希望を失った提督と艦娘   作:大石蔵良 ショタ 提督

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第30話 出会い

食事のあと、雪菜たちは客室に入り、また会話を楽しんでいた。

 

提督はそのまま夜の散歩に出かけていた。

 

海岸沿いを進み、港に着いた頃…

 

ザバーッ!

 

提督「!?」

 

港湾「!?」

 

港湾棲姫に出くわした。

 

提督「こ、港湾棲姫…」

 

港湾「エ…ア…」

 

数秒間の沈黙が流れる。

しばらく警戒したが、戦闘の意思はないようだった。

 

港湾「オマエ、ダレ?」

 

提督「は、はじめまして。横須賀鎮守府提督の金山翔と言います。言葉、わかりますか?」

 

港湾「ウン…ドウシテツカマエナイ?」

 

提督「そちらが襲ってくるという意思があれば捕まえているでしょうが、あなたも同じように月を見に来たのではありませんか?」

 

港湾「オマエモ、ココノケシキスキ?」

 

提督「はい、お気に入りです」ニコッ

 

港湾「ワタシ、ニンゲン、キライ、デモ、オマエ、スキ」

 

稀に見ぬ光景だった。

艦娘を率いて指揮をとるものが今、その人類の敵と会話をしているのだから。

 

提督「深海棲艦や、深海棲姫でもこうして話ができるのですか?」

 

港湾「ヒメクラスナラデキルガ、フネノミンナハデキナイ…

 

提督「なら、これを期に友達になりませんか?」

 

港湾「トモダチ…イイノカ?テキナノニ」

 

提督「敵でも、あなたは悪い人には見えませんから」

 

そっと港湾棲姫に歩み寄る。

 

提督「触れても良いですか?」

 

だまって頷く。

 

そっと触れた初めての深海棲艦の感覚はひどく冷たいものだった。

まるで氷よりもさらに冷たいものに思えた。

しかし、人のような柔らかさもあった。

 

提督「冷たい…けど柔らかいですね…」

 

港湾「ワタシモフレテモイイカ?」

 

提督「はい!もちろん♪」

 

港湾「アタタカイ…ニンゲントイウノハアタタカクテ、ヤワラカイ」

 

提督「ははっ!くすぐったいです」

 

港湾「コワクナイノカ?」

 

提督「気にしすぎですよ?怖い人と怖くない人くらい判別ができますから」ニコッ

 

港湾「マタアイニキテモイイカ?」

 

提督「はい、もちろん!っと言ってもいつもいるとは限りませんが」

 

港湾「ナラアサッテ、オナジジカンニ、ココデマチアワセシヨウ」

 

提督「わかりました」ニコッ

 

港湾「アト、オネガイアル」

 

提督「なんでしょうか?」

 

そう言うと港湾棲姫は地図のようなものを広げて赤くまるで囲んだ。

 

港湾「ココ、ワタシノトモダチ、イル。ダカラ」

 

提督「侵攻しないで欲しい…ということですね?」

 

港湾「ウン…」

 

提督「僕の艦隊は送りません、がしかし全体を動かせるほどまだ僕に権力はありません。もし、来た時は容赦なく反撃していただいて結構です」

 

港湾「アリガトウ!」

 

提督「いつか僕がそれ相応の権力を手に入れた時には必ず何人たりともその海域には行かせません!」

 

港湾「カンシャスル!ジャア、ヨガアケル、ソロソロカエル、マタナ」チュッ

 

提督「ふぇ!?」カァァっ

 

港湾「オレイダ」

 

 

 

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