散々泣いた後にあの写真を見たため、なかなかに寝付けなかった。
夜風にあたりに写真を持って中庭に行った。
ベンチにこしかけ夜空を見上げていると誰かが真上から顔を覗いてきた。
鳳翔「風邪、ひきますよ?」
提督「鳳翔さん…」
そっと提督のコートを肩にかける。
提督「どうして僕のコートを?」
鳳翔「先ほど出て行くところを見かけたので、こんなこともあろうかと」ニコッ
提督「ありがとうございます」ニコッ
ふと鳳翔の目が写真に向く。
鳳翔「それは?」
提督「僕の記憶にはない、家族写真です」
鳳翔「ふふっ♪幸せそうですね」
提督「両親の音声ファイルのディスクのケースから出てきました…」
鳳翔「音声、ファイルですか?」
提督「はい」
その後鳳翔に伝えた。母と父の想い、雪菜を任されたことを。
鳳翔「そうだったんですか…」
提督「これを後悔というのでしょうね」
鳳翔「そう、かもしれませんね」
提督「ほんとにバカですよ僕は…」
鳳翔「そうですね…」
提督「でも、雪菜は僕が守らないと…!しっかりしないといけません」
鳳翔「頑張るのも結構ですが…まずはこちらの方が先かと」
そっと提督の頬を両手で包み込みそのまま胸に押し当て、腰に手を付けそっと自分の方に体ごと引き寄せる。
そして両手と体をつかって優しく提督を包み込む。
提督「ほ、鳳翔さん?」
鳳翔「大丈夫、こうしていれば声は聞こえませんから…」
提督「ふっ…!うっ…!うぅっ!」
ボロボロと枯れたはずの涙が目からこぼれ落ち、胸のあたりが傷口に消毒液をかけられたように痛み、それを癒すかのような鳳翔の暖かさが伝わり、痛みを徐々に緩和していく。
提督は初めて、完全に安心して、子供さながらに泣きじゃくった。
鳳翔「よし、よし、」
優しく提督の背中をトンッ、トンッとリズムよく叩き、頭を優しく撫でる。
そのまま提督は鳳翔の母性という毛布に包まれて、深い眠りに落ちた。
鳳翔「ふふっ♪寝てしまいましたか…」クスッ
そっと提督を抱き上げ執務室に連れて帰る。
提督をベッドに寝かせて、自分も提督の隣にこっそりと入る。
そしてまた、提督を子供のように優しく包み込み、眠りについた。
翌朝
提督「ん、んー…」
鳳翔「あ、おはようございます♪」
提督「あれ、どうして…あ、そうか」
鳳翔「よく眠れましたか?」
提督「はい、おかげさまで」ニコッ
鳳翔「その写真、写真立てにして飾っておきましょうか」
提督「お願いします」
コンコンッ!
雪菜「お兄ちゃん」
提督「ん?雪菜か」
ガチャ
雪菜「おはよ!」
良かった、あの様子ではもう大丈夫なのだろう。
提督「おはよ、どうした?」
雪菜「お兄ちゃんが心配で来てみたんだけど、大丈夫そうだね♪」
提督「ああ、ありがとう」ニコッ