提督「え…あ…ああ…」
赤城「?」
提督「うっ!ぐっ!うぁぁぁ!!」
突如激しい、頭蓋骨を割られ、脳を抉られるような激痛が襲う。
赤城「!?提督!?どうしたんですか!」
赤城の声は届かない。
膝から転げ落ち、頭を抑え、ひたすら叫び、のたうちまわる。
提督「う、うそだ!あんな!あんな!記憶!違う!こんなのは僕じゃない!僕は!僕は…!うぁぁぁ!」
赤城「提督!しっかりしてください!提督!」
提督「うぁぁぁ!!落ち着け!甘えるな!笑うな!決めただろうが!やめろ!出てくるな!お前は!俺じゃないんだ!違うんだ!」
激しくなんども地面に頭を打ち付ける。
どんどん赤く染まって行く…
赤城「提督!」ギュッ
提督「や、やめろ!離せ!」
ジタバタと目の前の優しさに抗い、拒絶する。
赤城「っ!大丈夫!大丈夫だから!あなたを誰も否定しないから!あなたはあなたでしょう!?受け入れてあげて!それがあなたなのよ!」
提督「違う!違う!こんなのは僕じゃないんだ!僕は僕の…この甘さのせいで!親に捨てられたんだ!こんな僕なんて!大っ嫌いだ!」
赤城「あなたが!あなたが、あなたを受け入れてあげなくて、誰があなたを受け入れてあげるのよ!私達はあなたのことを受け入れる!でも!本当にあなたのことを1番理解してあげなければならないのは!あなたなの!」
提督「うっ!ぐう!うぁぁぁ!嫌だ!嫌だ!」
涙が溢れ、獣のように暴れ、拒絶の断末魔が響き渡る。
赤城はただ提督が耐え抜き、戻ることを祈るしかできなかった。
提督の精神世界
提督「やめろ!よるな!」
提督「どうして?どうして受け入れてくれないの?」
目の奥が永遠の闇に包まれた目玉のない真っ黒でボロボロの自分が歩み寄ってくる。
提督「おれはお前のせいで!家族に捨てられたんだ!」
提督「それは違うよ!僕らの親がそうだっただけだよ!今の世界は、今の環境は僕たちが望む世界じゃないのかい?」
提督「お前なんかになにがわかるんだよ!」
提督「わかるさ、僕は僕だもの。素直になりなよ…」
その時声が聞こえた。
「あなたが!あなたが、あなたを受け入れてあげなくて、誰があなたを受け入れてあげるのよ!私達はあなたのことを受け入れる!でも!本当にあなたのことを1番理解してあげなければならないのは!あなたなの!」
提督「!?」
もう1人の提督が手を差し伸べてくる。
提督「君の努力も、苦労も僕は知っている。だから僕はそこまで頑張った君を否定しない、きみは?」
提督「おれは…そうだな。お前もずっと1人でここにいたもんな。寂しいのは辛いよな。俺とお前、2人で1人」
提督「ありがとう!さぁ!きみの仲間がまってるよ!」
現世
提督「うあああ!……。」
赤城「…?提督?」
暴れていた提督がピタリと止まった。
提督「赤城…さん。いや、ママ」
赤城「は、はい」
提督「ただいま!」ニコッ
赤城「!提督!」
提督「なんだか不思議な体験をしました、もう1人の自分に会いました」
赤城「提督の中の提督…受け入れてあげたのですね」
提督「はい」ニコッ
こうして、赤城の作戦と計画により、そして提督の苦労により、失っていた、感情というものを取り戻していった。
やがてその一報はたちまち鎮守府内全域に広がった。