CMR カルデアミステリー調査班   作:乃伊

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2015MMR再始動 人類史焼失!人類滅亡の日、来たる!?(後編)

「日本の、キバヤシ……まさか、MMRなのか!?」

 

 赤外套の男……その真名を、エミヤという。

 孤独に戦い死んでいったその男の名を知る者は決して多くはなく、一介の編集部員であるキバヤシら元MMR隊員も例外ではない。

 だが、逆に……エミヤは、彼らMMRを知っていたのだ。

 

 日に焼けた肌と色の抜けた髪からは想像しにくいが、エミヤはかつて日本で生まれ育った。長じて後、「正義の味方」という理想を追い求めて各地の紛争に介入し、その戦いの果てに世界と契約することで守護者となったのであるが……それは別の物語だろう。とにかく、エミヤ少年は「正義の味方」という理想を己のうちに抱きながら、その青春を日本で過ごしていた。

 

 ──ところで、正義の味方には倒すべき悪が必要だ。

 

 それを彼に気づかせたのが誰だったか、記憶は摩耗し顔も名も定かではないが……そのずっと以前。幼き日のエミヤ少年は、無邪気なまでにこの世に蔓延る「悪」と潰えぬ「正義」の存在を盲信していたのである。

 

 折しも西暦1990年台、それはMMRの活動が世界の「悪」を暴いていた時代────

 

 

 

「──なるほど、日本のMMR。活動は休止したと聞いていたが」

「ああ、そのつもりだったさ。カルデアにも純粋に取材で訪れたに過ぎない……だが、今こうして人類が滅亡の危機に瀕しているなら、話は別だ」

 

 赤外套の男は、ホワイトボードに記された7つの特異点の座標と、机に積み上げられたノストラダムスの予言詩や旧約聖書などを見やる。

 

「意気込みは結構だがね。2015年に今更ノストラダムスもあるまいよ」

「いや、待ってください! 我々は驚くべき発見をしたんですよ!」

 

 タナカが先ほどの議論の内容を赤外套の男に説明するが、彼の冷ややかな視線がその温度を変えることはない。それもそのはず、少年の日の彼は、誰よりも世界の「悪」に敏感であり……それを伝えるMMRに敬意を表していたのだ。彼の住んでいた“冬木市”には奇妙な事件や怪談めいた噂話も多く、幼き日の彼はマガジン編集部に手紙を出したことさえあった。

 

 ……そして、信じていたがゆえに、失望は深い。

 

「確かに、1999年ノストラダムス予言は外れ、俺たちMMRも活動を休止した……しかし、だからといって今動かない訳にはいかないんだよ」

「ふ、当たらぬ予言など、妄想に等しいだろうに」

「てめぇ!? さっきから馬鹿にしたような目でネチネチとッ」

「ちょっ落ち着いてくださいナワヤさん!」

 

 斜に構えたような態度を崩さぬ赤外套の男に、ナワヤは激昂する。対して、キバヤシはそれほど怒っているようには見えない……あるいは、キバヤシ自身、活動休止後のMMRに対してこのような態度を取る相手を1999年から今までの間に見てきたからだろうか。

 

 1999年、人類滅亡が訪れなかったのは幸いであった。しかし、MMRが警鐘を鳴らし続けるうちに、ある種の……倒錯的かつ破滅主義的な期待を抱く者たちが出始めたのも事実なのだ。世紀末。当時の世界の奇妙な雰囲気を、キバヤシは忘れはしない。

 

「妄想なら妄想で構わないさ。怪しいことはしていないのだし、何かしていなければおかしくなってしまう、そういうことがあるだろう?」

 

 あの年の、7月のように。

 

「……確かに、妄想を取り締まることはできんだろうな。だが、一応私も同席させてもらおうか」

 

 エミヤは数名の妄想趣味サーヴァントたち──山の翁(ハサン・サッバーハ)の宝具のことではない──を脳裏に思い浮かべながら、そう言った。取り締まれるなら取り締まりたいのだ。主に一歩間違えれば理不尽な妄想✕勘違いコンボでマスターを焼き殺しかねない蛇娘とかを。

 

「よし、決まりだな。では、再開といこうじゃないか」

 

 そう言うと、キバヤシは机上に積まれた本からノストラダムスの予言詩が書かれたものを取り出す。“人理焼却”などという魔法的魔術的な手法はキバヤシの知るところではないが、それでも彼の明晰な頭脳はある仮説を導き出していたのである。

 

「……まあ、仮説というほどのものでもないがな。今回の“人理焼却”事件を聞いて、ひとつ思い出したことがあるんだ」

「その予言詩ですか? ……あれ、確かそれ見たことありますね」

 

 キバヤシが開いたページに乗っていたのは、2編の予言詩。すなわち、

 

『ずっと以前にすべてがととのえられ……

 のちに最も不吉な時代が来る

 覆面されたままで彼らだけ変えられ

 地位を保てるものはほとんどいないだろう』

 

