禍終素学園の混沌な日常   作:有頂天皇帝

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久しぶりの更新です。色々とリアルで忙しくなるので今後も投稿は遅くなると思いますが読んでもらえるとありがたいです。
一応今回は以前リクエストのあった銀時×フランを意識して書いてみました


坂田銀時、暁に死す!

とある夜、紅魔館の主であるレミリア・スカーレットの部屋にてレミリアと紅魔館でレミリアと共に暮らしている十六夜咲夜、紅美鈴、小悪魔、パチュリー・ノーレッジが集まっており、館の主であるレミリアが神妙な顔をしていることからただ事ではないと悟った咲夜たちは真剣な表情をしていた。

 

「みんな・・・奴が動いたわ」

 

レミリアのその一言により真剣な表情をしていた咲夜たちはより一層その表情を引き締めた。

 

「お嬢様。それは本当の話ですか?」

 

「ええ。確かな情報よ」

 

咲夜にそう答えながらレミリアはグラスに注がれているトマトジュースを揺らしながら続ける。

 

「奴が動いたとあっては私も動かざるを得ないわ。・・・クラスのみんなが騒ぎ出すかもしれないけど構わないわ。命を捨てる覚悟はとうにできているもの」

 

レミリアは咲夜、美鈴、パチュリー、小悪魔の順に四人を見回すと力強く宣言した。

 

「決戦よ。奴も奴の思惑も、全てたたきつぶしてあげるわ」

 

レミリアのその言葉によりこの部屋にいる者たちはより一層緊迫し誰もが一瞬の間無言になるが、咲夜、美鈴、パチュリー、小悪魔はレミリアに言った。

 

「お嬢様。私の命はレミリアお嬢様とフランお嬢様のためのもの。お二人のためならばどんな事でもやります」

 

「そうですよ。私たちはお嬢様達のためにその力を振るうんですから」

 

「私だってこの館の図書館に世話になってるんだからその位はやるわよ」

 

「私も精一杯頑張らせてもらいます!」

 

咲夜たちの言葉を聞いたレミリアは嬉しそうに微笑むとグラスを置いてから咲夜たちに話し始めた。

 

「ありがとうねみんな。それじゃあ詳しい話は明日現地で話すから最低限の準備をしておきなさい」

 

「承知致しました。それでは失礼致します」

 

レミリアにそう言われると咲夜を先頭にして美鈴たちはレミリアの部屋を出ていった。咲夜たちはレミリアの部屋から十分離れると咲夜が思い出したかのように美鈴たちに言った。

 

「みんな、1つ確認してもいいかしら?」

 

「何をですか?」

 

咲夜の後ろにいた美鈴が尋ねてきた咲夜に返事をすると、咲夜は振り返りながら彼女は驚きの一言を言った。

 

「奴って・・・・誰?」

 

「「「知らないのに協力するって言ったんですか(の)っ!?」」」

 

相手の素性が分かっていないことに、咲夜が知っているとばかり思い場の空気を読んで作戦に乗った美鈴、パチュリー、小悪魔も頭を抱えずにはいられなかった。

心の中をモヤモヤさせながら決戦の日はあっという間にやってきた。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

とある金持ちが趣味で作った娯楽施設『嵐獄アイランド☆パーク』。普通の遊園地のようにジェットコースターや観覧車、コーヒーカップのような定番のアトラクションがあるだけではなく動物園、水族館、植物園などもある為老若男女問わずに人気でありデートスポットとしても雑誌記事やニュースなどでは上位に上がるほどであり、平日でも多くの人によって賑わっていた。

そんな嵐獄アイランドパークの入場受付前にてレミリアの妹であるフランドール・スカーレットことフランがいた。フランは何時もの格好ではなく白いワンピースと気合いを入れた格好をしており時折時間を気にするように入口から見える花時計を見ながら服装と髪型をチェックしていた。

 

「よう待たせたかフラン」

 

「あ、銀時!」

 

何時もと同じ着物姿の銀時が右手を上げながらやってくるのを見たフランは蔓延の笑みを浮かべながら銀時の近くへと近づいた。

 

