実況パワフルプロ野球 短編シリーズ   作:小波大輔

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パワプロ2016の独立リーグから、佐菜あゆみをお送りします。



女性先発ピッチャー

ここは、独立リーグのチームの1つ、アマゾネス。

そのグランドで、1人の女性がピッチング練習をしていた。

彼女の名前は、佐菜あゆみ。このチームのエースを担当している。

 

あゆみ「アハアハアハ・・・」

 

息切れしながらも、彼女は球を投げ続けた。

もう500球近く投げていた。

左肩が鉛のように重く感じていた。

しかし、それでもやめれない。それにはある理由があった。

 

あゆみ「(この間の試合、私がもっといいピッチングをしていたら・・・)」

 

心の中でそう言うあゆみ。

実は、先日の試合で彼女は先発として登板した。初回と2回は、見事に抑えが、3回突如崩し、5回まで6失点をしてしまう。本来ならこのまま敗戦となるはずだったが、このチームでプロを目指す永尾拓哉と元メジャーリーガーの番堂長児のおかげで、逆転して勝利をもぎ取った。

しかし、あゆみは、自分の実力不足に不甲斐なさを少し感じていた。だから、少しでもチームのために・・・

 

「佐菜さん」

 

そこに1人の青年がやってきた。

 

あゆみ「あ、永尾さん」

 

あゆみのそばにやってきたのは、先日の試合で3安打4打点1ホーマーの活躍を見せた永尾拓哉である。

 

永尾「佐菜さん。もうその辺にしたら?いくらなんでも、投げ込みすぎだよ!」

 

永尾がそう指摘する。

 

あゆみ「大丈夫でぇす永尾さん。もっと投げ込まないと、またこの間の試合のように・・・」

 

あゆみがそう言う。

実は、あゆみは永尾のことが好きである。しかし、永尾にはプロポーズしたい相手がいる。

いわば、片思いの三角関係の状態である。

けれど、あきらめがつかなく、こうも無理をしてまで、チームのためと称して投げ込んでいる。

 

永尾「あれは、たまたまだ!どんなピッチャーでも、調子を崩すことはある!それに、こんなに投げたら肩を壊すよ!」

 

永尾がそう言う。

少し大げさかもしれないが、500球も投げ込めば肩が悲鳴を上げてもおかしくはない。しかも、こんなに投げ込めばケガ・・・いや、選手生命を失ってもおかしくはない。

 

あゆみ「それでも、私は投げまぁす!」

 

あゆみは、反論しようとする。

普段の彼女は、大人しく優しい女の子だが、今日はどうも意地を張っている。

どうにかして、やめさせないと・・・永尾は、懸命に考えていた。

その時だった。

 

「そうだよ、彼の言う通りだよ。無理な投げ込みはあまりよくないよ」

 

そこに突如、肌が少し焼けていた髪は灰色の女性があゆみにそう言う。

 

あゆみ「でも・・・」

 

「焦る気持ちはよくわかるわ。けれど、肩を壊したらどうしようもないよ。君はまだ成長していく!あたしが保証するわ」

 

その女性は笑顔でそう言う。

 

あゆみ「はい、わかりましたぁ・・・」

 

「分かればいいわ。それじゃあ、頑張ってね。アマゾネスのエース、佐菜あゆみさん」

 

女性は、あゆみのフルネームを言って去っていった。

 

永尾「なんだったんだろうかあの人?」

 

あゆみ「わからないですぅ。でも、まるで私に何かを期待している感じでしたぁ・・・」

 

あゆみがそう言う。

結局、その女性の言葉を受け入れて、それ以降キャプテンの無理難題の命令以外は、適度の練習をするようになった。

 

 

■

 

 

それから月日が経ったある日のこと

 

永尾「急に呼び出して一体なんだろうね矢部くん」

 

矢部「わからないでやんす。また、キャプテンの無理難題の練習じゃあないでやんすか?」

 

矢部がそう言うと、アマゾネスのキャプテンの新島早紀がやって来る。

しかし、2人が思っていたことは憂鬱で終わった。

 

新島「え~、みんなに急遽お知らせがある。実は、明日プロ野球の2軍と練習試合を行うことになった」

 

