型月産ワカメは転生者である(仮題)   作:ヒレ酒

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やっほー、みんなー、元気してるぅー?

僕は開幕早々にガチャで諭吉が旅立って、有り金を溶かした顔をしているぞ☆
まずは一諭吉だ。幸先がいいぜ(白目

とりあえず一言。
マーリンシスベシフォウ。


あと今回は本文に過激な表現が乱立します。
言うまでもなくR-15なのでご注意を。
いいか、R-15だからな。あくまでもR-15だからな!



第十五話

 間桐家の最奥にある、慎二の寝室にて。

 そこでは肉と肉をぶつけ合う音が高く鳴り響いていた。

 赤く熱をもった桜のソコに、慎二が渾身の一撃を叩き込む。

 

「ひゃうっ……それ以上は……だ、だめぇ……兄さん……ッ!」

「ええぃ、悪い娘にはなぁ、悪い娘にはお仕置きしなきゃいけないんだよぉ!」

「そんなぁ……そんなに強くしたらぁ!」

「あァ!? ここか? ここが効くのか桜ァ!」

 

 慎二的には、程よくランサーに仕返しができればそれで――それだけでよかった。

 ついでに聖杯戦争なんていう、くだらない遊戯を終わらせられれば最高だった。

 

「そこっ、そこはダメぇ……!」

 

 そう思った。そう思っていたのに――結果はこの有様だ。

 聖杯戦争開幕直後における桜の暴走。

 そしてそれに付随した、出オチとばかりのサーヴァント二騎の脱落。

 

「運命はっ、収束するなんてっ、カッコつけて言ったケドさぁ!?」

 

 しかし、だがしかし。ここまで拗れてしまっては収束どころではない。

 というかもう、収集がつかない――つけられないと率直に申し上げたい。

 

 アレなのか、ついでとばかりに聖杯(イリヤスフィール)を取ろうとしたのが間違いだったのか。

 ランサー拉致監禁だけで満足していれば、こんなことにはならなかったのか。

 いいや違う。今回ばかりは慎二は何も悪くない。悪いのは――

 

「オマエだよ、桜ァ!」

「ごめんなさいぃ……ひぅっ、ご、ごめ……ああっ!」

 

 そもそもだ、前提条件からして間違っている。

 間桐家の平穏。そしてそれを盤石なものとする冬木という経済基盤。

 それさえ守れれば、慎二的にはオッケー。他は知ったことではない。

 

 聖杯戦争を勝ち抜こう、なんて高尚な精神は端から持ち合わせていない。

 他のサーヴァントを脱落させるなんて考えたことすらなかった。

 

 ランサーの件だって、そもそもあちらが襲ってきたのが発端。

 決して慎二が好き好んで自分から手を出したわけじゃない。

 捕えた後は適当にいぢめて、死棘の秘密を聞き出して。後は泳がせるつもりだった。

 

 慎二にしてみれば、聖杯なんてどうでもいい。所詮は路肩の石だ。

 いや路肩の石、では言葉が弱いかもしれない。

 もう少しデリケートな言い回し――そう、路肩の不発弾。これがいい。

 興味は全くないが、その癖に厄介な代物という辺りが的を射ている。

 

 もしこれが正真正銘たる願望機であったのなら、少しは食指も動こう。

 けれど冬木の聖杯は汚染され、その実態は破壊を撒き散らす兵器に他ならない。

 そんなものを得て喜ぶのは、それこそかの外道麻婆組(ギル&キレイ)くらいのものである。

 

 自分で解体してもいいが、可能なら専門家に任せたい。

 慎二にとって、聖杯とはそういう厄介な代物なのであった。

 

 できることなら、キャスター組辺りが手に入れてくれれば最高だ。

 どうぞ幸せになってください。僕達の知らない所で。

 ガス漏れ事件(魂食い)とか色々やらかしているけれど、その辺りは間桐の管轄じゃない。

 困っているのはセカンドオーナーである遠坂と、監督役の教会だけだ。

 

「ああン? これか? これが欲しかったんだろォ!?」

「にい、さんッ……つよ……つよすぎ、ますぅ!」

 

 腰に力を入れて、さらにストローク量を増やしていく。

 そんなわけで。

 本音を言うなら、慎二的にはさっさと冬木から退避してしまいたい。

 けれども間桐家の経済基盤は冬木市に集中している。

 万が一にも聖杯君が誕生し、汚染された泥を撒き散らすなんてことになれば。

 

 ――考えるだけでも恐ろしい。

 間桐家の家計は壊滅的な打撃を受けることになるだろう。

 

 だから仕方なく、本当は嫌で嫌で仕方がなかったが緊急措置的に。

 結果だけは見守る、というスタンスで聖杯戦争に参加した。

 もしも最悪の未来(ルート)に進むのであれば、消極的に介入する。

 その予定だった。そう、過去形だ。予定“だった”のだ。

 

 ――予定とは、狂うためにある。

 平安時代の詩人にして剣豪、ミヤモト・マサシの言葉だ。

 

「だからってさぁ! なんで進んで狂わせに行っちゃったかなぁ!?」

「そっ、それ以上は……ああっ、にいさんっ……こわれちゃうッ!」

「うるさい! このっ……このっ……このォ!」

 

 慎二は叫び上げながら、己が内に眠る熱狂を叩き付ける。

 桜のソコは散々行われた行為によって、限界を迎えつつあった。

 

