人間不信になった俺は魔法使いに出会いました(打ち切り)   作:”アイゼロ”

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はい、どうも、アイゼロです。

新シリーズ投稿----!!!

だけど、別の作品との掛け持ちになるから、更新かなり遅いと思うーー!ご了承ください。

それでは、ご覧ください。


小学生編
1話:0時の出会い


現在:比企谷八幡 小学5年生

 

 

外はもう真夜中、時刻は23時50分、もうすぐ日にちが変わる頃。俺、比企谷八幡は現在公園のベンチに座っている。

 

普通小学生がこんな時間まで公園にいたら補導されるだろう。そして親にも先生にも連絡され、面倒ごとになる。だが、心配ない。ここのベンチは周りの木で隠れているため、あまり人の目に入らない。俺はなんて良い穴場を見つけたんだ、と少し気分が高揚していた。

 

まぁ、別に人に見つかってもあまり問題にはならないだろう・・・。だって・・

 

俺にはもう、家族や先生と呼べる者は存在しないのだから。

 

俺は今日、天涯孤独の身となったのだ。まぁ元々ぼっちだったが・・。

 

俺は昔からイジメにあっていた。俺は周りの人よりも目が特徴的だったという理由で、除け者扱いをされていた。小学3年の時からだ。最初は物を隠すなど、投げつけるなど、軽いものだった。だが、俺が何の反応も示さないことにシビレを切らしたのか小学4年生になってからイジメは徐々にエスカレートしていった。

 

トイレに入れば水をかけられ、教室に入れば帰れコール、机には無数の切り傷と落書き。イジメは時間を重ねるにつれ過激になっていた。

 

普通これだけのことをやられたら、さすがの教師も黙っているわけにはいかないだろう・・。そう思い、少なからず俺は先生に期待をしてしまったのだ。

 

だが、あろうことか教師はそれを見て見ぬふり。俺が目の前でイジメられているのを見ていただけだった。あの時は大人に失望した。もう大人に対して憎悪しか生まれなくなったのだ。

 

俺の唯一の拠り所はもう家族と家しかないと思っていた。家族には心配をかけたくない、下には妹の小町だっている。妹を心配させたら兄失格だ。

 

だから俺は、我慢をし続けた。身体的ダメージ、精神的ダメージを与えられても、家に帰れば安息が待っている・・。そういう一心で耐え続けた。

 

進級し、俺が小学5年生となってもイジメは現在進行形で続いている。全く・・何故こんなにもしつこいのだろう。2年間も俺をイジメてそんなに楽しいか?いや、愚問だったな、楽しくなかったらとっくに冷めている。

 

進級してから2ヶ月後、小町が両親に宥められながら泣いていた。

 

小町がイジメにあっていたのだ。

 

俺はあまりの驚きによろめいて壁に寄りかかった。俺と両親は原因を聞いた。

 

すると、小町の口から『お前が、あいつの妹だからって』と涙目で俺を見ながら、そう言葉を吐いた。

 

自分が原因でイジメにあったという、キャパシティを超える衝撃事実に俺は頭が真っ白になる。

 

そしてイジメの原因が俺だとわかった瞬間、親は俺を怒り狂った顔で殴ってきた。何回も何回も。

 

殴った後、俺を家から追い出し、『二度とその顔を見せるな!疫病神!』と叫び見捨てた。

 

全く・・・実の息子に対して疫病神はないんじゃねぇか?俺のイジメに関しては、触れてもいなかったしな。結局小町がいればそれでいいんじゃないか・・・。

 

そして今に至る。

 

これからどうしようか?小学生じゃバイトはできない。保護施設的なのがこの世にあるらしいがどうやってそこへ?連絡手段もない、ましてや一文無しだ。このままだと俺の未来は死ぬ一択だ。

 

 

まぁ、それでもいいかな・・。誰も味方はいない、頼れる人もいない。例え話しかけてくる大人がいても、同情や憐みの目で見られるのだ、それに大人には憎しみと怒りしかない。それなら天涯孤独の小学生として、生涯に終止符を打った方がいいな。このまま頑張って生き延びようと頑張ったって、苦しみ続けるだけだ・・。

 

・・ならとっとと楽になりたい。

 

死ぬ覚悟を内に秘めながら、俺は真夜中の公園で時間が過ぎるのを待った。

 

時計の短針長針が12を指したとき

 

「キャアアアァァァァァ!?」

 

突然空から叫び声が聞こえてきた。しかも徐々にその声は大きくなってくる・・。

 

へ?何故に?

