東方争無録:序   作:撃っち

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まえがき書くネタが…というか24話でようやくちゃんと話せる主人公二人組は少し遅すぎないですかね…てことで初投稿です。


第24話「博麗の巫女と白黒の魔法使い」

Place:博麗神社 階段

 

"ツルギ"SIDE

 

 

ツルギ「にしても長い階段だな…」

 

 

 

紫「……そうね」

 

 

 

ツルギ「姉さんは大丈夫か?」

 

 

 

紫「………えぇ」

 

 

俺たちはいま博麗神社への階段を登っているのだが…。

話が続かない。いつもの姉さんなら「まだ私は若いから平気よ!」などと豪語していそうだが…。

 

昨日の夜からずっと上の空だ。藍も橙も心配していたが……一体どうしたというのだ。

 

 

ツルギ「姉さん…ほれ」

 

 

紫「………なに?」

 

 

ツルギ「そんなフラフラで歩いてちゃ怪我するぞ…」

 

 

さっきから俯いてばかりの姉さんに手を差し出し、掴む。

 

こんなにローテンションな姉さんは見たことがない。付き合いがまだ短いせいもあるが、藍や橙にも聞いてみたところあの二人もこんなに落ち込んだ姉さんは見たことがないとのことだった。

 

一体俺と別れてから何があった………。

 

 

 

紫「ねぇ………ツルギ」

 

ツルギ「どうした?姉さん」

 

 

急に姉さんの足が止まったので、振り返るといつの間にか姉さんの目が涙目になっていた。

 

 

ツルギ「……本当にどうしちまったんだよ姉さん」

 

紫「私……貴方に能力を使わせてしまった………」

 

ツルギ「ん?俺がいつ姉さんに命令されて能力を使ったのさ」

 

 

まさか異変のことを言っているのか?

いや、それにしたっておかしい。

俺の感情の境界を操作した件については俺は許しているし…

能力を使わせてしまった…というには、まさか死期のことがバレた?

 

いや、そんなわけがない。俺以外に死期がわかるやつなんてこの幻想郷には誰もいない。

 

いるとしてもヴァルバトーゼぐらいだ。

 

 

紫「ごめんなさい……!今日は一人で行って!!」

 

ツルギ「えっ…あっおい!紫!!」

 

紫は俺の手を無理やり離し突然スキマを開いてどこかへ行ってしまう。

いきなりのことだったからつい名前で言ってしまった。

 

 

ツルギ「どうしたってんだよ……」

 

 

本当にどうしてしまったんだ………紫姉さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

階段を登りきると、寂れたような場所に出た…。ここが神社か。

 

落ち葉を掃除している一人の少女がいた。あの時の紅白巫女服の少女…博麗霊夢だった。

 

 

霊夢「あら?あなたあの時の………」

 

霊夢はこちらに近寄り顔をジーッと見てくる。

あの時は少ししか見てなかったが、かなり可愛いな。

 

 

ツルギ「異変の時以来だな」

 

霊夢「えーっと、なんだったっけ」

 

 

ついガクッとなってしまう。まぁ名前は知らなくてしょうがないか。

 

ツルギ「すまん。自己紹介がまだだったな。俺は八雲剣だ」

 

霊夢「えぇ、よろしく。私は博麗霊夢よ」

 

 

そういって握手を交わす。なんだかんだで女の子との握手は霊夢とが初めてかも知れない。

握手した手を外すと霊夢はこちらに手を差し出してくる。手のひらを上にやっている。

 

 

ツルギ「え?なに?」

 

霊夢「お賽銭よお賽銭。神社に来たのならお賽銭は常識よ?」

 

ツルギ「おさいせん?いや、悪い。幻想郷に来たばっかだから常識は足りてないんだ」

 

霊夢「はぁ?じゃああなた何しにここにきたのよ?」

 

ツルギ「いや……紫と挨拶しに来たんだけど」

 

霊夢「紫もいるの?姿が見当たらないけれど……」

 

ツルギ「それが……昨夜の晩から様子がおかしいんだ。いくら話しかけても上の空で…ずっと落ち込んだ顔をしてる」

 

