俺の腕を誰にも渡さんとばかりにしがみついてくる。

どうしよう。真冬が知らぬ間に性格が深夏よりになってきてるとは……ていうか誰かタスケテください。

左右からの頭がくらくらしそうな良い香りに、杉崎ではないが変な気分になってしまう。力づくで振りほどくのは簡単だが、相手は先輩と真冬。親しい相手にそれは如何なものか……なんて混乱状態に陥っていたら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふ、ふしだらよっ!」

 

「あたしがああ言ったからって、堂々と手を出すんじゃねぇよ!」

 

「すぐるぅうううううううううううううううう!!なにやってんだあああああああああああああ!!」

 

会長先輩が先輩を。深夏が真冬を引き離してくれた。

杉崎は血涙流して叫んでいた。

 

「あわわっ、お、お姉ちゃんいたいよっ」

 

「あら、もう終わりなのね。ざーんねん」

 

力任せに引っ張られた2人だが、真冬は深夏の力の強さに痛そうに顔を歪め、先輩は……自ら離れていった。

会長先輩、どれだけ非力なんだろうが……まぁ、何はともあれ助かった。

俺がほっとしているのもつかの間……

 

「おいコラユウ!そんなに警察の世話になりたいか!?いいだろう。お望みとあらば呼んでやる!」

 

幼馴染が憤怒の形相でこちらに詰め寄ってきていた。……なんで俺が手を出したみたいな感じになってんだろ。

どう見てもあの2人からしてきたんだけどな……

 

「落ち着け。そんなことで呼んでも相手にしてくれないだろ」

 

「そんなことだとぉ!?てめぇ、優!美少女2人を侍らせておいてなんつー言いざまだ!よし、深夏!その贅沢者を取り押さえておいてくれ!俺は110番通報するから!!」

 

「おう!頼んだぜ鍵!」

 

やだこいつらめんどくさい。いつもは意見が対立したりしてるのに、なんでこういう時は息ぴったりなの?

俺がもう今日は本当に帰ろうかと考え始めてると深夏が―――――

 

「え、ちょ、深夏さんっ?」

 

「お、お姉ちゃんっ!?」

 

「あら……」

 

「なっ……!」

 

俺の腰にしがみついてきた。先輩のイスに膝立ちし、俺の横腹辺りに顔を埋めていた。

ちょっとまて。これはさっきの2人よりもやばすぎる。

予想以上に成長している幼馴染のスタイルの良さを嫌でも実感してしまうほどの感触。

 

「ど、どーだ!これで逃げれないだろうっ」

 

赤い顔でこっちを見上げて、勝ち気なスタンスは崩さないでいたのは評価できるだろう。

って、そうじゃない!

 

「…………」

 

「ふ、ふんっ。本当ならあたし自ら天誅を下してやろうと思ったが、私も警察にお世話になるのは嫌だからな」

 

「…………」

 

「だから、私が最後の時まで付き添ってやる……か、感謝しろよなっ」

 

「あのさ……」

 

「なんだよっ」

 

「…………あたってる」

 

「……え?」

 

「胸が」

 

「………………」

 

俺の言葉に、俺から視線を自分の胸に移し、もう一度こっちを見上げる。そしてまた視線を胸に持って行き……しばし固まる。……が、次第に深夏の方がぷるぷると震えて行き―――――

 

「この……変態やろうg―――――」

 

「―――――あぁぁぁぁぁああああああ!!!今度は深夏だとぉ!?てめぇ!まだ俺にメロメロになってないハーレムメンバーから手を出すつもりなのかゴルァアアアアアア!!」

 

拳を繰り出すモーションに入っていた深夏だったが、杉崎が携帯片手にこっちを見て叫んだお陰で、深夏の動きが止まった。

……本当に通報するつもりだったのか。

 

「ちょっとまって、なにさり気なく私が杉崎にメロメロになってることにしてるのよ!」

 

「ええっ!」

 

「なにその新鮮な驚き!自意識過剰も甚だしいわね!」

 

「わかってます、わかってますよえぇ。そうやって言って俺に構ってほしいんですよねっ!」

 

「わかってない。アンタは何一つわかっちゃいないわ」

 

