モモンガさん、世界征服しないってよ   作:用具 操十雄

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黒粉畑焼き討ち

 

 

 

 冒険者組合の応接間で眠りこけていた黒髪の青年は、執事の入室で意識を呼び戻した。

 

 依頼をこなしたセバスが受付嬢から話を聞き、寝ている主人の下へ馳せ参じた時には、窓の外に暗闇が広がっていた。寝起きの覚醒が鈍く、ヤトはまだ寝ぼけていた。

 

「う、うーん……おはよう、セバス・ちゃん」

「おやすみのところ申し訳ありません。部屋で待機しているはずのヤトノカミ様がこちらにいると聞きましたが、何かあったのですか?」

 

 問い詰める眼差しで聞かれ、説教されないかと焦るも、大蛇の化身に冷や汗は浮かばない。あくまでイメージだが、心中では脂汗を掻いていた。

 

「あー、やべ。いや、実は冒険者の名を売るために、アダマンタイト級冒険者に協力をすることになった。昇進すればセバスの報酬が上がるぞ」

「おお、そうでしたか。流石はヤトノカミ様、空き時間も全く無駄にしないとは」

「う、うん。まーね」

 

 上手く誤魔化せたかどうか、鋭い執事の視線を見てもわからない。後ろ暗いヤトは詳しく話さず、依頼の説明に入った。

 

 

「――と、いうわけだ」

「問題ありません。ナザリックから応援を呼び、畑を焼き尽くしましょう」

「いや、それだと俺がやったか不明だから。アインズさんも別の依頼についてるし」

 

 顎に指をあてて悩むも、結論は寝る前に出ているので素振りだけだ。

 

「マーレに連絡を取って、一番近い村で待機させてくれ。太陽が出るまでに俺が来なければ村を焼き払えと」

 

 畑を焼き払えという意味で言ったつもりだったが、村をと言い間違えていた。彼が間に合わなければ、真面目なマーレは村を壊滅させた。

 

「護衛はどうなさるのですか?」

 

 再度、強い目力を感じるが、今度は後ろ暗いことがなく、真っすぐにセバスの視線に応じた。

 

「俺が本気で走ったら、誰も追いつけないと思う。シャドウ・デーモンで充分だ」

「畏まりました、すぐに手配します」

「宿に行くついでに、金貨を全部持ってきてくれ。組合長に全財産を預けると言っちゃったから」

 

 セバスが出ていった応接間には静寂が戻り、黒髪黒目の青年は再び眠りに入った。

 

 

 

 

 焼き討ちの準備をするアズスの邸宅で、アダマンタイト級冒険者の男女二名が話をしている。男性は落ち着いていたが、武装した女性は眉をひそめ、親族の勝手な行動を咎めていた。

 

「叔父さん、それは無茶苦茶です。信じられません。ここで失敗すると、奴らは隠れて生産を続けます」

 

 一旦、言葉を切るアズスの姪、ラキュース・アルベイン・デイル・アインドラ。カールした輝く金髪、白くて透き通る肌、碧の瞳は吸い込まれそうに澄んでいる。黒い大剣を背負い、浮遊する剣(フローティング・ソード)が周りに浮かんでいた。

 

 桃色の薄い唇は文句を続けた。

 

「今度はもっと巧妙に隠され、発見が困難になります。幼子を含めた多くの人々が苦しむのです。事態の深刻さがおわかりですか?」

 

 口調こそ強くないが、批判的な意見だった。

 

「お前の言い分はよくわかる。私もそう思ったのだが、彼なら出来る気がするのだ」

「できなかったと言って笑える話ではないのです!」

 

 ラキュースは口調を強くするも、叔父には通じていない。

 

「念のため私が距離の遠い村に潜伏する、間に合わなければ私たちでやろう」

「そんな――」

「安心しろ、お前もその仲間も、そして私自身の力も信用している」

「そういう問題ではありません!」

 

 「ははは」と笑って受け流す叔父に、うら若き女性はため息を吐いた。

 