 

ズドーーーーーーーン!!

 

おそらく叫び声の主であろう何かが目の前に落下してきた。え?何事?

 

あまりに現実離れした出来事に俺は混乱した。その方向に目を向けるが砂ぼこりで確認できない。けど、足に力が入らず立って確認をしに行けない。・・・情けないな・・・こんなんになっちまうとは・・。

 

やがて砂ぼこりがやみ、ついにその正体を拝む時がきた。

 

「いたたたた」

 

姿を現したのは、とんがった帽子に紺色のローブ、茶色のブーツという、魔法使いのような服装をした女性だった。年齢は見た目的に二十歳に見える。・・・マジか、空から女性が降ってくるなんて二次元にしか存在していないと思っていたのだが。・・それにしても、何故彼女は無傷なんだ?あんな高いところから落下して『いてて』で済むなんてのび太君ぐらいしかいないぞ。

 

「・・・ん?あれ?」

 

その女性は、俺を見て不思議な表情をしていた。そりゃそうか、こんな夜中に小学生がぽつりと座ってたら誰だってそんな表情になる。

 

よく見るとその女性は、美人の部類に入るであろう端正な顔立ちをしていた。それは美しさを表現しながら、どこか可愛げな雰囲気も醸し出している。・・・・別にそういう目で見てないからね、あくまで一般論だから。

 

そんな感想を抱いていたら、彼女はこちらに近づき

 

「どうかしたの?地球の時間だと君は補導される時間帯だけど?」

 

地球の時間?何言ってんだ?と思っていたら、後の言葉で一瞬にして現実に引き戻された。あまりの展開に頭から離されていたのだろう。

 

分からなくなってきた・・死ぬのがいいのか、生きるために足掻くのか、わからない。

 

この人に助けを求める?ダメだ、この人はおそらく大人の部類に入る。どうせ今も同情や憐みの目で見ているに違いない。そう思うと顔を上げるのが怖い。怖い・・怖い。

 

「だ、大丈夫!?君、すごい震えてるよ!」

 

彼女に言われて気付いた。今、俺は物凄く震えている。

 

「・・・別に問題ないっす。気にしないでください・・・」

 

俺は声を振り絞って、そう返した。このままお引き取り願おう・・。今は会話ができる状態ではない。

 

だが、彼女は帰らずに

 

「ごめんね。ちょっと君の過去を見させてもらうよ」

 

そう言って俺の頭に手をかざし、そこから光が生じた。どういう仕掛けなんだ?格好からするにほんとに魔法使いの類なのか?・・いやそんなはず・・・。それに俺の過去を見る?一体何者なんだ?

 

頭の中が疑念でいっぱいだ。俺の許容量を遥かに超えている出来事が次々に起こっている。

 

用が済んだのか、彼女は手を離した。

 

俺は顔を上げると、彼女の顔は、まるでとんでもないものを見てしまったような表情をしていた。そして、目には涙を浮かべていた。

 

なんでこの人は泣いているんだ?一体彼女は何を見たんだ?・・・そういえば俺の過去を見るとか言っていたな。もしかして・・・・・・・ハハッまさかな、そんなはずねぇか・・。

 

俺が勝手に自己完結をしていたら、不意に体が温かいぬくもりに包まれた。

 

「・・よく・・・頑張ったね」ナデナデ

 

彼女は俺を抱いて頭を撫でながら、涙交じりにそう言った。その言葉を聞いて俺は心臓がドクンッと鳴った。

 

『可哀想』『お気の毒』などといった憐みの言葉じゃない。俺が2年間、今は見捨てられた家族のために耐え続けていたことを知って、彼女は『頑張った』と称賛の言葉を俺に投げたのだ。この一言、この言葉だけで、俺は報われたんだと思ってしまった。

 

誰も悲しまなかった、誰も助けてくれなかった、誰も・・・俺を見なかった。・・でも彼女は俺の過去を見て悲しんでくれた。ただ純粋に涙を流してくれた。

 

