とある槍使いのSAO騒乱記   作:フリムン

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SAOの映画が来年だと………これは見るしか無いな(確信)

と言うか映画のリズの作画が可愛い。







「これは超絶イケメンであるこのフリューゲルさんの出番かなぁ!!」

「ねぇよ」

「なん………だと……………」


ある日の一コマ(平穏とは言ってない)

 

「――――っ!!」

 

 声にならない叫びと共にベッドから跳ね起きる。

 その拍子にバランスを崩して、頭から落ちて机の角に後頭部をぶつけたが、今はそんなことはどうでもいい。

 

 見た夢の内容が鮮烈すぎて、現実には見ていないのに見たような気分になってしまうような夢だった。

 

「………アキ姉」

 

 泣いていた。

 

 病室で横たわるオレの前で、あの気が強くて、優しくて、ちょっとわがままなアキ姉が、大泣きしていた。

 

 オレの名前を呼びながら、ずっとずっと、涙と声が枯れても泣き続けていた。

 

 

 夢だということは理解している。それが正夢かどうかもわからないが、あれは夢であり幻なんだ。わかってる。

 けれども、実際には見れないからこそ、何もしてやれないからこそ、胸が締め付けられる。苦しくなる。

 

 

 

 部屋にある姿見に写るオレを見てみれば、何とも情けない泣きそうな顔をしていた。

 

「はっ、なんつー顔してんだよ會田翼。てめぇは今、フリューゲルだ。バカで阿呆で、常に笑ってふざけ続ける、超絶イケメンのみんなのムードメーカーフリューゲルさんだ」

 

 だからほら、笑えよ。

 いつもの笑顔(仮面)を張り付けろよ。

 

 會田翼(てめぇ)がこの世界で顔を出していいのは、最初にそれを見せたディアベルだけだ。

 

 

「…ふぅー………よっし! オレちゃん復活! 今日も元気にヴィクトリー! 待ってろよアキ姉! あと残り36階層なんざ、ちょちょいと上ってやんぜ!」

 

 ズビシと、窓から見える空に向かって人差し指を向けて、そう宣言する。

 

 これで頑張れる。

 これでオレ(フリューゲル)は今日も頑張れる。

 

「とりあえずエギルん家で朝飯ゆすっ……たかってから迷宮行こっと」

 

 

 などと、自分で作るという選択肢を那由多の彼方に放り投げたオレは、ルンルンとスキップしながらエギルのホームに向かうのであった。

 無論アポ無しである。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

「でぃぃやっ!」

 

 槍の石突きでスケルトンの曲刀の横っ腹を弾き飛ばし、それで作られた隙をついて槍の穂先を頭蓋に叩き込む。

 

 放たれた三発の連撃にはライトエフェクトが付いておらず、その技がソードスキルで放たれたものでは無いことを証明していた。

 

「から、の!」

 

 三発目を撃ちきった槍を手元に引き寄せると、今度はその石突きに黄色の光が灯り、弧を描いてスケルトンの頭上から降り下ろされ、その頭蓋を叩き割ってポリゴンへと変えた。

 

「ふぃ………お、強化素材げっちゅ」

 

 リザルト画面をポチポチと操作して、そのあと食らったダメージ分を回復させるポーションを煽る。

 

 そして後ろを振り返って物陰に声をかける。

 

「で、こんなところ(最前線)でなにしてんの、100エーカーの森のクマさんや」

「………Nicknameの方が長いなんて斬新だねぇ」

 

 そうあきれた声で出てきたのは、ポンチョで顔を隠した一人の男。

 

「え、モチーフそれじゃないの?」

「悪いがハチミツは苦手でね」

「貴様にプーさんを名乗る資格はなぁい!」

「おっと、そいつはSorry」

 

 互いに軽口を叩き合い、表面上は仲が良さそうに振る舞ってはいるが、その実オレとアイツの距離は遠く、4、5mは離れているだろうか?

