振り向いたら見えるもの   作:熊林檎

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幼少期・日常

「後ろを向いても、何も変わらない」…なぜか皆、そればかりを言う。

「前を向けば、きっと、未来が見える」…綺麗事だ。

「どうしてそう思うの?」…皆が尋ねてくる。

『今を生きるのに精一杯だから』なんて、ありきたりな返答をする。

……なんで本当のことを言わないかって?…“本当のこと”を言っても、誰も信じてくれないから。

__君は、信じてくれそう。話してあげる。“本当のこと”を__

 

_____

最初に、一番大事なことを言うよ。…僕には、見えてはいけない“モノ”が見える。…信じられないなら、信じられないでいいから、最後まで僕の話を聞いてほしい。

 

物心ついた頃には、もう見えるようになってた。というか、__当時は、保育園にも、幼稚園にも行ってなかったから__ 見えるのが当たり前だと思ってた。

家族は、ただの一人おままごとだと思ってたみたいだけど、「絶対に、“モノ”たちと一緒に遊んでた」そう、自信をもって言える。

 

小学校に入ってから、“モノ”たちは、自分にしか見えないんだって、初めて知った。教室には少なくても大体5、6体くらいはいたのに、誰も気づかないし、僕が「いる」って言っても、誰も本気にしてもらえないんだ。

そのうち、_小学2年生くらいからだったかな_ 見えることを、隠すようになった_。

でも、見えちゃうから、たまにおどかしてくる“モノ”もいたから、驚きを隠すのには苦労したなぁ…。

あ、話を戻すね。

その頃から、悪い“モノ”と良い“モノ”の区別がつくようになってきた。はじめは、何か身震いするくらいだったけれど、そのうち、近づいちゃいけない、ってのが分かるようになってきた。まぁ、感覚的なものなんだけどね。

__「よく感じる場所はどこか」って?よくみんなが言うような、トイレとかじゃあないよ。図書室とか、廊下とか、教室とか。みんなが集まる場所には、やっぱりよくいたね。“モノ”たちも、人気が多いところを好むんだなぁって。

どこにいても嫌な感じがして、仕方がなかったよ…

話を戻すね。

時々、僕ら、生きている人間に、異様な興味を示してくる“モノ”もいたね。興味本意だったり、友人になりたかったり、恋心を抱いていたり。

__「何でそんなことが分かるか」って?……まぁ、それは追い追い話すよ。

 

__ちょっと喉が渇いちゃったから、水、飲んでくるね。あ、君も飲む?…じゃあ、一緒に行こっか。大丈夫。人間は、誰もいないから、勘違いされたりとかはないよ。……多分。

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