ハイスクールD×D~目覚めし運命の奴隷~   作:半生

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OP Diggy-MO-爆走夢歌


Act.6 シスターと男の子

*********side   イッセー**********

 

 

あれから、一日経過し俺とレイナーレさんはまた旧校舎のオカルト研の前に来ていた。

 

昨日、リアス部長に言ったとおりに匿ってもらっていた養父に他の預け先ができたことを告げると割とあっさり許可してくれた。

……いや、その後まず養父の家に泊まらされ、11時になるまで養父の「俺寂しいんだよ?仕事終わると家の中誰もいないからさぁ、もんのすごい静かだし」という話を延々と聞かされ、泣き上戸が入りながら思いきり吐きまくる養父を看護して眠りについた。そして、朝になったらレイナーレさんがなぜか俺の布団で一緒に寝ていた。いったい昨日の俺が何をしたというんだ……。

その後、午後になりバイトを軽く手伝ってから暗くなる前にレイナーレさんと共にまたここにやって来た……というわけだ。

 

俺は、ドアを数回叩きドアを開ける。

 

「失礼するぞ」

 

「こ……こんにちわ」

 

俺とレイナーレさんは、そう言いながら部屋の中に入った。

部室は言って手前のソファには、塔城さんが座ってドラ焼きを食べていた。その近くの壁には木場が、少し寄り掛かった形でたっている。

 

二人とも開いたドアと俺たちが発した言葉に気づいてこちらを見て挨拶をしてくる。

 

「いらっしゃい、二人とも」

 

「……こんにちわです」

 

塔城さんのほうは小さな声でそういうと、ここに座れと言わんばかりにソファの端によった。

 

俺たちがそこに座ると奥のほうから、姫島先輩がカップとソーサーを持ってでてきた。

 

 

「ウフフ、いらっしゃいませですわ。イッセーくんにレイナーレさん」

 

そう言って、カップをソーサーの上において紅茶を注ぎ俺たちの前に差し出した。

紅茶は……まあ好きなんだが、コーヒーのほうがバイトのせいで銘柄を覚えていたりと好きになっていたりする。

 

いや、別に未成年だからワインが飲めない悲しみを埋めているわけではない。

ピザを食べられれば、満足だ。

 

紅茶を飲みながらそう考えていると、昨日と同じようにシャワーカーテンの中からリアス部長が現れた。

 

「イッセーにレイナーレさん、いらっしゃい。匿ってもらっていた人とは話ができたのね?」

 

「ああ、じゃなきゃ昨日の今日で連れて来たりはしない」

 

かなり駄々を捏ねられたけどな……。そう考えた瞬間一つ疑問が浮かんだ。

 

「ところで……だ。堕天使を匿っても大丈夫なのか?悪魔と堕天使ってのは仲が悪いんだろ?」

 

俺がそういうと、リアス部長はいつの間にか出された紅茶を少しあおり言う。

 

「別に大丈夫よ。困ってる誰かを種別で嫌って助けないなんて心の狭いことなんてしないわ。呉越同舟、乗りかかった船よ。それに、そういう取引でもあったでしょう?」

 

「……そうか……ありがとう」

 

「……ありがとうございます」

 

俺がそう礼を言うとレイナーレさんもそれに続いた。

 

それを聞いたリアス部長は、よしっと手を合わせた。

 

「それじゃ、イッセーに悪魔としての初の仕事を言い渡すわ」

 

ッ!!来たか。

実は少し気になっていた。

 

悪魔の仕事ってのは一体どういうものなのかが。

イタリアには、バチカン市国など正教に纏わる物やそれ以外の神話に対する造詣の深いものが多くあった。

そういうこともあり、悪魔に関しても多少は理解がある。

確か、“何か”を対価に“何か”を渡すと言うことが多いのだったか。

 

俺がそう考えていると、リアス部長は紙の束を出してきた。

 

「この魔法陣が書かれた束を街中に配って来なさい」

 

***************************

 

………悪魔になって初の仕事がビラ配りとは………。

正直そう思った。

真夜中の街を、久々に引っ張り出した自転車で走り回ることになった

 

配り終えてから、聞いてみると悪魔になったばかりの体になれるためだったらしい。

悪魔の体は人間の体とは違うものらしい。それになれるための訓練のために行ったそうだ。

確かに、夜になればかなり活発に動けるようになる。逆に、朝は少し気分が悪い。

もともと人間だったものにしてみれば、慣れは必要だろう。

 

 

