ダンまちの世界にサトゥー・ファミリアが来る   作:黒猫うたまる

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時を戻したいと思ったことはありますか?
今まさに切に思うところです


プロローグ

 

「ポチ、タマ行きますよ」

 

「あいあい~」

 

「らじゃなのです!」

 

 

 お、連携技かな。

 

         

「一の太刀なのです!魔刃突貫(ヴォーパルランス)!」

 

 

ポチが全身を真っ赤に光らせながら瞬動付きで突撃していく。

 

       

「二の太刀~?魔刃双牙(バンキッシュ・ファング)

 

 

タマが両手の小剣から巨大な牙のような刃を産み出す。それを手にコマのように体を回転させながら、交互に剣を突き立て噛み跡のような傷を穿っていく。

 

      

「三の太刀。魔槍竜追撃(ドラグ・バスター)!」

 

 

最後にリザが魔槍の連撃を叩き込む。ひときわ激しい一撃を叩き込み真上に跳ね上た。握りしめた魔槍が今日一番の輝きを灯す。

 

      

「絶の太刀。魔刃爆裂!」

 

                 ・・

激しい光とともに魔槍から放たれた()()が敵に向かっていき、見事に命中させ頭を吹き飛ばす。

リザたち獣娘達が攻撃を叩きこんでいる向こう側では、姉妹二人組もまた別の敵を相手している。

 

 

「突っ込むしか能が無いものは、滅びればいいと告げます!」

 

 

相変わらずの毒舌で敵を引き付けるナナ。敵の突進を大楯で受け止め動きを止める

 

「■■■、■■土流の巨蛇」

 

 

そこにすかさずミーアの土蛇が絡み付き、動きを完全に

止める。だが敵も拘束から逃れようともがいている。

 

 

「■■■、■■■ 空間固定」

 

 

アリサの空間魔法が土蛇と拘束している敵ごと固定する。うまいな、レジストされないように土蛇に魔法かけたな。今日の止めはルルか。銃を構えたルルに目を向ける。

 

 

「標準固定、ファイヤ!」

 

 

銃口から発射された閃光が敵を貫通する。いつ見てもなかなかの威力だな。

これで全ての敵の殲滅終了。これぐらいの敵でも問題なく倒せるようになったな。解体する皆を眺めながら、成長した娘を想う父親の気分だ。

 

 

 

今日は皆と迷宮に潜りレベル上げだ。それが目的なんだけど、獣娘たちは半分は肉目当てだとみた。今も倒した獲物から肉の解体をして積み上げている。タマ、ポチは笑顔で解体しているのはいいんだけど。リザ、目が真剣すぎる。戦闘している時と同じ顔なんだけど、どれだけ本気なのがわかるな。そんなに食べたいんだね、肉。

アリサ、ミーアは先程の戦闘での意見を出し合っている。あ、違うか。喋っているのはアリサばかりで、ミーアは相変わらず口数少なく首肯したりしている。

ルルは早速料理の準備を始めていてナナはその手伝いだ。さてオレも手伝いに向かうか。

手を振るポチに振り替えしながらルルの元に向かった。

 

 

新しい獲物なので、今日はオレが主体で料理を進める。鳥っぽい獲物「怪鳥ゲド」は、オリジナル魔法の「料理:消毒」で殺菌をし表面を強火で炙りタタキのようにする。ソースには甘酸っぱく調整したルルの実を使い、残りの肉は串に挿す。もう一つ獲物「突獣サイ」も一緒に串に挿し網で焼いていく。こちらはシンプルに香辛料を軽くかけて仕上げる。

料理を進めていく間獣娘三人は目を輝せながら見守っている。もう少しで出きるからねー。ポチとタマはヨダレを拭こうね。リザ、一杯あるからどれが大きいか品定めは止めなさい。

ミーア用に湯がいた肉と野菜で作ったサラダ、色とりどりのフルーツを用意して終了だ。

 

 

「いただきます」

 

「『いただきます!』なのです!」

 

 

あいさつが終わるやいなやすごい早さで食べ始める皆。今日は控えめなルルでさえ何時もより早く食べている。

ミーアも小さい口を懸命に動かし黙々食べている。

 

「焼き鳥美味い!タタキも最高!お酒が飲めたら最強なのに!」

 

「うまうまで最強なのです!」チラチラ

 

「ビミ~?」チラチラ

 

「とても美味です。歯ごたえがいまいちですが噛めば噛むほどに旨味が溢れてきます」チラチラ

 

 

アリサ飲ませないからね。

三人はまだまだ一杯あるからゆっくりお食べ。まずは手に持っている串を味わいなさい。

目の前の串肉を食べながらも視線は俺の後方に目がいっている。オレの後ろでは巨大な塊が焼かれている。

「理力の手」でゆっくり回しながら焼かれているのは「突獣サイ」の骨付きもも肉である。姿はまさにマンガ肉である。

足りなさそうなので焼いていたのだが、三人の視線が熱い。今も串肉を食べてるのに目がキラキラ輝いている。焼けた肉を三人の皿にのせてあげる。

 

