皐月「一体…何者なの?」
奈々美「マ、ママ!そんなはずないよ!お兄ちゃんは優しいもん!人を殺すことなんてするはずないもん!」
悠美「そ、そうだよ!」
皐月「そ、そうよね。だとしたら…」
そっと刀を渡すと何かを探すように皐月が刃や、鞘を眺める。
数分後ーー
皐月「やっぱりこれ、かなりの大業物よ。それもかなり貴重な金属を使ってる」
翔「どうして僕がそんなのを…」
皐月「あなたのその礼儀作法、そして年齢からは考えられない筋力、生命力、もしかして軍人さんだった?」
翔「え…」
その時何か不思議な光景が頭に浮かんだ。
燃える部屋の中、誰かが名前を呼ぶ姿。
皐月「そういえば新聞にあったわ!少年将校が行方不明だって!」
翔「僕が将校?」
皐月「ちょっと軍に聞いてみるわ。ここなら横須賀…かしら」
数時間後
そして…ついに身分等が判明した。
その日の夜ーー
食卓にて
皐月「翔くん。あなたは金山翔、元佐世保鎮守府提督だったのよ。加えて階級は少将。2日後には艦隊が迎えに来るって…」
衝撃だった。
まさか、自分が軍人だったとは。
加えて少将となると上級であることは分かっていた。
翔「で、でもなんでこんなところへ」
拓海「俺も耳を疑ったが、お前は2日前、大本営に不正を暴き、そして、妹や仲間たちのために戦を仕掛けたんだ。しかし、最後の最後で大本営は謎の爆発、お前は1人の将校と部下を救って、その場に残り、後のガス引火に伴う大爆発の爆風でここまで飛ばされたんだ」
翔「じゃあ…僕は…その時に人を…」
その場の空気が重く、冷える。
無邪気な子供2人も察したように、暗い顔をしている。
翔「あの…」
そっと声を出し、笑顔を向ける。
全員が驚いた。なぜここで笑顔を見せられるのかと。
翔「なんだか、目覚めてから色々ありすぎて、ごちゃごちゃしましたけど、結局、皆さんに救われて、皆さんが僕のことを調べてくれて、ほんとに感謝で一杯です!ありがとうございました!」
皐月「ううん。いいのよ!そんなの!それより、向こうに行っても時々遊びにきなさいな?」
奈々美「そうだよ!私たち、今日家族になったんだもん!」
悠美「お兄ちゃんはお兄ちゃんだよ!」
拓海「そういうことだ。まぁ、俺としても男の息子ができて幸せだ!寂しくなったらいつでも帰ってきな!」
翔「ありがとう。みんな、グスッ。っ!あと2日!お世話になります!」
僅か5日間の滞在は長く感じたようで短かった。
5日後、憲兵、軍関係者が乗った御送船が迎えに来て、一路佐世保へと帰投した。