「悪いな昨日長谷川さんたちと呑んでて寝過ごしちまった」

 

「ううん、ちゃんと来てくれただけで嬉しいよ!」

 

「そうか、ありがとうよフラン」

 

「うん!」

 

銀時がすまなそうにフランに謝罪するもフランは銀時が来てくれたことが嬉しいのかフランは笑顔でそう言いながら銀時の手を握ると銀時を引っ張って受付へと向かい、2人は施設へと入っていくのだった。そんな2人を少し離れた茂みから監視している人物がいた。レミリアである。

 

「あの天パ、ふざけるんじゃないわよ。フランはね、あなたが来るまで30分も待ったのよ?私の可愛い大切な妹の30分間」

 

ガチャリとライフルの照準を銀時の頭に合わせる。

 

「貴方の命で利子分キッチリ償ってもらおうじゃない!ちょっと霊夢、悪いんだけど土台になってくれないかしら?」

 

頼んでくるレミリアに、咲夜達と一緒に後に立つ咲夜に頼まれてやって来た霊夢が慌ててツッコみを入れる。また霊夢の後ろでは魔理沙と早苗がいた。

 

「待て待て待てーっ!?いきなり『緊急事態だから協力してくれ』って頼まれて来てみたら、銀さんとフランのデートを邪魔するのが目的だっていうの!?」

 

「デートじゃないわよ!?あんなクソ天パ、姉である私は絶対に認めないわよ!!」

 

「私だって妹のデートを邪魔しようと考えているカリスマ(笑)とか認めないわよ!?」

 

険しい顔を向けるレミリアに霊夢は怒鳴るようにツッコミを入れるのだった。

 

「はぁ・・・悪いけど人の色恋を邪魔するなんて馬鹿らしいことする気なんてないから。私は帰らせてもらうわよ」

 

「待ちなさい、誰がそんなことを頼むって言ったのよ。私はあの天パをこの世から抹消したいだけよ」

 

「もっと出来るかぁ!?」

 

レミリアのシスコンぶりに呆れた霊夢は踵を返そうとしたが、スコープを覗きこみながらレミリアが霊夢に協力を求めてきたので霊夢は拒絶の言葉で返すがレミリアはそれを無視して話し続ける。

 

「考えてもみなさいよ。あんなプー太郎がフランを幸せに出来ると思う?もちろん私だってフランの幸せが1番なんだからフランが選んだ相手なら認めなくちゃって思ったわ。悩んで・・・色々考えたわ・・・それで・・・抹殺しかないっていう結論に・・・」

 

「色々考えすぎでしょ!マフィアかアンタは!」

 

「お嬢様なんてみんなマフィアみたいなもんでしょ」

 

「吸血鬼のお嬢様がとんでもないこと言いましたよ」

 

フランのことを大切に思っているからか思考が完全にバグっているレミリアに、霊夢と早苗は呆れる他ないのであった。

 

「咲夜このシスコンに何とか言ってちょうだい」

 

霊夢はレミリアに何を言っても無駄と悟ったのか、レミリアに仕えている咲夜に何とかしてもらおうと声をかけた。しかし咲夜の姿を見た早苗は言葉を失ってしまった。

 

「誰が咲夜ですか?私の名前は・・・殺し屋メイド13(サーティーン)です」

 

いつものメイド服にスナイパーライフルを片手にサングラスをかけている咲夜の姿がそこにはあった。

 

「何やってるんですか咲夜さん・・・しかも13って何ですか」

 

「今年入って13回明久と出かけました」

 

「へぇ、そうなんですかおめでとうございます」

 

早苗はジト目でスナイパーライフルを構える咲夜を見るが咲夜は気にしていなかった。

 

「そして同じく、カンフー13(サーティーン)只今参上」

 

「右に同じく、引きこもり13(サーティーン)参上」

 

「右に同じく、デビル13(サーティーン)参上」

 

そしてそんな咲夜の隣には同じような格好をした美鈴、パチュリー、小悪魔がいた。

 

「アンタらもかい!」

 

「私たちは昔からフランお嬢様に仕えているんです。だからこそ生半可な相手じゃ釣り合いません」

 

