魔物と契約した男   作:恐怖のライダー

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すいません。かなり遅くなってしまいました。
では本編どうぞ


第七話 想定外

「キシャアアアアアアア!!!」

姿を現した討伐対象であるスコーピオン。しかし目の前のそいつは亜種。報告では亜種かどうかの報告はされていない。まあ、無理も無いだろう。逃げるのでやっとだったんだからな。さてと亜種だろうがなんだろうが、結局は倒さなきゃなんねぇ事に変わりは無い。やるとするか。

「総員!作戦通りに行動しろ!」

「「「「「「了解!」」」」」」

エレンの号令で一斉に各員が魔物を囲むような隊形へと動き出す。その中で真っ先に攻撃したのは、

「初撃は貰ったああああ!!!」

俺だ。いわゆる一番槍である。狙うは鋏の付け根。風魔法で移動速度を上げ一気に接近しそのまま付け根目掛けて一気に大剣を振り下ろす。しかし、

ガキィン!

「何!?弾かれた!?」

「キシャアアアア!!!」

「おっと!危ね!」

反撃を躱し距離を取る。

何故だ?亜種でも部位が固くなることは滅多にないはずだ。となればこいつはそれなりに生き延びてた魔物ってことか。上等だ...執行部の野郎、俺のことを試してるみてぇだな。いいぜ、ならこいつを完膚なきまでに叩きのめしてやるぜ!

 

 

 

 

とは思ったものの、どうする?

 

 

 

正直こいつはいくら俺ら元軍人が3人と転校生がいたとしても、辛い相手だ。精鋭部隊とはいえ勝てるか分からない。となれば...

少し早いが【アレ】を使うしかねぇか。

 

「おい!何でアイツは戦闘中に止まってんだ!」

「そうよ!なんで手伝ってくれないのよ!」

どうやら中等部の2人がご立腹のようだ。

仕方ない、やるか。

「ドラゴ!アレ、やるぞ!」

と鋏を押さえ付けていたドラゴに呼び掛ける。

それを聞いたドラゴは、奴を持ち上げ放り投げる。

さて、久しぶりだが、まぁどうにかなるだろ。

「おい、アイツ一体何する気なんだ!?」

苛立ちを隠せない来栖がそう言う。だが、俺が何をしようとしてるかを分かっているエレンが、

「来栖、巻き込まれたくなければ黒塚から離れておけ」

と言い聞かせる。

ナイスだ、エレン。

よし、行くぜ

「うおおおおおおおおおお!!!!」

俺の叫びを合図にドラゴは1度霧に戻り俺の全身を覆う。やがてその霧が再び巨竜の姿に戻る。

それを見ていた来栖が

「あ、あいつ自分の意思で魔物に!?」

と驚いているがそうではない。

正しくは霧を【纏っている】のだ。

分かりやすく言えば鎧を着てるのと同じってことだ。

融合した俺は感触を確かめるために手を開いたり閉じたりした。よし、久々だが鈍っちゃいねぇな。

「キシャアアアアアア!!!」

起き上がった奴が怒りを露にしこちらに向かってくる。俺は焦ることもなく拳を握りしめ弓を引くように後方に持っていく。

ドドドドドドドドドドドドドド!!

ダンッ!

ものすごい速さで向かってきた奴は尻尾を地面に叩きつけその反動で飛び上がり鋏を振りかざす。

俺はそれを少しだけ身を反らしてかわし、

「グオオオオオオオオオオ!!!」

カウンターの要領で渾身の一撃を鋏目掛けて叩き込む。

その瞬間、

バキッ、ビキビキ、バキャッ

と乾いた音と共に奴の鋏の片方が砕け散る。

「キシャアアアアアアアア!!!」

奴が苦しみの咆哮を上げる。だがまだ片方が残ってる。

俺は残っている片方の鋏の根元を持ち。

バキャッ

胴体から強引に引きちぎる。

「ギィイイイイイイイイ!!!」

手加減は不要。徹底的にやるだけだ。

それを見ていた来栖は、

「あ、あれが戦いかよ?信じらんねぇ...」

と言い唖然としている。それに対しエレンが説明する。

「信じられないだろうが、あれが奴の奥の手だ。魔物との体積差を埋め魔法以上の有効打を的確に叩き込む。それにあの状態は長い間共に戦ってきたからこそできる。そろそろ終わるぞ。せっかくだから見ておけ」

とエレンが言ったとき既に奴の体は原型をとどめていなかった。

鋏は砕け、牙のような部位も砕かれ外骨格は所々凹み、霧散が始まっている。

「これで終いだ。ウオオオオオオオオオ!!!」

ドゴォ

俺は奴の胴体目掛けて止めの一撃を叩き込んだ。奴は最後の叫びを上げる間もなく霧散した。それを見届けた俺はドラゴとの融合を解除、ドラゴは最初のぬいぐるみサイズへと戻った。ミッションクリア、後はドラゴに霧を吸収させるだけ、今回のは相当多いぞ。

 

 

 

と思っていたが何か変だ。いつもなら霧散したらすぐに別の場所へと移動するはずの霧が今もなお滞留している。それも【さっきまで奴がいた場所に】だ。このようなケースを以前一度だけ見たことがある。そうこのケースは、

【魔物のモンスター化】だ。このようなケースは非常に珍しい。そう思っていると精鋭部隊の面子と転校生がこちらに歩み寄りこの状況を見て思い思いの反応をする。

「どうした黒塚?そんなとこで立ち止まって...なるほどそういうことか」

「おっこいつは珍しいな」

「なんだ?なんで霧が残ってるんだ?」

「何々?まさか魔物が復活したりするの!?」

「あ、これ梅お姉ちゃんが言ってた...」

「これは、一体?」

お?以外な奴が知っていたな。まあ、あの我妻梅の弟だからか。さて、四人分かってないから教えるとするか。

「分かる奴には分かるが分からない奴のために説明してやる。今のこの状態は魔物がモンスターに変化するという非常に稀なケースだ。見てろ」

しばらくその場に滞留していた霧が徐々に形になっていく。そして...

「ギィ、ギィ」

元の魔物、スコーピオンを小さくし、少し愛嬌のある見た目へと変化し完全にモンスターとして生まれ変わったスコーピオンが表れた。

「「「「「おぉ...」」」」」

その場にいる全員が感嘆の声を上げる。そんな中俺は生まれたばかりのスコーピオンに手を伸ばす。

「ちょ、ちょっとあんた!大丈夫なの!?」

と守谷が慌てているが何も問題はない。モンスターは初めから人間に害を与えない種族だからだ。他の面子が見守る中、スコーピオンは俺の手のひらに乗り、

「ギギ♪ギィ♪ギィ♪」

と喜んでいる。どうやら人懐っこいらしい。それを見たドラゴも、

「ワギャ♪ワギャ♪」

仲間が増えて嬉しいのか喜んでいる。

「な?危険はないし、むしろかわいいだろ?」

と守谷に向けて言ったが、

「やめてやめて!ツク足多いの苦手!」

と言われてしまった。スコーピオンも、

「ギィィ...」

と少し残念そうだ。

さて、任務は無事に終わった。でも学園に報告する事が多そうだな...

 

続く




さて如何だったでしょうか?新しい相棒も増え次回は完遂にあたる話になります。さらに次回はスコーピオンの名前も決定します。
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