『大きな数の7がすぎた時

 そこに大殺戮がみられる

 それは千年紀から遠くはなれていないときに……

 埋葬された人々が墓から出てくるだろう……』

 

「いや、待ってくださいキバヤシさん! これ、どこで知ったんです!? 最初の詩はまるで過去の歴史改ざんによって2015年の未来に突然“人理焼却”が起きることを示したようじゃないですか!!!」

「じゃああれか、最初の予言詩の3行目と4行目は長い歴史の中で特異点だけが書き換えられて、それで未来が変わっちまうってことか?」

「……2つめの予言詩の最初の2行も“人理焼却”のようですね。それに、『千年紀から遠くはなれていないとき』を現在2015年とするなら……」

「『埋葬された人々が墓から出てくる』。なるほど、我々のような死せる存在がサーヴァントとして現世に召喚されることを指しているようにも見えるな。ついでに言うなら、この世界線において初めて聖杯戦争が行われたのは、より千年紀に近い2004年だ……まあ、偶然の一致だろうが」

 

 隊員たちと赤外套の男が、驚きとともに口々に感想を述べる。その2つの予言は、あまりにも現状に近いように思われたのだ。

 

「この2つの詩は、かつて『レジデント・オブ・サン』を名乗る者たちがMMRに送りつけてきたものだ(単行本⑫巻参照)……俺の疑問も、それに関係している。『レジデント・オブ・サン』……世界の裏で暗躍してきた奴らが、今回の“人理焼却”によって何もせぬまま滅んだとは……俺には考えられないんだ」

「た、確かに……! いえ、こんな予言詩を送りつけるなんて、むしろ彼らこそが黒幕であるような……」

「ふむ。『レジデント・オブ・サン』……正体に心当たりはあるのかね?」

 

 赤外套の男が問いかける。

 

「ああ。『レジデント・オブ・サン』の正体は…………秘密結社『イルミナティ』だ」

「!!!」

 

 イルミナティ。ラテン語で「光に照らされたもの」を意味する秘密結社で、フリーメイソンとも関係が深いとされる。

 

「なるほど……あの陰謀に長けた秘密結社か。まあ、実際、“人理焼却”に関する情報が一切漏れていないということはないだろうな。人間とはそういう生き物だ。だが、少なくとも第一特異点においてイルミナティなど影も形も見なかったぞ?」

「……イルミナティが直接関わっているとは限らない、と俺は思う。なぜなら、この人類史全般に関わる“人理焼却”に対して、イルミナティは歴史が浅く、小規模すぎる」

「ならば?」

「イルミナティと関係が深く、かつ人類史の長きに渡り影で暗躍し続けてきた秘密結社……そう。俺は、今回の“人理焼却”の黒幕は『フリーメイソン』であると考えている!!!」

 

「「「「な……なんだってー!!!???」」」」

 

 黒幕を名指しする大胆すぎる仮説に、驚愕を隠せぬ一同。

 だが、あくまで冷静な男が一人。

 

「いや、待て。……さすがに、根拠が薄くはないかね?」

「そうだな。これはむしろ俺の希望的……悲観的か? あくまで推測にすぎないさ」

 

 慎重なる赤外套の男の指摘に同意するキバヤシだが、論を翻す気配はない。仮説とは真実への足がかり。例え間違っていたとしても、それを検証する過程で見えてくるものがあるのだ。

 

「……なあ、俺の役割、あの褐色野郎に持って行かれてないか?」

「そう思うならちゃんと仕事しましょうよ、ナワヤ先輩……」

 

 

◆◇◆

 

 

「フリーメイソンが敵の母体である、その仮説の真偽は今は置こう。そこから何が見えてくる?」

 

 赤外套の男の、独り言めいた疑問がキバヤシの耳に届く。

 突然この部屋に現れたその男の正体を、キバヤシは知らない。だが、少なくとも真剣に人類危機へ立ち向かおうとする姿勢に嘘はないのだろうと思う。IQ170を誇るキバヤシの脳細胞が弾き出した仮説を、彼にどこまで明かして良いものか悩んでいたが、信用できる男なのかもしれないと思い始めていた。

 

「……気になることがある」

「ふむ?」

「さっきから引っかかっていたのさ。なぜ第一特異点は1431年のオルレアンだったのか」

「カルデア側の考察は聞いていないかね? フランスで生まれる人間の自由・平等の権利成立、これが阻まれることで文明の進展が妨げられるのではないか、というものだが」

「ああ、それは知っている……だが、それでは『1431年オルレアン』である理由がないんだよ!」

「!」

 

 カルデアの推測する人理の礎のひとつ……人間の自由・平等の権利を謳う『人間と市民の権利の宣言』、通称『フランス人権宣言』が採択されたのは1()7()8()9()()である。宣言の成立を遅らせるなら1789年以前のどこでもいいとはいえ、その350年以上前の出来事をあえて選ぶというのは不自然だ。つまり……