今まで、俺の中で必死に繋ぎ止めていた糸がプツンと切れた。

 

「・・うぅ・・ヒグッ・・うあああぁぁぁ!」

 

糸が切れた途端に、俺は涙を流し泣き叫んだ。

 

「よしよし・・大丈夫。・・もう大丈夫だよ」ナデナデ

 

彼女はずっと俺を抱きしめて、頭を撫でてくれていた。

 

 

 

クレアside

 

都市有数の一流魔法大学を首席で卒業した私、クレア=フローランは今、ある大きな事に挑戦をしている。

 

それは・・・地球に足を踏み入れること。

 

地球は、ほかの惑星とは違って平地ではなく、そこそこ文明が発展している惑星だ。そこには、魔法など存在せず、むしろ非科学的で幻想な創造物と認識されているらしい。

 

今までは衛星観測で見てきたが、はっきりとわかっている事は、今言った事だけ。別の惑星にも、文明があったという事実しか確認できていないのだ。

 

そんな星に興味を持ち、行こうと私は決心した。

 

しかし、ここ惑星ソフィーラは地球ととんでもなく離れているため、踏み入れることはできない。魔法使いにも限界はあるのだ。ワープ魔法もあるが、それも限界距離があるため、使用できない。そもそもワープ魔法使える人自体少ないし・・。

 

私は、地球と繋ぐゲートができないかと思い、大学卒業後に研究を始めた。いろいろな研究所へ飛び回って、情報収集をしたり、実験を行う毎日だった。

 

さっきも言ったが、私は有名な魔法大学を首席で合格したから、他の人よりも強いと自負しているし、技の種類も豊富だ。だからと言って別に1人なわけじゃないぞ、ちゃんと友達もいる。

 

卒業してから3ヶ月後、私はついに地球と繋ぐゲートが作れるという理論を立てられた。結構かかっちゃったな・・。いや、早い方なのかな?ま、いっか。

 

だが、まだ無事が保証できないため、発信機をつけた石などを実験台にし、作ったゲートに通させた。そして、確認してみると、嬉しいことに地球の方向に反応が出たのだ。実験は成功だ。これには思わず私も舞い上がる。

 

早速今夜、地球へ行ってみよう。楽しみだな~、それに備えてしっかり睡眠をとろう。気分は高揚状態だったけどあっさり寝れた。遠足前の小学生みたいにはならないよ?

 

―――――5時間後

 

いざ、決戦の時。ただいまの時刻23時45分、0時ぴったりに地球へ降り立つ予定だ。その時間なら、深夜だから人通りも少ないだろうし。

 

ちなみにソフィーラと地球の時間軸は全く一緒なんだよ。不思議です。

 

準備を整えた私はゲートを開くため、意識を魔法に集中させた。

 

目の前に直径2メートルぐらいの穴が出現した。・・・よしっ、後は飛び込むだけだ!

 

それじゃあ行ってきます!いざ、地球へ!レッツゴー!

 

「こんばんは!地球!」

 

辺りは真っ暗闇に包まれていて、足元には住宅街が並んでいた。・・・へ?足元?

 

私は、地面とかけ離れた上空にいた。気付いた時にはすでに遅く、現在落下中である。

 

「えええええ!ちょ、ちょっと待って!〈リビテーション〉!」

 

私は浮遊魔法を唱え、墜落を免れようとした。・・だが、速度が落ちただけで落下は続く。

 

えぇ!嘘でしょ!?地球ってソフィーラよりも重力が少し高いじゃない!

 

「キャアアアァァァァ」

 

ズドーーーーーーーン!

 

「いたたたた」

 

うぅ・・痛い。〈リビテーション〉のおかげで事なきを得たけど、どこに落ちちゃったんだ?

 

周りを見ると、ブランコや滑り台といった遊具がある。おそらく公園だろう。キョロキョロしてたら、私はベンチに座っている、見た目小学生の少年が視界に入った

 

「・・・ん?あれ?」

 

おかしいな、外はもう真っ暗だし。小学生が出歩いていい時間ではないはず・・・何かあったのかな?

