不老少女   作:Pafe

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今回、主人公は出ません。


見習いの冒険

「「ぎゃあぁぁ!」」

 

ドゴォォン!!

 

巨大なゴリラは二人の少年に腕を降り下ろす。二人は何とか躱すことが出来たが、ゴリラのパンチの痕を見て思わず息を呑む。

そこには巨大なクレーターが出来ていたのだ。一体どれだけの力を込めればこんな事になるのだろうか。

 

「ギャァァァ!危ねえぇぇ!!」

 

「こっちだバギー!急ぐぞ!」

 

麦わら帽子を被った少年は鼻が赤くて大きい少年、バギーに此方へ来るよう促す。

 

「おいシャンクス!お前あのゴリラどうにか出来ねぇのか!?」

 

「無理だ!あのゴリラ凄え強ぇ!」

 

バギーは麦わらの少年、シャンクスにどうにかしろと言うが、シャンクスは無理だと応える。

つまり二人はこのまま命懸けの鬼ごっこを続けるしかないという事である。

 

「クソオォォ!何でこんな事になっちまったんだよぉぉぉ!!」

 

 

 

 

切っ掛けはほんの些細な事だった。

 

「うぅ…何か薄気味悪ぃ所だなぁ…本当に悪魔なんていんのか?」

 

「いるさ、過去に何人もの探検家が謎の死を遂げてる。きっと悪魔の仕業さ」

 

バギーとシャンクスは船の仲間達と共にこの島へやって来た。目的は悪魔探しである。

だがバギーは悪魔なんていないのではないかと疑っているようだ。

 

「おいおいシャンクス、お前本当に悪魔がいると思ってんのか?」

 

「当たり前だろ、悪魔はいる」

 

「いーや、いないね!」

 

「いる!」

 

「いない!」

 

ガシッ!

 

互いの襟首を掴み、睨む。

彼らを知るものがいれば、何時もの事かと笑うだろう。喧嘩する程仲がいいとはよく言ったものだ。

 

「いいか?常識的に考えろ!その探検家が死んだって話はもう何百年も前の話だ!今頃悪魔だってとっくに寿命迎えて安らかに眠ってらっしゃるだろう!」

 

「伝承によくあるだろ!悪魔は不老不死だって!今だって何処かから俺達を見てるかも知れねぇだろ!」

 

「いねぇよ!」

 

「いる!」

 

ぐぬぬぬと二人は唸る。

このままでは埒が明かない、そう思ったとき。

 

バサバサッ!

 

「ギョエェェェ!!」

 

「うわぁッ!」

 

「鳥!?なんだ、あの大きさは!?」

 

突如空から巨大な鳥が現れた。その山のような大きさに二人はある決断を下した。

 

「「逃げろおぉぉ!!」」

 

 

 

「はぁ…はぁ…何だったんだ、さっきの」

 

「あんなでけぇの初めて見た…焼いたら何人分あったのかな…」

 

「んなこと気にしてる場合かァ!?」

 

何とか鳥から逃げることが出来た二人は地面に座り込んで休憩していた。

 

「…何なんだよこの島は…何であんなデカイ鳥がいやがるんだよ…」

 

「流石は偉大なる航路(グランドライン)…本当に常識外れの物ばかりだな…」

 

「チクショー…早いとこ船に戻ろうぜ、ここは危険だ」

 

「何言ってるんだよバギー、まだ悪魔はみつかってねェぞ」

 

バギーは船に戻ることを提案するが、シャンクスはそれを拒否した。その顔は少し不満げである。

 

「バーカかお前ェ!あんな危険な鳥がいる島なんていられるか!俺は早ぇとこ誰かと合流して安心したいんだよ!」

 

「俺がいるじゃねぇか、安心しろ」

 

「出来るかボケェ!」

 

ズズゥゥゥン…!

 

「「!?」」

 

二人が言い合いをしていると、背後から物凄い地響きが聞こえた。

 

「な、何だぁ!?また鳥か?俺達を食いに来たのか?」

 

「いや、鳥というよりは…足音のように感じたが…」

 

ズズゥゥン!!

 

「こ、こっちに来るんじゃねぇか…?俺は食っても旨くねぇぞ!?」

 

バキバキッ!

 

「ウッホオォォ!!」

 

「ギャァァァッ!!」

 

太い樹々をへし折り現れたのは、およそ10m近くある巨大なゴリラであった。

 

 

 

そして冒頭に戻る。

 

「何だってあのゴリラは俺達を追ってくるんだよぉぉ!!」

 

「ウッホオォォ!」

 

ドゴォォォン!!

 

二人はゴリラに追いかけられていた。理由は分からないが、恐らく縄張りが荒らされたと思っているのだろう。

 

降り下ろされた拳によって、そこらじゅうの樹はバキバキに折られ。地面も割れている。

そんなとてつもない破壊力を持つパンチをギリギリで躱す二人は、露出した樹の根っこに足を取られそうになりながらも少し笑みを浮かべる。これだけの悪路なのだ、ゴリラにはさぞや辛い道だろうと。

 

少し後ろをチラリと見てみる、すると

 

バキッ メシャッ ドゴォォォン!!

