その心を持って、その力を持って
彼は何をなす……
OP Diggy-MO-爆走夢歌
Act.1 風紀委員と“運命”の奴隷
人と言うものは、眠れる“運命”の奴隷だ。
どのようにしても、“運命”は後ろから迫ってくる。
まるで呪いのように。まるで祝福のように。
死することで、そこから解き放たれる……そう言われている。
しかし、死んだとしても“運命”は死んだ者の後ろからも迫ってくる。
本当に“運命”と言う鎖から解き放たれるときは、自分につきつけられた“運命”に真っすぐと前を向き……立ち向かうときだ。
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俺の名前は兵藤一誠、学生だ。
俺は、この「駒王学園」で学生生活を送っている。学年は二年生。
すこし色々なことがあり、いまはこの学年で唯一の委員長と言うものをやらせてもらっている。
どこの委員長かって?それは―――
「「逃げるんだよォォォーーーーッ」」
「待ちなさいッ!!変態二人組みィィィーーー!!」
……またあいつらか。俺はそう思い、自分の今いた部屋――「風紀委員室」――から外に出る。
外に出ると二人の男がこっちの部屋に向かって走ってきていた。
「「ゲェ!?関羽!!」」
「誰が、関羽だ。とりあえず、そこで止まれ、松田、元浜」
この二人は、俺の悪友。丸刈りの方が松田、眼鏡を掛けた方が元浜だ。
「退いてくれイッセー、このままでは俺たちはやられてしまうッ!」
「そうだ、後生だから!!」
こいつらは、まあ、馬鹿な奴等で昔からよく俺と一緒にいた。腐れ縁というやつだ。
この変態性を除けばいいやつらなんだけどな。
「……恐らく、お前達はまた女子更衣室を覗いたのだろう。走ってきた方向と、昼に話してた会話から察するに剣道部か」
「「な、なぜばれた」」
「お前らがやることなんて計算しなくても分かる。……そして…だ。お前たちは自分たちの……言ってしまえば犯罪行為を、許してくれと言うことか?」
「「……(コクコク)」」
「……しかし、おまえらはこのあいだ捕まえたときに約束したルールを破った。ダメだな、許すことはできない」
そういいながら、俺は二人に対して睨みつける。
それを見た二人はまずいと思ったのか、俺から背中を向けて走り出そうとする。
「だ、だがだ、ま、まだお前に捕まったわけではない!!」
「ああ、そうだな。だが、どうして俺がここでお前達に対してこうべらべらと講釈をたれていたと思う?」
俺がそういうと、二人は何を言っているんだという顔になった。そこに、俺が待っていたものが現れた。
「見つけたわ、変態二人組み……」
「答えは……単なる時間稼ぎだ」
曲がり角の方から、竹刀を持った女子生徒が現れた。確かあれは、片瀬さんだったか。
「「ゲェェェーーーッ!?」」
さて、このままこいつらを女子生徒に引き渡してもいいんだが……俺は風紀委員長だ。学内での暴力行為をはいそうですかと簡単にさせるわけにはいかない。……殴りたい理由もわからないでもないがな。
「すまんな。少し待ってくれないか?」
「えっ……はっ、はい(こ、声かけられちゃったぁ……)」
「さて、二人とも。お前達の前には二つの選択肢がある。その1、今すぐそこの風紀委員室に入り一時間みっちり反省文を書いた後俺に怒られる。その2、女子生徒に引き渡されて帰ってきた後風紀委員室で反省文を書いた後さらに俺に怒られる。さあ、選べ」
「「1でお願いします」」
そういいながら二人は俺に対して土下座してきた。……プライドは無いのかこいつら。
ふう、まあいい。コレで何とかなるか。
「すまなかったな。溜飲は下がらないだろうがこいつらにはきっちりと言っておく。えーと、確か剣道部の片瀬さんだったか?」
「え、あっ、名前……」
「ああ、癖でな。人の名前を覚えるのは得意なんだ。少し気持ち悪いかもしれないけどな。さて、早く部活に戻りな。期待されてるんだろう?」
「え、はい!!」
そういうと、片瀬さんは部室に戻っていった。妙に顔が紅かったのは、結構な距離を走っていたからだろうな。さてと―――
「さあ、反省文の時間だ二人とも。原稿用紙を10……いや、15枚埋めるまで帰れないと思え」
「「うわぁ…」」
さて、今日も何事も無く終わったな。
そう思いながら、俺は二人を風紀委員室に引き摺りながら入った。
……さて、実は俺には秘密がある。誰にも言えない秘密が。自分の養父には言ってあるが他人には早々明けられない秘密だ。
俺には前世の記憶と言うべきものが有る。
その前世では俺はとある組織を裏切った者達のリーダーだった。