 

 そして互いに抜刀状態である。

 

「で、もう一度きくぞ? どうしてお前が最前線に来ているんだ、PoH?」

「当ててみな、フリューゲル」

「力ずくになるがいいか?」

「おおっと、【ダブルブラック】の片割れとやるのはごめんだぜ」

「やめて!? そんな恥ずかしい呼び名出さないで!?」

「HA-HA…やっぱお前は面白いやつだな」

「うるせーよハチミツに漬けるぞ。というかさっさと質問に答えろし」

「わかったよJokeだよ。目的はあれだ、今回のボス目当て」

 

 ………ボス? 何を言っているんだこいつは? なぜラフコフがボス戦に出ようとする?

 

「………何を企んでる」

「おいおいおい、せっかく1プレーヤーとしてクリアに貢献してやろうってのに、そりゃないぜブラッキー」

「お前ほど貢献とか協力って言葉が似合わねぇ奴も珍しいよな」

「そいつは自覚してるさ」

「はぁ………もし攻略の邪魔をするようなら、たとえレッドになろうとオレはお前を斬るぞ」

「おお怖い。わかってるさ、そんなことぐれぇよ。じゃあな」

 

 そう言って、PoHはオレに背を向けて去っていった。

 今のを伝えるためだけに出てきたのだろうか? 暇な奴だ。

 

「やつが出るのか……相談するならあいつらかな」

 

 PoHに恨みや恐怖心を持つプレイヤーは攻略組と言えどかなり存在している。

 となれば、奴が次の攻略に参加することは伏せておいた方が良いのだが、なにぶん相手が相手だ。二人くらい巻き込んでも問題は無かろう。

 

 

 

 

 

 

「と言うわけで次のボス戦、PoHが来るっぽい」

 

 ずるるる、とラーメンを啜ると、口のなかに旨味の暴力とも言うべき濃い豚骨ラーメンの濃厚なとろみが広がる。

 

 流石入り組んだ町の奥にある寂れた建物の地下のラーメン屋だ。

 ……………客寄せる気ねぇなこの店。ヒスクリもよく見つけたもんだぜ。

 

「ちょっとなに言ってるか解んないっすねぇ……」

「右に同じ」

「おいおいおい、これでわかんねぇとかお前らそれでも二大ギルドのトップかよぉ!」

「そのトップ二人を呼びつけて何の脈絡もなく『と言うわけで』と言われても困るのだが」

 

 ずぞぞぞ、とヒースクリフがラーメンを啜る。

 無表情の癖にやたら目を輝かせているのが妙に面白い。

 

「そうだぞ。せめて脈絡を持たせてからそんな重大な事を言えよ」

 

 ずるずるずる、と、麺を大口で汁ごと啜るイケメン。不思議な絵面だ。

 

「うるせぇよ【勇者】の二つ名に王も付け加えてやろうか」

「おいやめろ」

「それより、ヒスクリどうにかできねぇ? お前のヒスクリフラッシュとかで」

「だからやめろって!」

 

 とりあえず各方面に爆弾を投げといて、さりげなくキクラゲをディアベルの皿に移す。あとチャーシューを貰っとく。

 

「あ、ちょ、なにチャーシュー取ってんだよ!」

「キクラゲあげたろ!?」

「要らねぇよキクラゲは苦手なんだ!」

「好き嫌いはよくないぞディアベルくん」

「うるせーよラーメン魔神!」

 

 話が進まないので仕方なくチャーシューを戻してディアベルを座らせてから話を戻す。

 

「で、どこ情報だよ」

「本人」

「本人!?」

「まさか最前線に来ていたのか?」

「昼間に迷宮区でバッタリ会ったと言うかストーキングされたと言うかそんな感じでな」

 

 すると、ヒースクリフがふむ、と顎に手を当てて考え込む動作を見せる。

 

「彼の理由がどうあれ、あの殺人ギルドの頭領が参加すると広まれば混乱は免れないだろう」

「だろうな」

「となれば、俺達ギルマスがすることは、必要最低限のメンバー、そして有力ギルドの団長達との情報共有と警戒体制か」

 

 うんうん、やっぱりこの二人に話して正解だったわ。

 流石はSAO屈指の頭脳派(前衛盾役)だぜ。

 

「了解した。貴重な情報感謝する」

「お前もたまには役に立つんだなぁ………」

「そうかディアベル。お前はラーメンにオレ謹製の気付け薬を入れたいのかそうかそうか……………おらぁぁあ!」

「やめろぉぉぉうぁぁぁあ!!」

 

