禍終素学園の混沌な日常   作:有頂天皇帝

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宣言通りに投稿しない作者ですまない......

OP『桃源郷エイリアン』


会わないとわからないこともある

前回までのあらすじ。

新八が文通していたのはうららではなくその姉であった。しかしそんなことを知らない新八たちは文通を続け、遂に会う約束を取り付けるまでに至ったのであった。

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

新八「いや~、まさかこんな早くに彼女と会えるとは。アタックしてみるもんですね」

 

新八が照れながらそう言っている時、零斗達は新八が受け取った手紙に目を通していた。

 

新八「皆さんのアドバイスのおかげです。ホントありがとうございました。いや~、持つべきものは相談できる友達と人生のセンパイですね、ウンウン」

 

と、新八が感謝して零斗達に声をかける が零斗達は零斗達で深く考え込んでいた。

 

零斗「……しかし、どういうわけなんだ。あんな『ムラムラします』とか書いた手紙受け取ったってのにこの反応は」

 

知弦「普通の女子ならこんな手紙出した男子なんてゴミ扱いのはずよ」

 

アラタ「マジかよ女子恐いな」

 

明久「それでも会いたいってことは」

 

鍵「まさか……、まさか」

 

そして、零斗達の頭の中を、ある予想が駆け巡った。

 

『(あっちも、ムラムラしてる!?) 』

 

あっちの方、つまりうららもムラムラしているのではないか、と零斗達は深読みしてしまったのである。

 

近藤「いっ……、いけません!!」

 

近藤は新八に届いた手紙を破り捨てるという行動に出た。

 

新八「ギャアアアア!近藤さん、何するんですかァ!!」

 

近藤「いけませんよォ!!16歳でムラムラなんていけません!!認めません!!兄として!!」

 

新八「いや兄じゃねーし!!大体アンタが一番ムラムラしてるでしょうが」

 

近藤「20歳越えてからです、ムラムラは20歳越えてから」

 

土方「いやアンタ20歳前からムラムラしてただろ」

 

土方も近藤にツッコむが、近藤は「認めませんん!!」と言って手紙を破り続けるのであった。

 

銀時「どーすんだ、コレ」

 

銀時は手に持ってるアラタがジュデッカで新八を斬り伏せる写真を見て、思わずそう呟いた。

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

昼過ぎ。いつもの公園ではこの日も子供達が遊んでいた。 人だかりが出来ている、ある一角を除いては──。

 

うらら「もうお姉ちゃん~!!ここまで来てそれはないでしょ!!」

 

姉「うららちゃんやめて!!私はホントにいいの!!いいから!!」

 

うらら「何言ってんのよ!会いたいって言ってたのお姉ちゃんでしょ!!」

 

うららは逃げようとする姉を説得しようとしていた。しかし姉の方は恥ずかしくなってしまったようで逃げようと草むらの中に隠れようとしていた。

 

姉「私は新八さんの顔が見れればそれでいいの!!少しだけ見れれば!!陰で見ているから、うららちゃんが行ってきて!!」

 

うらら「それじゃ意味ないじゃん!!お姉ちゃんなんのために文通始めたの?自分を変えるためでしょ!!友達つくるためでしょ!!」

 

姉「で……、でも、むこうはうららちゃんが文通の相手だと思っているのよ。私なんて出て行ったってガッカリさせるだけよ。それで文通が終わってしまったら私……」

 

うらら「またァ、そうやって逃げる!!お姉ちゃん怖いだけでしょ、人と接するのが!!自分が傷つくのが!!そういう所から変えていかないと、お姉ちゃんずっと一人ぼっちよ!!」

 

うららはネガティブな考え方をする姉に、そう言ってから、両手で姉の両方の頬に触れ、優しくこう続けて言った。

 

うらら「大丈夫……、自分に自信をもって、お姉ちゃん。お姉ちゃんはとってもカワイイよ。当たり前でしょ。だって、私のお姉ちゃんなんだから。だから無理して自分を大きくみせようとしたり、偽ったりしなくていいの。自然体でいいのよ。だってお姉ちゃんはそのままで充分、素敵なんだから」

 

姉「自然体……」

 

うらら「そう……、無理して取り繕ったりするから緊張するのよ。ありのままに素のままに、思うままに自然にふるまえばいいのよ」

 

うららは姉にそうアドバイスした。

 

姉「(思うままに……) 」

 

そう考えた姉は、次の瞬間、思いもよらぬ行動を取った。

 

