十勇士   作:妖狐

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夜の森を駆け抜ける四つの影……影は茂みから出ると、丘からある場所を見下ろした。


それは上田だった……


旧友との再会

「山犬?」

 

 

怪我をした鹿の手当てをしていた佐助に、才蔵は町で聞いた話をしていた。

 

 

「ここ最近、出たらしい。

 

山近くの村の作物がやられたって話だ」

 

「おかしいな……アイツ等が、そんな事するはずはないと思うんだが」

 

「まぁ、何かあったんだろ?お山の大将なんだから、何とかしろよ」

 

「言われなくても、そのつもりだ」

 

 

治療を終えた鹿の頭を一撫ですると、佐助は立ち上がった。鹿は彼に礼を言うかのようにして擦り寄り、森の中へと帰った。

 

 

「相変わらず、動物に好かれるな?お前」

 

「ほっとけ」

 

 

それだけを言うと、佐助はその場を去った。

 

 

一方城では、庭で桜華と六助が刀を振っていた。振り終えると、息を切らしながら木刀を収め一礼した。

 

 

「さすが隊長と副隊長の子供。お二人の血をよく引いております」

 

「へへ……ねぇ」

 

「?」

 

「父さんと母さん、どれくらい強かったの?」

 

「それはもう……敵軍を二人だけで二つも倒すほど」

 

「スゴォ……」

 

「とても優秀な方々でした。

 

拙者より年下なのに、もう隊長と副隊長に就任して」

 

「……」

 

「そういえば、隊長はどこへ?」

 

「昨日帰った。信幸だっけ?あの人に呼ばれたかなんかで」

 

「そうでしたか……

 

隊長は、武田が滅んだ後残った者達の面倒をみてくれた。誰に対しても、心お優しく……きっとそこに、蓮華は惚れたのでしょう」

 

 

蘇る記憶……怪我をした蓮華を背負って、山を下りる真助と二人の荷物を持ち、先を歩く若い頃の自分が見えた。

 

 

 

場所は変わり、森の奥深くへ来た鎌之介と大助。

 

 

「結構暗いよ、鎌之介」

 

「大丈夫大丈夫!佐助の森だから、俺等を襲う動物はいないって!

 

それより、この先だ!洞窟があるのは」

 

「本当!?」

 

「あぁ!!ほら、早く!」

 

 

岩を乗り越え、二人は洞窟近くに辿り着いた。その時、何かを貪り食べる音が聞こえた。鎌之介は後ろにいた大助に静かするように、人差し指を口に当てた。それを知った大助は頷き、ソッと音の方へ近付いた。

 

 

「!!」

 

 

そこにいたのは、熊の死骸を食べる大きな獣の影が四つ……死骸を貪り食べる獣に、大助は怯え鎌之介の服を掴んだ。

 

 

「な、何あれ……」

 

「わ、分かんねぇ……」

 

 

逃げようと後ろへ下がった時、落ちていた枝を大助は謝って踏んでしまった。枝が折れた音に気付いた獣は、死骸から口を離し鼻を動かした。ニオイに気付いたのか、牙を剥き出しにして唸り声を上げながら、鎌之介達がいる茂みへ寄ってきた。

 

 

「や、やべっ……大助、走るぞ!!」

 

 

鎌之介が走り出したと共に、大助は蹌踉けながらも走り出した。獣達は大声を上げると駆け出した。

 

 

走る鎌之介達……大助が振り向くと、三匹の獣が追い掛けていた。

 

 

「鎌之介!!追い駆けてくる!!」

 

「クソォ!!何で追い駆けてくるんだよ!!」

 

「オイラ達を餌と勘違いしてるからか?!」

 

「とにかく、逃げ切るぞ!!捕まったら終わり……!!」

 

 

前の茂みから一匹の獣が飛び出してきた。鎌之介は急ブレーキを掛けるようにして、走るのを止めた。急に止まった彼に大助は止まることが出来ず、そのままぶつかり二人は一緒に倒れた。

 

 

「ふ、袋の鼠になった……」

 

「ど、どうしよう!!このままじゃ、オイラ達死んじゃう!!」

 

「落ち着け!俺がいるから何とか」

「ガァアアアア!!」

 

「……佐助ぇ!!」

 

 

大助の叫び声に応じたのか、疾風の如く佐助が二人の前に姿を現し、四体の獣を蹴り飛ばした。

 

 

「佐助!」

 

「早く大助様を連れて行け!!」

 

「あ、あぁ!」

 

 

小太刀を手に構えた佐助は、後ろと前にいる四匹の獣を睨んだ。

 

 

(山犬って事は間違いではないが……

 

何だ……この異様な大きさは)

 

 

目の前にいる山犬達は、人一人乗せることが出来るほどの大きさだった。

 

すると、山犬は一瞬佐助が目を反らした隙に跳び上がり襲い掛かった。佐助はすぐに持っていた小太刀で、攻撃を防いだが腕に深傷を負ってしまった。

 

 

「佐助!!

 

大助、走って逃げろ!」

 

「けど!」

 

「早く行け!!