「そんなことはないですよ!俺は会長のことならなんだってわかっています!先週の日曜、近所の子供達と混ざって鬼ごっこしてたり、昨日資料室で高いところにある本を取ろうと背伸びして頑張ったのは良いものの、結局脚立を使っていたり、今日一番最初に生徒会室に来て、誰もいなくて暇つぶしに生徒会室を掃除してたり―――――」

 

「四季、今すぐ110番通報して。早急によ」

 

会長先輩、気持ちはわかりますがその能面顔はやめてください。

さっきまで、修羅場っぽかった雰囲気は消え椎名姉妹と先輩は定位置に戻り、杉崎をゴミでも見るような目で見ていた。

しかし、会長先輩が生徒会室を綺麗にしてたのか。いつも会長先輩が先にいると、やけにテーブルが綺麗だったりしてたが……納得した。

 

「まぁ、今言ったことは偶然その場に居合わせて確認できただけですけどね」

 

「とても信じられないんだけど……今すぐにでも杉崎に関する記憶を抹消したいくらいだし」

 

「そんな……会長。じゃあ、あの夜のことはなかったことにするというんですか……」

 

「な、なによそれ」

 

会長先輩が記憶を探るように引き下がる。

いや、会長先輩。どう考えても杉崎の妄想なんですから、そうやってありもしないことを考えたりするから弄くられるんじゃ……少しは自分の記憶に自信持ちましょうよ。

と思ったが、なんか面白くなりそうなのでみんなと同じように俺も傍観することにした。

 

「あの夜、会長、夢のなかで!何度も激しく俺を求めてきたじゃないですかっ!」

 

「やっぱ通報しましょう!犯罪者予備軍がここにいるわ!」

 

「酷い!俺の純情を弄ぶなんてっ!」

 

「むしろ私が弄ばれているんじゃないかしらっ!」

 

会長先輩が叫び疲れ、ぜぇぜぇと息をしながら着席する。小柄な会長は体力が少なく、今みたいにゴリ押し戦法なら口論で押しきれる。

 

「純情……?鍵が純情なら、世の中の大半の男は純情になるんじゃないか……」

 

杉崎には聞こえてなかったみたいだが、俺には聞こえた。

思春期の男子はそれなりに欲望を抱えてるとは思うが、杉崎みたいにオープンな奴はそうそういない。

自分を隠さず、本当の自分を見せるって点は評価できるが、真似したいとは思わん。

 

「キー君、私は別に貴方のこと嫌いではないけれど、もうちょっと誠実に立ちまわった方が利口だと思うわよ?ハーレムを作るにしても、それを宣言するんじゃなくて、むしろ誠実さで落としていくのが王道じゃないかしら?」

 

「う、ううむ…知弦さんの意見も一理ありますけど……しかし、どう取り繕っても、これが俺ですから!この欲望に満ちた姿が、本当の俺ですからっ!そして、性欲に忠実ッスから!」

 

ノートをぱたんと閉じた先輩が、ゆっくりと諭すように杉崎に語るが効果なし。自分を曲げるつもりはないらしい。

 

「芯からこってり腐りきってるなお前」

 

「一理どころか百理あるだろ」

 

「……杉崎先輩とお兄ちゃんを足して二で割ればいいんじゃないかな……」

 

深夏が冷たい目で杉崎を見て、真冬は結構酷いことを普通に言ってのけた。

やだ、この姉妹黒い。

だというのに、なんで杉崎は恍惚とした笑みを浮かべて震えてるんだ……女子陣が引いてるぞ。

……先輩、S気質だというのに杉崎見たいなM男はダメなのかね。SならMと相性が良いと思ってたんだが……あ、ちなみに俺はどっちよりかと聞かれたらS寄りだろう。

どっちかと聞かれたらSと答えるだけなので、普通なはず。

 

「ふふふ……これから、次々と美少女生徒会メンバーは俺の魔の手に落ちていくのさ……」

 

「魔の手とか自分で言い始めちゃいましたね……」

 

「ま、あんまりにデレないと、速やかに学園陵辱モノに早変わりするプランも―――――」

 

「清々しいほど外道だな、てめぇ」

 

到底、王道ギャルゲモノの主人公に言ってほしくない事を言う杉崎に苦笑する真冬と若干怒りのメーターが溜まりつつある深夏。

 