姉「(超逃げたい!!) 」

 

そう考えた姉は、突然、草むらに向かって全速力で走って逃げていった。

 

うらら「お姉ちゃんんんん!!」

 

慌てたうららが姉を呼び止めようとしたが、姉は手綱の切れた馬の如く全速力で走り去り、そのまま草むらの中に隠れてしまった。

 

うらら「しまったァ!!お姉ちゃんにとっては逃げ腰が自然体だった」

 

誤算があった事に気づいたうららは、すぐに姉を探しに行こうと思い、動こうとした。

 

うらら「待ってお姉ちゃん!!」

 

姉を追おうとしたうららの右肩に、何者かが手を置いた。

 

「すいませーん、アンタがうららさん?」

 

うららの右肩に手を置いたその人物は──。

 

沖田「どうも、ぼく、志村新八でーす」

 

新八でもアラタでもなく、何故か沖田だった!

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

沖田がうららと会っているその同じ頃。

 

新八「いや、なんで……?」

 

草むらの陰では、新八がその様子を唖然として見ていた。新八の後ろからは、零斗、霊夢、知弦、アラタ、鍵、明久、妹紅、深夏、ゼノヴィアがその様子を見守っていた。

 

新八「なんで僕でもアラタくんでもなく、代わりに沖田さんがデート行ってんだァァ!!」

 

新八は、自身でもなくアラタが代打をするわけでもなく、何故か沖田が代わりにデートに行っているというよくわからない状況にツッコミを入れた。

 

零斗「いやまぁ、あの人ならうまくやれそうだし」

 

鍵「だよなー」

 

新八「うまくやらんでいいわ!なんでようやくデートまでこぎつけたのに、他人に一番おいしい所もってかれにゃならないんだァァ!!」

 

知弦「他人じゃないわよ。あっちにとってはあっちが文通相手の新八くんってことになってるのよ。だからしょうがないのよ」

 

新八「いや、紛う事なき他人だろーが!写真にさえ写ってないだろーが!!」

 

アラタ「少しイメチェンした新八って事でどうよ?」

 

新八「少しどころか、顔も体型も全然違うんだけどォ!!写真の新八くんより全然背ェ高いんだけどォォ!!つーか写真の新八くんお前!!」

 

新八には、写真の新八の代わりになってしまっている筈のアラタにツッコんだ。

 

妹紅「でも、むこうの食い付きが良かったのもこの写真のおかげだろ」

 

新八「うっ!!」

 

返す言葉が出なかった新八は、思わずそう漏らしてかたまった。

 

新八「そ……それにしたって、今まで文通頑張ってきたのに……。これじゃあ何のためにやってたんだか」

 

一誠「誰がこのままいくっていった」

 

新八「えっ?じゃあ名乗り出るんです!?この状況で『実は僕が手紙書いてました』って名乗り出るっていうんスか!!」

 

霊夢「まぁ落ち着きなさいよ。今そんな事しても沖田から新八に落ちるわよ。何もいいことはないじゃない。これじゃあ月からなんかヌメヌメする亀みたいな奴に落ちるようなもんよ」

 

新八「それスッポンじゃね?つーかヌメヌメするって、アンタスッポン触ったことあんのかよ」

 

一誠「まぁ要するに、正体バラすにしても超カッコいい状況で言い出さなきゃダメだってことだよ。たとえヌメヌメした亀の甲羅でも、階段前に落ちてたら軽くお月様に見えてくるだろ?」

 

新八「見えねーよ。意味のわからんことを言うなよ!」

 

明久「なんか踏みつけて1UPしまくりたくなっちゃうしね」

 

新八「それどこのスーパーマリオだよ!つーかスッポンの甲羅ってやわくて途中で潰れそうだけど!?」

 

ゼノヴィア「もしくは前に走ってる車に投げたくなるんだよな」

 

新八「それはマリカーだろ!つーかさっきも言ったけどそんな事したらスッポン潰れるよ!?」

 

新八は変な例えを出した二人にツッコミを入れると、零斗は本題に入った。

 

零斗「そこで、沖田さんには今回悪役になってもらうってわけだ」

 

零斗は今回設定した新八と沖田の関係を具体的に説明し始める。

 

零斗「沖田さんは新八の因縁のライバル。ある日、新八がカワイイ娘と文通を始めたことを知り、これを横取りしようと画策、新八の一通目の手紙をもみつぶし、第三者の写真を送りつけた。その後、新八とうららちゃんの中が深まった頃合いを見て会う約束を交わし、その純潔を狙う」

