遊戯王GX ホントは目立ちたくない転生者   作:やましん

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どうも18話です

前回の投稿から早1月程度…本当にすみませんでした!!
そして気が付けばお気に入り数1000突破しました
本当にうれしい限りです!この場をお借りしてお礼申し上げます


さて今回から冬休み編突入です
ゆま・雪乃・ツァンとそれぞれとのお話を予定していますのでお楽しみに!

そして第一段は雪乃編です
導入パートも含めてなので2話に分けての構成になるかと思います



それではどうぞ!!
誤字脱字等を発見された方は感想からお願いします


ターン17 冬休み編その1 価値観の違いって結構な盲点です

 

 

月1試験が終わった直後にも関わらず、アカデミアは慌ただしいままだった。

直前に迫った冬休みに向けてみんな帰省準備に忙しく、むしろ試験前より慌ただしいかもしれないな。

 

全国散り散りにとはいえ、この時期はアカデミアの3学年が一気に帰省する。そのためアカデミアから出る船は2、3日に渡っていっぱいになるのだ。

時刻表を見る限りやはり本数が少ないが、船では一日に往復出来る回数など高が知れいてるしまぁ仕方ない。そして多くの人間は港で降り、そこから更に地元へと移動となる。当然ながら冬休み初日や早い時間帯の便は人気が高い。

よってみんなその便のチケットの確保に必死なっているわけだ。初日の早い便は生徒の間ではプラチナチケット、それ以外の日程の早い便はゴールドチケットと呼ばれ、運よくゲット出来た人間が高値で売りに出すこともあるらしい。

更にはお土産用にと挙ってアカデミアオリジナルパックも確保するため、連日購買部にはその2つを求める人が押し寄せていた。

 

 

そんな中俺は港からの移動時間が大してかからないこともあり、チケット争いが激しくない時間帯のチケットを無事に確保することが出来た。パックはいらないから後はのんびりと冬休みを待つだけだな。

とはいえ、カードなどの荷物が多い俺はゆっくりと荷物の発送準備に取り掛かるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして冬休み2日目。俺は帰省便に揺られていた。

すでにゆまはその強運でなんとプラチナチケットを勝ち取り初日に颯爽と帰っていってしまっている。一人での帰省になるかと思ったのだが、ツァンと雪乃と偶然にも一緒になったた。

まぁ一人だとしてもヴェーラー達がいるから退屈することはないだろうけど。

 

 

「あら遊一、ここにいたのね」

 

 

デッキでボケーっと海を眺めていると雪乃がやってきた。ツァンは出航後すぐに俺の隣にやってきたのだが、ずっと読書に決め込んでいる。

 

 

「どうかしたのか雪乃?」

 

「これを渡そうと思って探してたのよ。ふふっ…はいどうぞ」

 

 

そういうと雪乃は一枚の封筒を差し出した。中身はわからないが、封筒には煌びやかな模様が施してあり、前の世界でもテレビの中でしか見たこともないような物だった。

繁々と封筒を眺めていると雪乃が中身の説明をしてくれた。

 

 

「中身はパーティの招待状よ。ウチの主催で毎年クリスマスにパーティをしてるの。いつもは退屈で仕方ないだけのパーティなのだけど…。今年は貴方達に是非来てもらえると嬉しいわ」

 

「貴方達?」

 

「ゆまとツァンにもすでに招待状を渡しているのよ。ふふっ…呼ばれたのが貴方だけじゃなくて残念だったかしら?」

 

「そんなんじゃねぇよ…」

 

 

からかう様な雪乃の視線から逃れるように逸らすと本に没頭していたはずのツァンと目が合った。どこか呆れているようなツァンの視線との板挟みされることとなり、更に気まずい雰囲気となってしまった。

そんな俺をさすがにかわいそうに思ったのかクスクスと笑いながらも雪乃は話を進めてくれた。

 

 

「ゆまもツァンも来てくれるそうよ。もちろん…アナタも来てくれるわよね?」

 

「…わかったよ。行けばいいんだろ行けば」

 

「ふふっ・・・遊一も来てくれるなんて嬉しいわ」

 

「そいつはよかったですねぇ…」

 

 

相変わらずクスクスと笑う雪乃に悪態をついた。ツァンはというともう既に興味がなくなったのか読書に戻っている。

正直からかわれたのが面白くない俺は両者から視線を逸らすように海へと向けた。

 

 

「あらあら…からかいすぎちゃったわね。ごめんなさい」

 

「別に怒っちゃいねぇよ」

 

「本当にごめんなさいね。そうだわ遊一、アナタにオネガイがあるのだけれど…聞いてもらえないかしら?」

 

「お願い?」

 

「えぇ…オ・ネ・ガ・イ」

 

 

雪乃のお願いとやらの内容は意味がわからない物だったが、断ることを許さないような彼女の雰囲気に押されて渋々承諾したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、疲れた…」