「お前もいい男がいれば、結婚してそんな苦悩から解放されるというのに」

「私を満足させる殿方などいらっしゃいません」

 

 やけくそ気味に応えたが、あながち適当でもない返答だった。王国貴族兼アダマンタイト級冒険者で、周りが目を引く美人ともなれば縁談は多く寄ってくる。しかし、相手の家柄、相手の容姿など条件がいかに良くても、彼女の首が縦に振られた試しはない。元より、そのようなものに重きを置いておらず、中二病の難しさがそこにあった。相手が異形種であれば、意外にも首が縦に振られたかもしれない。

 

「跳ねっ返りは変わらんな。兄上が嘆いていたぞ? 気まぐれで縁談を二つも潰されたと」

「八本指の娼館に出入りする貴族の次期頭首、彼らと繋がる貴族の三男、そんな方々との見合いなど気分で潰されて当然です」

 

 アズスの兄から聞いた話だと、徹底的にやり込められた男は半泣きで逃げ帰った、お茶をぶっ掛けられたなど、枚挙に暇がない。

 

「それはそうなのだがな。あれもお前が心配だから、少し暴走しているのだ。今が一番美しい年頃だというのに、危険の多い冒険者に明け暮れるとは」

 

 身内に向ける優しい笑みで、尚もアズスは言葉を続ける。

 

「心配な親の気持ちくらいは理解をしてやれ」

「ええ、勿論です。良い方がいれば考慮しますと、叔父さんからもお伝えください。それより、本当に任せて大丈夫なの?」

「ああ、私もアダマンタイト級の戦士だ。相手の実力を見抜く経験と直感には自信がある」

「……仲間に伝えてきます」

 

 ラキュースは部屋を出ていくが、言葉ほどに内部へ響いたとは思えず、アズスはお転婆な姪に苦笑いをする。今の彼女は王都の未来を憂う王国貴族の戦士だ。見合いの話など既に忘れている。

 

「あれは話を聞いていないな」

 

 彼女は自分に憧れて冒険者になったと聞いている。そこに負い目が無いでもなかったが、自分の意思で最上位まで上り詰めた彼女が誇らしく、誰かに自慢したかった。なぜヤトが素っ気ないのか理由は不明だが、色恋沙汰に限らず、お互いに面識があっても損はないと、首尾よく進めば紹介しようと考えた。

 

「さて、私も準備をするとしよう」

 

 気を取り直し、野営の準備に取り掛かった。

 

 

 

 

 アズス邸宅の外に集まった“蒼の薔薇”は、リーダーの突拍子もない言葉に首を傾げた。

 

 意気込んでいた彼女たちも、異例の事態に苦言を呈さずにいられない。

 

「なんだとぉ? 村の近くに待機して様子を見ろ? これからか?」

「そうなのよ。私達は結果の確認だけすればいいと」

「アズスは何を言っているのだ? 見ているだけで何とかなる話ではないぞ」

 

 イビルアイは不思議そうに聞くが、ラキュースの表情は浮かない。

 

「鬼ボスどうした?」

「素直に聞くのは珍しい」

「今回は助っ人さんが全てをこなしてくれるみたいよ。名前は聞かなかったけど」

「それで本当にどうにかなるのかねえ? 黒粉は王都に蔓延してんだぞ」

「叔父さんが大丈夫だと言って引かなくて。付近で待機して様子を見て、日が昇っても結果が出なければ私達でやってくれですって」

 

 実際に大蛇の化身を見ていない彼女たちは、不満もさることながら疑問も大きく膨らんでいた。

 

「ますます意味が分からん。あいつは何を言ってる? それこそ失敗する可能性が高いじゃないか。失敗する可能性がある前提なのか?」

「万が一を考えてのことだけど、私達を頼りにしているとも言っていたわ」

「そんなわけわからん方法に、素直に賛成はできねえな」

 

 普段は前向きなガガーランも今回は不安を隠しきれず、口はへの字に曲がっていた。ティアとティナは早々に提案を呑み、腕を頭の後ろで組み、表情からやる気が消えていた。

 