 ふぅ、スッキリ。

 

「じゃあそう言うことで、後は任せたぜお二人さん」

「うむ、任された」

 

 項垂れて返事のない勇者キングは置いといて、オレは店から出て、そして駆け出した。

 

 

 

 

「……………ん?」

「どうしたかね? ディアベルくん」

「………なぁ、ヒースクリフさん」

「なんだね?」

「あいつ、金払ってたか?」

「……………そういえば見ていないな」

「まさか! …………………………ふ、ふりゅぅぅぅげるぅぅぅ!! てめぇなにオレの支払いにしてんだよぉぉ!!」

 

 

 ははっ、人の金で食う飯ほど旨いもんは無いぜ。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「ふむ」

 

 先程のヒースクリフのように、顎に手を当ててその光景を眺める。

 

「ふむふむ、なるほど」

 

 しばらく観賞し、吟味して決断を下す。

 

 メッセージウインドウを開いたオレは、ホロキーボートの上で指を走らせる。

 

『アルゴへ

 現在リズベット武具店でキリトとクラインが乳繰り合ってました』と。

 

 よし、そうs………

 

「ひい!?」

 

 紫色の『Immortal Object』のエフェクトと共に、黒の両刃剣と刀が目の前で火花を散らす。

 

「ちっ!」

「圏内だったの忘れてたぜ、不覚」

「殺す気か!?」

「フリューゲルならありかなって」

「オレ達友達だろぉ!?」

「え? うーん………」

「悩まないで!?」

「そうだぜキリト。俺達とフリューゲルは友達だろうが」

「流石はクラインだぜ!」

「そう誉めるなよ。焼きそばパン買ってこい。五分な」

「こんな友情なんか認めない!」

 

 もうなんなのコイツら! オレの打ってた文面なんか見てないくせに何で剣投げてくんの? なに? 条件反射なの? オレなんかしたっけ?

 

 ……………あ、心当たりあったわ。沢山あったわ。

 

 と、そこで店の奥の扉が開く。

 

「あらリュー、来てたの?」

「おっすおっす、今日もそばかす可愛いぜ………あいだぁ!? メイスを投げるのはやめようか!?」

「うっさいわよバカ!」

「なして出会って早々怒られたん?」

 

 女の子って解んない。

 あとそこ。そこの外野。これだから童貞はとか口を揃えて言うんじゃねぇ。特にキリトてめぇだよ! ブーメランじゃねぇか!

 

「で、何しに来たのよ?」

 

 とりあえず鬱陶しかったキリトにコブラツイストを仕掛けていると、二人の剣を受け取ったリズが腰に手を当ててこっちを見ていた。

 

「ああ、ちょっと頼みがあってな」

「頼み?」

「そろそろ武器新調したいから素材取りに行こうぜ!」

 

 そう言って、組んでいる腕を器用に使ってサムズアップを見せる。

 

「………とりあえずキリト離そうか」

「え? うわ、キリト何でオレの懐にいんの!? ホモ!?」

「ぶち殺すぞ童貞」

「ひぇっ! 目がマジだよふぇぇ」

 

 なにこの【黒の剣士(笑)】怖い。

 とりあえず怖いのでこのまま話を進める。

 

「はぁ、それで? どこに取りに行くのよ?」

「アルゴからの情報だと、55層にいいインゴットがあるらしいぜ」

 

 すると、クラインがポンと手を打つ。

 

「あー、あそこか! …………いや、二人だときつくないか?」

「「は?」」

 

 その言葉にオレとリズは素っ頓狂な声をあげる。

 

「おいおい、55層のフィールドボスだろ? 二人じゃキツいって」

「え? 二人なの? 聞いてないよリュー」

「え? 何言ってんの? 護衛としてお前らもくるんだよ?」

 

 

 

 

「「「え?」」」

 

 

 

 オレの言葉に、三人は息ピッタリに気の抜けた声を上げたのだった。

 

 




そういや昨日スカサハとアルジュナが同時に来て思わず叫んで隣の部屋の人に壁ドンされてしまいましたわ。
 笑いとまんねw
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