preview~その先へ~   作:アドミン・ラドミン

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第1話です。
この物語は、1話三部構成で綴ろうと考えております。
part1で『日常風景』を。
part2で『異能バトル』を。
part3で『後日談』を。

これなら、素人の自分でも書けるのでは?と思った次第です。
では、どうぞ。


第1話 part1「お前が俺の敵か?」

 その日、一つの都市が焼失した。空は赤く染まり地には死体の山。呻き声ひとつ上げることない凄惨たる山の頂に佇む一人の男。服はズタズタに裂け、全身至る所に血が染み付いている。だのに、傷一つない。

  男はこう言う───

 

 「It’s a real world《これが現実さ》」

 

 ───────────

 

「はぁ…ここの図書館はホント役に立たねぇ

なぁ。てかなんだよこの本作者頭おかしいんじゃねーのか?文章構成下手だし自分の意見をべらべらと…はあ。」

 

夕方の図書館。黒髪の青年が苛立ち気味に本を閉じる。タイトルには『プロローグ~人類と宇宙』と、書かれている。

聞くところによると彼は、2週間後の卒業論文発表会に向けてせっせと調べ物をしている最中だそうだ。周りに人はいない。それもそのはず。今どき図書館で調べ物をしている人など彼ぐらいのものだろう。そんな時、図書館の扉が開く。

 

「え~っと…おーいたいた。ユゥラー!」

 

「全く!人が待っているというのにこんな所で…!」

 

腰まであろうかと言う茶髪を振り、少し幼さ残る童顔の女子と、頭髪の2/3を紅色に染め、残りは黒髪。その上、ピアスをしているのに黒縁メガネを掛けた、いかにも柄の悪そうな…でもどこかマジメな雰囲気が残る痩軀の男子が入ってきた。

ふたりは、先ほどまで本を読んでいた図書館唯一の客の元へ向かい、

 

「ちょっとユゥラー!おーい聞こえてますかー!もしもーし!」

 

『ユゥラ』と呼ばれた青年は無反応だった。

 

「いつまで寝たふりをする気だ!起きろ!」

 

バシーン!と黒眼鏡の男が盛大に叩く。すると、やっと反応があった。

 

「……ん…ああ、おはよう二人とも~…」

 

「下手な寝たふりをするなバカものが!さっきまで起きてたのは知ってる!…というか!なぜ約束の時間に来ないのだ!バカなのか!バカなんだな!?」

 

ユゥラは眼鏡男にガクガク揺られ責め立てられている。理由はさきほどの会話から聞いての通り、待ち合わせの時間になってもユゥラが現れなかったからだろう。

 

「え…?まちあわせ?…あーー!」

 

たった今思い出した。とでも言いたそうな顔と共に後ずさったユゥラに、怒りを通り越してもはや呆れしかないふたりの男女。

 

「ごめんごめん。すっかり忘れてたわ!たたはー!」

 

ここは笑って許してもらうしか方法がないと考えたのか、ユゥラは高々に笑い、人生最大の笑顔ではにかんだ。

 

「笑ってごまかそうとするなよユゥラ・ザノート。今日という今日はこっぴどく─」

 

「まぁまぁ落ち着いてマリア君!君みたいな子が怒るとめんどうだよ!」

 

『マリア』と呼ばれたのは黒眼鏡の男のことだ。マリアは完璧主義故に短気なんだとか。あと、スイーツに目がないらしい。

 

「しかし先輩…!あなたの様な美女がこんっな男のために1時間も待たされたのですよ!?僕はそれが許せないんだ!止めないでいただきたい!」

 

「へへっ美女だってさ!ぎゃーっはは!おぶっ!!」

 

さらっと女子を褒める精神を踏みにじる笑いをあげたユゥラが殴り飛ばされる。

そして、怒りの収まらないマリアは止められてなお喰ってかかっていった。

止めただけで八つ当たりされた茶髪美少女もカチンと来たのだろうか。口元に歪な笑みを浮かべ──

 

「マリア君だって待ち合わせの時間に1分遅れてきたじゃない?私にとっては1分も1時間も変わらないよ?自分の事を棚に上げるのはよくないな~?あとさ~、『美女』って言い方私はキライよ?まるで容姿しか見てないようで。」

 

茶髪ロングの女子は話術が上手だった。論点をずらさず、その上で指摘するべき点を上げる。完璧主義のマリアを抑え込むにはちょうど良かったのだが……

 

「あ、、、なん…と……。そんな……あぁ、僕としたことが…このような失態を…美女を待たせた?そんなことが…そんな……」

 

威力が高過ぎたらしい。ショックのあまりその場に崩れるマリア。白く燃え尽きることこそなかったももの、マリアが立ち直るまではかなりの時間を要したという。

 

「で?ユゥラ?こんなことでなにしてたの?」

 

マリアが崩れ落ちることなどお構い無しに、茶髪美少女は口を膨らませながらユゥラに問う。さすがに怒っているらしい。

 

「あぁ、待ち合わせの時間まで暇だったし、卒論の為に調べ物を…ってな。でも気づいたら熱中してたんだわ。いやはやすまんね~。」

 

「むぅー!こんな紙の山にどんな情報があるってのよもう。そんなのちゃちゃーっとネットで調べればいいじゃん。」

 

そう、その通り。なんども言うが、このご時世に図書館は必要ないのだ。インターネットにある情報は必ず原典が記され、それに関する法律もスキがない。

いまユゥラ達がいる図書館も、金持ちの道楽で作られたオブジェクト的な意味合いが強い。

 

「紙媒体にはそれ相応の良さがあるんだよ。あと、あまりに古いと電子化する方が難しいし。ま、ここの図書は全く役に立たないけどな。」

 

「ふ~ん。役に立たないのにくるんだ。まぁいいわ。」

 

もはや追求する気もないといった表情だった。。怒りを抑え、いつもの雰囲気に戻る。

 

「じゃあもう用事ないよね?早くいきましょうよ。せっかく皆が卒業祝いでパーティ開いてくれてるんだからさ!」

 

ユゥラ達の待ち合わせとはこのことだ。彼が2週間後に論文を発表し、それが認められ卒業認定される事は確実。だったら先に祝ってしまおうという話らしい。

 

「あ、そうだったな!いやぁ嬉しいね~!パーティか、楽しみ楽しみ!」

 

まるで子供の様にはしゃぐユゥラを微笑ましく見る茶髪美少女とやれやれ顔のマリア。

3人は仲良く出掛けるのだった。

 

 

つづく




はい。いかがでしたか?のんびりダラダラとした『日常』が伝わりましたでしょうか。
これからどう彼らが異能バトルに関わっていくか、ご期待ください。

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