 

「そこに、なにか理由があるってわけか!」

「そういうことだ、ナワヤ」

「いえ、待ってくださいキバヤシさん。確かに奇妙ではありますが、ジャンヌ・ダルクですよ? 人類史でも有数の悲劇の戦乙女ですし、彼女の復讐という形でフランスを滅ぼそうとするのはありそうな話じゃないですか?」

「む……」

 

 タナカの厳しい指摘を受けたキバヤシだが……しかし、すぐに何かに気づいたような表情を見せる。

 

「……皆、聞いてくれ。今、嫌な考えが頭をよぎった……()()()()()()()()()()()()()()()

「囮、ですか!?」

 

 重々しくうなずくと、キバヤシは己の懸念を明かした。

 

「……ジャンヌ・ダルクを象徴するのは、その旗だ。そして、旗は古来より時に本来の目的を隠す『囮』としても使われてきた……」

「諸葛亮孔明の“偽兵の計”ですね!」

「そうだ。ジャンヌ・ダルクの復讐は、非常に『ありそうな』動機ではある。だが……それが逆に、『先にジャンヌ・ダルクありきで、後から人権意識の遅れ等の理由付けがされた』ような、そんな違和感を与えるんだよ」

「……? いえ、言っていることはわかります。でも、それで相手になんのメリットが有るんです?」

「それはまだわからないが……有名なジャンヌ・ダルクがいるせいで一見それらしい歴史の特異点に見えるが、その実、その時その場所である必要性はない……か。なぜカルデアは1431年オルレアンを最初に修復する特異点に選んだんだ?」

「確か、一番座標のゆらぎが少なかったから……だったはずですね」

 

 トマル隊員がキバヤシの疑問に答える。一番新人の彼は、あちこち雑用として駆りだされながらも情報収集を怠ってはいない。すると、沈黙を守っていた赤外套の男が大きくため息を吐いた。

 

「……ふむ。だとすれば、相手もまた我々が1431年オルレアンを最初に選ぶことが予想できたということだな?」

「そう……なりますね」

「ならば君たち、今すぐオルレアンで召喚されたサーヴァントを調べたまえ。もしかすると、状況は我々が考えているよりずっと悪いかもしれんぞ」

「なんだと!?」

 

 男の意味深な言葉に、キバヤシは素早くカルデアの資料を取り出す。第一特異点での活動記録……そこに記された敵・味方サーヴァントの一覧の中、ある一箇所を目にしてキバヤシの動きが止まった。

 

「ど、どうしたんだキバヤシ! 何を見つけた!」

「……は、ははは。どうやら俺たちの予想は当たっていたようだ。それも、ずっと悪い形で、だ!」

 

 力なく笑ったキバヤシは、駆け寄った隊員たちに一つの名前を指し示す。それは……

 

『ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト』

 

「ゔぉるふ……え、誰?」

「モーツァルトですよ、ナワヤさん! 音楽の授業で聞いたことくらいあるでしょう!」

「あ、ああ、モーツァルトね! 知ってるぜ、『ダダダダーン』ってやつだろ!?」

「それは運命! ベートーベンですよ……ごほん、彼が一体何だと言うんですか?」

 

 隊員たちは事情が飲み込めておらず、異様にシリアスな雰囲気を漂わせる隊長キバヤシと赤外套の男を前に困惑している。それもそのはずだ、日本の義務教育で音楽の授業を受けた程度では、有名な曲を聴く機会こそあれ、音楽家個々人の人生について詳しく学ぶ機会など無いのだから。

 

「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト……あまり知られていないが、彼はフリーメイソンの熱心な会員なんだ……! 実際、彼の残した楽曲の中にはフリーメイソンのために書かれたものも多く存在しているのさ!」

「な……なんですって!?」

「……ジャンヌ・ダルクの復讐という華々しい舞台の影で、もしかすると……カルデアのマスターは彼によって監視されていたのかもしれない」

「でも、でも! アマデウスさんは味方ですよ! スパイだったっていうんですか!?」

 

 そう。実際、キャスターのサーヴァントであるヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトは、非常に好意的にカルデアのマスター主従に接し、最後まで味方として戦い抜いた。その真摯な態度に嘘偽りの交じる余地など一切なかったはずだが……

 

「いや、それは関係ないのだよ」

 

 赤外套のサーヴァントが、否定の言葉を告げる。

 

「君たちはサーヴァントというものをまだ良く理解していないようだ。サーヴァントとは、霊体の器に“座”からコピーしてきた英雄の魂の一側面を取り入れたものにすぎない……ゆえに、どの側面がコピーされたかによって、同一人物でも全く別のあり方を示すことさえあるのさ」