「二人は?」

「楽できる」

「寝てられる」

「おいおい、そんなに悠長でいいのか」

「いい」

「命令に従ってサボるのみ」

 

 適当な返事の二人に、ガガーランは苦笑いをする。

 

「アズスの事だから何も考えていないとは思えないが、今回は理解ができないな……」

 

 結果、イビルアイの呟きを最後に、アズスの奇怪な提案は女性冒険者たちに呑まれ、彼女たちは馬を駆って王都を出た。

 

 噂の助っ人は、同時刻に冒険者組合のソファーで何も考えていない寝顔を晒し、聞いた者にまで睡魔をもたらしそうな寝息をスースーと立てていた。セバスが準備を終え、仮眠所に帰ってくるまで1時間以上、一度も起きることは無かった。

 

 時折、組合長が覗きに来ていたが、眠っている彼を発見し、何かを諦めた顔で出ていった。

 

 信心深い方ではなかったが、この時ばかりは神に祈りを捧げた。

 

 

 

 

 冒険者組合に待機するセバスと入れ替わりに出発し、ヤトは宿に戻った。転移ゲートを開くべくシャルティアを呼び出し、シャドウ・デーモンも交え、みんなで仲良く地図に書かれた場所を探した。時は刻一刻と流れていたが、誰も興味を示さなかった。程なくして、シャルティアがおぼつかない手つきで操作する鏡に、小さな畑が映された。

 

「おお、それそれ。この村に俺を転送できるか?」

「問題ありんせん」

「じゃ、すぐに出発しよう。シャドウ・デーモンは影に潜れ」

「御意」

「シャル、ゲートを開いてくれ」

「はーい、でありんす」

 

 赤黒い闇が現れ、二人はその中に吸い込まれた。

 

 最も離れている村の近くに闇が開かれ、異形の二人が出現するが、誰にも悟られた気配はない。周囲に人気もなく、夜の草原は静寂の所有物だった。

 

「御武運をお祈りしんす」

「ありがとう、シャルティア」

 

 帰還するシャルティアを見送り、改めて暗がりの畑を眺める。

 

「一番遠くの村に来たが、アズスはまだ着いてないか。当然と言えば当然だな」

 

 草原にあぐらをかき、小さな村全体を眺めた。こちらの存在に気が付いて襲撃でもしてくれれば時間も潰せたが、見張り台に人気はなく、本来の役目を果たしていなかった。

 

「あー……暇。暇だ………もう始めちゃおうか?」

 

 立ったり座ったり歩き回ったりと、手持無沙汰な青年に落ち着きはない。30分と耐え切れず、先に始めると決めた。終わってからゆっくり寝ればいい。

 

「忍術、《火遁の術》」

 

 呪文を唱えれば掌から炎が伸び、蛇のように空中を進んで畑に到達する。王都に影を落とす薬物、黒粉の栽培畑は、あっという間に炎に包まれた。MPを消費し、疲労も蓄積しているのが分かった。

 

「思ったより疲れるな……3件も保つか? 次は消費を抑えてみよう」

 

 ティアとアズスが現場に到着したのは、畑が燃え尽きてから4時間後だ。足の速い馬を選び、距離を考えると異例の早さだったが、かなり前に事は済んでいた。

 

「なぜだ……もう終わっている? 鎮火しているところをみると、何時間も経っているじゃないか」

「不明。暴動でも起きた?」

 

 まさか一番遠い村から始めているとは夢にも思わない。自信満々のヤトが言う、魔道具(マジックアイテム)とやらに感心した。暇を持て余したヤトが常軌を逸し、転移魔法で一番遠い村から歩いて回る暴挙に出たと、彼らの知識を超えているので考え至ることはない。

 

「奴は一体……何をした?」

「奴って誰? 怪しい奴?」

「う、うむ。まあ怪しい奴なのだが。この仕事が終わったら皆に紹介しよう」

 

