イメージを文章にするのやっぱ大変だ。
クラス対抗戦当日。
既にほとんどの生徒が第一試合の一組対二組の観戦席取りに向かってる中、俺こと橘結人は第二整備室にいた。
「…そろそろ行っていいか?部屋寄って簪と合流して行こうと考えてたんだが」
「あと少し待ちなさい。今最終確認中だから」
何故居るのかというと、瑠璃に呼ばれてユニコーンに新しい武装を搭載しているからだ。
「今結人が一番やりたいことをやるために必要な事だから」
とのことで、今日じゃないといけないとのこと。
「今の内に再確認よ。今日の第一試合、それに母さんが作った無人IS『ゴーレムⅠ』が乱入する。あなたはそれを破壊、もしくは撃退すればいい」
「それは一夏や鈴に協力求めてもいいのか?」
「構わないわ。けど、あなたの、いえ私達の最終目的を叶えるなら一人の方が可能性は上がる」
ピコーンと電子音が響く。確認終了らしい。
「終わったわね。時間も時間だし先にアリーナに向かいなさい。更識簪は私が連れて行くから」
「了解。あいつ引きこもり気味だからよろしく」
瑠璃を残して整備室を出る。
途中、もう始まろうとしてる試合の様子を廊下のリアルタイムモニターで見たが、鈴の奴張り切ってるなー。
いや、怒ってる?…まぁ、一夏がまた地雷踏んだんだろ。例えば、「貧乳」とか。
一夏side
「ヘックション!」
「風邪か?一夏」
「いや、何でもない」
誰かがなんかピンポイントに当ててきた気がしたけど、気のせいだろう。
俺はピットで白式を展開し、出撃準備をしていた。
鈴の機体は、中国の第三世代『|甲龍〈シェンロン〉』。特殊装備持ち。
データから分かることはこれだけ。
モニターから確認したのは、ISを身にまとい青竜刀を担いだ鈴の姿。
代表候補生なのだから実力も高いだろうし、セシリアとは違い俺と同じ接近戦型と考えると、勝ち目は薄い。
だからこそ今回はある意味での裏技を使う。
「一夏さん、それ…ほんとに持っていきますの?」
「ルール違反じゃないだろ?」
「…確かに禁止するとは書いてないな」
「それじゃ、そろそろ行ってくる」
まだ納得、というより疑問を持つ箒とセシリアを置いてカタパルトを使い飛び出した。
第三者side
「遅いわよ」
「悪い」
アリーナ中央、鈴と一夏は向き合っていた。
鈴は遅く出てきた一夏に文句を言いながら疑問を抱いた。
「一夏、何?その黒い箱」
一夏の両手には大きな黒い縦長の箱があった。どちらにも持ち手があり、そこをしっかりと掴んでいる。
「秘密だ」
ニヤリと笑みを浮かべながら答える。
「いいわ。ところで一夏、今前のこと謝るなら少し手加減してあげるわよ」
「俺がそういうの嫌だと知ってるだろ?よって謝る気はない!」
前のこととは、一夏が鈴と口論になった際に彼が「貧乳」と言ってしまい、怒らせたことである。ここにいないもう一人の幼なじみの予想が当たっていたことは、だれも知らない。
「…そう。ならボコボコにして、言うこと聞いてもらうわ!」
「負けねーよ。返り討ちにしてやる」
睨み合い。そして、
『試合開始』
ビーッと開始のブザーが鳴った。
「そいや!」
「なっ!?」
と、同時に一夏は持っていた箱の一つを、接近してきていた鈴目掛けて投げた。
鈴は驚きながらも、回避する。
その隙を狙い、一気に加速して鈴に迫る一夏。残りの箱を両手で持ち、下から振り上げる。
「この!」
青竜刀と箱がぶつかり合う。
「固っ!?なんなのよそれ!」
「知らん!」
青竜刀の刃が一部欠けていた。それは箱の強度を示していた。
「ーけど!」
甲龍の肩アーマーがスライドして開く。中心の球体が光ると同時に、一夏は箱を投げた。箱は見えない衝撃に殴り飛ばされた。
「まだまだいくわよ!」
見えない衝撃が連続して当たり、白式は地面に叩きつけられた。
その頃ピット。
「あれは?」
「『衝撃砲』ですわね。第三世代兵器。空間に圧力をかけて砲身をつくり、その際に発生する余分な衝撃を打ち出すという仕組みだったはずですわ」
疑問の声を上げた箒にセシリアが解説をしていた。
「しかし一夏は何がしたかったんだ?」
「…さぁ?」
一夏side
マズい。鈴の攻撃で既にエネルギー残量が7割まで減った。
「よくかわすじゃない。砲身も砲弾も見えないから初見で避けれるの少ないのよ?この衝撃砲『龍砲』を」
衝撃砲…多分衝撃がなんか関係してるんだろう。分からないが。
仰向けの体勢のまま、地面スレスレを平行移動して、鈴から距離を置く。
勿論、衝撃砲を撃ってきたが全弾回避しながら、雪片弐型を展開する。
うーん、どうするか?