「なんですって!?」

「はじまりの特異点、特異点F。大聖杯の前に立ちはだかったあのアーサー王を思い出したまえ」

「あ……た、確かに、あの黒いアーサー王は、我々の知るアルトリアさんとはまるで別人でした……」

「だろう? だが、彼女もまたアーサー王なのだ。同じように、オルレアンのアマデウスもまた、『マリー・アントワネットに恋する善なる側面』だけが呼びだされていた可能性がある」

「……」

「そして聖杯戦争が終わった後、サーヴァントは消滅しその記録は“座”に送られる……だが座の本体の性質が、呼びだされていたサーヴァントの性質と同じとは限らないんだ」

「まさか」

 

 事態に気づいた隊員たちの表情が青ざめていく。赤外套の男もまた、苦々しげな表情を崩さない。

 

「オルレアンでの戦いを通じて、“座”のアマデウスはカルデアのマスターの素性や契約サーヴァント、戦術など様々な情報を入手しただろうな。もし、それがフリーメイソンのために役立てられるとしたなら……」

「……そうか。考えてみれば、現地サーヴァントを召喚するのも聖杯……そして聖杯は最初から敵の手の内にあった……」

「さ……最初から仕組まれてたってことかよ!?」

 

 ナワヤが叫ぶ。7つある特異点の一つを使った、巧妙な罠……人類最後の希望たるカルデアのマスターを丸裸にする、恐るべき偵察戦術の存在が示唆されたのだ……!

 

「そうだとすれば、俺たちは既にかなり窮地に立たされていると言わざるをえない……さらなる検討が必要だ」

「そうだな……Mr.キバヤシ。私も本格的に協力しよう。私のことはエミヤと呼んでくれ……まあ、別に隠していたわけでもないのだがね」

「ああ、助かる!」

「よっしゃあ! フリーメイソンの野郎の悪巧みを見ぬいてやろうぜ!」

「頑張りましょう!」

 

 

◆◇◆

 

 

 カルデアの一角に設けられた会議室。そこで、5人の男たちと一人のサーヴァントが、人類滅亡を防ぐため、その叡智を結集していた……!

 

「でもよぉ、フリーメイソンって言ったって有名人がたくさんいるんだろ? 黒幕の正体なンてわかりゃしないぜ?」

 

 ナワヤの疑問。しかし、キバヤシは既にその答えを手にしていた。

 

「いや……フリーメイソンが敵の母体であるなら、その『王』の正体も予想できてしまうのさ」

「マジか!?」

 

 断言するキバヤシに、周囲が驚きの視線を向ける。キバヤシは、すう、と息を吸い込み──

 

「フリーメイソンが王と崇める者、すなわち“人理焼却”の黒幕……その正体は────“ソロモン王”だよ!!!」

「「「「な、なんだってーーーー!!!???」」」」

 

 呆気無く──あまりにも呆気無く、その古き賢王の名を告げた。

 

 

 ──ソロモン王。ダビデの子にして、72の悪魔を統べる魔術の王。

 

「いや、待てよ、確かにソロモン王は有名だけどよ、フリーメイソンと何の関係があるンだよ?」

「何の関係も何も……そもそも、フリーメイソンとはソロモン王の神殿を築くために集められた石工から始まったと言われているんだ」

「な……じゃあ、フリーメイソンは元々ソロモン王に仕えていたってことか?」

「そうだ。そして、ソロモン王が敵の黒幕だとすれば、その目的は……」

「……確か、MMRもソロモン王の秘宝について調査したことがありましたよね(単行本③巻参照)?」

 

 タナカが、過去のMMR調査報告を思い出す。

 

「ありゃあ、どういう流れだったっけ? 日本にあるソロモン王の墓ってところにいったのは覚えてるンだが」

剣山(ツルギサン)ですよね。内部にピラミッド構造を有し、そこに秘宝を納めていた……」

 

 1990年台、徳川埋蔵金が世間の話題をさらった時期があった。流行の最前線を征くマガジン編集部もまた、その流れに乗じて、しかし独自に、日本に残されたソロモン王の秘宝を調査発掘しようと試みたのだ。

 

「残念ながら剣山での調査自体は、国の介入により打ち切られてしまった……だが、俺たちは秘宝の正体について肉薄することができていたはずだ! 『ピラミッドパワーによって時代を超えて保存された、過去の偉大なる天才たちのDNA情報』こそがソロモン王の秘宝であると!!!」

 

 DNA。デオキシリボ核酸、30億塩基対のコードによって人間の構成情報を記録する、人の礎たる設計図。

 

「その調査は、私も君たちの調査報告を読んだので知っている。当時は一読者としてピラミッドパワーに驚いていたが……今になって考えると、時代を超えて優れた個人を保存し後の時代に復活させようという思想の在り方は、英霊召喚のそれと似通っているように思えるな」

「同じ思想……これも、フリーメイソンが関わっているという傍証なのでしょうか」

「ていうか、サーヴァントも漫画読むンだな」

「これでも生前は人間でね? まあ、漫画を娯楽として嗜むサーヴァントが多数派かと言われれば否だが」

 

 検討すればするほどに現れる、フリーメイソンの関与を示す手がかりの数々。最早、この状況を単なる偶然で片付けることはできない。

 そして、そんな緊迫した状況の中、先程から黙々と“イ・プルーリバス・ウナム”について調べていたイケダ隊員が突如声を上げた!