「あっ、やぁっ……もう……もうだめ、です、兄さん! 兄さん……!」

「いい、いいよ桜、これで……これで……フィニッシュだ!」

「い、いや……いやッ……あッ、ああああああッ!」

 

 桃色に上気した艶やかな肌からは、玉のような汗が弾け飛ぶ。

 そして桜は弓なりに身を逸らせると、力尽きるようにベッドに突っ伏した。

 

「んっ……はぁっ――もう、だめぇ……」

 

 息も絶え絶えに荒い息を吐き出す桜。

 一仕事やり終えた達成感を露わにする慎二。

 そんな二人の様子を黙って見ていたライダーが、困惑した様子で尋ねる。

 

「あの、シンジ……これは?」

「ああン? 尻叩きだよ! 見てわからないのかい?」

 

 悪い娘の尻は叩け。間桐家家訓にはそう書いてある。

 これは古来より間桐家に伝わる、由緒正しきオシオキなのだ。

 

 それにしても――なんだ。

 桜め、いい尻をしていやがる。

 

「あっ……そ、そんな……叩かれて敏感になったところを撫で――あっ」

 

 水蜜桃のような尻、とはこのことを言うのだろうか。素晴らしい。

 ちなみに間桐家家訓なる代物ができたのは丁度十年前のこと。結構最近だ。

 

「あの、シンジ……非常に言い辛いのですが」

「なんだい、ライダー」

「……サクラが凄く満ち足りた様子で、というか途中から悦んで――」

「――いいかライダー。誰がなんと言おうが、これはオシオキ、いいね?」

「あ、ハイ」

 

 どう考えてもご褒美にしかなっていない、というツッコミはさておき。

 この“尻叩き”――あくまで“尻叩き”は、今回の一件に対するケジメ。

 決して卑猥なアレではない。アレでは、ない。

 ケジメとは、ブシドーにおけるサホーなのである。

 

 ケジメは神聖なるもの。古事記にもそう書いてある。

 絶対にアレと一緒にしてはいけない、慎二お兄さんとの約束だぞ。

 

 だからいいか、この行為は決して卑猥なものではない。いいね?

 

 ――ちょっとばかり物欲しそうな目で見ているライダーはさておき。

 なぜ急にこんなことをし始めたかと言えば。

 今回の一件で、桜を少しばかり矯正しておく必要性を感じたためだ。

 

「いや、ねぇ……流石にアレはまずいよなぁ」

 

 ランサー消滅間際に桜が浮かべた笑みからは、狂気の未来が垣間見えた。

 具体的にはHFとか黒化とか、そういう世界の危機的な意味でのアレだ。

 

 おかしいなぁ。聖杯の欠片なんて入ってないはずなんだけどなぁ。

 もしかすると、お兄ちゃん、少しばかり育て方を間違えたかもしれない。

 これは本気で時臣(トッキー)の墓に土下座せねばならない案件なのではなかろうか。

 

 久しぶりに、ぎゃーてー、と墓の方角に向かい目を瞑って唱えておく。

 ごめんね、時臣(トッキー)と謝罪しつつ手を合わせ、そして目を開けると――

 薄っすらと頬を染めたライダーが、いつの間にか距離を詰めてきていた。

 ライダーの彫刻の如く整った顔が目の前にある。熱い吐息が慎二の鼻にかかる。

 

「……その、シンジ」

「近い。近いよライダー?」

 

 そこはかとなく漂う嫌な予感に、慎二が額から汗を流す中。

 ライダーはベッドに膝立ちになると、見せつけるようにボンテージを捲り上げた。

 引き締まった美しいラインが慎二の眼前で露わになっていく。

 舌が触れそうな至近距離。瑞々しい果実のような香りが慎二の鼻腔をくすぐる。

 

「マスターとサーヴァントは一心同体。古事記にもそう書いてあります」

「そんなこと書いてあったかなぁ……!」

 

 そんな記述知らない。知ってても認めない。

 じりじりと後退していく慎二に、ライダーが蠱惑的な笑みを浮かべた。

 

「つまりサクラの失敗は、私の失敗、ということです」

「いやぁ、そんなことない、ライダーはナニモワルクナイ!」

 

 むしろ今回の一件に関しては被害者である。

 無罪だ、ノットギルティなのだ。

 だから待って。

 ぷりーず、すとっぷ、ぷりーず。

 

「私にもオシオキが必要だと……そう、思いませんか?」

 

 待ってライダー、話せばわかる。

 だから脱ぎながら迫ってくるんじゃない。すていだ、すてい。

 なに? いつものもいいけど、たまにはちょっと刺激的なモノが欲しい?

 見ていて桜が羨ましかった? 同じ目に合わせて欲しい?

 

 いやね、慎二君的にアブノーマルなプレイはちょっとNG――。

 ――ああもう、そんな泣きそうな顔するなよ。

 仕方がない、今日は自棄だ。こいよライダー、服なんて捨ててかかってこい。

 

 間桐家の灯りは一夜を通して途絶えることはなかった。

 そして明け方にあったのは、三人が一つのベッドに身を寄せ熱を分け合う姿。

 彼等の表情は、どこか満ち足りたモノであった。

 

 ――というのが事件の当日における顛末であったとさ。

 めでたし、めでたし。にゃんにゃん。

 

 

 

 




桜ちゃんのお尻を叩くだけの反省回。
なにも卑猥なことはしていない(真剣

いいか、何一つ卑猥なことはなかったんだ。お尻を叩いていただけなんだ。
だから合法、セーフだ、いいね?

……セーフだよね(震え

だって前に皆が書けって(ry

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