~生徒会室~
「説明は以上だ。兎ノ助、黒塚をローズの教室に案内してやってくれ」
「りょーかい。いくぞ零士」
そう言われ俺と兎ノ助さんは生徒会室を出た。さっきまで俺がなにをしていたかというとこの学園についての色々なことについて説明されていた。あらかじめここについて調べれることはあらかた調べていたので、わからないことはほぼなかった。一つだけよくわかんなかったのが【クエスト】についてだ。クエストが発生するのは基本的に魔物が現れたとき、というのはわかる。次だ。クエストが発生した際は校内放送、またはデバイス(学園生用の携帯型端末)に情報が届く。そしてそれを見た生徒が個人で状況を判断し最低2人以上のパーティーで魔物の討伐に向かう。ここの『個人で状況を判断し』ってとこがどうも気に食わない。魔物が出たなら即討伐に向かうべきではないのか?そもそも学園に発注されるクエストは国軍等が相手をしているレベルよりも遥かに低いそうじゃないか。確かにここは将来魔物と戦えるように経験と技術を積み上げるための場所だ。そこで軍が相手をしているようなのを相手にして命を落とすのならそっちの方がいいとは思う。そんなことを考えながら廊下を歩いていると見慣れた顔ぶれが出てきた。
「おお、零士じゃねーか。ほんとに覚醒しちまったとはな」
「久しぶりだな黒塚」
先に喋った方は金髪で少しワイルドな雰囲気を醸し出している少女、【メアリー・ウィリアムズ】
そんで、後者が赤髪で眼帯をしているのが、【エレン・アメディック】二人とも短い間だったが世話になったいいやつだ。
「確かに久しぶりだな。連絡はとっていたとはいえこうして3人で集まることは無かったからな。どうだ精鋭部隊の方は?」
「どうもこうも、相手が弱すぎる。そんでも学園の中では強い方を相手しているらしいんだが」
「ああ、どちらかと言うと魔物の討伐より私達は他の生徒の訓練が中心になっている」
「なるほどね。それじゃ俺も近い内に精鋭部隊に入らされてみっちりしごく側になるってことか?まあそれもそれで悪くはないけど」
と、かつての仲間と話していると、
「なあ、話してるとこわるいんだがこいつをローズの教室まで案内しなきゃいけねーからその辺で切り上げてくんねーか?」
と、兎ノ助さんが口を開く。おお、そういやそうだった。すっかり忘れてた。
「そんじゃ、わりいな。俺行かなきゃなんねーから」
とその場を去ろうとしたときにエレンが、
「なんだお前もローズか。なら私が案内する。私もローズだからな」
え、あ、そうなの?同じクラスだったの?これなら学園生活に困ることはなさそうだ。
「ん、ああそうかお前もローズだったもんな。それじゃ頼めるか?」
「勿論だ。行くぞ黒塚」
「はいはいっと。そんじゃな兎の助さん、それにメアリーもまた学園内で」
「そんじゃーなーエレンに手ぇだすなよー」
そういいながらメアリーは自分のクラスへと戻っていった。それと俺をどんなやつだと思ってんだあいつは...
「なあエレン、1つ聞いていいか?」
「なんだ?」
「噂の転校生についてなんだが」
そう、この学園にはとんでもないやつがいると聞いた。魔法の技術に関してはさっぱりだが、膨大な魔力量とそれを他人に譲渡できるという魔法使いからしたら喉から手が出るほど欲しいやつがいると。精鋭部隊に所属している彼女なら彼の恩恵も十分に得ているだろうと思い質問したのだ。だが...
「転校生のことか?確かにあいつの能力は凄まじいが、あいつを戦力として数えるのは少し難しいな」
返ってきた答えは非常に辛口な評価だった。
「わお、そこまで魔法が使えねーの?下手したら覚醒仕立ての魔法使いより使い物になんねーのか?」
「いや、あくまで奴が一人で魔物と戦うと仮定したらの話だ。実際には彼の能力は我々に非常に大きな効果を表している」
なるほど、戦力としては皆無に等しいが魔力補充のためには必要不可欠というわけか。
「なあ、そいつってどんくらいの魔法使えんの?」
炎系なら焚き火くらいか?と思っていたが...
「以前兎の助から聞いたのだが...ライターの火ぐらいしか出せないらしい...」
「マジ...かよ...」
なんてこった。思ってたよりも酷かった。いやまてよ、下手に戦わせるよりそいつには魔力補充に専念してもらった方がいいんじゃないか?その方が効率が...と考えている内に、
「着いたぞ黒塚」と声を掛けられ我に帰る。教室を見回すとほとんどそこいらの学校とさほど変わらないといったかんじの光景だった。そして俺が教室に入るなり教室がザワつき始めた。転校生が来たからなのか、それともエレンと一緒に来たからなのかどちらかはさだかではない。すると担任の先生が自己紹介をするようにと言ってきたので、軽く自己紹介をすることにした。
「えー本日より私立グリモワ-ル魔法学園、ローズクラスの一員となる黒塚零士だ。エレンと同じく元軍人だがそこまで緊張する必要は無いと思う。まあ、気軽に声を掛けてもらえるとうれしいかな。というわけでこれからよろしく」
パチパチパチパチと少し小さめの拍手の後に先生が、
「じゃあ黒塚さんの席は...浦白さんの隣が空いてるからそこでいいかい?」
と言ってきたので、それに応じることにした。まてよ浦白ってことは...
「あ、零士さん同じクラスになったんですね!」
やっぱり七撫だった。
続く
さて次回辺りから本格的に転校生君と絡ませていきたいな-って思ってたり