人間不信になった俺は魔法使いに出会いました(打ち切り)   作:”アイゼロ”

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はい、どうも、アイゼロです。

2話突入。

自分の好きなキャラを自分で作った物語に入れるって、結構楽しいよね♪

それではご覧ください。


2話:魔法の凄さ

空から降ってきた魔法使い、クレア=フローランと家族になり、第二と言っても過言ではない、俺の人生が始まった。今日はまず、何をしたらいいのか考え中だ。

 

「八幡、これからどうするの?」

 

クレアも一緒に考えてくれてたらしく、俺にそう質問をしてきた。

 

「考え中。小学5年生にそこまで選択肢はないし、学業に専念しなきゃいけない」

 

「そうだね。まだ勉強をしなきゃいけない年齢だし、かといって学校に連れていくのは、気が引けちゃうな」

 

今日は学校を休むが、ずっとってわけにもいかない。一日休んだくらいでいじめが無くなるなんてことは絶対にないし、それに今はイジメに耐えれる自信がない。頑丈な糸が切れ、感情が表に出て、今は結構脆くなっている。

 

「ちょっと厳しいこと言うけど、小学校はもう八幡へのイジメはやめるつもりはないかもね。だとすると、私は行かせられないな」

 

「俺も、ずっと我慢してきたけど、もうあんなのは嫌だ」

 

顔を強張らせ、俺は登校拒否をした。

 

「・・・・・あ、思いついた!」

 

クレアは、ハッと何か考え着いたようで、掌を叩いた。

 

「八幡、ついてきて」

 

そう言って、家の玄関らしきところへ向かった。だが、ちょっと待て。

 

「クレア、着替えよう。さすがにその恰好は地球で不自然だ」

 

クレアの纏っている衣類は、とがった帽子とブーツを脱いだだけの、夜中と同じ姿だった。コスプレと言えば、違和感ないと思うが、目立つから極力避けたい。

 

「んー、そうだね。それじゃあ、先に衣服を買おうか」

 

 

そんなわけで、服屋にやってきた。ここに来るまでクレアはずっと、視線の的だったな。まぁ美人だし、納得はする。

 

「どうかな?」

 

手に取った服を素早く試着したクレアは、俺に感想を聞いてきた。

 

クレアが着ているのは、白のワンピースに刺繍が縫われている。

 

「似合ってるよ」

 

正直に言う、結構見惚れた。

 

「ふふっ、ありがとう」

 

照れる様子もなく、微笑んだクレア。ふむ、これが大人の余裕というやつかな?

 

「これに魔法を付与したら、強くなりそう・・・」

 

なにやら怖いことを言っているが、あえてスルーしとこう。

 

「あれ?そういえば、お金とかどうしたんだ?あっちの金なんて使えないだろ?」

 

「ああ、それなら向こうから宝石持ってきたから、換金してもらったの」

 

ちょこっとずるい方法だった。

 

 

服も買い、クレアの言った目的地に到着。

 

俺の通っている小学校だ。今は授業中だが・・・。一体どうするんだろう・・。

 

「じゃあ、行こうか。ばれないように魔法もかけるから」

 

一瞬、嫌悪感に苛まれたが、魔法を使うらしいから安心した。

 

〈ディセイブ〉

 

クレアが魔法を唱えた。特に体に異常はないな。

 

「今のは〈ディセイブ〉って言って、他の人の目を欺くことができるの。要は隠れ魔法だね」

 

「へぇ、すごいな」

 

ていうかクレア、一体いくつ魔法が使えるんだろう・・。

 

「ていうかこういう魔法使えるなら、服買った意味ないんじゃない?」

 

「そうだけど。地球の衣服にも興味があったの。結構可愛いやついっぱいあったし。気に入っちゃったの」

 

「そうなんだ」

 

惑星ソフィーラにはどんな衣服があるのか興味があるな・・。

 

「これなら誰にも見つからない。八幡のクラスはどこだっけ?」

 

「5年2組だよ」

 

 

俺とクレアは目的地の2組を目指し、校舎内を歩いている。

 

すごい。さっきっからこればっか言ってるけど、すごすぎる。誰にも気づかれてないし。

 

「ここか」

 

教室に入ると、休み時間のせいか一層と喧騒していた。

 