そう言うと周りがざわつく。

現在のルール上、プロ野球チームと対決できるのは、社会人、大学、独立リーグのみ。しかも、2軍(チームによっては3軍)が相手となる。なお、この場合は、公式ではなく、練習試合扱いとなる。

 

永尾「ちなみに、キャプテン。その2軍のチームと対決するプロ野球チームはどこなんですか?」

 

新島「読売ジャイアンツだ」

 

小石川「げ!?よりにもよって、巨人かよ・・・」

 

番堂「巨人の2軍か。相手にとって、不足はない!わしは、パ・リーグにいたが巨人とは何度も対戦した!」

 

矢部「それは、一体何年前の話でやんすか・・・」

 

矢部がそう言う。

 

新島「で、その巨人の先発だが、佐菜に行かせる!」

 

佐菜「え!?わ、私ですかぁ!?」

 

新島「最近、かなり力をつけている佐菜ならできる」

 

永尾「その意見には、俺も同じです」

 

新島と永尾がそう言う。

 

佐菜「わかりました。何処まで、やれるかわかりませんが、懸命に頑張ります!」

 

佐菜がそう強い意志で答えた。

 

 

■

 

 

翌日

 

矢部「とうとう、この日が来たでやんす」

 

永尾「そうだな」

 

矢部「それより、巨人の選手、見るでやんす。大田選手、アンダーソン選手、それに調整中の阿部選手もいるでやんす」

 

矢部がそう言う。

確かに、中堅若手に交じって外国人選手や2軍で調整中の選手もいた。

 

佐菜「あ!」

 

永尾「ん?どうしたの佐菜さん?」

 

佐菜「永尾さん、阿部選手の受けているピッチャー、見てくださぁい」

 

佐菜に言われて、永尾が阿部が球を受けているピッチャーを見ると、なんと以前に佐菜に忠告とエールを送った肌が少し焼けていた髪は灰色の女性がいた。

 

矢部「あ!あれは、太刀川選手でやんす!?」

 

矢部がそう言う。

 

永尾「太刀川って、あの太刀川広巳選手のことか矢部くん!?」

 

矢部「そうでやんす!」

 

矢部がそう言う。

 

佐菜「太刀川広巳?」

 

永尾「佐菜さん知らないの?数年前、甲子園でほとんどが女性が主体だった聖ジャスミンが共学して3年目で優勝したチームだよ。その聖ジャスミンの2大エース、横浜の小波選手と優勝への原動力になったのが太刀川選手だよ。確か、ドラフト3位で、巨人に指名されて、1年目の途中から1軍になると、1年目で10勝を挙げて、それから毎年2ケタ勝利をする女性先発ピッチャーとしての女性選手の憧れの的となった人だよ!」

 

永尾がそう言う。

 

佐菜「女性先発ピッチャーの憧れぇの的・・・」

 

佐菜がそうつぶやく。

どういう心境で佐菜にあんなことを言ったかは、太刀川本人しかわからない。

けれど、これだけはわかる。

 

佐菜「努力すれば、私もあんな選手になれるぅ・・・」

 

佐菜はそう言う。

 

新島「みんな、そろそろ試合が始まるぞ!先発ピッチャーは、あの太刀川選手だ!今は、ケガをして2軍で調整中だが、ケガをして初めての登板らしい!みんな、いくらプロでも、全力でやるわよ!」

 

選手一同「おーーー!」

 

永尾達が掛け声を出す。

そして、後攻の彼らが守備へ就く。

 

佐菜「(相手は、巨人軍の皆さん。抑えきれるかわからないけれど、太刀川選手に期待できるようなピッチングを見せてあげますぅ!)」

 

佐菜は心の中でそう意気込んだ。

その姿をベンチから太刀川が見ていた。。

 

太刀川「(早紀、相変わらずだね。早紀が独立リーグで野球を続けていると聞いて、私はチームに来た時に会ったあの女の子、やっぱり先発ピッチャーだったのね。そして、前より表情がとてもいいわ。練習試合とはいえ、プロとして本気を見せないと)」

 

太刀川は、佐菜の元気な姿に笑顔を見せながら心の中でそう言うのであった。

そして、試合が始まった。




後日、キャラ設定の紹介を投稿します
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