咲夜たちはレミリアの隣に座るとライフルを構えた。

 

「やりましょうお嬢様!」

 

「フランお嬢様があんな天パと付き合ってしまったら間違いなく悪影響です!」

 

「あなたたち・・・・」

 

主従以上に互いに信頼関係が築かれているからこそこんな他人から見たらアホみたいな事でも全力で取り組むのだった。そんな咲夜たちにレミリアは感激したのか涙を流しながらアイランド☆パークの方を見つめる。

 

「行くわよあなたたち!」

 

「「「「オォーーー!!」」」」

 

レミリアたちは銀時とフランの後を追いかける為に、アイランド☆パークへと向かうのだった。

 

「待ちなさいよ馬鹿どもぉぉぉぉ!?」

 

暴走しているレミリアたちに止まるよう呼び止める霊夢の声も虚しく、レミリアたちの姿はあっという間にアイランド☆パークの中へと消えていったのだった。

 

「はぁ、どうしましょうか魔理沙さん?」

 

早苗は先程から何も言わない魔理沙に声をかけるが

 

「誰が魔理沙だ?私は殺し屋キノコ13(サーティーン)だ」

 

既に咲夜たちと同じ格好をしている魔理沙は固まっている早苗と霊夢の前を素通りするとレミリアたちの後を追いかけた。

 

「面白そうだからいってくるぜ」

 

「「アンタもかぃぃぃぃぃっ!?」」

 

魔理沙が好奇心に駆られていってしまい、霊夢と早苗の二人もレミリアたちを追いかけるのだった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

銀時とフランが最初に乗ったのはメリーゴーランド。そこでは銀時とフランが楽しそうに笑いながら白馬に乗っていた。

その後ろの方には黒馬に乗った殺し屋5人がスナイパーライフルを構えて乗っていた。

 

「やるわねアイツ、コレを選ぶだなんて」

 

「はいお嬢様。馬が上下に動いているから狙いが定まりません」

 

「すいませんメイド13(サーティーン)、なんか気持ち悪くなってきました」

 

「だらしねーぞカンフー13(サーティーン)。この程度の揺れで弱音を吐くんじゃ・・・・オェェェ」

 

「あなたも十分だらしないわよキノコ13(サーティーン)」

 

「ところでコレって何時になったら追いつくんですか?銀さんたちとの距離が全く縮まらないんですけど」

 

「縮まるわけないでしょうが!!これメリーゴーランドよ!!」

 

「この土台ごと回ってんですよ!永遠に回り続けて下さいよ!」

 

上下に動きながら銀時の頭部に狙いを定めている殺し屋6人組に、霊夢と早苗は白馬が引く馬車に隣同士で座りながらツッコミを入れた。

 

「私、遊園地なんて長い人生過ごしてきた中で1度も行ったことがないから勝手が分からないのよ」

 

「お嬢様同様私たちも遊園地に来たことはありません」

 

「私は友達と数回来たくらいだぜ」

 

「というかなんでお2人はついて来てるんですか?もしかして『フランお嬢様守り隊』の仲間に入りたいんですか?」

 

「私も霊夢さんもあなたたちがおかしなことをしでかさないか来ただけです!」

 

そして血の雨が降るようなことも無くメリーゴーランドを無事乗り終えると次はコーヒーカップに乗った。

 

「私たちはあんた達みたいに外見だけで銀さんの人間性は否定しないわよ」

 

「でも霊夢、銀さんは内面も色々と問題ある方じゃね?」

 

「そこは一旦置いときなさい」

 

「だって天パよ!天パの人間なんてみんなあの髪の毛みたいに性根が曲がってる人間しかいないわよ!!」

 

「全国の天パの人達に謝ってくださいレミリアさん」

 

「ああいう年頃の娘はですねぇ、ちょいと悪そうなカブキ者にコロッといっちゃうものなんですよ。それでちょっとヤケドして大人になっていくんですよ」

 

「小悪魔、あんた歳幾つ?」

 

コーヒーカップを楽しそうに回している銀時とフランの様子を同じようにコーヒーカップを回しながら霊夢たちはそんなことを話す。

 