 

「ああ! わかりました! キバヤシさんが“イ・プルーリバス・ウナム”をどこで知ったのか……」

「本当か、イケダ!」

「これを見てください!」

 

 イケダが示したのは、インターネット百科事典wikipediaの『アメリカ合衆国ドル』のページだった。そして、そこに示された1ドル札の画像を、彼は指差す。

 

「この右側の鳥、国鳥のハクトウワシですが、そいつが口に加えた布……そこに書かれている文字こそが、“E pluribus unum(イ・プルーリバス・ウナム)”なんですよ!」

「な……なんだと!?」

 

 驚くキバヤシ。その目は爛々と輝き、彼の脳内で超高速演算が行われていることを示唆する。そして、彼を見返す目がひとつ──

 

「……右にイ・プルーリバス・ウナム。みんな、左を見ろ。“プロビデンスの目”だ」

「フリーメイソンの象徴……『神が全てを見通す目』が、こんなところにも!?」

「そういえば、先ほど第一特異点の話で出てきた『フランス人権宣言』だが、あれにも“プロビデンスの目”が描かれているんだ……」

「……キバヤシさん!! これはいったい!?」

「第5の特異点だよ!!

 第5特異点はアメリカ、しかもフリーメイソン関係者が多く関わる独立戦争だ、間違いない! そしてこれだけ情況証拠が揃って疑わない理由はないぞ。やはり、今回の“人理焼却”にはフリーメイソン、そしてソロモン王が関わっているはずだ……!」

 

 低く、力強い言葉で結論を述べる。頷く隊員たち。最初は懐疑的だったエミヤも、いまや彼ら元MMRの仮説が信じるに値するように思われた。

 そもそも、1999年の予言こそ当たらなかったものの、MMRの調査報告の中には狂牛病を引き起こすプリオンの存在や地下鉄バイオテロの脅威など、時代を先読みした優れた警告も多く存在していたのだ。かつての読者としてそれを知るゆえに、現状とキバヤシの推理からエミヤの持つ『経験によって培われた洞察力』スキルが発動する──!

 

「私の心眼(真)が(うず)いている……一刻も早く今回の事態とソロモン王の関わりを検討すべきであるとな……!」

「賛同に感謝する、Mr.エミヤ。できれば、この情報をカルデア上層部に伝えてもらえないだろうか。現状、我々は善意の協力者であるが、部外者であることには変わりないからな」

「そうさせてもらう」

「助かる。では、最後にもう一つ、先ほどのソロモン王の調査の時に発見したノストラダムスの予言詩を提供しよう。これを見れば、我々の調査が考慮に値するものだと認められるはずだ」

 

 そう言って、キバヤシは机の上の本を広げ、エミヤに向かって一つの詩を指し示した。

 

『偉大なる7の番号が達成される年

 虐殺の遊戯の年にあらわれる

 偉大なる4年期の時代からは遠くなく

 そのとき死者は墓地から蘇る』

 

「偉大なる7……偉大なる使命(グランドオーダー)と7つの特異点、か。4年期が2016年を指すなら、決まりだな。私はこれからDr.ロマンに報告してくるとしよう。本を借りてもいいかね?」

 

 エミヤはノストラダムスの予言書を手に取り、扉を開けようとして……

 

「ああ、部屋の戸締まりと退出記録は忘れないでくれたまえ。鍵の返却もな」

 

 そう言い残してから、出て行った。

 

「なるほど。彼がカルデアのオカンと呼ばれる理由がわかりました」

「飯もうまいからな」

「夕飯のメニュー何でしょうね?」

 

 驚くべき調査結果……未だ検討の余地こそあれ、あまりにも深刻なそれをエミヤに託した元MMR隊員たちは、どっと疲れを感じていた。

 

「しかし、エミヤさん……MMRの読者だったみたいですね。漫画と比較されると照れちゃいますが」

「確かに。まあでも、僕らのかつての活動も、こうして誰かに伝わっているとすれば無駄ではなかったと思えますよ」

 

 かつての“1999年MMR最終報告”は実を結ぶことこそなかったが、今こうして人類の危機に自分たちが動けるのも、MMRとして人類滅亡に備えていたからというのが大きいのだ。もしただの一般人なら、パニックを起こして使い物にならなくなっていたかもしれない……

 