配り終えて次の日―――休日で学校は休みだった―――俺は、本来の悪魔の仕事である契約の仕事を行うこととなった。

 

地面に現れた魔法陣に対してもはやあまり何も感じないようになりその魔法人の中に入ると一瞬にして場所が変わっていた。瞬間移動という奴か……。

 

 

さて、初めての契約者は岸沢という絵を生業にしている青年だった。

なんでも、インスピレーションが沸かずに魔方陣を使ってみたらしい。

そんな彼は、俺を見るなり

 

「いい、凄くいいッ!!最高のインスピレーションが沸いてきたぞぉ!!」

 

と言ってキャンバスに絵を描き始めた。

数時間後、そのキャンバスには俺と“スティッキー・フィンガーズ”が描かれていた。

彼は一般人のはずだし、スタンドも出していないのだが……。

いつかスタンドに目覚めることができるのではないか……そう思えてならなかった。

そうして一人目の契約は無事成功した。実際のところ、俺は何もやっていないがだ。

 

 

二人目は、バイト先の常連だった。

魔法陣によって着いた部屋には………バイト先でよく見る巨漢がいた。

ミルたんというその一般人とは言えない巨漢の願いは「魔法少女になりたい」だった……。

 

正直に言おう。少女と言う見た目ではない。決して無い。養父も、「あれはなんであんな格好をしているんだろう」なんてよく言っている。

さて、まあ方法はなくはない。魔法少女になる方法……ではなく不思議な能力を身につける方法と言う方向性だが。

 

その不思議な能力、それはスタンドだ。

スタンドには、目覚める方法が幾つか存在する。スタンドを生まれながらに持っている人間もいる。がそれ以外にもスタンドを持つ方法が存在する。

弓と矢に貫かれることや一つの技術をただひたすらに極めること、親族のうち1人がスタンド使いになったとしても目覚めることができる。

 

そのことをところどころ暈しながら言って見たら、割とうまく行ってしまった。

とてつもない勢いで抱きつかれたがだ……。

これで二人目の契約も何とか成功した。

 

 

さて、その次の日。

風紀委員としての仕事をある程度こなしたのち俺は買い物に出かけていた。

 

冷蔵庫の中身が少なくなってきていたのだ。

スーパーである程度買い物をし外に出る。まだ少し日は高い。

何かほかに買うものは「はぅ!!」?なんだ?

 

声がしたほうに顔を向けると、こけて倒れたのだろうと思しきシスター服の少女がいた。

 

「いたた……」

 

そう言いながら、少女は顔をあげた。

可愛らしい顔をした少女だった。しかし、容姿から察するに日本人ではなさそうだな。

そう言えば、リアス部長が悪魔には自動的に言語を翻訳する能力があるといっていたな。だが、喋る言葉も自動的に翻訳されるとは限らない。ふむ……そう考えていると少し遠くの男性が「Ahi……ってなんだ?」と言っていたのが聞こえてきた。

イタリア語だな。“前世()”から、慣れ親しんできた言語だ。間違えようがない。

 

久々にイタリア語が喋れるな。俺はそう思いながら、少女のことを助けに行くことにした。

 

『あー、大丈夫か?』

 

「あ、すいません」

 

ベネ、伝わっているようだ。

 

「……私の言葉が分かるのですか?」

 

『ああ。イタリア語は結構詳しいんだ』

 

詳しいというか、元々イタリア人だったからだな。

 

『俺の名前は兵藤一誠。君の名前は?』

 

「あ、アーシア・アルジェントと申します」

 

『そうか、いい名前だな。ところで…だ。見たところ、シスターのようだがどうしてこんなところに?』

 

「え、えーとですね。実は道に迷ってしまいまして……教会に行きたいのですが……何分、初めての場所ですし。私、方向音痴でして……」

 

なるほど、だからか。シスターなんてここらへんで見かけたことなかったからな。

 

それにしても……フム、教会か。とすると……。

町はずれの廃教会のことか。復興させるめどが立ったのか?それはいいことだ。

 

『ふむ……そこだったら多分あそこだな。よかったら案内しようか?』

 

「本当ですかッ!!ありがとうございます……ああこれも神のお導きなのですね……」

 

そう言いながら、アルジェントさんが胸のところで十字を切った。

それを見た瞬間、頭に激痛が走った。

何だと思ったが俺が悪魔になったことを思い出した。悪魔は聖なる者を嫌う。十字もその内の一つか。

 

「あの……どうかなさったんですか?」

 

