前・中・後・結の4話で終わらせます。
まずは前半、どうぞ!
ピット内には既に瑠璃がISスーツを纏って待っていた。そのスーツは初めて見る物で、彼女の名の通り瑠璃色をしていた。
「フォートレス、一応持ってきたけど使う?」
「いや、いらない。あれって多対一に向いてる装備だろ?タッグじゃあまり意味をなさないだろうし。それより一夏達知らないか?名前も無かったし」
瑠璃なら何か知ってるだろうと思い聞いてみたが、
「あーそれね、話してなかったっけ?」
ホントに知ってやがった。
「彼、というか彼等は今、フランスにいるわ」
「フランス!?」
シャルルの国だったよな、確か。
一体何をしに…。
「それで伝言と預かり物」
「伝言?」
「『任せた』、だそうよ」
「ハハッ、あいつらしい」
「そして、これが預かり物」
瑠璃が取り出したそれを見て、目を見開く。
「これって…………」
「こちらです……それでは」
案内を終えた織斑先生が隣に来た。
私は今、VIPルームの警護兼案内人として働いていた。
「一回戦、始まりますね」
「…更識、橘はどれくらいになった」
織斑先生が周りに聞こえない位の声で聞いてきた。
「そこそこですね。ゲームでいうならレベルが2上がった位」
「微妙だな」
「ですよね」
そんな話をしていると、他の教師が最後の来賓を連れてやってきた。
(来たわね)
最後の来賓、アナハイムエレクトロニクス社副社長、マーサ・ブラウン。年齢は50前半と聞いてる女性だ。
後ろにはスーツ姿の女性。サングラスをしていて顔は良く分からないが若い…私と同じ位かしら?
(護衛は1人、それはまだいいとして。やっぱり社長は来ないのね)
アナハイム社の社長、その存在は世間に姿を表したことがない。それどころか幹部もその姿を見たことがないとか。
織斑先生が小声で話しかけてくる。
「更識、警戒しておけ」
「わかってます。色々と黒い噂のある会社ですから」
「そうじゃない。後ろの女だ」
「え?」
『間もなく一回戦が始まります。選手はISを装備してアリーナへ。繰り返します。間もなく…』
『間もなく一回戦が始まります。選手はISを装備してアリーナへ』
ユニコーンを展開しカタパルトと連結させる。
「各部異常なし。全武装……問題なし」
両腕にビームガトリング付きシールド。そしてビームマグナムを持ち発進体制へ。
「橘 結人、ユニコーン出る!」
勢い良くアリーナへと飛び出す。
対面のピットを見ると、ほぼ同じタイミングで銀髪、ラウラとかいうのが出てきた。
それに続いて箒が打鉄で出てくる。打鉄のブレードを2本装備してること以外は普通のようだ。
『篠ノ之 瑠璃、ラズリフレーム行きます』
遅れて後ろから飛び出してきたのは瑠璃。その機体ラズリフレーム。正式名称は『アストレイ ラズリフレーム』というらしい。
この間、宇宙まで行って取ってきた荷物に入っていたそうだ。
白い装甲に所々瑠璃色、額のV字アンテナ。そして一番目を引くのは背中と右肩だろう。
背中には本人よりも少し大きめの砲。右肩にはバルカン砲のようなユニット。
前に出る機体ではないことが誰の目にも明らかだった。
『作戦、分かってる?』
「分かってるよ」
『5………4…………』
「足を引っ張るなよ」
「貴様こそ」
『3………2…………1』
『0!試合開始!』
開幕と同時に動いたのはユニコーンとラズリフレーム。
ビームマグナムと背中の方、『アグニ』とかいうのによるビームを2機の間へと撃ち込んだ。
威力はどちらも普通じゃない程高いことは地面にぶつかり巻き上がった砂煙の大きさから分かった。
「分断させた?」
「はい。恐らくはそれぞれ1対1に持ち込むつもりでしょう」
思わず口に出た独り言を、隣に座っていた虚さんが答えてくれた。
「ユニコーンとシュヴァルツェア・レーゲン。ラズリフレームと打鉄に別れたようです」
「このっ!」
迫るワイヤーブレードを避けながらトリガーを引く。
放たれたビームはあっさりと避けられ、ワイヤーブレードは追いかけてくる。
数は2基。左のビームガトリングを掃射。1基を破壊する。
『警告 ロックされています』
「ッ!」
飛来するレールカノンの弾を右のシールドで防ぐ。
そのまま右腕で防御した時発生した煙を振り払い、ビームマグナムを撃つ。
もう一本のワイヤーブレードを撃ち抜き破壊する。
「貴様!」
接近しながら放たれるレールカノンをとにかく回避と防御をしつつラウラから距離を取る。
あの機体のAICは確かに脅威だ。けど、ビームなどエネルギー系の攻撃、実体のないものには効果が薄いらしい。
ビーム兵器が殆どのユニコーンは、ある意味天敵だろう。
しかし、接近戦に持ち込まれれば別だ。ビームサーベルを止めるのではなく、操縦者の腕を止めればいい。そこへゼロ距離からのレールカノンを叩き込む。
1対1でそれをやられるのは勘弁したい。下手すると身体ごと拘束されてそのままだ。
対策はあるが、ひとまず瑠璃が合流するの待つしかない。
(カートリッジは後1つ。もう少し持ってくれば良かったか)
両腕のビームガトリングを牽制にしながら一定の距離を保つ。
(早くしてくれ、瑠璃)
分断には成功したが、箒さんが思ったより対応が早く苦戦を強いられていた。
アグニは消費エネルギーが多い、右肩からバルカンと小型ミサイルを放ち牽制する。
2本の刀を振るいミサイルを切り落とし、バルカンを弾き、そして避けながらこちらへと着実に寄ってくる。
(ランチャーがここまで効かないなんて。予想以上の成長速度ね)
色々と事情があり激しい動きは極力避けたい。だからこそストライカーパックの中でも砲撃戦のランチャーで来たがこのままでは負ける。
覚悟を決めランチャーストライカーをパージ。
そして両手に武器をコール。
「貰った!」
目前まで迫ってきた箒さんの振り下ろした一撃は、こちらの振り上げた一撃に弾かれた。
そして崩れた体勢へと蹴りを叩き込む。
「くっ!」
蹴られた反動を利用して距離を離される。
こちらが呼び出した武器は二振りの刀。
右手に『タイガーピアス』
左手に『ガーベラストレート』
「すぐ終わらせるわ」
今日のメインは貴方じゃないんだから。
ラズリフレーム
ガンダムSEEDの外伝に登場するアストレイの瑠璃バージョン。違いは色付きのところが瑠璃色になっているくらい。
感想、アドバイスお願いします。
特に前回、一気にお気に入り減ったのでどこが悪かったか指摘していただけるとありがたいです