「さて、今日は何をして暇を潰そうか」
そんな気の抜けた呟きをもらしたのは御門北斗、学園都市のレベル5第六位『
それはともかく現在時刻はAM11:00。平日であることから彼も学校に行かなければならないはずだが、彼に学校に行く気は全くなかった。
そもそも学校になど通ったことすらないため、ここは学生寮ではなく、彼がセーフハウスとして年間契約しているホテルの一室である。
「…それ私を抱きかかえながら言うセリフじゃないよな。あれか? 私は愛玩人形かなにかか?」
そう彼の腕の中で文句を言うのは12歳程度のパンク系の衣装を着ている少女。前を揃えた黒い髪は肩甲骨の辺りまで伸びているが、アクセントのためか耳元だけが金色に色を抜かれている。
彼がリーダーを務める暗部組織『
もっとも言葉とは裏腹に頬を紅潮させ背を北斗に預け完全に甘えきっている。
抱えられている腕を幸せそうに抱きしめているところを見れば先の文句に説得力など皆無だろう。
もちろん抱きかかえている北斗には心から文句を言っていないのは分かりきっていることであり、ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべる。
「ほらそんなに拗ねるなよ。さっきまでみたいにニャーニャー言ってごらん?」
「好きで言ってたンじゃねェ!! 北斗が猫耳アタッチメントつけさせたせいだろォがっ!」
現にベッド脇のテーブルには猫耳アタッチメントが置いてあり、その他にも猫の手やら尻尾、さらには犬耳なんてものも置いてある。
まるで本物のような見た目で、そこら辺の野良から取ってきましたとも言えそうな妙な生生しさがあり、接続口の機械部分がアンバランスさを醸し出していた。
「でも盛り上がったじゃないか。けど土御門とキャラ被るしやっぱり普段からは無理かなぁ」
「ッッ! そもそもこんな少女に手出して恥ずかしくないのかよロリコン!!」
「老若男女の区別なく、オレは全てを愛している!」
「余計性質悪いじゃねェかっ!? しかもなにドヤ顔してやがる変態!」
12歳の少女に手を出していたら世間では立派にロリコンである。
もっとも本人はロリもいけるだけで男女、年齢関係なく愛せるらしいが、それでもやっぱり変態には違いないだろう。
性に奔放というより性の観念がないと言った方が正しいのかもしれない。
「落ち着けって。口調がどこぞの白もやしみたいになってるぞ?」
「誰のせいだ! 誰のっ!」
「キスしてやるから機嫌なおせよ」
「うるさいっ! 私がその程度で機嫌なおすような軽い女だと思ったら大間違いなんだよっ! ……………いや別にしてほしくないわけじゃなくてだな、その…………んぅ」
「んっ(しかし海鳥はともかく、暗部の女はちょろいよなぁ。やっぱり優しさとかに飢えてんのかね)」
甘い雰囲気を作りながらもこの思考。ヒモ男の典型的なパターンである。
さすがに少女に寄生するという人間としてどうかと思うようなことはしていないが、女の敵であることには間違いない。
本人たちが幸せそうなのがせめてもの救いだろう。
その後しばらく部屋に水音やらが響いた後、そこにいたのはぐったりと骨抜きになって眠る少女だけであった。
「…んにゅ…北斗ぉ…」
「外に出てきたのはいいがどうするかな? 鉄網ちゃんでもデートに誘うか、アイテムの女の子でも落としに行くか…悩むな」
あの後北斗は黒夜を一人部屋に残して当てもなく街を歩いていた。
ついさっきまで女の子と一緒にいたとは思えない言葉だ。やはり女の敵である。
もう大抵の学校が終わり放課後の時間にはいっているのか、今日も学園都市は人で溢れかえっているが彼の歩くところだけ綺麗に人が分かれ道ができている。
さながらモーセの如く。もっとも彼には十戒など微塵もないが。
それもそのはず、ただでさえ彼は昏い雰囲気を纏っているというのにスーツを着込んでおり、ヤクザもかくやといった見た目である。
これでもまだ成人していないというのだから老け顔にも程がある。最早詐欺だ。
そんな見た目では一般の学生たちは近寄ろうとも考えないだろう。
だがそんな彼に物好きにも近づくものがいた。
年齢は13、4歳といったところだろうか。
茶色の髪を肩にかからない程度のショートカットにしており、有名なお嬢様校である常盤台中学の制服を着ている勝気そうな女の子だ。
「ちょっとアンタ! 待ちなさいよ!」
「ん? やぁ、美琴ちゃんじゃないか。学校はどうしたんだい?」
「もうとっくに終わったわよ。そういうアンタはどうなのよ、いつもスーツ着てるけど学校行ってるの? 確かまだ18だったわよね?」
「もうそんな時間か。それよりなにか用かな?」
この男、都合の悪い質問には答える気はないようである。
学生の街で未成年が学校に行っていないのは不自然だろうし、スキルアウトと同類に思われるのも嫌なのだろう。
正直に暗部に所属しているので学校には行っていませんとは口が裂けても言えないのだからある意味仕方のないことだ。
「用ならあるわ! アンタ私と勝負しなさい!」
「またかい? オレとしては誤って美琴ちゃんの可愛い顔に傷でもつけたらと戦々恐々してるんだがね」
「可愛っッ…いいから勝負しなさい! 第三位の私が第六位のアンタに負けるなんてあり得ないんだから!」
彼女は北斗や垣根と同じレベル5の一人。第三位『
二人の出会いは事故のようなもので、街を歩いていた北斗がナンパ男を撃退するために美琴が放った電撃に巻き込まれたことによるものだ。
そのまま何事もなければ巻き込まれた一般人という不幸な人がいたという記憶が残るだけだったのだろうが、北斗は能力の防御膜を常時纏っているために電撃を防いでしまい、そのことを疑問に思った美琴に運悪く付きまとわれてしまうことになったのである。
それから数回に渡って手合わせをしたのだが北斗は碌に反撃もせず美琴の攻撃をかわしたり防いだりするだけだったので、今回のように勝負を挑まれることが多くなってしまったのだ。
もっとも、北斗自身はそれ程迷惑にも思ってない様子で、まるで手のかかる子供を見るような視線を彼女に向けている。
「だからレベル5の順位は学園都市の利益が基準であって戦闘能力には関係ないとあれほど…」
「いいからついてきなさい!場所を移すわよ!」
そう言うと美琴は北斗に背を向け、後ろを振り返りもせずずんずんと歩いていった。
その顔が赤かったのは見間違いではないだろう。実にツンデレである。
彼の周囲には割と素直に好意を示す女性しかいないこともあって、こういったところに新鮮味を覚えて彼女に付き合ってるのかもしれない。
「やれやれ、不幸だーってね」
誰にも聞こえないようにそう呟きながら美琴の後ろをついていく彼の姿は一見面倒臭そうにしながらも、瞳には愉快そうな色を浮かべ、口元は妖しく歪んでいた。
この主人公は下種です、外道です、屑です。
場合によっては寝取りと取られるかもしれません。
まぁ女の子もばれなきゃ幸せそうですしいいのです…多分(笑)
ただ勘違いしてほしくないのは、まだ書かれてないですが女の子に手をつけるのにもちゃんとした理由があるということです。
次話の修正がまだ終わっていないため多少時間がかかると思いますが、なるべく早く投稿したいと思います。
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