千冬姉から教わった|瞬時加速〈イグニッション・ブースト〉と、零落白夜で行ってみるか。零落白夜を使えば、バリア切り裂いて強制的に絶対防御発動だし大ダメージだろうな。
体を起こして、鈴と同じ位置まで上がる。
「よし、本気で行くぞ鈴」
「何か仕掛けて来る気?いいわ、来なさい」
|瞬時加速〈イグニッション・ブースト〉をしようと、頭でイメージして踏み出そうとした。
上空から俺達の間に、緑色の極太の閃光が貫いた。
簪side
真っ暗の部屋。
姉さんに負けてからの私は、何もやる気が沸いてこなくなった。
部屋に戻って結人が色々話しかけてきてくれたが、無視してしまった。
…いずれ謝ろう。
そういえば今日はクラス対抗戦の日だったかな。
四組の代表では無いし、関係ない。
『えっと、あんまり聞きたくない名前だろうけど織斑一夏が第一試合らしいからちょっと見に行こうと思う。幼なじみとして応援してやんないとな。簪はどうする?』
…不意に昨日聞いた結人の言葉が浮かび上がってきた。
気は進まないが、気分転換と、私の機体の開発を中止してまで造られた専用機も気になる。一組での騒動は、制作で気にも止めてなかったから。
それに場合によっては応援してもいいかもしれない。そうすれば結人も……。
あれ?なんで結人が関係してくるの。
もやもやする頭のまま、私は部屋を出てアリーナへ向かった。
一夏side
緑色の閃光、ビームの奔流の直撃により起こった砂埃。
それを吹き飛ばすように俺達の間に現れたのは、 結人のISと同じ全身装甲の機体だった。
緑色のボディ、胸部には四つの砲門と思われるものと中心にRの文字。
両肩から身体全身を覆うかのように接続されている大型のシールド。
それはまるで、翼のようだった。
頭部は同じく緑色で一本の角がついた一つ目だった。
その一つしかない目で鈴と俺を見た後、更に上に上がり四枚のシールドから何か小さい物がいくつか飛び出した。
それらはあらゆる方向からビームを放ってきた。
「セシリアのみたいなやつか!」
セシリアの時と違うのはビットのサイズが小さいのと、数が多いこと。
そして、
『警告!』
「一夏!」
「何っ!?くっ!」
上空から緑の機体がサーベルで攻撃してきた。どうやら操作しながら、自分も動けるようだ。
警告と鈴の声で直撃は避けたが、右腕にサーベルがかすり、その際に雪片を落としてしまった。
「この!」
サーベルを持っている右腕を掴み、攻撃がこないように抑え込む。
左で殴ってこようとするのを、もう片方の手で抑える。
クルクルと回るように地面に近づいていく。
三週程したところで、胸部の砲門からビームが撃たれた。それは此方の胸部装甲に直撃し、一気にエネルギーが減っていく。
オマケに手を放してしまい、俺はそのままの勢いで地面に叩きつけられた。
「一夏!この、邪魔よ!」
鈴が向かってこようとするが、ビットに阻まれてしまっている。
「………………」
緑の機体、シールドには『FT-666』と書かれているそれは倒れている俺を見下ろして、サーベルを振り下ろした。
???side
「暇だー」
任務とはいえ暇すぎる。
下では我らが隊長が闘ってる。加勢禁止という命令が邪魔だ。混ざりたい。あの中国の候補生とか強そうだ。
「ん?」
ハイパーセンサーが下、アリーナに向かう人物を捉えた。
「こいつは確か…日本の」
水色の髪の女。何故今頃向かっているのかは分からないが、増援では無いだろう。
アリーナとIS学園の通信は妨害してるし、ゲートも外から明けない限り封鎖中だ。
けど、
「任務の中には、作戦終了まで誰も近寄らせるなってあるし、別にいいよな」
代表候補生ならそれなりに楽しめるだろう。
私は搭載されたステルスを切り、一気に接近した。
次も未定。
量を短くしたら早くなるかも…(・_・;)
ちょっと真剣に考え中。
アドバイス、感想いただけるとありがたいです。