 

その少年は、私を見るや否や複雑な顔をしていた。・・そりゃそうか、目の前に空から宇宙人が降ってきたんだもん。

 

とりあえず私は、少年に近づき話しかけた。

 

「どうかしたの?地球の時間だと君は補導される時間帯だけど?」

 

あ、今思えばあっちと地球、時間一緒だった。うっかり、なんて言ってる場合じゃない。早くこの子を家に帰さなきゃ、じゃなきゃ警備隊に連絡されて面倒ごとになってしまう。

 

私がそう聞くと、少年は顔を伏せ、プルプルと震えだした。

 

「だ、大丈夫!?君、すごい震えてるよ!」

 

どうしたんだろう!?何かを思い出させてしまったのだろうか?

 

慌てた私に対して少年は口を開いた。

 

「・・・別に問題ないっす。気にしないでください・・・」

 

いや、どう見ても問題だらけだ!声もすごく震えていたし。一体この子に何があったんだ?

 

とにかく、このままじゃいけない。何か案は・・・・いや、これはでも・・・仕方ない、今は状況が状況だ。やむを得ない・・。

 

「ごめんね。ちょっと君の過去を見させてもらうよ」

 

〈リフレクション〉

 

この魔法の効果は物の今までの出来事、つまり過去の映像を自身の頭に流れさせる魔法だ。この魔法は人間も例外じゃない。この少年にとっては、これが現状の最適な策だと思った。彼の過去が私の頭に流れ込んでくる・・。

 

ッ!!なんなんだ・・・これは・・。私に流れてきた映像には、とても悲惨で醜い光景が映し出されていた。

 

暴行、嫌がらせ、暴言等、絶え間ないイジメ行為、それを見て見ぬふりをする教師、家族に捨てられた光景が、私の中に入ってきた。

 

私は、目を瞑りたい思いを抑え、最後まで見届けた。

 

この子はこれを2年間も我慢し続けたのか・・・。それも家族に心配をかけないように・・。でも、その家族にすら見捨てられたんだ。

 

今この少年は、何をしたらいいのかわからないという状態だ。ちらっと感じたが死をも覚悟している。

 

誰にも助けを求められずに、必死に耐え続けてきたんだ。その強さと頑張りに、私は涙を流した。『可哀想』とか『憐れ』などといった同情は私には一切ない。

 

私は彼を抱き、頭を撫でて

 

「・・よく・・・頑張ったね」ナデナデ

 

と私の正直な気持ちを言葉にした。

 

「・・うぅ・・ヒグッ・・うあああぁぁぁ!」

 

少年は私にしがみつき、泣き叫んだ。そう、それでいいんだよ・・。君はもう何年も泣いていなかったんだ。いっぱい泣いてくれ。私が全部、受け止めてあげる・・。

 

「よしよし・・大丈夫。・・もう大丈夫だよ」ナデナデ

 

私は、彼が泣き止むまでずっと抱きしめていた・・。

 

 

 

八幡side

 

目が覚めたら、俺は布団の中に入っていた。あれ?何でだ?俺は確か・・・・そうか、帰る場所を失ったんだ。その後途方もなく公園にいたんだが・・・。そういえば、あの女性は何者だったんだろうか?それにこの部屋、何故俺はここにいる?ダメだ、思い出せない。とりあえず部屋から出よう。

 

俺は部屋のドアに手をかけ、開けた。

 

「あ?目が覚めた?おはよう」

 

目の前には、夜中に公園で会った女性がいた。なにやら飯を作っているのだろうか、いい匂いがする。

 

「まだちょっとこの状況に混乱してると思うから、座ってて。今朝食作ってるから」

 

八幡「あ、はい」

 

今の状況がわからないため、彼女に従った方がいいだろう。

 

しかし、ほんとに綺麗な人だ。今は明るいからはっきりとその顔がわかる。なんか緊張してきちゃったな。

 

どうやら作り終わったらしく、エプロンを外して朝食を持ってきてくれた。

 

運ばれてきた料理は、和でも、洋でも、中華でもない。見たこともない料理だ。外国文化の料理なのか?でもすごくいい匂いだ。

 

「・・いただきます」

 

「召し上がれ♪」

 

俺はフォークで料理を取り、それを口に運ぶ。

 

