魔物と契約した男   作:恐怖のライダー

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前回の予告で結希さんの話になると言いましたが、すいません。今回2話に分けます。
では本編をどうぞ


第十一話 能力 その1

~朝、寮から学園への道~

「なあ、転校生。俺の気のせいならいいんだが…避けられてる気がする…」

「多分、気のせいじゃないと思います…」

「だよなぁ…やっぱ融合はまずかったか~?」

先日の対抗戦から一夜明けた今日、転校生と共に寮から学校へ向かっていると、大体の生徒が俺達(正確には俺)の姿を見た途端足早に校舎へと向かっていくのである。あの後転校生から聞いた話だが、対戦相手の生徒が怯えて保健室から出てこないらしい。ちょいとやりすぎたか…

とはいえ、終わったことをいつまでも考えてる訳にもいかない。取り合えず今日からは普通に授業だ。間に合うように朝飯食わねぇとな。

そんな事を呑気に考えてると学園に着いた。すると校門付近にいた昨日の兎が話しかけてきた。

「おはよう!零士!転校生!聞いたぞ昨日の話」

「おはようございます。兎の助さん。随分と情報が早いですね。それであの後、そいつらはどうなったんです?」

「全員保健室に運ばれたよ。保険委員のゆかりって子が「どうして対抗戦でこんな大怪我するの!?」ってカンカンだったぜ」

あ~やっぱりか。保健室に運ばれたのは知ってたがそこまでとは、流石に壁と地面に叩きつけるのはまずかったか?いや、死んでないだけマシか。

少しだけ昨日の生徒を哀れに思っていると、兎の助が話しを続けた。

「そういや昨日お前が使ってたモンスターってのは…」

「ああ、こいつですか?」

「ギャオウ!!」

「うわ!!びっくりさせんな!」

見せろと頼まれた訳ではないがぬいぐるみサイズで出してやった。出てきたドラゴは兎の助の頭をポンポンと叩いている。

「なあ…本当にこいつが…?」

頭をひたすら叩かれながら兎の助が不安そうに聞いてきたので答えてやった。

「はい、あの連中の内の一人をぶっ飛ばしました。そうそう昨日は出しませんでしたが、モンスターならもう一匹いますよ」

「へ?」

と呆けている兎の助の背後から…

「ギギィ!」

いつの間にか現れた、これまたぬいぐるみサイズのサリー(蠍と考えると滅茶苦茶でかい)が鳴き声を上げる。

「うわあああああ!!!???」

「うははははは!!こりゃ傑作だな転校生!!」

「黒塚さん…あんまり驚かせちゃ駄目ですよ…」

「だってよ、こいつの、驚き方、フフッ」

笑いを堪えながら言葉を続けるが、駄目だ、面白すぎる。

「ったく!驚かすんじゃねぇ!」

「いや~、わりぃわりぃ」

どうやら兎の助はぬいぐるみのため無表情だが内面はかなり怒っているらしい。

そうして兎の助をからかっていると、ふいに声をかけられた。

「朝っぱらから随分と騒がしいですねー黒塚」

「あん?風紀委員長の水無月じゃねーか。どうしたんだ?」

「ちょっとアンタに話があるんで、風紀委員室に来てくれませんかね?」

なんでまた風紀委員室に?俺が何かしたか?

 

 

したな

 

ここで下手に断ると後々面倒だ。ここは素直に従っておくか。

「いいぜ。ただし、朝飯を食ってからだ。今は6時45分、授業開始の8時半には余裕があるだろ?」

「いーですよ。それならアンタが逃げ出さないようにウチもご一緒しましょう」

その後、朝飯時の食堂が驚きに包まれたのは言うまでもない。

 

 

~風紀委員室~

「んで?俺に話ってのは一体なんなんだ?」

「まず、昨日の対抗戦のことです。アンタ随分と妙な技を使ってたじゃねーですか」

「ああ、あれか。って言ってもアンタらからしたらほとんど妙に見えただろ?」

妙にもほどがあるよな…モンスターと融合するわ、モンスターが人間に攻撃するわ、奇怪な防御魔法はつかうわで…

「そーですね。ほとんど妙に見えましたよ。そいじゃまず、なーんでモンスターが人間を襲ったんですかね?」

「いきなりか…まぁいい、説明してやる。確かにモンスターは人間を襲わない。但し俺のかわいい相棒達は違う。正確には、俺に敵対する者、俺が攻撃しろと命令を出した時に攻撃を加えるってことだ」