 

 

帰省直後はバタバタと片付けやら買い物に追われていたが丸一日もすれば落ち着いた。ハウスキーパーを頼んでいたため、掃除に時間を割く必要がなかった分まだマシだった。

 

 

『お疲れ様です遊一さん』

 

「あぁ、サンキュ。お前らも長旅で疲れたろ?」

 

『いえ、私たちはカードの中でゆっくりさせていただきましたから…』

 

 

ようやく一息つくためにソファーに腰を下ろすとヴェーラーが労いの言葉をくれた。アカデミアにいた時は人目を気にしてあまり会話することも出来なかったが、ここならそんなものは気にしなくてもいい。

こうしてコイツらと気楽に話すことも出来るし、面倒事もアカデミアにいる時よりはずっと少ないだろう。授業もなくのんびり出来るし長期休暇はやっぱりいいものだな。

 

しかし、のんびりとばかりしていられない。

休憩も程々に今度はケースを取り出すとカードをテーブルの上に広げ、その山とにらめっこを始めた。

 

 

「しっかし出来るだけ派手なデッキを用意しろねぇ…」

 

 

雪乃の頼み事はパーティに来る時に出来るだけ派手なデッキを持って来いというものだった。普段は自由気ままに好きなカードでデッキを組むのでこういった前提条件を付けられると若干困る。

正直一口に派手といっても、大型モンスターをバンバン出すようなビートダウンデッキやら相手フィールドを一撃で真っ新にする大革命デッキなど色々なタイプのデッキがあるしどうしよう…。

 

 

「お前らはどう思う?」

 

『どうかと言われても…。私たち精霊はマスターを信じて戦うだけですし…』

 

 

何かアイデアをもらえないだろうかと精霊達に助けを求めるが、ヴェーラーは困ったようにそう答えるだけだった。プリズマーはどうかとそちらを見るも、彼もさっぱりだと言わんばかりに首を横に振っていた。

パーティはもうすぐだというのにまだコンセプトも定まらないままではどうしようもない。

本当にどうしたものかと苦笑しながら再びカードの山に視線を戻した時、ピンと閃いた。

 

うん、そうだな…コイツを軸に据えたデッキならこっちの世界でならかなり派手さのあるデッキになるんじゃないだろうか。向こうの世界の感覚があったから盲点だったよ。

 

 

「次のデッキの内容が閃いた」

 

『本当ですか!? よかったです!』

 

「あぁ、というわけで頼むぜ? プリズマー!」

 

 

そう声をかけるとプリズマーは自身を指さし首を傾げる。そうだよ、と更に告げると了解したとサムズアップで答えてくれた。

まったく頼もしいものだ。

 

 

「さて、コンセプトも決まったことだし一気にデッキを組み上げちゃうかな…。お前らも協力してくれるか?」

 

『はい! もちろんです!!』

 

 

両者から快諾をもらい、思わず笑顔が零れた。

本当に頼もしくいい奴らだな…。そう思いながら気合いを入れ、時折精霊達に意見をもらいながらデッキ構築を進めていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

パーティ当日。

スーツを着込んだ俺は自宅マンションの下に立っていた。

 

生活に困らない程度の物は揃えていたが、さすがにスーツなんて持っていなかったためレンタルで済ませた。スーツなど前の世界で親戚の結婚式で着た以来だ。

どうにも着慣れないスーツに落ち着かず、ソワソワとしているといかにも高級車といったオーラを持った車がやって来て俺の前に止まった。確認するまでもなく雪乃が用意してくれたお迎えだろう。

運転席からこれまたいかにもな執事と思われる男性が出てきた。

 

 

「麻倉様ですね?」

 

「はい。雪n…藤原さんの関係者の方ですか?」

 

「私は藤原家で執事をしております。寒い中お待たせしてしまい申し訳ございません」

 

 

そう言うと男性は華麗なまでの動きで頭を下げた。

アカデミア内ではあまりそういうことを気にしたことはないが、やはり雪乃はお嬢様なんだよな。

そんなことを考えながら、彼にお礼を述べて車に乗り込む。

車内には既にツァンとゆまが乗っており、彼女達も当然ながらドレスアップしていてなんとも華やかであった。

ゆまは可愛らしい彼女の雰囲気とマッチしたピンクのドレス、ツァンは逆に大人っぽく彼女の髪色が映える黒いドレス…元が可愛いから当たり前と言えば当たり前だが、とても似合っている。

正直彼女達を見た瞬間ドキっとしたのは内緒だ。

 

 

「こんばんは遊一くん! スーツとっても似合ってますよ?」

 

「よう。…その、お前らもドレス似合ってるよ」

 

 