 

「大きくてすっごく美味しいのです!」

 

「うまうま~?」

 

「これは歯ごたえがありとてもいいですね。噛み締めるごとに肉汁が溢れだしとても美味です」

 

 

かなりの大きさがある、肉の塊が無くなっていくのはすごい光景だな。確かに始めて食べたけどなかなか美味しいな。そんな楽しい時間がゆっくりと過ぎていった。

 

 

 

今俺たちがいるのは迷宮の中でも始めて行く区画だ。下層の一つでどうやら最近になってできた区画みたいだ。なぜ分かったかというと、ここら辺のマッピングは終わっており、マップに空白区間が出来ていたためだ。

知らべた結果、下層の中でも比較的攻略しやすそうなのでパワーレベリングと新たな素材(食材)のために少し遠出してみた。

そのお陰でみんなもレベルがかなり上がり満足しているみたいだ。今後の為にもみんなのステータスをメモして記録しておく。

素材(食材)のほうもなかなかの量が手に入り満足である。

休憩も終わり探索を続けしばらく進んでいると少し開けた部屋に出た。ここいら一帯は光苔や光草など光源には困らない。

どうやらここはセーフエリアのような場所らしく危険な魔物の姿は見当たらない。中央には小さいが池もあり湧水なのかすごい透明度だ。ざっと見渡しただけでも貴重な動植物が数多く生息しているみたいだ。

 

 

「わあ~、すごいわねこれは」

 

「んっ」コクコク

 

 

アリサ、ミーアが周りを見渡しながら感想をのべる。

他の子達も周りを見渡しはしゃいでいる。

 

「少しここで採集しようか」

 

はしゃぐみんなに微笑みながらオレは提案してみる。

 

「了~解」

 

「んっ」コク

 

「マスターの命令を受諾」

 

「わかりました」

 

「らじゃなのです」シュタッ

 

「あい~」シュタッ

 

「承知しました」

 

みんなも賛成なようだし手分けして採集に取りかかる。鑑定やAR表記を見ながら進めているとタマが近づいて来た。

 

「どうしたんだい、タマ?」

 

「何かへん~?」コテッ

 

首を傾げながら今来た先を指差すタマ。はて?どうしたんだろう。

 

「何が変なんだい?」

 

「壁がへん~?」コテッ

 

反対側に首を傾げながら教えてくれた。壁か、少し調べてみるか。だいたいみんなも取り終わっただろうと考えタマにつげる。

 

「分かった調べてみるよ。タマはみんなに声を掛けてきてくれ」

 

「あいっ!」シュタッ

 

シュタッのポーズから駆け出すタマ。タマを見送り、指差していた方に向かいながらマップで調べるが何もない。はて?と思いながらも壁に到着する。

 

「んー、特に変わった所は……?ん?」

 

と、一ヶ所に目が止まる。じーと見つめてもただの壁なのだが違和感がある。そこまで考えているとみんなも集まって来たようだ。

 

「どうしたのご主人様?何か壁にあるの?」

 

アリサが問いかけてくるので一旦みんなの方を向く。

 

「いや、タマが何か壁が変だと教えてくれたんで、観ていたんだが」

 

また、壁に視線を向ける。みんなも視線をたどり壁を観るが直ぐに首を傾げる。タマも傾げているが意味合いが違うようだ。

 

「やっぱりへん~?」

 

「?変なのです?」

 

ポチはタマに顔を向け聞いている。変だけど何がどう変なのか分からずタマも難しい顔をする。

オレもタマと同じだ。何かは分からないが確かにおかしいと感じる。

 

「タマ、壁に触ったかい?」

 

壁を見つめながら問いかける。

 

「さわってない~」

 

その言葉を聞き少し思案する。危機感や罠サーチが発動しないのなら危険はないと思うがどうする?

そこでメニューを操作してレーダーやAR表記などを全て消す。クリアになった視界で問題の壁をもう一度みつめる。

集中していく。周りから音が消えていく。全てを見透す用に。ただ一点を見つめる。

ゆらりと壁が揺れた用に見えた。壁の向こうを隠すかの用に何かがある。

無意識に体が動いていたようで壁近くまで来ていた。警戒しながらも手を伸ばし触れてみる。

壁に手が触れた瞬間だった。霧が晴れるかの用にスーと壁が消えてしまった。これにはオレもびっくりである。

後ろでも息を飲む音が聴こえる。

息を吐き緊張を和らげる。

壁の向こうは道になっており暗い闇が続いている。そこまで観察してみんなに向き直る。

 

「道があるみたいだけど、どうしようか?」

 