俺は自分の席を見ると、案の定何かされていた。まぁ花の入った花瓶なんてもう見飽きたから何とも思わない。

 

クレアは教室の真ん中に立ち、黒板を正面に、両手の親指と人差し指をくっつけて四角形を作り、何やら調整を(おこな)っている。

 

「うん、ここらへんかな」

 

そう言って、クレアは懐から何か機械を取り出した。そしてそれを調整した場所に浮かせて、そのまま消えていった。

 

「用も済んだし、帰ろうか。説明は後でするね」

 

「分かった」

 

俺達は教室を出ようとした。

 

その時、ある話し声が耳に響いた。

 

「なんだよあいつ、今日来てねぇじゃん。つまんねぇ」

 

「今日はとっておきを用意しといたのにな」

 

「とうとう引きこもっちゃったんじゃねぇの?あのヒキガエル野郎」

 

「「「あっはっはっはっはっはっは」」」

 

俺をイジメていた主犯格の3人だ。

 

・・・チッ。好き放題言いやがって。クソッ、ちょっと頭ズキッってきたじゃねぇか。

 

気にしないように無視して、クレアの方を・・ッ!?

 

「・・・・・・・」

 

無だった。クレアの表情は無で、とてつもない迫力で、この3人を見下ろしている。思わず身震いした。

 

そして、その3人が密集している一つの机に手を向け、

 

〈クラッシュ〉

 

魔法を唱えた瞬間、机がベコベコにつぶれ、異常な動きをして、暴れだした。

 

「うわぁ!なんだ!」

 

「こっち来るなーーーーーー!!」

 

「ポ、ポルターガイストだぁぁぁ!!」

 

そのまま俺達は、放っておいて、教室を出た。

 

「ごめんね、勝手なことして。だけど、我慢できなかった。ああでもしないと私の気が済まなかったからね」

 

クレアは若干申し訳ない顔をした。

 

「いや、嬉しかったよ。今までそういう人いなかったから。少し清々しかった」

 

素直に思ったことを言うと、クレアはむっとした表情で溜息をついた。ん?俺なんか言った?

 

「八幡は学業の前に、まず甘えるという事を知った方がいいね。試しに何か言ってみて?」

 

「いや、それはさすがに・・。それに、甘えるって言っても、何もないし」

 

「何でもいいから。言ってみて」

 

そんな優しい声で言われたら、逆らえるわけないじゃん。・・・・・あ、一つあったな。

 

「実は、俺の妹もイジメにあっていて、親はすぐに引っ越すと思うんだ。それで、絶対俺の私物は捨てられる。だからその前に、取り戻したいんだ。・・・ダメかな?」

 

俺がそういうと、頼られたことが嬉しいのか、クレアは笑顔になった。

 

「うん、任せて!早速行こう」

 

 

俺の元いた家の前には、トラックが置かれていた。やっぱりな、俺の予測は当たってた。

 

「フンっ!あいつのせいで引っ越すことになるとは」

 

「本当に。あの人のせいで小町がイジメられてたなんて。追い出して正解ね」

 

・・・ハハ・・やっぱ受け入れたといえ、実の親にあそこまで言われると、耐えがたいものがあるな。

 

いっ!やっぱ頭がズキズキくる・・。

 

「八幡、大丈夫?取り敢えず、荷物だけでも取り戻そう」

 

「分かった」

 

俺の部屋に入ると、まだ手は付けられていない状態だった。よし、間に合ったか。

 

「でも、どうやって運ぶんだ?こんな大荷物」

 

「これを使うわ」

 

クレアが取り出したのは、サンタクロースが持っているような白い大きな袋だ。クレアはそこに荷物を放り込む。

 

「ほら、八幡も」

 

「え、ああ」

 

俺も見よう見まねで袋に荷物を入れる。なんだこれ?

 

「どうなってんだ?これ」

 

たくさん物を入れているのに全然膨らまず、どんどん荷物が入っていく。

 

「これは『異空間ポーチ』って言って、大荷物の時に活躍する便利アイテムだよ」

 

マジか・・。四次元ポケット的なやつかな。

 

部屋はすっかり閑散とし、本来の広さを取り戻した。すごいな、異空間ポーチって奴、ベッドまで入っちゃった。

 

「ありがとう、クレア」

 

「お役に立てて光栄だよ。それじゃ、帰ろうか」

 

一仕事終えた俺とクレアは、帰路に就く。途中何故か後ろから叫び声が聞こえたんだが、何があった?