その時の名前は、ブローノ・ブチャラティ―――
イタリアンマフィアだ。
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「運命とは『眠れる奴隷だ』・・・俺たちはそれを解き放つことができた・・・それが勝利なんだ・・・・・・」
俺は魂で、それを信頼有る仲間――「ジョルノ」――につげ、天に帰った…はずだった。
次に目覚めたときには、俺は日本に生れ落ち「兵藤一誠」となっていた。
生れ落ちたとき、俺は少し混乱した。あの時、確かに死んでいたはずだと。ありえない…と。しかし、両親――少し前世の両親に似ていた――の笑顔を見てそのことを考えるのをやめた。この、文字通り「第二の人生」を「神様がくれた奇跡と言う名の褒美」と考えて謳歌することに決めたのだ。
数年が経ち、両親が交通事故で死んだ。大事故だったらしい。それは、俺にとっては辛く、悲しいものだった。前世の両親は、離婚した上に親父は薬中になり死んだからな……。それよりは……いい最後だったのかも知れない。
そんな時、俺を拾ってくれたのが今の養父だ。養父は、その見た目とは裏腹にまあ、俺に対して優しかった。
親身になって相談に乗ってくれた。中身が本当に『アレ』だったのかと思うくらいに。
数年が経ち、俺はハイスクール、高校に通うようになった。養父に多少申し訳ないと思った。養父自体は「別に気にするな。俺はあいつの代わりで、お前の“父親”なんだからな」とか言っていたが。それでも、前世じゃあ通うことなんて出来なかったからな。少し嬉しかった。
そして現在――
「イッセー……あと、10枚もあるんだけどぉ……」
「こっちもそうだぁ……帰りたいんだけどぉぉぉ……」
「俺だって譲歩してその枚数だからな。それに、俺だって早く帰りたいんだ。ズベコべいってないでさっさと書け」
俺はこうして、駒王学園の風紀委員として活動している。この悪友二人によると、俺は「駒王学園の鉄壁風紀王子」とか呼ばれているらしい。
「この間から、嘆願書にお前らの事書かれた奴が何枚も来ているんだ。しかも生徒だけからじゃなく先生方からもだ。なかには、反省文1000枚書かせろとか言う無茶ぶりもあったからな」
俺はそういいながら、嘆願書の束を見せるように机の上に置いた。
量が多すぎて、見るのが億劫になりそうだったが……読みきった。
「「俺達のこのあふれんばかりの性欲を無視しろというのか!!」」
「そうじゃない、ばれない様にやれってこった」
「「……えっ?」」
俺が言った言葉に二人が驚く。
「言ってなかったか?俺は物事が表面に出てくるまで何もしない主義だ。知ってるか?ばれなきゃイカサマじゃないだぜ。ばれなければ絶対に表に出ないからな」
そう、俺はそう言う主義の人間だ。マフィア組織に在籍してたからだろうか?いや、仲間が普通に敵に対して拷問とかしていたからかな。
一度裏を知ってしまえば、表に出ていないだけで犯罪がどれだけ行われるかわかってくるものだ。どうあろうと、悪事というのは行われるしそれが表面に出てくるまで誰もわからない。シュレディンガーの猫ってやつだ。だからこそ、知った瞬間にそれを叩く。それが俺の考え方だ。
「い、イッセー……」
「お、おまえ……」
俺の言葉で何か思ってくれたのか。それは、いい事―――
「「ムッツリだったのか!!」」
「違う!!」
……やっぱり、枚数を増やしてやろうかこいつらは。
その50分後、二人は死に物狂いで反省文を完成させた。
これが、今の俺の人生だ。
前世の頃とは、違う。言ってしまえば、刺激のあまり無い人生といえる。
しかし、この時の俺は知らなかった。
もうすでに、激動の物語に足を突っ込んでいることを……。
to be continued→
ED YES-Roundabout
いかがだったでしょうか、第一話
申し遅れました、私「半固体あとは生」略して半生です。
この作品は、四部のアニメ化が決定したころから暖め始めていたものです。
ブチャラティはカッコいいです。私の人生の師匠の一人ともいえるでしょう。
(もう一人は、プロシュートの兄貴)
ブチャラティ転生物なんて、今までありませんでした。折角だったので、書いてみました。
えっ?既存の作品?そんなもの、ジェイルハウスロックのせいで分かりません。何ですかそれは?
それはさておき、ブチャイッセーの奇妙な日常をお楽しみください。
それでは、しーゆーあげいん、BYEBYE!!
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