4日後、雪菜を含め、艦隊は鎮守府に帰投した。
コンコンッ
翔鶴「翔鶴です、今回の葬儀等の報告に参りました」
提督「どうぞ」
ガチャ
翔鶴「財産分与については、提督のご報告もあり、家族写真は雪菜さんへ、それと、残るべき財産はなかったらしく、借金返済のため、提督の育った家も、返済のために売るということになりました」
提督「わかりました。雪菜は?」
翔鶴「家を売るということはあまり腑に落ちていないようなのですが…それ以上に深刻な問題が…」
提督「?」
突然翔鶴の表情が嵐を予兆する雨雲のように曇る。
翔鶴「ご遺体の方を、お顔を見たときと、お骨上げの際にご両親の骨を見たときに酷くショックを受けたようでして…食事をまともにとらなくなってしまったんです」
提督「!?お骨上げならまだしもなぜ、遺体の顔まで?そんなに酷いなら見せないのが常識でしょう?」
翔鶴「あまり親族の方もご両親を好いていなかったようでして…その娘にあたる雪菜さんへの嫌がらせ…かと」
提督「なんてことを…」
提督を後悔という二文字が襲いかかる。
あの時一緒に居てあげたら?
一緒にいたら守ってあげられたかもしれなかった。
翔鶴「大丈夫…ですか?」
提督「…」
翔鶴「提督?」
提督「へ?あ、ああ大丈夫です」
翔鶴「報告は以上です」
提督「ご苦労様でした」
そして報告を受け、また執務に取り掛かろうとした時だった。
突然白い髪が提督の手元にさらりと落ち、ふと顔を上げると翔鶴の顔が間近にあった。
提督「あ、あの?なにか?」
翔鶴「なにかできることはありませんか?雪菜さんの気晴らしのために」
提督「なんとも言えませんね…ただ外食に行ったところでなに一つ変わらないでしょうし」
翔鶴「んー…」
その時廊下から小さな足音が執務室に向かってきた。
バタン!
雪菜「お兄ちゃん!これ見て!」
提督「なんだ?今仕事中…」
目を疑った。妙に分厚いアルバム、そこには音声を録音したディスクが一枚、入っていた。
雪菜用はすでに挟んであり、わかりやすいようにあったらしいが表紙の裏に妙な亀裂があったところから見つけたらしい。
ディスクには翔へと書かれてあった。
提督「こ、これは…ディスクは預かります」
雪菜「雪菜のところにはパパとママが大好きって言ってた…他にも色んな話きいたけど…」
雪菜の目に涙が浮かぶ。
提督「僕に言う必要はない、雪菜の心の中にしまっておいて」
雪菜「うん…!グスッ」
その後雪菜と翔鶴は部屋を後にし、部屋にはディスクと提督が残った。
提督「今は忙しい、また夜にでも聴くか」
そう言って引き出しに入れ、黙々と執務を続けた。