十勇士 作:妖狐
森へ来た鎌之介達……
森の中を、鎌之介は一人駆け走りその後を、大助は追い掛けていき、走る二人を見ながら桜華はレオンとゆっくりとついて行っていた。
「桜華!!こっちこっち!」
少し離れた場所から、大助は手を振り彼女を呼んだ。桜華は小走りで、大助の元へ行った。
森を抜けると、そこは滝壺だった。
「凄ぇだろ!?
この俺が見つけたんだぜ!」
「……」
「桜華も靴脱いで、一緒に遊ぼ!」
履いていた靴を脱ぐと、大助は一目散に滝壺へと入った。
水を掛け合う鎌之介と大助……
桜華はしばらくボーッと見ていた。気を抜いた、その時だった。
“バシャーン”
突然、全身に水が掛かった桜華。驚き立ち上がると、顔に掛かった水を腕で拭いた。
「ハッハッハッハッハ!!
どうだ!桜華、悔しかったから掛かってこーい!」
大笑いする鎌之介に、桜華は睨み付け手に水の玉を作り出すと、それを彼に思いっ切り当てた。鎌之介は顔面に当たりそのまま顔向けに倒れた。
「やりやがったな!桜華!
そーれ!!」
鎖を振り回し、風を起こした鎌之介は水の渦を桜華に放った。彼女は難なく避け、滝壺に入ると鎌之介の足を自身の足で払った。彼は尻を突き倒れ、それを大助は面白可笑しく笑い、その笑いに釣られ桜華も笑った。
びしょ濡れになった三人……息を切らして、岸に上がり寝そべった。横になった桜華の隣に、レオンは寄り共に寝そべった。
「かぁー!!
おっもしれぇ!!桜華!お前、水の術使えるんだな!!」
「水の術?」
「才蔵達、術が使えるんだ。
例えば、鎌之介は風使い」
「風……」
「応よ!」
「そんで、氷柱は名前の通り氷使い。
佐助は水と獣使い。
六郎は草使い。
甚八は雷使い。
清海と伊佐道は土使い」
「十蔵と才蔵は?」
「十蔵は術と言うより、火縄銃の名人だね。
才蔵は皆の技を使えるスペシャリストって感じかな」
「へー……あれ?火は」
「それが、火の使いはいないんだよなぁ」
「そうそう。
どっかにいねぇかなぁ」
「……」
「なぁ!桜華は、水以外に何か技使えるの?!」
「……知らない」
「へ?知らないって」
「ずっと、戦わないように逃げてたから……
だから、何が使えるのかは……」
「ふ~ん……
俺は、戦うの好きだから全然何が使えるかは分かってるけどな!」
「鎌之介と一緒にしてどうすんだよ。
桜華は一応、女の子だよ」
「そんなもん知るか。
このご時世、女も戦えなきゃ生きていけねぇよ」
「……?」
何かの気配を感じたのか、桜華は茂みを睨んだ。彼女と同じように、レオンは起き上がりその茂みを睨んだ。
「何?」
「どうしたの?」
「……すぐに城に戻って」
「え?」
「早く!!」
“バーン”
突然茂みの中から、弾が放たれた。鎌之介は大助の前に立ち鎖を振り風を起こした。弾は風に乗り勢いを弱め地面へ落ちた。それを見た桜華は、腰に着けていた刀の束を握り、茂みの方を見た。
茂みから出て来たのは、覆面をした山賊だった。
「さ、山賊だ!」
「佐助の野郎、何進入許してんだ!!」
「ガキが三人か……
その中のガキは、上田の若君みてぇだな」
「!」
「大助、来い!!桜華、お前も!!」
桜華の手を引こうとした鎌之介だったが、彼の手は桜華の手に届かず、桜華は刀を抜き山賊に向かって振り下ろした。山賊は油断したのか、肩を斬られ手で抑えながら槍を出し突いた。彼女の体を貫く寸前、目の前に木の根が生え伸び槍の攻撃を防いだ。
「?!」
「……!!」
息を切らしていた桜華は、突然頭を抑え苦しみだした。
山賊は今だと思い、桜華に攻撃した。すると彼女を守るかのようにして、水が上がり山賊の攻撃を防いだ。
「み、水が勝手に?!」
苦しむ桜華……次第に彼女の胸元が黒く光り出した。光り出すと共に、桜華の目の前が暗くなった。
(……ここ、どこ?
才蔵……才蔵!……才蔵!!)
『さぁ、使いなさい』
(え?)
「アァァアアアア!!」
叫び声と共に、桜華を中心に黒いオーラが爆発した。
狐:あれ?皆は?
望:皆、出ているが。
狐:何だぁ……
それじゃあ、前回登場したアンタを紹介するか!
元武田に仕えていた侍・望月六助(モチヅキロクスケ)さんです!
望:どうも。
狐:六助って、桜華の母親とは知り合いみたいだね?
望:知り合いって……
あなたがそういう
狐:あーあー!!
そういう話しは禁止!
望:そうなのか?
狐:(あー。
この人と話すの、才蔵達がいる時にしよう)
読者の皆さん、また次回。