第1話 新たな土地
本土より数十キロ地点の離島ーーー
???「生きてるのかなぁ?」
???「パパ呼んでくるね!」
翔「ん、んんっ…」
???「あ!生きてる!早くパパ呼んできて!」
翔「エホッ!エホッ!」
???「パパ呼んできた!」
???「これは…!早くうちへ運ぶぞ!」
あの爆発の後、大本営は崩壊、最後にガスに引火、大爆発を起こし、破片の一部が数十キロ先まで飛ぶ程だった。
そんな中、少年は爆風に揉まれて離島に落下していた。
と言っても、会議室のソファーがクッションになり、奇跡的に命は落とさなかった。
そう、金山翔は生きていたのだ。
数時間後ーーー
翔「ん…ん?」
ゆっくりと目を開けると、田舎独特の木張りの綺麗な天井とふかふかの布団、それと見知らぬ30代の女性が目に入る。黒く滑らかな長い髪、細く、つぶらな瞳、滑らかな肌、まさに美人そのもの。
女「あら、気がついた?」
翔「こ…こは?」
女「本土から数十キロ離れた離島、一応神奈川県の所属になってるわ」
翔「かな…がわ?」
皐月「え、ええ。私は小早川皐月。よろしくね?」
翔「よろしく…お願いします」
皐月「まぁ、小さいのにしっかりしてるわね♪あなたは?」
言葉に詰まった。
わからない。
離島、見知らぬ土地、自分の名前、自分が何者なのか。
それさえわからない。
翔「僕は…僕…は、わからない…」
皐月「わからない?何も覚えてないの?」
黙って頷く。
皐月「そう…まぁ、あの怪我だったものね。あなたは2日前突然空から落ちてきたの。そして、うちの子供が見つけて、旦那が連れて帰ってきて、私が手当てしたんだけど酷い怪我だったの。火傷、打傷、普通なら死んでもおかしくなかったくらいだったのよ」
翔「そう…だったんですか。ありがとうございます」
皐月「うふふっ、敬語なんていらないのよ」ニコッ
翔「で、でも…」
皐月「ねぇ、しばらくうちにいない?記憶がないんじゃ帰るところもないんでしょ?」
翔「うん…」
皐月「じゃあ今日からお母さんって呼んでね!」ニコッ
翔「おかぁ…さん」カァァッ
顔が熱い。
でも暖かい。
聞けば、田舎で、漁や農業が盛んらしく、村の子は皆学校には行かず、農業や漁をしているらしい。
皐月「そうね…でも名前がわからないんじゃなんて呼ぼうかしら…」
翔「なんでも構いませんよ?」
皐月「んー…翔!あなたは翔!それが一番しっくりくるわ!」
翔「翔…」
そっと胸を押さえる。
なにか、どこか懐かしい感じがするがわからない。
皐月「?どうしたの?痛む?」
翔「なんだか懐かしい感じがしたんで…ふぇっ!」
突然頬を掴まれ横に引っ張られる。
皐月「家族なんだから!敬語は、め!」
翔「わ、わかった…お母…さん」
皐月「ママでもいいわよ♪」
翔「うっ…!さすがにそ、それは」カァァッ
皐月「冗談よ!」クスクス