「まァ良くも悪くもあの年頃の女は愛だの恋だのは幻想ってことよ。あんたの妹もあの男にあらぬ幻想抱いてるみたいだけどそれが壊れれば夢から覚めるわよ」

 

霊夢はそう言いながらコーヒーカップを降りると先にコーヒーカップを降りて次のアトラクションへと向かおうとしている銀時とフランの後を追うのだった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

銀時とフランが次に向かったアトラクションはジェットコースターだった。乗り気なフランに対して銀時は面倒くさそうにしていたが結局は根負けして大人しく銀時はフランと共にジェットコースターに乗ることになった。

 

「よし、私達も行くわよ」

 

レミリアたちもまたフランに気づかれないように後ろの方で乗ることにしたが、ここで咲夜が霊夢と早苗に気づかれないようにこっそりとフランと銀時の後ろの方の席になるように移動していた。

ちなみにジェットコースターの席は先頭に銀時とフラン、その後ろに咲夜、最後尾から霊夢と早苗、レミリアとパチュリー、小悪魔と魔理沙という感じで座っている。

 

「(フランお嬢様を惑わす天パ、今ここで処す!)」

 

隠し持っているナイフを取り出し、咲夜は少し立ち上がる。前に座っている銀時とフランは正面を見ているからか動き出したジェットコースターは外に続く暗いトンネルを通る。やるタイミングとしては絶好の機会だった。

 

「(終わりよ・・・フランお嬢様に近づいたことを呪いながら消えるがいい!!)」

 

ナイフを持った手を大きく振りかざし、銀時の頭目がけて振り落とそうとした瞬間、咲夜にとって予想外のことが起きた。ジェットコースターが急にスピードを上げたのだ。

 

「(なっ!?)」

 

バランスが崩れ身体をよろめかせながら、咲夜を乗せたジェットコースターは外に飛び出した。

 

「うお!?ここって初めっから超スピードで走るのかよ。滅茶苦茶だな!!」

 

「ふ、風圧が凄すぎるっ!?」

 

「しかし、心地よい気持ちよさね」

 

「それよりも・・どうなったんですかね?」

 

咲夜の様子を見ようと、突風がぶつかる中何とか目を開ける早苗。

すると早苗の視界に悲鳴を上げながらこちらに飛んでくる人影が映った。

 

「ああああああああああっ!!?」

 

「さ、咲夜さん!?」

 

なんと、飛んできたのは暗殺をしようとしていた咲夜だった。情けない悲鳴を上げながら飛んできた咲夜は、驚きの声を上げている早苗と隣にいた霊夢の顔面に激突しながら後ろへと飛ばされ、直後に彼女らの座席に捕まって踏ん張っている。

 

「いたたっ!!・・なにやってんのよ咲夜!?」

 

「ベルトするのわすれてましたあああああああっ!?」

 

必死にしがみつく彼女の姿は、今まで見たことがないくらいパニック状態であった。その姿に誰もが動揺を隠せない。

 

「おい咲夜の奴大丈夫かよ!?なんだか、普段と別人のようにしか見えないんだけど!?」

 

「というか咲夜さん、キャラ崩壊してませんかっ!?」

 

完全にキャラ崩壊している咲夜を心配そうに魔理沙と美鈴は、後ろの咲夜を見ることしか出来ないでいた。

 

「完璧メイドになったからってねぇ!!人は死ぬかもしれない状況に出くわした時、慌てふためくものなのよぉおおおおおおおおおおおおおおおーっ!!?だ、誰か助けてええええええええええっ!!!!」

 

「とにかくさっさとこのバカ助けるわよ!」

 

「は、はいっ!」

 

超スピードで走るジェットコースターから飛ばされながら地面に激突すれば命の保証はない。助けを求める咲夜を霊夢と早苗は必死になって助けようとする。しかしジェットコースターは更にスピードアップした上に複雑な軌道を描きながら移動し始めたため咲夜を中々引っ張ることができなかった。

 

「「「ああああああああああああああっ!!?」」」

 

