ある日軍部の関係者が訪ねてきた。
コンコンッ
長門「客人をお連れした」
提督「どうぞ」
ガチャ
長門「お入りください」
少尉「失礼します」
提督「初めまして」
少尉「は、初めまして!大佐殿!」
そう、この時提督は今日に至るまで、赤城のメンタルケアもあり、普段以上に実力を発揮、各地の深海棲艦を撃破、危険海域をのこし、侵攻する深海棲艦を次々と撃破して見せた。
その功績が讃えられ、守護神という異名とともに、大佐の地位が与えられた。本来なら少将あたりなのだが、その分資源を多く消費したため、そこまでは至らなかった。
提督「それで、ご用件は?」
少尉「は、はい!実は先日ご親族の方から一報を頂いたのですがご両親が他界したそうです…」
提督「そうですか」
自分にとっては死んでもどうでもいい親、だが1人悲しむ人物がいた。
パリーンっ!
乾いた音が執務室の扉から音がする。
提督「雪菜!?」
雪菜「そ、そんな…パパとママが…?」
お茶を持ってきていたらしい…
タイミングの悪い…
提督「…死因は?」
少尉「はっ、多くの借金をしていたようで心中、自殺のようでした」
提督「…そうですか」
雪菜「…!」
突然雪菜が少尉に掴みかかる。
雪菜「どうして!どうして早く言ってくれなかったの!?借金なんて!知らないよ!」
提督「…。雪菜、やめろ」
雪菜「でも、お兄ちゃん!」
提督「やめろと言ったのが聞こえなかったのか?」
あの日のように鋭い眼光を雪菜に向ける。
それを察したのか雪菜もだまって手を離した。
少尉「あ、ありがとうございます」
提督「いえ、こちらこそすみません。財産分与などについては弁護士に一切いらないとお伝えください」
雪菜「わ、私は!家族写真だけ受け取れればなにもいりません!」
少尉「はっ!かしこまりました!」
ビシッと敬礼をして去っていった。
提督「そうか、死んだ…か」
雪菜「うっ…!グスッ」
提督「雪菜にとっては良いパパとママだったもんな」
そう言うと雪菜はただ泣きじゃくっていた。
兄として慰めてやりたいが憎むべき両親が死んだことに対し、悲しみさえもたなかった自分が慰めたところで、なに一つ雪菜は喜ばないだろう…
長門「…雪菜」
提督「長門さん、お願いします」
長門「わかった…」
長門は雪菜を連れて自室に戻った。
その日の午後6時ごろ、親類を名乗る者から連絡があった。
葬式や通夜はどうするのかという話だったが、一任した。
翌日
雪菜「どうして、お兄ちゃんはいかないの?」
提督「僕が行ったところで誰かわからないだろうし。雪菜が行ってあげた方がパパとママも喜ぶとおもうよ。では金剛さん、電さん、翔鶴さん、瑞鶴さん、お願いします」
金剛「護衛は任せるネ!」
電「お任せなのです!」
翔鶴「一応正装はして参りましたので、雪菜さんのこともありますから、通夜とお葬式にはご同行、ということでよろしいのですね?」
提督「はい、お願いします」
瑞鶴「ほんとに、提督は良いの?」
提督「はい、雪菜をお願いします」
瑞鶴はなにか言いたそうだったがだまって頷いてくれた。
金剛の一声とともに艦隊は護衛のために出撃、提督の故郷へと進路をとった。
執務室
見送りを終えた提督は執務室の椅子に身を預けていた。
提督「良い思い出なんて、あったんだろうか…」
ぽつりと呟く。
長門「?どうした?」
隣で提督にただ付き添って立っている長門が声をかけるも
首を横に振るだけだった。