 

一誠「しかーし、そこに現れるのが新八だ!!」

 

新八「女の子を助ける救世主って、またそんなベタな」

 

沖田『事実は小説よりベタなりでさァ』

 

新八「沖田さん?」

 

零斗が持っていた無線機から沖田の声が聴こえてきたことに新八は驚いた。どうやら零斗たちと沖田はグルのようだった。

 

沖田「まァ、そん位の方がわかりやすくていいでしょ。難しいのは覚えるのダリーんで」

 

新八「いいんですか沖田さん。こんな事してもらって」

 

沖田「アイツらにはウチの後輩たちが世話になってるからな。それに近藤さんの提言で局中法度に新しいのが加わりまして、第四十六条『万事屋憎むべし。しかし新八くんにだけは優しくすべし。逆らえば切腹』でさァ」

 

新八「気持ち悪い!!本格的に兄の座狙いだしたよ!」

 

霊夢「なるほどその手があったわね」

 

知弦「私達も早速紫音ちゃんにやるべきかしらね?」

 

深夏「いやアンタらがやっても意味無いだろ」

 

新八はやけに積極的な近藤にドン引きして思わず声を上げた。 だが、沖田はさらにこう続ける。

 

沖田「ああそういや、ちぃと気になることが……」

 

沖田は姉を探し回って辺りを見回しているうららをチラッと見てから、無線を通して新八達にこう伝えた。

 

沖田『どうも奴さん、姉貴と一緒にこの街に出てきたらしいんだが、その姉貴が迷子になったとかで気が気じゃないんでさァ』

 

新八「お姉さん?あの手紙に書いてあった」

 

沖田『どうしやす?これじゃあ口説くどころじゃなさそうだぜィ』

 

霊夢「お姉さん?変なタイミングでいない方が口説きやすいわよね。とりあえず警察に連絡したとか言ってデート続行して」

 

沖田『いや、俺警察なんですが』

 

零斗「沖田さんならわかるだろ。うららちゃんが不安な今がチャンスだってこと。な、新八くん」

 

新八「いやなんで僕に振るんだよアンタ」

 

新八が零斗にそう返したときだった。

 

「あ……、あの、すいません、し……、新八って、い……、今、新八って言いました?」

 

零斗たちの背後に先程話題に出ていたうららのお姉さんがいたのだった。

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 

 

公園から少し離れた所の路地裏。

 

零斗たち(知弦を除く)「「「すいまっせーんんん、お姉さまァァァァ!!」」」

 

零斗たち(知弦を除いた全員)は土下座しながら女の人に謝った。

 

姉「え……、じ……、じゃああなたが……、わた……、妹と文通してた、志村新八さん?」

 

新八「悪気はなかったんです!だます気もなかったんです!いやらしい事とかそんなん一切考えてませんでした!!」

 

新八は涙を流しながら必死にうららの姉に謝り続ける。

 

新八「ただァまぶしくてェ、あなたの妹さんがあまりにもきらめいててェ、ヤケドしそうでェ、こんな娘と文通できたらいいなって必死で……、考えてたら写真とか色々やっちゃってェ、最低ですよね!!僕、最低ですよね!!ごめんなさい!!もう二度と妹さんに近づきません」

 

新八が言い終わったときだった。

 

姉「……かります」

 

うららの姉が声を漏らし、新八達はそれに注目する。

 

姉「わ……、私も、わかります。……その気持ち」

 

新八「お……、お姉さん?」

 

新八は思わず声を上げた。うららの姉は申し訳なさそうな感じで続けてこう言った。

 

姉「最低なのは……、私……、なんです。謝らなきゃいけないのは、……私なんです。私のせいでみんな……、みんな」

 

零斗たちは意外な感じでうららの姉を見つめた。 そして──。

 

妹紅「いやまぁ、なんて言うか。あんま深刻に考えないでいいんじゃないか。まだ致命的な問題は何も起きてないんだろ?だからそこまで悩む必要なんかないよな」

 

アラタ「まぁいい所新八そっくりの奴に取られちゃったけど、ここにいる本物の新八くんが何とかしてくれるから」

 

新八「沖田さん差し向けたのアンタらだろーが!!完全に別人だろーが!!つーか写真の新八くんお前だろ!!」

 