ジェットコースターに乗っている人達の悲鳴が轟く中で、霊夢、早苗、咲夜によるさらに大きな悲鳴がジェットコースターの最後尾の方から聞こえてきたのだった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

ジェットコースターを無事?乗り終えたレミリアたちは先程の騒動でダウンしている霊夢、早苗、咲夜を落ち着かせるためにフランと銀時の様子が見える範囲でベンチに座って一時休憩をしていた。

 

「それにしても楽しそうねフラン」

 

「そうですねぇ。傍から見ると親子にしか見えませんですしね」

 

ベンチに座ってチェロスを食べながら銀時とフランを見ているパチュリーと小悪魔は楽しそうに遊園地をまわっている2人を微笑ましそうに見ていた。

 

「・・・ねぇもう十分じゃないの?見る限り、二人はただ純粋に遊園地を楽しんでいるようにしか見えないわよ

 

「これ以上、何も進展はなさそうだし、フランちゃんの邪魔もしたくないでしょ?諦めて帰りましょう」

 

霊夢と早苗の説得にレミリアたちは押し黙る。疲れていることもあって、レミリアたちは初めの時よりも霊夢と早苗の言っていることが正しいと思う方向に意思が傾きつつあった。

特に楽しそうに遊んでいるフランの顔を見たレミリアには影響が強かったのか、フラン達を一瞥しながら答える。

 

「そうね・・これ以上は、フランの楽しい時間を壊してしまう恐れがあるものね。霊夢たちの言う通り、何もなさそうだし帰るとする「大変だぞレミリア!!二人が観覧車に向かっている!!」それがどうしたのよ。魔理沙?」

 

台詞を遮ってまで慌てている魔理沙に首を傾げながら訊ねると、彼女はよほど焦っているのか早口で説明する。

 

「知らねぇのか!!観覧車といえば、告白すると成功すると言われている遊園地スポットの一つとされているのだぞ!!」

 

「「「「「な、なんだってーっ!?」」」」」

 

魔理沙が語ったその事実にレミリア達は衝撃を隠せないでいた。

 

「えっ、観覧車って景色を楽しむものじゃなかったの!?」

 

「観覧車っつったらチューだろ。チューするために作られたんだよアレは」

 

「そうだったんですか!?」

 

「そういえば前に恋愛ドラマでカップルたちが観覧車でイチャコラしてるの見たことがあります!」

 

「なんですって!?知らなかった!フランが危ないわ!こうしちゃいられない!!四の五の考えるのは後よ!!いくわ!!咲夜は例のものを大至急用意して!」

 

「かしこまりました!」

 

そう言ってレミリアたち殺し屋チーム5人は銀時とフランのチューを阻止すべく血相を変えて走り出していった。ベンチに残ったのは殺し屋連中を止めようとしていた霊夢と早苗だけだった。

 

「・・・・どうする早苗?私もうアイツらのことなんて放っておきたくなってきたんだけど」

 

霊夢は疲れたのかレミリアたちの行動を止めるのをやめようとしているが、早苗は霊夢のその言葉に対して首を振った。

 

「ダメですよ霊夢さん。確かにレミリアさん達は間違っているけどフランさんのことを思って行動してるんです。でも私たちはフランさんの気持ちが分かるんですから」

 

霊夢と早苗がレミリアたちを止めようしているのも、フランが銀時に大して向けている感情が自分たちがある男性に向けている感情と同じものだからこそ、同じ恋する乙女として手助けしているのだ。

 

「・・・・まぁそうよね」

 

霊夢は照れくさそうに頬を掻きながら立ち上がると、フランたちが乗ろうとしている観覧車の方へと視線を向けた。

 

「じゃあ行こうかしら」

 

「そうですね」

 

霊夢と早苗は笑うとその場から動き始めた。

 

 

────少女の胸に抱いている想いを守るために

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

観覧車に乗った銀時とフランは向かい合いながら外の景色を見ていた。夕日に照らされたことで昼間とはまた違うパークの素晴らしい景色となっていた。しばらくの間外の景色を眺めていたフランは銀時にお礼を言った。

 

「銀時ありがとうね。私今日すごく楽しかった!」

 

