魔法少女リリカルなのはHidden―ヒドゥンー 作:沢村崇@
本当は28日に上げるつもりでした。
そうそう、ついに全体図が決まりまして
まぁ、大雑把に言うとパラレル物になります。
vivid,forceなどに繋がる気はしません(汗
その分、オリジナルの魔法などを出すつもりです
では、2話―強襲復讐者― 始まります
最後まで読んでもらえたら光栄です。
――
昔の話だ。
執務官になって少し経ち、いくつかの任務をこなして仕事として慣れてきたころ。
俺のミスのせいで補佐をしてくれていた相方に大怪我をさせてしまい、任務も失敗してしまった。
それに負い目を感じた俺は、執務官の仕事を放棄し始めた・・・。
家に引き篭もり、誰とも話さないようにし、全てを投げ出して・・・。
それでも執務官として今も続けられているのは、ある人物との出会いがあったからだ。
まぁ、ある人物というのはご存知、元機動六課部隊長だが
「―ゴ・・・―ルゴ!」
この話はまたいずれ・・・
「ラ・ル・ゴ!」
「んあっ!?」
呼び声の主はその人物―八神はやてだった。
「最近寝とらんかったやろ?寝癖直っとらんし、久しぶりに会えた思ったらいきなり居眠りしてからに・・・」
「ち、地球の漫画が面白くてついな。昨日一気に読み終わったんだよ。」
どうやら壁に寄りかかったまま寝てたらしい。
下からこちらの顔を覗き込んでくるはやてから眼を逸らす。
気づいたが、俺ははやてより20cmぐらいか?背が高かった。
今更だが。
「はぁ、まったく・・・あんたに教えるんやなかったよ・・・」
はやてが溜息をつきながら席につく。
ここは元機動六課オフィス。
これから一時的に設置される新部隊のオフィスとして使用される予定だ。
以前使われていたデスクは片付けられたため、今はこのように長机二つとパイプ椅子という安っぽい格好である。
「待てよ?寝不足だからシグ姐にも負けたのか。」
「ふざけるな。それも実力のうちだ。」
はやてが座った席とは反対に座っていたクールな女性―シグナムが事実を突きつけてくる。
「そんな事実言われたら死んでしまいます。冗談に決まってるだろ?」
笑いながらシグナムの言葉をしっかり受ける。
今ここにいるのは、俺―ラルゴと、シグナム、はやての三人だ。
席は全部で九個用意されていた。
その前には薄い紙束、表紙には『デバイス強奪事件対策課』と記されていた。
シグナムと真正面、はやてと対角線上に位置する席に着き、目前の紙束を取る。
「にしても、『対策課』ねぇ。もっとマシな名前無かったの?」
「一応、極秘の任務やからなぁ・・・クロノ君の方からも皆は長期休暇ってことにしてもらっとるし、ロストロギアも絡んどるからな。」
苦笑いしつつ紙束を机の上で捲るはやて。
「この、『ゲネシス』だっけ?何だよこれ、メールだけだと名前以外全く分かんねんだけど?」
紙束を置き、腕を組みながら椅子に寄りかかる。
少し古いパイプ椅子がギシリと音を立てる。
「『ゲネシス』いうんは、ロストロギアや。
あらゆる物体を完全にコピーして、術者の武器となり、盾となる。
その複製品は寸分違わぬ出来で、最初はとても大事な物をコピーして本物は保管しとくっていう風に使ってたらしいんよ。
せやけど、いつの日からか戦争が始まって、武具を増やすための物として使われるようになったんよ。」
「んで、武器を増やしすぎて戦争が大きくなって自滅したと?」
机の上に紙束を置いたまま捲って目を通しながら話を聞く。
シグナムは腕を組み、静かに聞いていた。
すると、はやてが首を横に振った。
「まだ少し続きがあってな。
『ゲネシス』は最終的に、
驚きを隠せず、思わず顔を上げてはやての方を見た。
恐る恐る口を開く。
「・・・性格や、考えまでも同じにか?」
「うん。
増えすぎ、更に増加する人たち、全く同じ考えを持った人々の上に立つ者。
そして―」
「簡単に手に入り、尽きる事の無い武器と兵力。」
はやての言葉の次を予測する。
どうやら当たっていたらしく、否定せず続ける。
「そうしていく内に、残るのは一番多くコピーされた者だけ。
せやけど、今度はその中でまた戦いが始まり、結局は皆いなくなってもうたと。
そういうことや。」
一通り話し、はやてが椅子に寄りかかる。
「めんどくせぇなぁ・・・だけど、そこまで分かってんなら、局で回収できなかったのか?」
「内通者だ。」
さっきまで静かに話を聞いていたシグナムが答えた。
「一度は回収した。
だが、局内に内通者がいてな。
そこから何者かに奪われたんだ。」
「それが今回の事件の犯人?」
「断定はできんが、そう見て間違いないだろう。」
腕を組み、考える。
では、犯人は何が目的なのか。
戦争をしたいならデバイスなんて一つ二つで奪って、コピーさえすれば事足りるはず。
あとは人を増やし、ちゃんと統率さえ執ればいい話だ。
「ま、難しいことは調べながら考えよか。そろそろ皆来る頃や。」
はやてが言いながらオフィスの扉に視線を送ると、同時に開き、人が入ってくる。
「あ、はやてちゃん♪」