その瞬間、口の中が旨みで満たされた。美味い、美味すぎる。こんな料理食べたことない。気付けば俺は、無我夢中で料理を食べ続けた。そういや昨日の夜からなんも食べてないからな、腹も相当空かせていたのだろう。

 

「ご馳走さまでした。大変美味しかったです」

 

「お粗末様♪」

 

正直な感想を言うと、彼女はニッコリ笑ってそう返した。

 

そして俺は、ずっと抱いていた疑念を彼女にぶつける。

 

「あの、それで、あなたは一体?なんで空から?」

 

クレア「そうだね、まずはそれが先か。

私の名前はクレア=フローラン。惑星ソフィーラという魔法使いや騎士とか様々な人が住んでる場所から来た、魔法使いだよ」

 

??what???はい???ダメだ・・頭が追いつかない・・・・・。

 

「え?魔法?惑星?・・てことはクレアさん、宇宙人?」

 

「クレアでいいよ。まぁそうだね、君からしたら他の星から来たんだから宇宙人であってるね。」

 

「あの、今なら何言われても許容できる気がしますから、一から説明をお願いします・・」

 

「そう?あと、タメ口でいいよ。

まず、惑星ソフィーラというのはさっき言った通り、魔法使いとかが住んでる惑星だね。地球の人からしたら魔法なんて非科学的な創造で幻想なんだろうけど、こっちでは日常だから。そして私はそこから来た。

 

どうやって来たかというと、向こうで地球と繋ぐゲートを作って来たんだ。だけどゲートの出口が空中だったため空から公園に墜落したの。そして、君と出会った。

 

それで明らかに異常な君を見て、過去を覗かせてもらったの。そこら辺はごめんね、ああするしかないと思ってたから。それで君のことを知って、ここに連れてきたの。そして今に至る」

 

クレアは順を追って丁寧に説明をしてくれた。とても分かりやすかった。

 

「えっと、つまり、クレアは魔法使いで、地球に興味があるから来てみたと。そこで俺を見かけて、保護してくれたという事っすね」

 

「まぁそんな感じかな。・・あと君の口からも名前を聞かせてくれない?」

 

「・・比企谷八幡です。あの・・・助けてくれてありがとうございました」

 

俺は頭を深く下げてお礼をした。もし、クレアに会ってなかったらと考えると、想像するだけで怖い。

 

クレア「いいのよお礼なんて。放っておけなかったし・・・・それに、八幡君に同情してやったことじゃないのよ。私がこうしたいと思ったの」

 

この言葉に涙が出そうになるが必死で抑え、改めてお礼を言う。

 

「それでも言わせてください。ほんとにありがとうございました。俺のことをそんな風に思ってくれる人なんて、1人もいませんでしたから・・・その・・感謝の気持ちでいっぱいです・・」

 

俺の誠意がこもった言葉に若干戸惑っている様子のクレア。

 

「・・どういたしまして。八幡君はもう1人じゃないよ、私がついている。・・と言ってもあんなことがあった後で、会って数時間の魔法使いは信用できないかもしれないけど、私は絶対に君のことを裏切らない」

 

この言葉だけで十分だった。俺はもう1人じゃない、目の前の魔法使いクレア=フローランなら信用していいと、そう思えた。

 

ダメだ。必死でこらえてたのに、涙が出てしまった。

 

「・・すいません。ちょっと・・止まんなくて・・・」ゴシゴシ

 

「」ナデナデ

 

クレアは無言で頭を撫でてくれた。こんなに甘えたのは何年ぶりだろう・・。

 

「うん、今から八幡君は私の家族だ。よろしく」

 

「え?・・・・いいんですか?」

 

「何水臭いこと言ってんのよ?寧ろそうさせてほしいわ。これは気遣いじゃなくて、私の本当の気持ち」

 

「・・・ありがとうございます。・・凄く、嬉しいです」

 

「よし!それじゃあ、一緒に生活してくんだから、お互いタメ口で!よろしくね、八幡♪」

 

クレアは笑顔で俺を迎い入れてくれた。

 

「・・うん、よろしく。・・クレア」

 

こうして俺は、魔法使いのクレアと『家族』になり、新しい人生が始まった。

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

いかがだったでしょうか?ほぼオリジナル。

頑張っていきます!!!

また次回。

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