「そして、杉崎はその女の子たちに報復されて天に召されていく……と。実際そういうジャンルのゲームの主人公って碌な最後を迎えないしな」

 

人差し指を立て、エロゲとかで良くある例えを出してみると思い当たる節があるみたいで、杉崎の顔が引きつっていく。

あとなぜか、他の生徒会メンバーからなんとも言えない目で見られてた。

……女子の前でこの手の話を普通にしてる俺も杉崎の悪エロ影響受けてきてるんじゃなかろうか……深夏の目が後で話があるとアイコンタクト送ってきてるし。

 

「お、俺を見くびるなよ。そうならない手は考えてある。全員の好感度をバランス良く上げるんじゃなくて、一人1話形式で上げていくんだよ」

 

「なに?」

 

震え声で話す杉崎に、片目が半眼になりなに言ってんだ的な表情になる深夏。

NiceBoatみたいに、好感度が高すぎてもあんな展開になるくらいだし、どういう風に上げてもあんま変わらんと思ったが、構わず杉崎は続ける。

 

「ギャルゲに限らず、学園ドラマでもそうだろう?教師は、一話で一生徒の悩みを聞いて解決し、徐々に溶け込んでいくんだ。そして、最終回ではクラスの生徒全員が生徒に感謝しまくるという、ある意味ハーレムエンド」

 

「学園ドラマの最終回をえらく(けが)された気分だぞおい」

 

「そうさな、まず割りと現時点で好意的な真冬ちゃんあたりを皮切りに、会長、深夏、そして知弦さんと徐々に何度が上がっていく感じで問題を解決していき、気付けばあら不思議、皆俺の虜に……」

 

「どうでもいいが、あたしが知弦さんより攻略しやすいと思われているのが、軽く癪だぞこら」

 

「逆に問題を解決できずに、ヒロインが転校しちゃったり、島流しされちゃったりするENDに向かうんじゃねーの?」

 

「やめろっ!!!誰も幸せにならない展開は俺は望んじゃいないんだっ!!」

 

「その前にキー君が己の欲望に負けて、警察のお世話になっちゃうんじゃないかしら」

 

「知弦さんまで!?」

 

「あれだ。悪友の覗きの誘いに断れず誘惑に負け、挙句の果てにヒロインたちにバレちまって説教で許されたりするが、お前の場合は問答無用で豚バコ行きだな」

 

「情状酌量の余地くらいあってもいいじゃねーか!?」

 

「あるわけねーだろんなもん」

 

「断言された!?」

 

俺と先輩の言葉の暴力に杉崎が声を荒げてツッコミまくってた。

それと先輩から、『良い攻めっぷりよユー君』と喜んでいいのか正直良くわからんお褒めのアイコンタクトを頂いた。

 

「ま、真冬は一番最初にオトされちゃうのですか……」

 

先ほどの杉崎の攻略発言に、ぷるぷる震えている真冬。深夏ならば、怒りで震えているのだろうとわかるが真冬ならビビって震えているのがわかる。

どう考えても武者震いであったり、やり場のない怒りで震えているわけじゃない。てかそうじゃなきゃビビる。

 

「安心しろ真冬。あんな良くて悪役キャラ。ヒロインを一人に絞れなくて、ハーレムルートに逃げる優柔不断の甲斐性皆無のヘタレ童貞杉崎の手にかけさせはしねーよ」

 

「酷くね!?今までの罵詈雑言の中で一番酷い!俺お前にそんな悪いことしたっけ!?」

 

自覚なしかい。目の端に光る何かを溜めてるようだが、知らん。自分の胸に聞いてみやがれ。

言い知れぬ恐怖に震えている真冬の頭に手を置いて、そのままおでこ辺りまで持って行き、親指でおでこをなぞる。

そうすると、くすぐったそうにするがさっきまでの震えはなくなっていた。昔から、真冬がなにもない所で転んだりして泣きべそかいた時はこんな感じで泣き止ましたっけな……随分久しぶりに真冬の髪に触れたが、手触りがとんでもなく良かった。同じ人間だというのに、性別が違うだけでこんなにも違うもんなんだな。

……なんて、端から見たら微笑ましそうなことをしていたら、どっからか突き刺さる視線が……

 

 

「四季~?神聖なる生徒会室で不純異性交遊はやめてくれる?」

 