一誠「仲間が悩んでたらそりゃアドバイスの一つや二つするじゃん、一応Z組のクラスメイトなんだし」

 

知弦「そうよ、先輩として後輩を心配するのは普通よ」

 

新八「アンタら面白半分でやってただけだろ」

 

ゼノヴィア「なぁお姉さん、お姉さんもわかるだろ。今日は妹さんが心配でついてきたんだよな。引きこもりがちだったけど妹さんを心配して殻を破って来たんだよ。いい話じゃないか、なっ新八」

 

姉「そ……、そんなんじゃないんです。私……、そんな大層な人間じゃないんです。私……、私……」

 

鍵「ちょちょちょちょっと!やめてくださいよそのモード!そのモードもういいから!!なんかスッゴい悪いことした気分になるから!お願いだからやめてください!!それ!!」

 

鍵は慌ててうららの姉にそう言って止めようとする。

だが──。

 

姉「て……、手伝わせてください」

 

零斗たち「「「……、え?何を」」」

 

うららの姉の意外な反応に、零斗たちは半目になりながら思わず声を上げた。

そして、うららの姉はこう告げた。

 

姉「う……、うららちゃんを、口説くのを」

 

零斗たち「「「え?」」」

 

零斗たちは、唖然とした。うららの姉はうららを口説く手伝いをすると言った事を。

 

零斗たち「「「ええええええええ!?」」」

 

零斗たちは思わず声を上げて叫び、新八はうららの姉にこう続けた。

 

新八「いやいやいやいや、何言ってんですかァァ!!いやおかしいでしょ!!僕らうららちゃんを騙してたんですよ!しかも、いかがわしい作戦たてて手ゴメにしようとしてたんですよ!」

 

姉「い……いや、だから」

 

慌てる新八達にうららの姉はこう説明する。

 

姉「うららちゃんを芝居とはいえ、そういう目に遭わすのは嫌だから私を使ってくださいと言っているんです。例えば私が悪人にさらわれてそれをうららちゃんの目の前で助けるとか」

 

霊夢「いいわね、それ」

 

新八「いや、良くねーだろ!!」

 

零斗「いや、いいんじゃないか。むこうはお姉さん迷子になったと思ってるから実は悪漢にさらわれてたとか自然な流れでいい。ちなみにこういう役回りには銀さんたちに頼むつもりだ」

 

新八「そうじゃねーよ!!倫理的な問題で良くねェだろ!!つーかあの人に人倫にもとる事やらせる気?」

 

アラタ「問題ないって。お姉さんがいいって言ってるんだぞ。新八も少しはお姉さんの思いをくみ取ってあげろよ。妹さんが楽しそうに文通してる姿を見て、思うところがあったんだろ」

 

そう言われて新八は、複雑な気持ちのまま考え出した。 明久は無線機で沖田にこう伝える。

 

明久「沖田さん、予定変更だよ」

 

沖田『は?』

 

明久「うららちゃんには何もしなくていいよ。銀さんたちに人さらい役になって、うららちゃんの前でお姉さんさらうから、沖田さんはそれを止めようとあの人たちにかかってきてあっさりやられてよ。あの人たちがうららちゃんをさらおうとした絶体絶命の時に、新八くんが現れてあの人たちを倒す。そして『キャー素敵』ってなるワケだよ」

 

深夏「要するにあんたは普通にデートしてればいいワケだ。まさかうららちゃんに何もしてないよな?」

 

沖田『大丈夫でさァ。元々俺がこと起こす前にこちらさんが駆けつける作戦だっただろ』

 

アラタ「あぁ、そういやそうだったな」

 

沖田『それなら問題ねェ、紳士的にエスコート中だぜィ。ようやく慣れてきてくれたみてーで』

 

と、沖田は零斗たちと無線で連絡を取りながらそう言うと、沖田はうららを連れて鈴谷達の隠れている路地裏に向かう。

 

零斗「そう。そのまま紳士的に俺達の所までエスコートして……」

 

零斗たちはうららをエスコートする沖田の姿をチラッと見た。

だが、それはとんでもないエスコートだった!