「何なのいったい!?いきなり道ができたけど!?」

 

アリサ落ち着け。詰め寄ってくるアリサを宥める。ポチ、タマも落ち着け。今にも突撃しそうな二人はリザにまかせる。両脇に抱えられながらも尻尾は興奮してか激しく動き回っている。

 

「とりあえずみんな落ち着いて」

 

みんなに声を掛けながら一旦落ち着かせる。しばらくすると落ち着きを取り戻し今後のことを話し合う。

 

「落ち着いたところで改めて聞くよ、どうしようか?」

 

「はいはいっ!進んでみたい!」

 

「探索なのです!」

 

「すすむ~」

 

いち早くちびっ子組が手を上げ進言してきた。残りのメンバーにも目を向けるとこちらも乗り気のようだ。

 

「分かった。進んでみよう、その代わり無暗に壁を触らないように気を付けること」

 

それぞれの返事を聞いて主発する。

ここで気づいていたらあんなことにはならなかった。後に一番気を抜いていたのはオレ自身だと後悔するのをまだ知らない。

 

 

 

 

 

ミーアに「光り球」を出してもらい光源を確保して慎重に進んで行く。

暗い闇が続く通路を進んで行くと、程なくして扉が見えてきた。金属製の重厚感のある扉である。罠などもなさそうだが慎重に開けていく。

開けなはたれた扉の向こうは変わった部屋に繋がっていた。

鏡の部屋。部屋の中には大小形など様々な鏡が置いてあり天井や床にまである。

そんな中に一つだけ違うものが置いてある。巨大な時計だ。形は昔ながらの振り子がある置時計である。壊れているのかその振子は動いていない。

 

「すごい部屋ね…」

 

アリサが言葉をもらす。まったくそのとおりである。あまり趣味はよくないようだ。周りを見渡しながら扉をくぐり部屋に入──

 

「!?」

 

危機感ではない。だがまたしても違和感が襲う。

 

部屋に入って感じる違和感。

 

どこかで感じたことのあるこの空間。

 

クリアな視界の中で─

 

そこまでで気づいた時にはすでに部屋に入っていた。

メニューを操作してレーダーやAR表記、場所を示す表記も元に戻す。

背後でみんなも部屋に入って来たのを感じる。

ハッとして後ろを振り向いた時には最後のルルも部屋に入ってしまったところだった。

 

カチ・・・・・

 

背後でそんな音がなる。

 

カチ・・・カチ・・・

 

背後には音が鳴るようなものはない。

 

カチ・・カチ・・カチ

 

本当にそうか?規則正しくなり続けるこれは……

 

カチ・カチ・カチ・───

 

振り向いた先には大きな振子を規則正しく振り、時を刻み出した時計があった。

 

「アリサ、今すぐみんなと部屋から出ろ」

 

だが進むべき針は逆に時を刻む。

 

「へ?」

 

時を戻すかのように逆に進む。

 

「緊急事態だ、急げ」

 

時計を観ながら、現在位置をもう一度確認する。

 

部屋中の鏡に時計の文字盤が映し出されている。そこには正常に時を刻んでいる姿があった。

 

「UNKNOWN」と表示されていた。

 

「ちょ、なにこれ!出られないんだけど!?」

 

アリサたちが、いつの間にか閉まっていた扉を開けようと頑張っているようだがびくともしないようだ。

 

マップを確認すると「マップの存在しないエリアです」と表示された。前にゼンの影の中に囚われたときや、ユイカの空間に入った時と同じか。

 

空間転移やユニット配置を試すも効果がない。そこで空間が揺らいでいるのに気づく。

 

「ナナ、『キャッスル』発動!リミッター解除で使え!」

 

「イエス、マスター『キャッスル』モード起動」

 

揺らぎが大きくなってきている。それに共鳴するかのように鏡の中の文字盤が光り出す

 

「全員ナナの傍に集まれ!ルルも『フォートレス』を起動しろ」

 

「は、はい!」

 

オレも考えられる限りの防御魔法を施す。

 

「ちょっと!?ほんとどうなってるの!?」

 

「すまん!オレのミスだ、今ここは異空間の中だ」

 

みんながオレの近くに寄り身を固める。タマ、ポチなどはオレの体に張り付き耳もペタんとなっている。

 

「異空間?!ええー──

 

アリサの叫びは途中でさいぎられてしまった。激しい閃光によって。

そんななかでオレは見た。何処かで見た姿を。そして聞いた彼女の声を。それを最後に全てが染まっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

    ── 私達の世界で楽しんで来て ──

 

    ── また会いましょう私の・・ ──

 

 

 

 

 

 

 




次回から、ダンまちの世界の話になります
ゆっくり書いていこうと思いますので良かったら応援よろしくお願いします。
感想、評価などありましたらよろしくお願いします
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