 彼らはそのまま何もせず、王都へとんぼ返りする。

 

「全然、サボれない。つまらない」

 

 昼寝ができると踏んでいたティアは、馬に乗りながら不機嫌に文句を零した。

 

 

 

 

 最初の村を焼き討ちした彼は、人の姿で走るのが億劫になり、蛇の姿で次の村へ急いだ。人の姿より大蛇の姿が早かった。あまりの速度に、顔を撫でる風が冷たかった。

 

「風が気持ちいい。バイクってこんな感覚なのかな?」

 

 呟きは風に消え、すぐに次の村が見えてくる。

 

「意外と近いじゃないか」

 

 物見櫓が立っているが、村に灯りは見当たらず、こちらの村も寝静まっていた。探知スキルにより、近くに人が一体だけ確認できた。恐らくこちらの動きを確認するために配置された冒険者なのだろう。

 

(あの野郎、二人でペアじゃなかったのか)

 

 想像力が足りず、心中で文句を垂れた。虚偽でも冒険者側のミスでも何でもなく、アンデッドのイビルアイがそのペアの片割れだったので探知スキルに引っ掛からなかったのだ。

 

「潜伏している冒険者があそこだから、死角はこっちだな。一応姿勢を低くするか」

 

 蛇らしく地を這うと、豊穣な土に育まれた背の高い雑草が、地を這う大蛇の体を隠してくれる。鹿を思わせる立派な角の先が覗いていたが、それも夜の闇に紛れていた。

 

 悠長に這うと目の前に畑が見えてくる。

 

「忍術、《火遁の術》」

 

 火炎放射器の様に口から火を放射し、炎はすぐに畑を飲み込む。

 

「ふーん……見た目が変わると火が出る場所変わるな。俺、格好良くない?」

 

 口から黒煙を吐き出しながら呟いた。畑全体に放たれた炎はすぐに燃え広がり、村も火をつけたように騒がしくなった。火の手はすぐに広がり、畑一面は炎に包まれていた。ここまで燃えれば、最後まで見届ける必要はない。

 

「次行こう、つぎー」

 

 長居は無用と、人間に視認できない速さで次の村に向かった。

 

 

 目を離すことなく監視していたティナとイビルアイは、騒がしくなった村に何事かと互いに顔を見合わせた。異形の大蛇は二人に感知されていなかった。

 

「見た?」

「燃えたのは見えたが、なんだこれは? 術者不在の魔法など、あるわけがない……」

「ちゃんと見てた?」

「当たり前だ。これでもよく見えるんだぞ」

「昨日のこと思い出してない?」

 

 ティナは仕事が終わったのでイビルアイを煽りだす。少しは気にしているだろうと鎌をかけられ、イビルアイは激昂した。

 

「しつこい! もう忘れろ! 絶対に私は行かないぞ!」

「でえとしても減るもんじゃなし」

「危険だ! 八本指の手かもしれない」

「そうだった、危険。純潔が減る」

「うるさい! そんなことは言ってない!」

「ヴァージンは疑い深い」

「お前はふざけているだけだ」

「大丈夫、最初は誰でも痛い」

「うるさい黙れ! 置いて帰るぞ!」

「怒りっぽい、大事な日?」

「あああ! 本当に腹が立つ! 少しは黙れないのか!」

 

 この村の潜伏者は他と比べて騒がしかった。

 

 

 

 

 大蛇は王都から最も近い村へ到着する。彼が冒険者組合で昼寝していた時間を含めても三時間程度しか時間が経っていないが、残す栽培所は既に一つだけだった。

 

(ここが最後だな、付近に人は……北側に一体、南東に二体。一人がマーレだな)

 

 イビルアイがこの村にいれば大蛇の姿を目撃したが、そう上手くはいかない。今までと同様に口から火を吐き、畑に火を放つ。薬物の畑は気持ちいいほどよく燃えた。充分に炎上したのを確認し、マーレの方へ這っていった。

 

「よう。元気か?」

「あ、はい! お疲れ様です、ヤトノカミ様」

 