 

沖田「おう、モタモタしねーで歩けい」

 

沖田はうららに首輪を着け、首輪から延びている鎖を右手に持ってまるで犬を散歩させるように歩かせていた。

 

零斗たち『『『(どんなエスコートぉぉぉぉ!?) 』』』

 

鍵「エッエスコートじゃねーだろアレ!!ドSコートだろ!!」

 

沖田「この辺にうまいメシ屋があってな、いくかィ?」

 

明久「何で普通に喋ってんの!?何で恥ずかしくないの!?」

 

沖田のドSコートにツッコミを入れていると、沖田は階段前で皿に入ったエサを食べる野良猫の群れ+犬の着ぐるみを着た十四松の所までうららを連れていく。

 

沖田「あー、あったあった。メシ屋」

 

妹紅「メシ屋じゃねーよ、それ!!」

 

沖田「参ったな、満席だ。あっ一席空いてるか。うららちゃん食べてきなよ。俺のことはかまわないでいいからさ」

 

零斗「何コレ、何ファースト!?レディーファーストじゃないよね、絶対違うよね!!」

 

零斗がツッコミを入れていると沖田は十四松の散歩に同行していた一松が座っている階段に腰を下ろした。

 

一松「なんだ、お前も散歩してるのか」

 

明久「一松さんそれ散歩じゃないから!!ただのドSの悪行だから!!」

 

沖田「そうッスねー、今日いい天気だからさァ」

 

ゼノヴィア「お前のせいでこっちは心の中に台風が荒れ狂ってるよ!!」

 

一松「あれ?お前、なんか変じゃない?」

 

隣にいた一松が沖田に何か言ってきた。

 

一誠「そうそう、それ!!」

 

沖田「え?何?何?何かあった?」

 

鍵「早く言ってやれ一松!アイツドS普通だと思ってるから!!コレ以上なんかする前に止めてあげろ!!」

 

一松「お前、オデコになんかホクロできてるぞ」

 

霊夢「どんだけ繊細な事に気づいてんのよ!!つーか猫に紛れて女の子が猫の餌食ってんのに何で気づかないのコイツ!!」

 

沖田「お前こそ、シャンプー替えた?」

 

零斗「知らねーよんなこと!!てゆーか何でお前ら普通に談笑できてんだよ!!お前らどういう関係性だ!?」

 

あまりの沖田によるうららの調教結果に零斗たちがツッコミを入れた。

 

姉「ひ……ひどい、う……………、うららちゃんが、うららちゃんが……………」

 

新八「皆さん!!これは下手に芝居打つより沖田さんをぶっ潰してうららちゃんを救い出すべきだよ!」

 

沖田に対する怒りを露にした新八は、そのまま沖田と一松が会話している階段の前に走っていき、うららを救おうとする。

 

アラタ「新八!無茶だって!!」

 

ゼノヴィア「行ったらやられるぞ!」

 

アラタとゼノヴィアは新八を制止しようとするが、既に遅かった。

 

新八「うららちゃーん!!」

 

うらら「うにゃう!!」

 

うららを助けようとした新八だが、うららは近付いてきた新八を下から顎を蹴り上げた。

新八はメガネが吹き飛び、数メートル先に飛ばされてそのままごろんと伸びてしまった。

 

深夏「こ……、これはっ」

 

鍵「完全に調教されている!!完全に服従しちゃってるよ!!」

 

零斗「つーかアンタあの短時間のうちに一体何したんだァァァァ!?」

 

知弦「真のドSなら五分もあれば調教は可能よ」

 

霊夢「ドSの女王は黙ってなさい!!」

 

うららのあまりの変わりように零斗立ちは驚愕するしかなかった。ただ、知弦だけは特に驚くこともなくむしろ当たり前だと自慢していた。流石はドSの女王様である

 

長谷川「おいおい、銀さんに呼ばれてきたけど、どういう状況だよコレ?」

 

銀時「なに?新八のデートって結局失敗したのか?」

 

銀時に呼ばれた長谷川と銀時がちょうど新八がうららに蹴り飛ばされたタイミングで来てくれたので零斗たちはすぐに作戦を開始するのだった。

 

零斗「二人とも、ちょうどいいタイミングで来てくれて助かりました!!すぐにこの服に着替えてください!!」

 

零斗は慌てて二人に声をかけると、すぐにショッカーの幹部か何かが着そうな怪しい服を持ってきた。

 

長谷川「ちょっと待て!!何だその服は!?」

 

銀時「何で俺達がこんな子悪党みたいな格好しなきゃいけねぇんだよ!?」

 

明久「説明は後でします!だから急いでください!!」

 

深夏「あとは、お姉さん!!」

 

姉「は……、はいっ!!」

 

深夏と顔を合わせたうららの姉はすぐに頷いて動いた。

 