嘘を付く必要もないし、本当のことを話した。というかこれ以外の説明のしようがない。

「ほー。じゃあもし、アンタの命令無しで関係ない人間にそいつらが危害を加えたら、アンタはそいつらを始末できますか?」

俺の答えに返ってきた言葉は想定の範囲内、モンスターといえども霧の魔物。それと同時にそれらを手懐けているとなると、共生派の疑いもかかる。サリーの時も似たようなことを言われた。だが、返す答えは決まってる。

 

 

 

 

「無理だ」

 

 

 

 

 

「なぜです?なにか理由でもあるんですか?それとも「俺は共生派だから」とか言うんですか?」

「馬鹿言え、誰が共生派だ。勘違いすんな。俺は確かにコイツらに愛着が沸いてるし、大事な相棒だと思ってる。それは共生派と見られても仕方ねぇ。でもな、俺が【無理だ】って言ったのは、【魔物だとしても大切な仲間だから】なんて甘ったれたことじゃねぇ。【俺の実力じゃ倒せない程に成長してしまった】ってことだ」

そう、俺の相棒達、特にドラゴの方は魔物として生きた年数がそんじょそこいらの魔物とは比べ物にならないくらい長い。おまけに、他の魔物の霧を吸収して強くなっている。そして、

「アンタにはまだ言ってなかったが、こっちの龍の魔物は倒した霧の魔物を吸収して強くなる。そして、今まで数えきれない程魔物を吸収してきた。」

「ちょっと待ってくだせー。アンタ今【霧の魔物を吸収できる】って言ったんですか?」

「そうだ。だから確実に世界中の霧の量は減っている。少しずつだがな」

そう、これはあまり口外するなと親父に言われたことだが学園内ならばいいとも言われた。この力は人類に大きく役立つがそれゆえにその力を利用しようとする連中が出てくる。科研の連中みたいにな。

「そんで、話を戻すが仮に俺、あるいは人類がこの龍の魔物を倒せたとしよう。こいつに蓄積されてた莫大な量の霧は再び世界に放たれる。すなわち、魔物を根絶させたいならこいつは生かしておくべき存在なのさ。要するに【毒を以て毒を制す】だな」

「アンタが共生思想を持ってないってことは分かりました。でもまだ質問は終わりじゃないですよ」

「こんなんが続くのかよ…勘弁してくれ…」

「駄目です」

 

 

 

 

この後めちゃくちゃ質問された

 

 

 

俺の家族構成、妙な防御魔法、魔力奪取、軍時代の活動、その他諸々…ひたすらこいつの質問に答えてた。

「聞きたいことはこれだけか?」

「ええ、今のところはこんなもんですね。始業まで時間もありませんし」

そう言われ腕時計を確認すると始業10分前だった。かなりの時間話し込んでたな…

「それと、放課後宍戸がアンタに用があるそうですよ」

「おいおい、まだ何かあんのか?」

「どうやらアンタの魔法とかモンスターとかに興味があるそうですよ」

何なんだ?その宍戸って奴は?あれか?会長が言ってたな。確か魔導兵器開発局だっけ?あれの科学者か?

「分かったよ」

と短く返し風紀委員室を後にした。

その後教室についたのは始業5分前だった。

 

 

~放課後、ローズクラス教室~

「それにしても折角零士さんと一緒のクラスになったのに、これじゃあ全然お話しできませんね…」

「仕方ないさ。俺の持ってる能力が普通じゃねぇから色々と調べなきゃならんし、でも大丈夫だ。慌ただしいのはもう少しで終わるだろうから、終わったら二人でどっか遊びに行こうぜ」

俺だって七撫と同じだ。折角一緒に居られる時間が前より増えたんだ。それに七撫が夢見てた学園生活を楽しく過ごさせてやりたい。そのためには昔から付き合いのある俺が協力しなければならない。この面倒なゴタゴタを終わらせて少しでも一緒に居られる時間を増やさねぇとな。

「本当ですか!?約束ですよ!」

「ああ、約束だ。もうちょい先の話になりそうだが行きたいとこ決めとけよ」

「うん!それじゃ零士さん、無理だけはしないでくださいね!」

「もちろんだ。かわいい後輩のためにもな」

そう言って俺は教室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回こそ本当に結希さん出ます。一応今回の続きなのでなるべく早く出します。
次回、「能力 その2」
お楽しみに
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