希望を失った提督と艦娘   作:大石蔵良 ショタ 提督

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第13話 正体

大本営港ーーー

戦艦を止め、船を降りた時だった。

 

吹雪「司令官!」

 

突如後方から声がした。

 

提督「なっ!?吹雪さん!なにを!?」

 

吹雪「私も…私もいきます!」

 

提督「バカを言わないでください!中がどれほど危険か分かってるんですか!?」

 

吹雪「危険だからこそ!大好きなあなただから!一緒に行きたいんです!」

 

突然の普段の吹雪とはかけ離れたことを言われ、驚いてしまう。

 

提督「っ!」

 

素早く帯刀した日本刀を抜き放つ。

 

吹雪「えっ!?」

 

そのまま振り向き、斜めに剣を振り上げる。

キンッ!

 

高い音とともに火花が飛び散る。

 

提督「なら、決して僕の前に出ないでください!はぁぁぁっ!」

 

姿勢を低く保ち、左右にステップを踏みながら発射地点へ突っ込む。

 

狙撃手「な、なに!?くっ!」

 

さらに2発打ち込んでくる。

右足から剣を振り上げ、左足に力を込め、左へ側転し、空中で2発目を防ぐ。

高い音が2発した直後に、狙撃手の前へ一気に突っ込み、頭から一刀両断する。

 

断末魔を上げる間もなく即死だった。

 

吹雪「す、すごい…」

 

提督「はぁ、はぁ、はぁ、」

 

たしかに普段の提督では無理な技、だが怒りや復讐心、そして今は恋人である吹雪を守るという覚悟があるからこそなせた技だった。

 

吹雪「司令官!お怪我は!?」

 

提督「いえ、兎に角急ぎましょう!」

 

2人で門の前に立ち、門番は吹雪の主砲で瞬殺、さらに内部へと突っ切る。

 

その時だった。

 

兵士「動くな!」

 

提督「!?」

 

数十人とずらりと並び、提督と吹雪を狙う。

 

吹雪「そんな…!」

 

提督「吹雪さんは動かないで…。ふぅ…止めれるものなら!止めてみろ!」

 

右足から力を込め動く体勢をとる。

 

兵士「撃て!」

 

無数のライフル弾が吹雪を狙って撃ってくる。

 

吹雪「ふぇ!?」わ、私…!

 

誰が考えても防御不可能な距離だった。

しかし、

ガキーンッ!

 

吹雪が慌てて目を開けると弾着寸前で弾丸を切り裂き、さらに、押し寄せる命中弾だけを素早く切り裂き、全弾防いで見せた。

 

提督「ふんっ!」

 

日本刀を投げ飛ばし、兵士眉間を貫く。

さらに腰からナイフを出し、右、左、右へとステップを取りながら詰め寄り、瞬く間に兵士を惨殺していく。

 

吹雪「これが…政府も恐れる、司令官の」

 

提督「いきますよ!」

 

吹雪「はい!」

 

元帥たちの居るシェルター手前に大きな研究室があった。

 

提督「まずはこっちへ!」

 

吹雪「ふぇ!?あ!はい!」

 

その中には…

巨大なコンピューターの数々、それに加えて、なにかしらの培養液につけられた、何かの脳。大きさから考えて人間ではない。

さらに中心部には4メートルはあろうガラスの中に巨大な脳が浸かっていた。

 

吹雪とて、あまりの光景に言葉を失っていた。

 

提督「本当にあったとは…」

 

吹雪「司令官…これは?」

 

提督「このコンピュータは遥か昔、我々人類が深海棲艦と出会って間が無いころ、人類の全知を結集したスーパーコンピュータ、そしてそこの小さな脳は限られた人間にしか見えない、妖精の…脳です。さらにあの中心部の脳はそれらを全て処理する人工的に作られた脳です」

 

吹雪は言葉を疑った。

なんて酷いことをするのだろうと。

スーパーコンピュータならまだしも、妖精の脳を抜き取り、それを利用して人間の全知と合わせるなど非人道的過ぎると。

 

提督「少々ショックかもしれませんが、これが妖精にも人類にも開発不可能な兵器を作り出した正体です」

 

吹雪「酷い…!」

 

吹雪は口を押さえ、涙を流していた。

 

提督「駆逐艦、吹雪!全魚雷発射用意!目標、研究施設!」

 

吹雪「司令官?」

 

提督「もう、眠らせてあげましょう」

 

吹雪「…!はい!」

 

吹雪から放たれた魚雷は炸裂し、見事に研究室を破壊し尽くした。

2人は着弾寸前に脱出、シェルターを目指した。

 

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