姉「た……、助けてェェ、うららちゃ~ん」

 

長谷川「フハハハハハ、中々にイイ生娘ではないか!」

 

銀時「コレならわが総統の妻にぴったりだ!!」

 

と、アフレコながら悪人っぽく見せる長谷川さんと銀さんはうららの姉を縄で縛って足で背中を抑えていた。

姉のピンチに気づいたのかうららが零斗達の方を見てきた。

 

鍵「見た!!こっち見た!!やっぱ実の姉の危機は放っておけな……」

 

うらら「ホクロホクロ」

 

うららは何故か沖田に向き直り、沖田のオデコに指差した。

 

鍵「またホクロかいィィ!!オメーらどんだけホクロ気になってんだよ!!」

 

深夏「お前何してくれてんだァァ!!惚れさせる云々以前に人格変わっちゃってるじゃん!!」

 

沖田「すまねェ、思った以上に覚醒しちまったようで。まァでも俺が惚れろと言えば誰にでも惚れるぜィ」

 

妹紅「そんな偽りの愛はいらねェェ!!」

 

姉「ご……、ご免なさい」

 

「わ……、私……。新八さんの……、うららちゃんの……、誰の役にも立てない……。な……、なんだろう私って、本当に……、本当に」

 

「ごめんなさい!!」

 

新八「おっ、お姉さん!!」

 

新八はうららの姉を制止しようとしたが、それも虚しくうららの姉は涙をこぼしながらその場から走り去ってしまった。 うららの姉の、宙を舞う涙を見た新八は、ある決心をした。

そして──。

 

明久「あ、新八くん!!」

 

零斗達の前から、新八は、うららの姉を追って一人走っていった。

 

◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□

その夜。 街の道路を疾走する一台のパトカーに近藤と土方が乗ってパトロールしていた。

 

近藤「そういや今日って、新八くんが例の文通の娘と会う日じゃないか」

 

土方「知らねーよ。覚えてねーよそんなこと」

 

近藤「うまくいってるといいな。一回女ができるとお妙さんのことにも寛容になる気がする」

 

土方「総悟の姿が見当たらねェ。こりゃ失敗したと見たな」

 

変な期待をする近藤に土方がそう返したときだった。突然、パトカーの前に一人の女の人が姿を現した。その女の人は、髪を後ろで束ねメガネをかけた女の人だった。 土方は慌ててパトカーをドリフトさせ、女の人を回避する。

 

土方「あ……、あぶねーだろ、どこ見て歩いてんだ!!」

 

?「すっ、すいません!!」

 

いきなり飛び出して来た女の人に土方は怒鳴るとその女の人は謝るとそのまま走り去っていった。

 

土方「……何だ、あの女」

 

近藤「何か追われてるようだったが」

 

土方「追われてる?」

 

土方が近藤にそう返した、そのとき──。

 

ザザザザザザザザザザザザ──

 

突然、それは二人に襲いかかってきた!

 

近藤、土方「「おわァァァァァァァァァ!!」」

 

土方と近藤の悲鳴が夜の街に響き渡った。




有頂天「今回のゲストはコードギアス反逆のルルーシュと亡国のアキトの主人公であるルルーシュ・ランペルージさんと日向アキトさんに来ていただきました」

ルルーシュ「俺はまだこの作品に出ていないんだが......」

アキト「俺も......」

有頂天「まぁ今後出てくるので先に出ても大丈夫だ問題ない。って奴ですよ」

ルルーシュ「まぁそんなことはどうでもいいが作者よ」

有頂天「はい?」

アキト「何故予告通りに投稿しなかったんだ?」

有頂天「FGOイベントの靴下集めとか新作のポケモンやってたら投稿するの忘れちゃってました(テヘペロ♪)」

ルルーシュ「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる。貴様は死ね!」

有頂天「はい、わかりました。(首を吊って死んだ)」

アキト「大丈夫なのか?これは......」

ルルーシュ「心配するな。どうせ次回の後書きにでも復活しているだろう」

アキト「そういうものなのか?」

ルルーシュ「そういうものだ。さぁ次回予告をするぞ」

アキト「次回はいよいよ文通編最終回」

ルルーシュ「消えてしまったうららのお姉さん。それを探す零斗たち」

アキト「そして事件に巻きこまれたうららのお姉さん」

ルルーシュ「ギアスを以て命じる。次回も楽しみにして待て!」

ED『バカ・ゴー・ホーム』

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