「気にすんな。ガキはガキらしく楽しく遊んでりゃいいんだからよ」

 

フランは笑顔で銀時にそう言うと自然と銀時も笑顔になる。笑い合う2人を乗せたゴンドラは最もいい景色が見れる1番上の位置までやってきた。

そこでふと窓の外の景色を見た銀時だが、一機の戦闘ヘリがゴンドラの外に襲来してきた。

 

「「え?」」

 

銀時とフランは突如現れた戦闘ヘリに驚き声を上げた。そしてヘリの扉が開くとそこからグラサンをかけた殺し屋6人の姿があった。

 

「「「「「「殺し屋集団13(サーティーン)。お命頂戴する!」」」」」」

 

そう言いながらライフルを構えた6人は銀時の頭に照準を合わせるといつでも撃てるように引き金に指を合わせていた。

 

「オイィィィィィィ!?アイツら何してんの!?なんで俺に対して殺意MAXなの!?」

 

「お姉様たち・・・どうして・・・」

 

レミリアたちに狙われて焦る銀時と動揺しているフランがレミリアたちに何故こんなことをしたのか尋ねようとした時、隣のゴンドラの屋根の上に2人の人影があることに気づいた。

 

「あ、あれは!!」

 

「そんな、どうして!?」

 

「あれ?コレってヤバくないですか?」

 

「なっ!?」

 

その人影に気づいたパチュリー、小悪魔、美鈴、咲夜は驚きの声を上げ、魔理沙とレミリアは大声でその人物の名を叫んだ。

 

「霊夢!!」

 

「早苗!!」

 

「霊夢?早苗?誰かしらそれは」

 

しかし、そんな2人の叫びを無視して2人は名乗りを上げた。

 

「私たちは愛の戦士────ハクレイ13(サーティーン)と」

 

「同じくコチヤ13(サーティーン)です」

 

グラサンを装着した霊夢と早苗───否、ハクレイ13(サーティーン)とコチヤ13(サーティーン)はスペルカードをそれぞれ構える。

 

「人の恋路を邪魔する馬鹿は・・・」

 

「馬に蹴られて・・・」

 

「「消え去れ」」

 

そう言い放つと同時に2人は弾幕を戦闘ヘリのプロペラに向けて放った。

 

「ああっ!?プロペラが・・・!!」

 

「「「「「ああああああああぁぁぁ!!」」」」」

 

2人の放った弾幕は見事戦闘ヘリのプロペラに命中し、戦闘ヘリに乗っている6人の殺し屋ごと戦闘ヘリは観覧車の下にある池へと墜落していったのだった。

 

「これで邪魔者はいなくなったわね・・・」

 

「あとはお2人で仲良く過ごしてくださいね」

 

仕事を終えた2人はそう言い残してその場から去っていったのだった。

 

 

────なお後日、レミリアたち紅魔館メンバー+魔理沙はフランと地獄の鬼ごっこをし、フランと銀時が出かけていた日に同じ場所で零斗がアキオとデートしていたことを知り、ショックを受けるのはまた別の話である。




「皆さんお久しぶりです作者の有頂天皇帝です」

「今回出番のなかった主人公の零斗です。というか投稿もだけどあとがきも久しぶりなんじゃないか?」

「あとがき何書けばいいのか分からなくなって最近のは書いてないですがそんな細かいことは置いといて今後の予定を軽く話します」

「それってアレか?以前アンケートしたルパン三世VSコナンのコラボやるってやつか?」

「そうです。何度もアンケート取り直してマジで申し訳なかったです。とりあえずあと数話ぐらい日常短編書いたらコラボ描きたいと思ってます」

「コラボの方は劇場版とテレビ版のどっちをやるんだっけ?」

「テレビ版やって劇場版の時間軸通りにやりつつオリジナル要素を加えたものでやろうと思ってます」

「かけるのか?」

「何とか頑張って皆さんに満足行けるような物を書きたいと思ってます。とりあえずコラボの奴見直してきますね」

「それじゃあ次回もよろしくお願いします」

「失踪しないよう頑張るのでよろしくお願いします!」

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