希望を失った提督と艦娘   作:大石蔵良 ショタ 提督

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第2部 第4章 記憶を失った提督
第1話 新たな土地


本土より数十キロ地点の離島ーーー

 

???「生きてるのかなぁ?」

 

???「パパ呼んでくるね!」

 

翔「ん、んんっ…」

 

???「あ!生きてる!早くパパ呼んできて!」

 

翔「エホッ!エホッ!」

 

???「パパ呼んできた!」

 

???「これは…!早くうちへ運ぶぞ!」

 

 

あの爆発の後、大本営は崩壊、最後にガスに引火、大爆発を起こし、破片の一部が数十キロ先まで飛ぶ程だった。

そんな中、少年は爆風に揉まれて離島に落下していた。

と言っても、会議室のソファーがクッションになり、奇跡的に命は落とさなかった。

 

そう、金山翔は生きていたのだ。

 

数時間後ーーー

 

翔「ん…ん?」

 

ゆっくりと目を開けると、田舎独特の木張りの綺麗な天井とふかふかの布団、それと見知らぬ30代の女性が目に入る。黒く滑らかな長い髪、細く、つぶらな瞳、滑らかな肌、まさに美人そのもの。

 

女「あら、気がついた?」

 

翔「こ…こは?」

 

女「本土から数十キロ離れた離島、一応神奈川県の所属になってるわ」

 

翔「かな…がわ?」

 

皐月「え、ええ。私は小早川皐月。よろしくね?」

 

翔「よろしく…お願いします」

 

皐月「まぁ、小さいのにしっかりしてるわね♪あなたは?」

 

言葉に詰まった。

わからない。

離島、見知らぬ土地、自分の名前、自分が何者なのか。

それさえわからない。

 

翔「僕は…僕…は、わからない…」

 

皐月「わからない?何も覚えてないの?」

 

黙って頷く。

 

皐月「そう…まぁ、あの怪我だったものね。あなたは2日前突然空から落ちてきたの。そして、うちの子供が見つけて、旦那が連れて帰ってきて、私が手当てしたんだけど酷い怪我だったの。火傷、打傷、普通なら死んでもおかしくなかったくらいだったのよ」

 

翔「そう…だったんですか。ありがとうございます」

 

皐月「うふふっ、敬語なんていらないのよ」ニコッ

 

翔「で、でも…」

 

皐月「ねぇ、しばらくうちにいない?記憶がないんじゃ帰るところもないんでしょ?」

 

翔「うん…」

 

皐月「じゃあ今日からお母さんって呼んでね!」ニコッ

 

翔「おかぁ…さん」カァァッ

 

顔が熱い。

でも暖かい。

 

聞けば、田舎で、漁や農業が盛んらしく、村の子は皆学校には行かず、農業や漁をしているらしい。

 

皐月「そうね…でも名前がわからないんじゃなんて呼ぼうかしら…」

 

翔「なんでも構いませんよ?」

 

皐月「んー…翔!あなたは翔!それが一番しっくりくるわ!」

 

翔「翔…」

 

そっと胸を押さえる。

なにか、どこか懐かしい感じがするがわからない。

 

皐月「?どうしたの?痛む?」

 

翔「なんだか懐かしい感じがしたんで…ふぇっ!」

 

突然頬を掴まれ横に引っ張られる。

 

皐月「家族なんだから!敬語は、め!」

 

翔「わ、わかった…お母…さん」

 

皐月「ママでもいいわよ♪」

 

翔「うっ…!さすがにそ、それは」カァァッ

 

皐月「冗談よ!」クスクス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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