希望を失った提督と艦娘   作:大石蔵良 ショタ 提督

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第3話 優しさ

一仕事終え、ひとまず提督の私用ルームでシャワーを浴びることにした。

 

服を脱ぎシャワールームに入る。

蛇口をひねると暖かいお湯が出てくる。

ベトベトしていた汗が流れ、洗剤で体や頭を洗っていくとさらにさっぱりした。

が、その時。

 

ガラガラ

 

扉が開く音がした。

 

提督「ん?誰…て!?え!?」

 

そこにはなぜか裸の金剛らしき姿が見えた。

慌てて目をそらす。

 

金剛「て、テートク閣下の処理に参りマシタ」

 

顔を少し赤らめているがどこか怯えているようにも見えた。

 

提督「はぁ…」

 

ため息しか出ない。

 

そんなため息に気づき慌てて金剛がまた謝罪を始めたと思えば腰にしがみついて必死に謝っていた。

 

提督「お、落ち着いてください」

 

金剛「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」

 

ダメだ…聞こえてない。

どうしたものかと考える…

このままで泣き止むまで置いていてあげたいのは山々、しかし男の子だし、年頃だから色々と大変…よってここは強引にひきはがす。

 

提督「いまならギリギリ湯気で見えないな」

 

そっと扉を開け一旦外に出てバスタオルを2枚取り、一枚は自分に、もう一枚は金剛に巻いた。

 

提督「ひとまずこれで大丈夫です」

 

金剛「え?あ、あのテートク…いつものように…しないのデスカ?」

 

提督「もう、しなくていいですよ」ギュッ

 

格好が格好なだけにはたから見ればいけない雰囲気だがやむをえない。

 

金剛「そ、そんなに気に入らなかったデスカ…?か、解体処分デスカ…?」

 

ガタガタと震えているが泣くことを必死にこらえている。

 

提督「金剛さん。あなたは女の人でしょう?そんなに自分の体を道具のようにしないでください。こんな格好だから説得力はないかもしれませんが嫌がってたり、怖がってる女性にそんな行為をするほど僕は馬鹿ではありません。だからもう、こういうことはしなくて大丈夫です」ギュッ

 

金剛「ど、ドウシテ?みんな道具だって言われてきたのに…!グスッ…もう、乱暴しないデスカ?」

 

提督「命をかけても構いません。絶対にしません」

 

一気に金剛の恐怖心、我慢していた色んなものが涙と声となり、赤子のように震え、必死にしがみついて泣いていた。

 

頑張って手を伸ばし風邪をひかないように上着を取って金剛に被せる。

 

金剛「ヒグっ…グスッ。テートクは良いのデスカ?かぜ、ひいちゃいマス…グスッ」

 

提督「僕は大丈夫ですから、とにかく服を着てください」ニコッ

 

それだけ伝え金剛が着替え終わるまで後ろを向いていた。

 

数分後…

 

金剛「終わりマシタ…」

 

提督「なら僕も着替えるので後ろを向いて頂いても?」

 

金剛「わかりマシタ」

 

金剛が後ろを向いてる間にさっと着替える。

着替え終わった頃…

 

金剛「テートク…もう良いデスカ?」

 

提督「あ、はい。かま」

 

ギュッ!

 

提督「ふえ!?」

 

突然金剛が背中に飛びついてくる。

そのままぎゅっと力強い力で、でもどこか弱々しい、そんな風に伝わった。

 

金剛「少し、このままいても良いデスカ?」

 

提督「ど、どうぞ」

 

ものすごく暖かい。

同時に金剛の震えが伝わってくる。

今まで相当怖かっただろう…

 

数分後…

 

パッと金剛が離れた。

 

提督「?もう大丈夫ですか?」

 

金剛「は、はい!ありがとうございマシタ」

 

深々と頭を下げてくる。

 

やりづらい…

 

提督「んー…。へい!金剛!これからdinnerでも一緒にどうデスカ!?」

 

意を決して精一杯前の鎮守府の金剛の真似をしてみる。

すると…

 

金剛「realy!?やりマシタ!…あ」

 

提督「ぷっ…!ははっ!やっといつも通りになりましたね」ニコッ

 

金剛「ど、どうして私のその話し方知ってるのデスカ?」

 

キョトンとした顔をしている。

 

提督「前の鎮守府の金剛さんもこんな感じでしたから」

 

金剛「なんだか恥ずかしいネ…。でも良いのデスカ?いつものように話してモ…」

 

まだ疑いの眼差しを向けてくる。

 

提督「もちろん!その方が良いですよ!」ニコッ

 

金剛「!!? Thank you! My admiral! I was afraid...but!I'm very happy now!」

 

「!?ありがとう!テートク!私とてもこわかったよ…でも!いまはすっごい嬉しい気分ネ!」

 

提督「No problem! So...Will you go dinner with me?」

 

「お礼には及びませんよ?それで…いっしょに夕食言ってくれますか?」

 

金剛「of course!」

 

「もちろんネ!」

 

提督「あと、英語はあまり得意ではないです…」

 

金剛「ふぇ!?あ!sorry!うっかりしてマシタ!」

 

その後2人で食堂に向かうことにした。

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