「とにかく皆、よくやってくれた。まだ現状が打開されたわけではないが……それは、カルデアのマスターの奮闘に期待するしかないな」

「子どもたちを戦わせるなんて、漫画じゃよくある話ですけど……実際、僕らがそういう立場に立つとやるせないですね」

「そうだな。俺たちに直接戦う力はない……だが、何もできないわけでもない。こうして検討を続けていくことが、戦いの助けになるはずだ」

 

 カルデアのマスターは、まだ子供だ。それが、人類の未来を背負って、古今東西の英雄の主となって戦い続けている。彼ら自身も危険だろうし、なにより戦いの覚悟など現代の子供が持ち合わせているはずがないのだ。その重圧は、想像するだに痛ましかった。

 マガジン編集部は、数多の物語を紡ぐ漫画雑誌編集部だ。その中にはもちろん世界を救う少年少女の物語も存在するし、だからこそ、そういった作品の主人公達の悩み苦しみをカルデアのマスターに重ねあわせてしまうところがあったのだ。

 

「それに、現地のサーヴァント……味方さえ信用出来ないなんて、厳しすぎるぜ。せめて俺らだけでも頑張らねェとな」

 

 ナワヤの言葉に頷く隊員たち。もちろんキバヤシも同感であったが…………そのとき。キバヤシに、電流が走った。

 

「……待て。今……なんと言った?」

「え? 味方が信用できねェのは辛いだろうなって」

「味方さえ信用出来ない…………何かが引っかかる……何だ…………?」

 

 突然黙りこむキバヤシに、周りの隊員たちは困惑した。一度ゆるんだ緊張の糸は、容易には戻らない。

 

「味方…………味方? ………………そうか!!!」

 

 バァン! 勢い良く机に手をついて、キバヤシは立ち上がる。

 

「な、なんですかキバヤシさん!」

「休憩時間にはまだ早いぞ……! 俺たちは…………とんでもない考え違いをしていたのかもしれない……!」

 

 

◆◇◆

 

 

「廊下、2つ先の角まで見てきましたけど、誰もいませんでしたよ」

「ありがとう。……これから話すのは、俺たちだけの仮説だ。極秘だと思ってほしい」

 

 部屋の外の様子を見に行かされたトマルが戻って報告する。礼を言うキバヤシの表情は、これまでに無いほど真剣なものだった。

 ──ゴクリ。息を呑む音が、静まり返った会議室に響く。

 

「き、キバヤシさん……どうしたんです、突然そんな深刻そうな顔をして」

「気づいてしまったんだよ……さっき意味がわからなかった、ノストラダムス大予言の3行目、その真の意味に……!」

「ほ、本当ですか!?」

 

 驚きの声さえ、低く、小さく。

 

「そもそも……俺たちがこのカルデアに来たのは、何故だったか覚えているか?」

「それは、各国からの謎の資金の流れがカルデアに繋がっていたからですよね。カルデアスやサーヴァントにはびっくりしましたけど、あんな物を管理するなら確かに一国だけじゃ無理ですよ」

 

「確かにそうだろうな……魔術と科学を合わせることで人類史を守る。そんな組織に表立って金を出すことはできないだろう。だが……あまりにも、技術が進みすぎていると思わないか?」

「まあ、それは。でも、魔術があるなら、そういうものじゃないですか?」

 

「いや……『時間』や『世界線』は、魔術でも扱うのが非常に難しいらしく、ほとんど魔法の域に近いそうなんだ」

「……じゃあ、このカルデアの技術はどこから来たっていうんです?」

 

「俺たちは知っているはずだ……俺たちよりもずっと進んだ超科学力を持ち、そして『ある目的』のために世界各国へ密かに接触している者たちを……!」

「そ、それは……!?」

 

「そう……宇宙人だよ!!!」

 

 

「「「「な……なんですってーーーー!?」」」」

 

 愕然とする隊員たち。キバヤシも、自分で語っておきながら信じられない気持ちだった。フリーメイソンに留まらず、宇宙人の陰謀までその姿を見せ始めたのだから……

 

「カルデアとは、そもそも“星見”を意味する言葉だ。古くから、カルデアの名を持つ人々は天体を観測していた……ならば、地球に飛来していた宇宙人にいち早く気づき接触できたとしても不思議ではない」

「そういえば、カルデア所長のアニムスフィアさんの実家は、魔術協会でも天文を専門にしているんでしたよね……」

「だ、だがよキバヤシ。それだけで決めつけるのは、早いンじゃねぇか?」

「そうだな……確かに、決定的な証拠はまだない。だが、様々な状況証拠があるんだ。聞いてほしい」

 

 隊員たちの目が再び真剣さを取り戻したのを見て、キバヤシは再び語り始める。

 

「カルデアス……地球モデルを見ただろう? 今にして思えば、あれは奇妙なシロモノだ」

「奇妙、ですか?」

「地球をモデル化して、未来を予測するのはいい。だが……なぜ、()()()()()()()()()()()()? あれはまるで……地球の周りを回る衛星から撮影した写真のようじゃないか」

