とある茨の禁書目録   作:darkrad26

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なんとか今日中に続きをアップできました!




第二話

 

 

「またこの河川敷か?」

 

「他に暴れても平気な場所がないんだから仕方ないでしょ」

 

 

 二人がやって来たのはとある学区にある河川敷。といっても人工的に作られた物のため、全長400mしかなく、水を循環して流しているに過ぎない。正確には美観に配慮した実験用水路と呼ぶのが正しい。

 なお、二人が戦うのは毎回この場所である。

 

 5メートルほどの距離を置きお互いに向き合っているがその姿は対照的だ。

 美琴は意気込んでいるのか髪からバチバチと断続的に放電して火花を散らしており、片や北斗は余裕そうにポケットに両手を入れながら泰然と立っている。

 

 

「相変わらず余裕の態度よね。強者の貫禄ってやつ?」

 

「余裕も何もオレといい勝負をしたいなら第二位を、勝ちたいのなら『最大原石(ナンバーセブン)』でも連れてくるといい」

 

「第七位? なんで最下位なんかに…」

 

「アイツは能力の説明が出来ないせいで第七位にされてるが戦闘能力は大したものだからね。もしかしたら第一位にも勝てるんじゃないか?」

 

「それは私一人じゃ勝ち目が無いって言いたいわけ? 調子乗ってんじゃないわよ!」

 

 

 激情して言い放つ美琴から幾条もの雷撃の槍が放たれる。

 まともに反応できないような速さ以上に特筆すべきはその数の多さ、逃げ場を奪うように巧みに配置された雷槍は例え初撃をかわすなり、迎撃するなりしたとしても、続く弾幕の前にその体中を貫かれる運命が待っている。

 莫大な閃光と雷鳴と共に次々と着弾した雷槍によって巻き上げられた帯電した塵が北斗の姿を包み隠す。神の怒りにも例えられるそれは、ただの一撃ですら脅威であり人体などひとたまりもない、瞬く間にその身は感電し、焼き焦がされ命を散らすことだろう。それだけの威力が雷槍には宿っていた。

 しかしそれを放った美琴は眉を顰め、北斗がいるであろう場所を油断なく見据えている。

 

 

「…いつまでそうしてるつもり? 手加減してないとはいえアンタならこの程度なんでもないんでしょ」

 

「やれやれ、せっかちだな。開幕を告げる言葉も無しの無粋な先制に呆れているんだ」

 

 

 声が響くと同時に宙を待っていた塵がまるで時を止めたかのように停止する。その一瞬後、引きずり込まれるように内向きの風が吹き、視界が晴れた先にいるのは先ほどと一切姿勢の変わっていない北斗だった。

 

 

「あの威力といい、数といい、お前はオレを殺したいのか? …まぁ無駄でしかないがな」

 

「…みたいね。じゃあこれならどうかしらっ!」

 

 

 取りだしたのは一枚のコイン、それを親指で上に弾いた後、落ちてきたコインを莫大な速度でもって射出した。御坂美琴を象徴する能力名にもなった一撃、『超電磁砲(レールガン)』である。

 

 

「何かと思えば馬鹿の一つ覚えか。無駄だと言っているだろ」

 

 人間では反応することもまともに出来ないような速度で飛んできているにもかかわらず、北斗はおもむろに手を伸ばし何事もなかったかのようにその一撃を掴み取る。あの威力はどこに行ったのか、残ったのは彼の手の中の解けたコインの残骸のみだ。例え威力を殺したとしても大気との摩擦で生じた熱は消せないはずであるのに火傷どころか熱がってすらいないようである。

 

 

「通じないのはわかってるわよ。アンタの能力は純粋エネルギーを無効化なり吸収するなりしてるんでしょ? それなら能力の許容量を超える圧倒的質量で対処すればいい。…こんなふうに、ねっ!!」

 

「これは…」

 

 

 美琴の体から大量の電撃がほとばしり、周囲の地形を破壊しながら砂鉄や空き缶、果ては基礎に使われている機械部品までも巻き込み宙に浮かびあがらせていく。さながら濁流のような黒い津波は恐ろしいまでの威容を誇りながら彼女の背後で蠢いている。

 

 

「能力を応用して磁力を操ってんのよ。この場所なら砂鉄も鉄製部品の量も申し分ない、すぐに助けてあげるから大人しく埋もれてなさい!」

 

「やれやれ…」

 

 