 

佐助!俺も参戦」

「来るな!!」

 

 

腕の傷を抑えながら、佐助は駆け寄ろうとした鎌之介を怒鳴った。

 

 

「コイツは余所者だ……早くお前達は城に!!」

 

「けど!!」

 

「言う事を訊け!!」

 

 

そう怒鳴った瞬間、佐助は咄嗟に大助の元へ駆け寄った。彼の背後から仲間が襲い掛かろうとしていた。

 

 

「佐助!!大助!!」

 

 

背中を向け、佐助は大助を覆った。

 

 

だが、いくら待っても激痛が走ってこなかった……ハッと後ろを振り返った。そこにはいるはずの山犬ではなく、レオンだった。レオンの後から、才蔵と甚八が姿を現した。

 

 

「騒がしいから来てみれば……何だ?この有様は」

 

「才蔵!」

 

「何やってんだよ、お山の大将が」

 

「うるさい!

 

あの山犬達は、この森のものではない」

 

「?じゃあ、余所者か?」

 

「そうだ。

 

てか、あの大きさ!どっからどう見ても、ここに住んでる山犬達ではない!!」

 

 

「才蔵殿?」

 

 

茂みから六助と彼と共に桜華がやって来た。

 

 

「六助に桜華。どうかしたのか?」

 

「森の方からこの者が」

 

 

桜華の髪に隠れていたのか、髪から鼬が姿を現した。鼬は佐助の姿を見ると、一目散に彼に飛び付いた。

 

 

「そいつが森に来いって……」

 

「お山の大将が、鼬に助けられるとは」

 

「うるさい!!」

 

 

その時、唸っていた山犬達が黙り込み、レオンに何かを話すかのようにして、鼻を動かした。

 

 

「何だ?」

 

「急に唸らなくなったな」

 

「レオンが話してくれたのかな?オイラ達は敵じゃないって!」

 

 

するとレオンは、才蔵達の方に振り向くと桜華の元へ駆け寄り、彼女の背中を頭で押し出した。

 

 

「え?何」

 

 

押されるがままに、桜華はレオンと共に山犬達の元へ行った。彼女の後を、六助と才蔵、佐助は距離を置いてついて行った。

 

山犬達の元へ来た桜華……一匹の山犬が、彼女の元へ寄りニオイを嗅いだ。すると山犬は、甘え声を出しながら桜華に擦り寄った。

 

 

「あの山犬、桜華に懐いてるぞ」

 

「何でだ?俺達はともかく、佐助にすら懐かなかったのに」

 

「そうそう。“佐助”にすら懐かなかったのに」

 

「お前は一言余計だ!!」

 

 

擦り寄る山犬に桜華は、首元の毛を撫で上げた。そこには古い傷痕があった。

 

 

「……まさか、空(ソラ)?」

 

 

名を呼ばれた山犬は、嬉しそうは声を上げると桜華の頬を舐めた。

 

 

「空!じゃあ、お前は青か?」

 

 

灰色の毛を生やした山犬は、返事をするかのようにして彼女の頬を舐めた。

 

 

二匹になめられている桜華を見た才蔵は、一人彼女の元へ駆け寄った。駆け寄ってきた彼に、桜華は空と青の頭を撫でながら話した。

 

 

「里にいた頃、飼い慣らしてた山犬達……ハハ!」

 

「飼い慣らして立って……お前達の一族、山犬扱ってたのか?」

 

「一部の人間だけ。

 

山犬使って、狩りとかやってたから」

 

「この四匹は?」

 

「空と青は母さん父さんが飼い慣らしてた山犬。

 

後の二匹は、空達の子供」

 

「へ~。しっかし、大きいなぁ」

 

 

四匹に囲まれた桜華を見た才蔵は、手を挙げ合図を送った。身を潜めていた佐助達は姿を現し、彼等の元へ行った。

 

 

「桜華の知り合いなの?」

 

「らしい。真さん達が飼い慣らしてたって」

 

「でも、さっきオイラ達を食おうとしたよ!」

 

「半分野生化してるからね。多分子供を守る為に、本能が働いたんだと思うよ」

 

「うへ~、おっかねぇ」

 

「ねぇ、城に連れてっていい?」

 

「危険じゃなければ、まぁいいだろう」

 

「レオンも飼ってるしな!」

 

「レオンは俺の相棒だ!」




才:雑談コーナー!

猿:まさか、ここに来て新たなキャラが出て来るとは……

狐:まだまだ出るよ。

猿:次も動物か?

狐:それはまだ決めてない。

才:しっかし、更新ペース何か遅くなったな?

狐:一応学生だから、やること多いのよ。

それに、前にも書いた通り最近パソコンの調子が悪くて。

猿:携帯は?

狐:携帯はストック作る用。前にやったら問題が発生して、サイト自体が閉じたから。

才:何か、虚しいな……

狐:虚しいのよ……

猿:何か、暗くなってきたぞ……

氷:読者の皆さん!

清:また次回。
伊:また次回!
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