「……確かに。どこかで見たことがあると思いましたが、夜の光を撮影した衛星写真はよく似ていますね……」

「俺には、『外側から地球を見ている者』の発想が感じられる。それが、まずひとつめだ……」

 

 キバヤシは指を一本立てる。そして、言葉を続ける。

 

「かつて宇宙人について俺たちMMRが調べたとき、その目的についても突き止めたのを覚えているか?」

「ええ。人類の遺伝子を彼らは欲しがっていると……キャトルミューティレーションやヒューマンミューティレーションはその一環であると、そういう話でしたよね(単行本①巻参照)」

「そうだな。だが、当時の俺たちは、重要な事を見落としていたんだ」

「!? そ、それは……」

「遺伝子だけでは、人類は完成しない。人類を人類たらしめるもの……文化の継承という視点が抜け落ちていたのさ」

「な、なるほど。では、地球の文化を宇宙人が学んでいると?」

「遺伝子……ジーンに対して、継承される文化のことをミームと呼ぶんだが……その実態は、長い歴史の中で培われた習慣や技能、物語などだ。そして……ここ、カルデアには、それら人類の育んできた文化の粋を持つものが揃っているんだよ!」

「……サーヴァント! 人類史に名を残した英霊たち……!」

「既に宇宙人が地球人類の遺伝子採集を終え、次の段階、ミームの採集に入ろうとしているとすれば……」

「このカルデアは、うってつけの交渉相手ですね……!」

「カルデアに未来観測の技術を渡す代わりに、英霊召喚に関するデータを彼らは集めているのかもしれないな……」

 

 これが、ふたつめだ。そう言って、キバヤシはもう一つ指を立てた。

 

「ま、待てよ。それなら、もうこのカルデアに宇宙人が入り込んでるってことにならねぇか?」

「直接入り込む必要はないさ。何らかの連絡手段……あるいは、その中継になる存在がいればいい」

「中継……ですか?」

「思い出すんだ。このカルデアには、俺たちの誰も見たことのない、地球上には存在しないような生物がいたはずだ。それも、なぜかいつもカルデアのマスターへ不自然につきまとう生物が……」

「ま、まさか……」

「そう……“フォウくん”だよ!!!」

「ば……馬鹿な……」

 

 衝撃が隊員たちを貫く。あの可愛らしい生物が、宇宙人の手先だというのか……!?

 

「フォウくんという名前は、マシュちゃんが直感的につけたそうだが……もしかしたら、かつてのマガジン読者同様にマシュちゃんの若い感性が無意識にフォウくんの異物性を感じ取ったのかもしれないな。彼の正体が、“異邦人(フォーリナー)”なのだと……」

 

 そして、三本目の指が立てられた。

 

「次だ。先ほど、宇宙人がカルデアに技術を渡していると仮説を言ったが……カルデアのグランドオーダーを実現させる超技術、時空を超える『レイシフト』はその一つじゃないかと思うんだよ」

「それは、長大な時間を要する宇宙空間移動には、時間制御の技術が不可欠だからですか?」

「それもある。だが、それ以上に……『レイシフト』という名前。何か思い出さないか?」

 

 問いかけに、隊員たちが頭をひねる。

 

「レイシフト……レイ……ああっ!」

 

 気づくのは、全員同時だった。

 

「UFOですよね!? UFOの着陸ポイントを『レイポイント』、それを結んだ線を『レイライン』といいました(単行本①巻参照)! レイシフト先の座標が、もしレイポイントなら……」

「そうだ。『レイシフト』とは、空間を移動する『レイライン』とは似て非なる、時間を超えて『レイポイント』へ移動する技術ではないか……俺はそう考えている」

 

 四本目の指が。

 

「……キバヤシ。さっき、ノストラダムスの予言の意味がわかったって言ってたな? それは、これと関係有るのか?」

「もちろんだ。意味不明だった部分『アンゴルモアの大王を蘇らせ』……タナカ。さっき、アンゴルモアの大王の候補を話していたな?」

「ええ。アングーモワ出身のフランソワ1世説と、アッティラ王説がありますが……」

「しかし、トマルも言っていたとおり、そんな古い時代の王様がよみがえるだけの話だとは考えにくい」

「そうですね……」

「だが……カルデアの現状を考えると、3行目の意味が分かるんだよ」

「そ、それは……」

 

 キバヤシは再びドアを細く開け、誰も周囲にいないことを確認した。そして、告げる。

 

「候補の一人、フランソワ1世……それほど有名な王様ってわけじゃあないが……彼は、あの“レオナルド・ダ・ヴィンチ”のパトロンだったんだよ……!」

「そ……そうなんですか!?」

「そして、このカルデアには、()()()()レオナルド・ダ・ヴィンチが現界していた……マスターもいないのに、だ。これが偶然だとは思えない」

「つ、つまり……」

「『アンゴルモアの大王』……それは、かつてのフランソワ1世のようにレオナルド・ダ・ヴィンチの主となる者……つまり、サーヴァント契約における(マスター)のことを指すんじゃないだろうか……?