霊夢「…妙ね。紫がそんな顔するなんて明日には隕石が降ってくるかも知れないわ」

 

 

知り合いのこいつからもやっぱりおかしいらしい。ものの例えは少しあれだが……。

俺と別れた後からずっとああだったから、その間に何かあったとしか思えない。

しかし何も思いつかない。藍と橙もわからないというのなら俺たちはお手上げ状態だった。

 

 

霊夢「とりあえず、上がって行きなさい。お茶ぐらい出してあげるわよ」

 

ツルギ「あ、あぁ」

 

 

案内されると賽銭箱とかいてある箱を見つける。中には数円転がっているぐらいだ。

なるほど、お賽銭ってのはこれにお金を入れる行為の事を言うのか。

確か姉さんがあちらの世界から俺の所持金も持ってきてくれていたらしいから、その財布を開く。

うーん30万()()しかないが…あっちで使う機会もないし、こっちはそんな物価高くないから

10万ぐらいポンってやってもいいだろう。

 

 

霊夢「何やっているの?」

 

ツルギ「いや、いまようやく賽銭って行為がわかったところだ。こういうことだろつまり」

 

霊夢「!?!?!??!?!?!?!????」

 

俺が賽銭箱に10万突っ込もうとすると霊夢が急に俺の手をつかみ出す。

というか顔が近い顔が近い。

しかも目が輝いてて可愛いというより―――――怖い。

 

霊夢「私の目の前に神様がいるわ……」

 

ツルギ「え?」

 

霊夢「来て、あなたには最高のお茶と最高の茶菓子が必要のようだわ」

 

 

 

そういって霊夢は俺が持っていた10万円を握り締めて奥へと行ってしまう。

いや…あの、これ賽銭箱に入れなきゃお賽銭じゃないんじゃ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Place:博麗神社 居間

 

"霊夢"SIDE

 

 

今日は宴会の日でもあり、大金を手に入れられるとは……なんて………なんて――――――――

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「スンヴァラッッスィィィィィィィ!!!」

 

ツルギ(ビクッ!?)

 

 

おっと、いけないいけない。そんな大金を提供してくれるスポンサーにはちゃんとしたものを出さなければ…。

 

 

 

それにしても紫が落ち込んでいるとは何事だろうか。

いつも胡散臭さを放ち余裕そうな顔で扇子を開き挑発してくるような彼女に一体なにがあったというのか…。

もしかしたらこのツルギという男の関係だろうか。私の勘が的中しているというなら何をそんなに一体悩んでいるのか検討もつかない。

そもそも私はこの人をまったくと言っていいほど知らない。

今日の宴会に来ない可能性も高い。そう思うのだ。

 

 

 

霊夢「はいお待たせ。悪いわね。あんまし高いものは置いてないの」

 

ツルギ「い、いや大丈夫だ」

 

そう言って私は緑茶とおはぎを差し出す。

さっき変な叫び声をあげたから困惑していた。

我ながら恥ずかしい。

 

 

ツルギ「そういや霊夢は博麗大結界とやらを管理してるんだっけ?すごいよなぁ」

 

霊夢「まぁ、その管理も大変だから時々サボっちゃうんだけど…サボると紫がうるさくてね」

 

ツルギ「はは…」

 

ツルギは乾いた笑いをした。恐らく紫が心配なのだろう。

八雲と名乗ったということは紫が与えた苗字。つまり家族の関係ということだ。

見たところ外来人だけど、紫はなぜ苗字を与えたりするのか。そこまで興味が沸く人物なのだろうかこいつは。

 

 

魔理沙「おーい霊夢…ってあれお前この間の奴じゃん」

 

ツルギ「あぁ…あのときの白黒」

 

 

互いに緑茶で一服しているといつも通り魔理沙がやってくる。タイミングがいいものだ。

 

魔理沙「私は霧雨魔理沙。魔理沙でいいぜ」

 

ツルギ「俺は八雲剣だ。俺も名前で呼んでくれて構わない」

 

魔理沙「じゃあツルギ!一つ聞いていいか?お前どうやってあんな化物に勝ったんだよ!?」

 

ツルギ「え?化物?」

 