「……仲が良いのは良いことだけど、少しは人目を気にするべきね」

 

「……」

 

真冬以外の女性陣から厳しいお言葉を頂きました。いや、深夏は何も言ってないけど。

何か言われるより、無言のほうが精神的にクルものがある。……俺なんか悪いことしたのかね。

 

「えへへ……ありがとっ、お兄ちゃん」

 

見るからにご機嫌ななめな3人とは反対に頬を染めて嬉しそうにする真冬。

うん、真冬には笑顔が一番似合う。真冬っていうか、女の子全員に当てはまるとは思うが。

なんて、注目を浴びていたら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当の敵っていうのは身近にいるもんなんだ!」

 

イスが後ろに倒れるほどに勢い良く立ち上がった杉崎が会長先輩みたいなことを言い出した。

突然の杉崎の奇行に俺含め全員の視線が杉崎に行く。

 

「俺は美少女ハーレムを作る!」

 

が、宣言してることはいつもの内容なので、みんな「またか」と言わんばかりで見ていた。

 

「世の男どもが羨むくらいな、他のハーレムの主よりも凄い美少女ハーレムを作るんだ!」

 

「いや、そもそもハーレムを形成してるやつなんてそうそういないと思うが」

 

なぜか俺を見て言ってくるので思わず、ツッコんでしまった。

他のメンツも俺の発言に頷いていたが、杉崎の演説は続く。

 

「美少女を侍らし、いつか、あー美少女にも飽きたなって言えるとこまで上がってから、妥協する」

 

「……山が高いのは良いことだろうが、言ってることは大分クズ発言してることに気付いてるか?」

 

「まぁ、キー君だし……でも、取り敢えず行くとこまで行ってみようってことね。いいんじゃないかしら。好きよそういうの」

 

「ハーレムはさておき、そのスタンスは悪くないな」

 

「そうですね……目標を掲げて頑張るというのはいいかもしれませんね」

 

ハーレムという点を除けば、杉崎の宣言は概ね好評化だったようだ。

かく言う俺もそういったハードルは高けりゃ高いほど飛び越えが良い的なのは嫌いじゃない。

あんまり高すぎるハードルは飛び越えられないかもしれんが、挑戦的なスタイルは良いことだろう。やらないで後悔するならやって後悔したほうがいいだろう。

珍しくまともなことを言った杉崎に皆感心していたのだが……

 

「そしてっ!至高のハーレムを作った暁には!お前のようなハーレム気取りの愚か者を跪かせてやる!!同じ道に2人以上の覇者なんていらぬ!!」

 

それも一瞬のことだった。すげぇ、上げたと思ったら、ほんの数秒で評価が下がるとは。

そしてツッコミ所が多する。俺がいつお前みたいに女好き発言した?跪かせてどうすんだよ。

お前はどこの青い目のドラゴン好き社長だ。

みなが嘆息してる中、会長先輩はというと……

 

 

「えー、あんまり頑張るのはつかれるよぅ」

 

この会長先輩の堕落っぷりである。いやね、全力を出しすぎて破滅するのも良くはないだろうが、初っ端から手を抜くのもどうかと思うんですけど……

ぽりぽりと幸せそうにスナック菓子(先輩の)を頬張る会長先輩を見てるとこの人大丈夫なんだろうか……と思う反面、この人ならなんとかなるだろうと思う自分がいる。

この学園の生徒会長で満足してそうな人だけど……なんかこの人からは人を焚きつけるような何かがあるんだろうな。仮に現世代の生徒会長が人格破綻者だったら、俺自身生徒会に入るのを断ってただろうしな。

 

「というわけで、今日は解散しますかぁ」

 

先輩のお菓子を食べ終え、満足そうにし今日の活動を終えると宣言した。

全員が会長先輩をダメ人間だなと思っていたみたいだったが、まぁ……うん。

そんなこんなで、碧陽学園生徒会は今日も集まり、無駄な事を話し、終わりましたとさ。

……仕事もしてないけどまぁ、いつものことか。

 

 




だと思った?
実はまだ続くんぢゃっ!
頑張って来週までには投稿したいけどどうなるかは不明。
あ、あとお気に入り登録&感想して下さった方ありがとうございます。
サクシャガンバルッポイ
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