 

そこには樹や岩をものともせず破壊しながら元気に走り回るゴリラの姿が…

 

「嫌ぁぁぁぁ!!喰われるゥゥゥ!!」

 

「バギーッ!!」

 

シャンクスは咄嗟にバギーに手を伸ばす。バギーが何とか手を掴んだ瞬間シャンクスはバギーを引っ張った。すると

 

ドゴォォォン!!

 

つい今までバギーが走っていた場所にゴリラの拳が降り下ろされた。もしバギーがまだそこにいれば、今頃ペシャンコになっていただろう。

そして二人は岩影に身を隠した。

 

「た…助かった…」

 

「喜ぶのは早いぞバギー、あのゴリラから逃げきらねぇと…」

 

「どうするんだよ?」

 

「そうだな…いい考えがある、協力してくれ」

 

 

「おい、そこのゴリラァァ!!」

 

「ウホッ?」

 

バギーは岩影から姿を表して、大声を上げる。

その突然の行動にゴリラは疑問を感じているようだ。

 

それはほんの一分前の事であった。

シャンクスはある作戦を思い付き、バギーに頼み事をしていた。

 

『いいか?作戦はこうだ、お前は何とかしてゴリラの注意を惹き付けてくれ』

 

『はぁ!?何で俺が!?』

 

『頼む、これはお前にしか出来ないんだ』

 

シャンクスはバギーに囮役をするよう頼んでいた、だがバギーは

 

『嫌だぜ!あんな巨大なゴリラの前に出ていくなんて、殺してくれって言うようなモンだ!』

 

当然、断った。自分の身がかなりの危険に晒されるのだ、もしかしたら姿を見せた瞬間に殴りかかって来るかも知れない。そうしたらバギーは一巻の終わりだ。

 

『そうか…折角、さっき見つけたお宝をやろうと思ったんだが…』

 

『…何?お宝?』

 

『あぁ、凄ぇ綺麗な黄金の―』

 

『そこまで言われちゃあしょうがねぇな!やってやらぁ!!』

 

『そうか!じゃあ任せたぞ、俺は隙を見てあのゴリラの足を斬るから…よろしく頼む!危ないと思ったら直ぐに逃げてくれ』

 

 

バギーは宝につられ易い男であった。

 

「いいかテメェ!この俺を誰と心得る!?そう!俺はバギー様!今はまだ見習いだが…後々伝説になる男だァ!覚えとけェ!!」

 

(いいぞバギー、ゴリラは完全にバギーの方を見てる)

 

「…ウホォ?」

 

「恐れたか?この俺に恐怖と畏怖の念を抱いたな?無理もねぇな、何せこの俺だからな…」

 

「ウホォ…」

 

「それこそが当然!世界の常識!今世界は俺を中心に回っている!」

 

バギーが演説を続ける中、シャンクスはゴリラの死角に回り込む事に成功した。

 

「さて…今、行けるか?」

 

「ギャーッハッハッハ!!ようやく解ったか!お前の立場が!」

 

「ウゥ…ウホォォォ!!」

 

ゴリラは弁舌を振るっていたバギーに拳を降り下ろした。その目は『何を言ってるのか良くわからないから取り敢えず殴ってみよう』という感じだった。

 

「!!マズイッ!」

 

「えぇ!?おいゴリラ!?やめろー!!」

 

ズバッズバッ!

 

「!?」

 

シャンクスは急いでゴリラの足の健を切り裂いて、バギーを抱えてその場を離脱した。

 

 

 

「無事かッ!?バギー!」

 

「ひ…し、死ぬかと思った…俺、死んでねぇよな?」

 

「あぁ、生きてるよ」

 

バギーの安否を確認したシャンクスは、良かった、と呟いてバギーを地面に降ろす。

そして気づいた、どうやら自分達が海岸まで来ていたらしいということに。

 

「ここは…上陸地点と近いな、どうするバギー?」

 

シャンクスはバギーに船に戻るか否かを聞く。

しかし返事はなかった。

 

「…?おい、バギー?どうした、おい!!」

 

「…シャンクス…アレ…」

 

「アレ?…!!?」

 

バギーが指差した方向を見ると、そこには座礁した船があった。

 

「船…もしかして、海賊船か?」

 

「…行ってみようぜ!きっとお宝がある!」

 

 

シャンクスとバギーは座礁した船へ近づくと、ある事が明らかになった。

 

「…こいつァ、キャラベルじゃねえか」

 

「…この船、本で見た記憶があるぞ?確か200年前に行方不明になった貴族の船なんじゃないのか?」

 

「何?貴族の船だと?」

 

バギーはシャンクスが言った言葉に反応し、途端に目を輝かせる。

 

「行くぞ!シャンクス!宝を全部持ってくぜー!!」

 

「…ははっ!おう!行くぞ!!」

 

座礁した貴族の船、そこにはきっとお宝が眠っている。二人の見習いはそう信じて船を捜索する。

二人の頭からは悪魔の事などとっくに何処かへ行ってしまっている。だからこそ、このあと船に戻った二人は驚愕に包まれる事となる…

 

 

TO BE CONTINUEDO→

 

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