 

紅魔館で戦った魔帝ヴァルバトーゼのことを指しているんだろう。

確かツルギはヴァルバトーゼを倒したことがあるだとかなんとか………あまり他人に興味を持たない私だが、それについては私も聞いてみたいとは思っていた。

 

 

魔理沙「えと…なんだっけ。あの吸血鬼」

 

霊夢「魔帝ヴァルバトーゼ」

 

魔理沙「そうそうそいつだぜ」

 

ツルギ「なんで急にヴァルバトーゼの話が出てくるんだよ」

 

 

まぁそれもそうだ。全員の一斉スペルカードの攻撃でようやく()()()付けて、外に出たが、彼は身体が限界だったのか倒れてしまった。

 

他の状況は知らなかったんだろう。

 

 

魔理沙「私たちも戦ったんだけど傷一つつけられるので精一杯でさぁ。霊夢のおかげで勝てたようなもんだし」

 

霊夢「でもあくまでその条件下でしょ。本当に倒せなんて言われてもできないわよ」

 

魔理沙「だからそんなヤツを死ぬ寸前まで追い込んだっていうお前に興味が湧いてたんだぜ!」

 

 

ツルギ「あぁ…えーと、なんていうかなー。あの時は無我夢中だったわけで……正直あいつを本当の意味で殺せるなんてことはできんよ」

 

魔理沙「それでも勝ちはしたんだろう?」

 

ツルギ「あいつが撤退してくれなかったら俺もやばかったさ。なんせ右腕と右脚持ってかれたんだし」

 

 

そう言って彼が右手の革手袋と右脚の靴下を脱ぐと義手と義足が出てきた。

 

 

霊夢「相当な死闘だったのね。それにしてもすごい造りね。機械はそんな詳しくないけど、正直河童の技術でもお目にかかれないわね」

 

ツルギ「かっぱ?」

 

魔理沙「機械が大好きな種族がいるんだよ。というかどんな能力をもっているんだ?」

 

ツルギ「うーん……『0と1を行使する程度の能力』だ」

 

 

聞くと訳がわからないような能力だが、とんでもない能力な気がしてならない。

むしろこの幻想郷すら滅ぼせるレベルの能力な気がした。

 

 

魔理沙「どんな能力なんだぜ?見せてくれよ」

 

ツルギ「また今度な。今は緑茶を飲むのに忙しい。あっこの羊羹美味しい」

 

魔理沙「えー」

 

霊夢「今度見せてくれるんだからいいでしょ。それより魔理沙、きのことってきた?」

 

魔理沙「おう、もちろんだぜ」

 

ツルギ「きのこ?」

 

魔理沙「なんだ知らないのか?うまいんだぞ~」

 

ツルギ「じゅるり」

 

 

ツルギはよだれを垂らしている。食に目が行く辺り多分グルメなのだろう。

 

 

霊夢「そうだ。今日の宴会ツルギが主役だから」

 

 

ツルギ「へぇーそうなのか――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ごめんもう一回言ってくれる?」

 

 

 

急に驚いた顔をされても………。

 

 

霊夢「紅魔館から頼まれてるのよ。ツルギの幻想郷入りと異変解決も含めて主役にして欲しいって」

 

ツルギ「いや…異変解決は二人の功績だろう。あの時おれはダシにされたわけだが…」

 

魔理沙「まぁ細かいことは気にすんなって!私たちじゃあのフランに関して何もできなかっただろうし!」

 

 

ツルギは困った顔をしているが、実際にこの異変の本質を解決したのは彼自身だ。

私たちでは魔帝ヴァルバトーゼとエリザベートがいなかったとしてもどうすることもできなかったかもしれない。

 

 

ツルギ「まぁ…そういうことなら」

 

霊夢「さて…じゃあそろそろ準備しましょうか。魔理沙も手伝って。ツルギも」

 

ツルギ「あぁ…手伝わせてもらうよ」

 

 

主役だというのに断らないなんて…結構お人好しな人かも知れないわね。




霊夢と魔理沙。ここに見参。
次は人里イベントです。投稿は明日かな。
眠いんです。ゆるしてくだしあ。
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