 そして、『カルデアのマスター』ではなく『カルデア』によって召喚された彼……ごほん。彼女の(マスター)は、未だ不明のままだ……」

「確かに……ダ・ヴィンチちゃんはなぜかカルデアのマスターとは契約しようとしませんよね……」

 

 考えてみれば、不思議な行動である。なぜ、人類滅亡の際にあって、レオナルド・ダ・ヴィンチは人類最後の希望たるカルデアのマスターと契約しようとしないのか。それも、協力する気がないわけではないのに、だ……

 そしてついに、五本目の指が、立てられた。

 

「以上の仮説を総合すると……グランドオーダーとは……『地球と人類史を舞台にした、宇宙人 vs フリーメイソンの戦い』ということになる……!」

「「「「…………」」」」

 

 あまりにも、あまりにも残酷な、その結論を前に。隊員たちは、返す言葉を失っていた。

 

「敵が勝てば人理焼却は完遂され、人類史はフリーメイソンの望むままに書き換えられるだろう……。彼らの掲げる理想“新世界秩序(ニューワールドオーダー)”が実現するというわけだ」

「でも、カルデアが勝ったとしても、その裏には宇宙人がついている……僕たちは宇宙人が地球人の遺伝子と文化を己がモノにしようとするのを見ていることしかできない……」

「な、なンだよ、それ……どっちが勝っても絶望じゃねェか……!」

 

 会議室に、沈黙が落ちる。彼らの調査は、圧倒的なまでの絶望にたどり着いてしまった。

 キバヤシも、悔しさにその拳を握りしめている。

 

「俺たちは遅すぎた……もう、この戦いの未来には、絶望しかないんだ……俺たちは……無力だ……」

 

 

 

 

 

 

 

「…………そんなこと! ありません!!!」

 

「!?」

「と、トマル……!?」

 

 沈黙の中、会議室中に響き渡る大声を上げたのは、元MMR最若手……かつての新人トマル隊員であった。

 

「確かに、敵も、カルデアも信用出来ないかもしれません……! でも、僕らが諦めてしまったら、一般人枠で呼ばれて巻き込まれただけの、カルデアのマスターを見捨てることになるんですよ!?」

「……!」

「裏でどんな陰謀が働いているとしても、彼らは命がけで戦っているんです! それを、僕らが……子供の夢を応援する漫画編集者が助けてあげなくて、どうするっていうんですか!!!」

「……!!!」

 

 目が覚める思いだった。確かに、この世には邪悪な陰謀を企む者たちがいる。だが、同時に、純粋に未来を想って戦う者たちも存在するのである……!

 

「ッそ、そうですよ! せっかくエミヤさんっていう元読者の協力者ができたのに、諦めるなんて早すぎます!」

「たしかにな……カルデア設立の意図はともかく、ここにいる一人ひとりの職員たちの中には、心の底から人類のために戦っている者もいるはずだ。いかなる陰謀があろうとも、それに立ち向かう者がいる限り、俺たちだって諦めることはできない!」

「僕も、『カルデア』に味方できるかはちょっと分かりませんが、『カルデアのマスター』の味方になら、喜んで!」

「トマル、一番新人だったお前がよぅ……立派になりやがって……」

 

 口々に声を掛け合う。再び、全員の心に闘志が湧いてきたのだ……!

 

「よし、確認しよう。俺たちの目的は、人類の未来を守ることだ。だから、まずはカルデアとともに人理焼却を止める必要がある。そして、その後……状況次第ではカルデアの背後にいる宇宙人とも決着をつけることになるだろう……! これからも、継続的に情報を集めていきたいと思う!」

「ようし、MMR再結成ってわけだな!」

「ええ! でも、マガジンはもうなくなっちゃいましたからね……」

「じゃあ……」

 

 隊員たちがキバヤシを見る。

 キバヤシは力強くうなずき、彼らの新たな名前を告げた!

「マガジンを取り戻すまで、俺たちの戦いの舞台はここ……カルデアだ! これから俺たちは、MMRあらため、カルデア・ミステリー・ルポルタージュ……CMRだ!」

「お、いいねェ! 心機一転、やる気がみなぎってきたぜ!」

「頑張りましょう!」

 

 

 こうして、CMRの新たな戦いが始まった……

 

 敵は強大だが……希望はまだ残されている。

 人間の力を信じること。一人ひとりが、未来を信じること。そして何より……諦めないこと。

 そうすれば、人間はどんな危機だって乗り越えられる────!

 

 人間の可能性は無限なんだ────────

 

 




完結! キバヤシの、そしてCMRのグランドオーダーはこれからだ!

Q. ところで、なんでエミヤがゲスト?
A. カタカナ日本人名って、MMR感あるよね!

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