 

 

「着いた」

 

クレアの発言で止まるが、家のようなものはどこにもない。今いるのは、俺が座っていたあまり目立たないベンチの場所だ。

 

「こっちに来て」

 

そう言ってクレアは俺の手を引き、木陰へと誘い込んだ。なにをする気なんだ?この人。

 

その瞬間、目の前に広がったのは、さっき朝食を食った、クレアの家のリビングだ。

 

「え?あれ?何で?」

 

「これは『異空間住宅』って言って、惑星ソフィーラではテントとして扱ってる物なんだ。違う空間にあるから、誰にも干渉されないし。いいでしょ?」

 

「便利だな」

 

惑星ソフィーラ、文明発展しすぎでしょ。恐ろしいな、宇宙人・・。地球舐めんなファンタジー!

 

「地球に来るために、高いやつ買ったんだ、だから結構広いの。あ、八幡の部屋はあそこね」

 

「え、俺に部屋くれるの?」

 

「当たり前でしょ。それとも、私と同じ部屋に住む?」

 

是非!・・と言うとでもおもった?

 

「ありがたく、自分の部屋を使わせていただくよ」

 

「即決かい。じゃあ、荷物取り出すよ」

 

俺の部屋へ移動し、あの時と同じように、異空間ポーチから荷物を取り出す。

 

「よし、こんなもんかな。それにしても小学生とは思えない、本の数だね」

 

「昔から知的好奇心があったからな。普通の小学生よりは、知識があると自負している」

 

「へぇ、八幡頭いいんだ」

 

「国語だけなら学年3位だから」

 

「凄いわね。それじゃあ教室でやったこと、説明するよ」

 

クレアは壁に掛けてあるテレビをを付けると、そこには一人の教師と、背景には黒板が映っていた。・・あ、調整ってこのためにしてたのか。

 

「どう?これで、ちゃんと勉学に励めるよ」

 

「ありがとう・・。わざわざここまでしてくれて」

 

「だーかーらー、ちょっとは私に甘えなさい!お姉さん寂しいよ」

 

あの、あなた二十歳ですよね?そんなあざとく頬を膨らませるなよ。意外と似合ってるし。

 

「努力するよ」

 

「でも、ちゃんと卒業式には出てね。中学にも上がること」

 

「うん、元からそのつもりだよ」

 

 

それから俺は、テレビに映っている黒板を板書をしたり、教師の話を聞いたりした。理系がダメな俺は、クレアが教えてくれた。

 

クレアは普通の教師よりも凄い分かりやすかった。さすが、向こうの大学を首席で卒業したまであるな。

 

そして俺は、クレアに日本語を教えている。文字だけ。

 

 

 

※惑星ソフィーラと地球は、言葉は日本語で統一させますが、文字だけはそれぞれ違うという設定にしています。

 

 

 

お世話になりっぱなしが嫌な俺は、クレアに家事を教えてもらい、おかげで今は人並みにこなせるようになった。

 

後、たまに魔法について簡単に教えてもらえた。といっても、クレアが使える魔法を見せてもらっただけだけど。

 

本当に、驚きの連続。非現実的だと思い込んでたことが、目の前で実行されているからな。興奮冷めやらぬ日だった。〈リビテーション〉っていう浮遊魔法をかけられた時は、肝が冷えた。浮くってバランス感覚がすべてなんだな~。

 

そんな幸せな生活は続き、一年以上がたった。

 

ちょっと展開が早いけど、今日は卒業式。足取りは重く、少し憂鬱な気分だが、クレアとの約束を果たすため、学校へ向かった。

 

 

職員室で自分が何組かを聞き、その教室へ向かった。何で来なかったのかとか質問攻めされたが、無視した。今日で関わることはないんだし。

 

教室のドアを開けると、一斉に視線がこっちに集まった。当然だろうな、一年半ぶりに来た奴なんだから。

 

俺は特に気にすることもなく、自分の席に座った。ていうかなんであるんだよ・・。名目上、俺は引っ越したことになってたんじゃなかったのか・・・。まぁいいや、今日限りだし。

 

そして、教師がやってきて、俺を見るや否や驚いて目を見開いていた。っつーか、この教師が担任だったのかよ。こいつは、俺のいじめを見て見ぬふりをしてた奴の1人だ。・・・おい、何故こっちに来る?