入ってきたのは、明かるい雰囲気の女性―高町なのは、物静かそうな女性―フェイト・T・ハラオウン、柔らかな雰囲気の女性―シャマルの三人だった。
「やっほ~♪なのはちゃん、フェイトちゃん、シャマル♪座って座って~。」
はやてが手を振りながら三人に席を勧める。
ちなみに俺は高町なのはとは直接の面識はない。
勧められた席に三人が向かうと、フェイトが途中で俺に気づき、驚いた様子で話しかけてくる。
「ラ、ラルゴ?どうして・・・?」
「シグ姐に連れて来られた。」
「そんな胸張ってに言うことじゃないよね・・・。」
「全くだ。日ごろの鍛錬が足りんだけだろうに。」
フェイトとシグナム、二人して痛い所を突いてくる。
三人が席につき、手元の紙束に眼を通す。
「なのはちゃんはラルゴの事知らんよね?」
「え?うん。」
はやてが声をかけ、なのはが資料から顔を上げる。
「こちら、引き篭もり執務官、ラルゴ・ネーヴェ・バッターリア執務官。こちら、教導隊の鬼教官、局のエース・オブ・エース、高町なのは二等空尉や。二人とも同い年やよ♪」
はやてが交互に手を向け、代わりに紹介する。
「ひどいよはやてちゃん・・・初めまして、高町なのはです。」
少し肩を落としつつニッコリと笑って自己紹介される。
「ども、引き篭もり執務官です。ラルゴで構わないんで。」
「うん。よろしくね、ラルゴ君♪」
「・・・あぁ。」
直視できない眩しい笑顔を向けられて思わず視線を逸らす。
眼に掛かった前髪からは向こうが苦笑いするのが見えた。
「ラルゴとは、前に一緒に任務やった時に知り合ったんだ。」
「へ~。ヴィヴィオにも紹介してあげないとね♪」
「はやてちゃん、よく連れて来れましたね。」
「シャマルには言ってなっかたな。シグナムに行ってもらったんよ。」
「ラルゴ、途中で任務を放棄するなよ?」
「シグ姐に言われなくても、頼まれた事はちゃんとこなすさ。」
等と各々適当に会話し始める。
残りの席は三つ。
またオフィスの扉が開かれ、リインフォース
「はやてちゃん、ヴィータちゃんとスバル、それからザフィーラを連れてきましたよ。」
「ん、ご苦労さんな。さ、皆座って~。」
リインの後ろから赤い髪を三つ編みにした十歳程の少女―ヴィータと、蒼い髪でボーイッシュな女性―スバル・ナカジマ二等陸士と青い大きな狼―ザフィーラがはいってくる。
これでシグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ四人のヴォルケンリッターが揃う。
「なのはさん久しぶりです♪」
「久しぶりスバル~♪」
明るい声でスバルがなのはに話しかけ、なのはが答える。
「あ、初めまして。スバル・ナカジマ二等陸佐です。」
「お、おぉ。初めまして、ラルゴ・ネーヴェ・バッターリア執務官だ。」
スバルが俺の存在に気づき、互いにその場で敬礼と挨拶をする。
「なんだ?お前来てたのか、珍しいな。」
ヴィータが席に着きながら話しかけてくる。
「あぁ、はやての策略に乗せられてな。」
「日頃からサボってばかりだからだからそーなんだよ。」
肩をすくめながら答えると笑われた。
ザフィーラは静かに机の下にいた。
そんな会話をしているとと、はやてが立ち上がり合図をする。
「さ、ミーティング始めるよー。皆静かに」
突然、室内に違和感が走った。
その場にいた全員が気づいたらしく、場が凍りついたように静まる。
「・・・これは・・・アイゼンの捕縛結界!?」
一番最初にヴィータが立ち上がり叫んだ。
続いてシャマルが立ち上がる。
「それも、ステルス性とジャミングを強化してあるわ。おそらく、外からは気づかれない・・・」
「対策課初任務やな。」
はやてが席につき、指示を出す。
「ラルゴ、探知は?」
「え、やんの?」
突然話を振られて思わず素で答えてしまった。
「当然や。早くしぃ。」
「はいはい。めんどくせぇなぁ。」
渋々と立ち上がり、右手の腕輪―アルテミスを宙に掲げる。
手の甲側に入っている藍色のラインが薄く光る。
「アルテミス、探索。」
『
アルテミスのラインが青く光り、女性の声がすると同時に足元に青い円形の魔方陣が形成され、それが壁を抜けて広がっていく。
「・・・8,13、・・・18だな。三人一組で六つに分かれてる。」
広がった魔法陣から得た敵だろう相手の数をはやてに伝える。
それを聞いてしばらく腕を組んで考えるはやて。
「多いな・・・一対複数にするしかないな・・・構わんか?」
はやてがその場の全員に向けて聞く。
全員が静かに頷く。
「ラルゴ、位置は?」
「外に隊舎を囲むように12。全部空中だ。」
「そっちはなのはちゃん、フェイトちゃん、ヴィータ、シグナムが行って。」
「了解」
なのはが答え、四人が部屋を後にする。
「後、隊舎内に上の階と下の階に一組づつ。」
「ん。ほな、下にスバル、上はラルゴが行って。私とシャマル、ザフィーラ、リインはここで待機や。」
「「「はい」」」
スバル、シャマル、リインが返事をする。
指示を聞くなり、俺はまず部屋から出た。
廊下を駆け、目的の一つ上の階への階段を目指す。
―――――後編へつづく――――――