『……いや、何でもない。それじゃあ、行こうか』

 

俺は、そう言いながらアルジェントさんと並びながら歩き始めた。

 

 

『……そうか、その歳でここに仕事に来たのか。すごいな、君は』

 

「いえいえ、私は様々な人に神のご加護を知って貰おうとしているだけですから」

 

『だとしてもだ、俺と同じ位の歳で自立してるのはすごいさ。尊敬できるくらいだ』

 

「そ、尊敬だなんて……えへへ」

 

そう言いながら、歩いていると

 

「うわーん!!」

 

子供の泣き声が聞こえてきた。

二人してそちらに行くと、そこにはこけてしまったのだろうか?男の子が倒れていた。

 

「……大丈夫か?」

 

「ひっく、ウウ……」

 

俺は、アルジェントさんを少しだけ放置してしまう形で男の子を助けることにした。

 

「ほら、泣くな。男の子だろう?そんなに、泣いているといつか本当に泣かなきゃいけない時に涙が出てこなくなってしまうぞ」

 

「ヒック…いつかって?」

 

「明日かも知れないし、明後日かも知れない……それは、お兄さんにはわからないさ。でもな、そうやって辛い事に会う前に怪我くらいで男の子が泣いてちゃダメなんだ。強くいなきゃいけないからな」

 

「グズッ……強く?」

 

言い聞かせていくと男の子はだんだん泣き止んでいく。

 

「ああ……君は、誰か守りたい人はいるかい?」

 

「……お母さん……」

 

「……そうか、じゃあお母さんを守るために強くならなきゃいけないな。君のお母さんを守るために……転んだだけで、泣いてちゃいけないんだ。涙を我慢した分だけ、君は強くなれるんだ。だったら、ここで泣いてる場合じゃないだろ?」

 

俺がそう言うと、男の子は涙を拭きとって立ち上がった。

 

「大丈夫かい?」

 

「うん、大丈夫!お兄ちゃん、ありがとう」

 

そう言って、男の子は女性―――おそらく母親だろう―――に向かって走っていった。

俺がそれを見送っているとアルジェントさんが近づいて来た。

 

『おっと……すまないな、置いていく形になってしまって』

 

「いえ、大丈夫です。……男の子は大丈夫でしたか?」

 

『ああ、元気に走っていったよ』

 

「……あの、さっき男の子に何と言っていたんですか?」

 

『泣いていては、何も変わらない……俺の持論だ。それを男の子に伝わるように言っていただけさ』

 

「……泣いていては……何も変わらない……」

 

アルジェントさんは俺の話を聞くと少し悲しげな表情になった。

何か、涙を出さなければいけないことがあったのだろうか……だったらそれは俺が触れるべきではないな。

そう思いながら、教会へ再び歩き始めた。

 

 

 

『あとは、この道をたどっていけば教会にたどり着ける。ここで、大丈夫かい?』

 

「ええ、ありがとうございました。何とお礼したらいいか……!!そうだ!教会でお礼を!!」

 

『いや、大丈夫さ。別に、お礼がほしくてやったわけではないからな』

 

実際のところは、体が拒否反応を起こしているだけだがな。まだ100m位だというのに……。

まあ、アルジェントさんに言ったことも真実だ。

 

「そうですか……」

 

『……俺は、ずっとこの街に住んでいるんだ。何か困ったことがあったら何でも言ってくれ』

 

「……はい!」

 

アーシアさんは笑顔でそう言うと、教会に向かって歩いていった。

 

それにしてもだ……。男の子の泣き声を聞いて歩調を早めるなんてな。

良い子だったな。

 

俺は、そう思いながら教会に背を向け歩き始めた。

 

                                   to be continued→




ED YES-Roundabout

いかがだったでしょうか、第六話。
こんにちわ、「半分女性、もう半分は生肉」略して半生です。
先日、ジョジョ第四部のDVD第一巻が届きまして感無量です。
それ以外にも、タンブラーやポーチやら扇子などを買ってしまいました。物欲とは恐ろしい物です。

さて、ブチャラティはあんなことがなければ先生になっていた気がします。
ブチャラティ先生か……授業を受けたいな。いやマジで。
きっと、ブチャラティが先生だったら学校中どころか学区内で人気になることでしょう。
それと、アーシアさんは私の独断と偏見でイタリア人になりました。

それでは、次回もお楽しみに
しーゆーあげいん、BYEBYE!!

感想、批判、誤字修正、ベネ!!―――お待ちしております。
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