 周囲の地形すら変えてしまう程の圧倒的質量を誇る一撃。これならば同じレベル5ですら対処出来ずに濁流に埋もれ窒息してしまうのではないだろうか。無情にも黒い津波はその一切の質量を減衰させることなく呑み込み押しつぶしていく。美琴は息を切らしながらも確かな勝利の手ごたえを感じ、死なないように北斗を救出しようと再び砂鉄を操ろうとして……

 

 

「枯れ落ちろ」

 

「えっ?」

 

 

 そんな声を聞くと共に目の前を黒い何かで覆われ意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…いくらなんでもやりすぎだろう…どうすんだよこれ」

 

 

 そこは先ほどレベル5同士の激突があった河川敷…いや戦場跡だった。目の前には美琴の最後の攻撃により土手が崩壊し水が砂鉄で黒く染まり、基礎部品や水を循環させていたパイプが突き刺さっている悲惨な光景が広がっていた。そんな爆心地に美琴を抱えた北斗は立っており、天を仰いでいる。

 

 

「これじゃ帝督のことも悪く言えないよな…。それにちょっと手加減間違えて必要以上に吸っちゃったし…服なんて風化してぼろぼろだもんなー。まぁなかなかいい眺めではあるか」

 

 

 美琴の制服はもはや服としての機能を持っておらず、下着などいろいろと見えてはいけないものが見えている。具体的に描写しようものならすかさず規制が入るだろう。それをこの男は憚ることなく眺めている。さりげなく北斗の手が体をまさぐるように動いているように見えるのは気のせいだと信じたい。

 

 

「とりあえずオレのスーツでも着せてあげて…オセロを迎えに来させればいいかな? …………………あっ、もしもし黒子ちゃん? 今●●学区の河川敷にいるんだけど愛しのお姉さまがあられもない姿で…っと切れちゃったよ」

 

 

 片手で美琴を器用に抱きかかえながらも電話をかけていたが用件を言いきる前に切られてしまったようである。そもそもケータイもあの磁力の嵐に巻き込まれたはずなのになぜ使えるのだろうか。

 

 

「こうやって大人しくしていれば文句ないんだがな。せっかく可愛いんだからもっと素直になればいいのに、もったいないやつ」

 

「………(ピクッ)」

 

「ん? ……相変わらず可愛いな、食べてしまいたいくらいだ」

 

「……ッ」

 

「お姉さまー! (ピーッ)姿のお姉さまはどこですの!?」

 

「来たか…じゃあ続きはまた今度だね、お姫様……」

 

「…………(ボンッ)」

 

 

 どこからかツインテールでオセロな風紀委員の声が聞こえてきたと思うと北斗は美琴の額に口づけし、その場を一瞬で立ち去った。

 北斗がいなくなったその一瞬後、風紀委員の腕章をつけた少女がその場に現れる。空間移動能力者だろうか。忽然とその場に出現し、血走らせた目を周囲に向けている。

 

 

 

「お姉さま!? 無事ですの!?」

 

「……額に……額に…」

 

「…お姉さま?」

 

「………ふにゃぁ」

 

「お姉さまー!?しっかりするですの!こんなとこで気絶しては!……チャンス?」

 

 

 美琴の反応が碌に無いことをいいことに、黒子は目を妖しく光らせ手をわきわきと動かしながら唇を近づけていく。

 

 

「なにしてんのよー!!!!」

 

「ああ゛っ愛がしびれますわ…」

 

 

 さすがにこれには反応せずにはいられなかったのか美琴は飛び起き、黒子に電撃を放ち感電させる。黒子を折檻して普段通り振舞っているつもりのようだが額を押さえて赤面していては台無しである。

 

 

「ふふっ、これで仕込みは十分かな」

 

 

 その様子を離れた所から北斗も笑いながら観察していた。

 視線の先では未だに二人は馬鹿をやって騒いでいる。こんな災害現場にいつまでも留まるリスクを理解していないのだろうか。遠くから警備員のサイレンが聞こえてきているがさすがに直前では気付くことだろう。一人は空間移動能力者であることから問題なく逃げれるはずである。

 その後二人が無事に逃げるのを確認し、北斗もその場を離れる。

 

 

「あっ、あのスーツ一番高い奴だった…」

 

 

 こっちも台無しだった。

 

 

 

 




加筆してて思いましたがやはり戦闘シーンは難しいですね…
いちゃいちゃしているシーンの方が書きやすいです。







一見無敵に見える主人公ですがある致命的な弱点があります。
果たしてその弱点がいつ出てくるかわかりませんがそこを突かれれば子萌先生が相手でも敗北を喫します。

それでは今回はこのへんで、感想、意見などいつでもお待ちしております。

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