少し照れくさいがそう言うとゆまはありがとうござますと嬉しそうに微笑み、ツァンはツンとそっぽを向いてしまった。ちなみにそっぽを向いた彼女の頬は赤く染まっていたのはバッチリ確認出来た。

しかしそれを指摘すれば彼女は怒り出してしまうので見なかったこととし、雑談を始めた俺たちを乗せた車は会場に向け出発したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よく来てくれたわね。ふふっ…少し堅苦しいかもしれないけど楽しんでいってくれると嬉しいわ」

 

 

会場であるホテルに着くと連絡が行っていたのか雪乃が出迎えてくれた。

彼女のドレスはなんというか…彼女らしい大胆なデザインの真紅のドレスだった。ツァンとは違った妖艶な大人っぽさを醸し出している。彼女の持つオーラとマッチしていて確かに似合ってはいるのだが、正直目の毒であろう。

事実、先ほどから入口にいる男達の熱い視線を集めている。

 

 

「お、お招きいただいてありがとうございますっ!」

 

「あら、そんなに緊張しないでいいのよ?」

 

 

外観からしてセレブオーラが滲み出ている会場の空気に中てられたのか、少し緊張気味に頭を下げるゆまに苦笑し一声かけた雪乃は俺の側へ来ると耳元で囁いた。

 

 

「それで? 私のオネガイしたモノは持って来てくれたかしら?」

 

「ちゃんと作っては来たが…一体何を企んでやがる」

 

「ふふっ…後でのオ・タ・ノ・シ・ミ」

 

 

疑るような俺の視線なんか気にしてないかのように楽しげに笑う彼女はこっちよ、と俺から離れて歩きだした。

しかしすぐにそういえば…と、こちらを振り返る。

 

 

「スーツ、とっても似合ってるわよ?」

 

「そいつはどうも…」

 

 

本当に楽しげな彼女を見て、これから起こるだろう彼女の企みを思い溜息ながらにそう返したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

会場に入った俺たちはパーティが始まる前に、主催者である雪乃両親へみんなで招待いただいたお礼に向かった。共に超の付く有名俳優と女優である2人は近寄り難いオーラを持っていたが、娘の友人ということもありにこやかに対応してくださった。

その際に彼らが俺を見る視線がなんだか値踏みをしているように感じたのはきっと気のせいだろう。…気のせいだと思いたい。

 

 

お礼を済ませてすぐに雪乃の父親の宣言でパーティが始まった。

俺達は他の招待客である財界やら芸能界などのお偉いさん達の邪魔にならないように、隅っこのテーブルに陣取り普段は食べられないであろう豪華な料理を楽しんでいる。

 

 

「ところでお前は挨拶回りとかしなくていいのか?」

 

「えぇ、あくまで主催者は私の両親よ。私には関係ないわ。それに私は私のお客様の相手をする必要があるもの」

 

「まぁならいいけど…」

 

「それにこういう場では変な男に言い寄られても他のお客様がいる手前はっきり断れないでしょ? 貴方達といればそうそう声はかけて来ないでしょうし」

 

 

そう言うと雪乃は面倒くさそうに飲み物に口をつける。アカデミアではバッサバッサと言い寄る連中を切り捨てている孤高の女帝である彼女だが、さすがにこういった場でも同じように振る舞えないらしい。実際先ほどから何人かの男連中がチラチラとこちらを見てはいるものの、誰も雪乃に話かけようとはしてこない。コイツらがみんな声をかけてきてそれを一々断るのを想像すれば、普段彼女がどれだけ苦労をしているのかがわかる。

 

 

「苦労してるのね雪乃…」

 

「だな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

パーティが中々の盛り上がりがある程度落ち着いた時、再び雪乃父がステージへと上がった。彼の持てるオーラの力なのか談笑をしていた招待客達は自然と会話をやめ、彼の言葉に耳を傾ける。

 

 

「えぇー、ご歓談中失礼致します。お楽しみ頂いている中申し訳ございませんが、ここで一つ余興をさせていただきたい。私事ですが、娘の雪乃が今年よりデュエルアカデミアの高等部に進学致しました。そこで暫しデュエルの時間とさせて頂きます」

 

 

その言葉を聞いた途端、雪乃は俺の腕を引っ張り歩き始めた。いきなりのことにポカンとする俺達を無視し、雪乃父の元へドンドン向かっていく。

 

 

「ちょ、ちょっと待てよ! いきなりどうしたんだよ!?」

 

「貴方の出番よ。ふふっ…期待しているわね?」

 

 

そして企むようにニヤリと笑う雪乃にげんなりとした表情を浮かべながらステージへと引っ張られていくのであった―――。

 

 

 

 




というわけで18話でした

例のごとくデュエルパートは次回に持ち越しです
遊一が作ったデッキの中身とは?デュエルの相手とは?
それでは次回をお楽しみに!

今週は今日の最強カードはお休みします

それではまた!
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