 マーレは数日振りに顔を見た蛇神に目を輝かせ、杖を抱えて駆け寄ってくる。艶のある頭髪がさらさらと揺れ、上目遣いでこちらを眺めている。どこからどうみても少女にしか見えない。

 

「ちょっとお願いがあるんだが、頼んでもいい?」

「はい。あの、僕でよければ喜んで」

「俺はここで人に変わるから、眠気で倒れたらセバスの所まで運んでほしい」

「でも、あの、僕が至高の御方に触るわけには」

「そんな気にしなくていいんだよ。俺は41人の末端だし。眠ってしまったら運んでくれればいいから」

「わかりました、なんとかします。任せて下さい」

 

 嬉しそうに笑った。

 

 普段は気弱な女の子に見え、笑う姿まで可愛らしい女の子だ。創造主である桃色の粘体生物を思い出すも、男の娘にした彼女の意図は理解できない。

 

(……茶釜さん)

 

「ほい、人化の術っと」

 

 大蛇は光に包まれて消え、黒髪黒目の人間が立っていた。

 

「ほら……眠くなってきた。本当に不便だな、これ」

 

 目をしばしばと瞬かせるも、それすら覚醒効果を感じなくなった。意識は緩やかに傾いていく。

 

「マーレ、ナザリックに戻ったら、犯罪組織八本指の情報をなるべく多く調べるように伝えてくれ。やり方は任せる……」

「はい! 畏まりました! 偉大なるヤトノカミ様!」

「偉大はいらないって……まあいいか。頼んだよ」

「わかりました!」

 

 地面に倒れていく彼には、マーレの返事は届かない。華奢なマーレは慌てて抱きとめ、ヤトを背負って王都へ帰還した。教えられた冒険者組合の扉を開くと、気配を察したセバスが出迎えてくれた。

 

「お帰りなさいませ、マーレ様もお久しぶりです」

「あ、はい。あの、ヤトノカミ様を、お願いします」

 

 深夜だったが、組合長は自室にて作戦の成功を神に祈っており、引き籠っている組合長にマーレは目撃されなかった。主をセバスに渡し、闇妖精(ダークエルフ)の男の娘はナザリックへ帰還していった。

 

 作戦は終わったが、それを眺めていたラキュースとガガーランは、他の村を観察していた冒険者と同様に顔を見合わせる。彼女らの視界では、村が急に明るくなり、何事かと近寄ると畑は燃えていた。慌てて家屋から飛び出す者に火消しされていたが、首尾よく全ての植物は燃え尽きている。最初にこの場所へ来るだろうと予測し、助っ人を確認すべく目を見開いて監視していたが、誰の姿も捉えずに仕事は終わった。

 

「今の見たか?」

「ええ……なんで急に燃えたのかしら」

「ああ、誰もいないのに畑が燃え上がったよな」

「本当になんなの……今回の依頼は。ラナー直通の大事な依頼だったのに」

「成功したからいいけどよ」

「う、うん……」

 

 アズスの任せておけという態度が引っかかり、ラキュースは金髪ドリルの片方を指でくるくると弄んだ。

 

「……後で叔父さんを問い詰めておくわね」

「よくわかってないと思うぜ」

「そうかしら」

「話を信じる限りだと、無事に終わるってだけは知ってたな。何がどうやって進むのかは全く知らなかったんじゃねえの?」

「そんなことってあるのかしらね」

「この消し炭になった畑を見ちまうと、信じるしかねえだろうぜ」

「……そうね。知っていることは後で聞いておくわ。誰が助っ人かは教えて貰わないと」

 

 ラキュース以外の仲間は相手を知っているのだが、実力が不明な相手に点と点は繋がらなかった。

 

 王都リ・エスティーゼで活動する冒険者たちの忙しい夜は更け、明朝には全員無事に王都へ帰還した。

 

 

 

 





漆黒聖典とシャルティアの遭遇率 0%
村でイベント→1d% 失敗、何も起きません

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