 

「ヒキタニ、今まで何してたんだ?」

 

最早名前すら知らないんだな。そんなんで教師やっていけんのか。

 

「質問に答えなさい」

 

うるせーな・・。お前にいう事なんてねぇよ。

 

「今まで生徒のいじめから、目を背けてた教師にいう事なんて、何もねぇんだよ」

 

盛大に言い放ってやったZE!

 

それを聞いた担任は、苦虫を噛み潰したような顔をして去っていった。うわぁ・・小学生に言い返されてやんの。m9(^Д^)プギャー

 

 

卒業式は何事も無く終わり、公園に帰ってきた。特に話しかけられもしなかった。

 

「ただいま」

 

「おかえり。大丈夫だった?」

 

「うん、特に何も起きなかったよ」

 

「それはよかった。中学はどうするの?」

 

「ここから少し離れた所に通うよ」

 

「そっか。頑張ってね」

 

「ありがとう」

 

 

卒業生には、進学先の入学式まで連休がある。そんなわけで、俺は今、読書に耽っています。

 

「八幡、魔法を教えてあげる!」

 

「・・・・はい?」

 

クレアの突然の発言に、ちょっと間抜けな声を出してしまった。

 

「急にどうしたんだ?あと、魔法使えるのか?」

 

「元々、八幡が中学に上がったら、教えようかな~って思ってたんだ。それと、地球人でも使えるよ」

 

うおお!マジで!俺もついに魔法使いデビューか。オラ、わくわくすっぞ。

 

「まずは、誰でも使える初歩の初歩の魔法だからね」

 

「分かった」

 

 

 

「それじゃあまず、魔法について説明するわね。惑星ソフィーラには、人によって魔法の適正属性があるの。【火】【水】【風】【光】【闇】【無】の六つの系統魔法が存在するわ。ちなみに私は無系統魔法を得意とするから、それに特化しているの。まぁ、無系統って言われても、他と違って想像しづらいよね・・。

無系統は、他の属性も何も持たない魔法。つまり、相手の魔法との相性とかもない。そのかわり、汎用性が高くて、魔法の種類も豊富なの。だからと言って、他が少ないわけじゃないわ。魔法は使う人によって、左右される。要は本人の才能と努力、気持ち次第だね」

 

ほうほう・・。実にわかりやすい。

 

「よし。それじゃあ特訓だ。まずは、魔力を体で感じ取るところから。さあ、集中だよ!」

 

なんだなんだ?集中?魔力を感じ取るか・・・。どうやればいいのやら・・。あ、そうだ、ドラゴンボールのビーデルのように、両手でボールを掴むようにかざしたらできるんじゃないか?・・やってみよう。

 

その方法でやってみるが、中々上手くいかない。ていうか思ったんだけど・・。

 

「なぁ、魔力を感じ取るとか言ってるけど、まず魔力ってどんな感じなの?それが分かんないと、できてるのかも確認できない」

 

「あ・・・・」

 

おい・・。ここでドジっ子キャラ出しちゃいますか・・。

 

「ごめんごめん。じゃあ、ちょっと魔力玉作るから。それっ」

 

クレアは、掌からゴルフボールサイズの半透明の玉を出現させた。

 

「ほら、魔力っていうのはこんな感じ」

 

その魔力玉を俺に近づけると、俺の身体をピリピリと反応させた。成程、よし覚えた。

 

再びさっきのように集中する。・・・・・けど、やっぱ上手くいかない。

 

「まぁ、最初は誰だってそうだよ。ましてや地球人なんだから、難易度も上がるって」

 

クレアに励まされたが、これが結構悔しさに駆られる。地球人なんて言い訳はあんましたくないし。

 

「頑張るか・・」

 

「うん、頑張ろう!」

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

ここで簡単なキャラの設定を公開しようかな。


クレア=フローラン

身長:169cm

スリーサイズ:90/64/86

茶色のウェーブがかかった長髪。

目は普通。



性格とかは・・・読んでいくうちに大体把握できるでしょう。文字では書き表せない俺を許してください・・・。

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