食堂に入ると…
鳳翔「こ、これは!提督閣下!どうなさいましたか?」
提督「いえ、食事にき」
鳳翔「え?今日は外食になさらないのですか?」
言い終わる前に慌てて聞かれた。
提督「あ、あの金剛さんこれは…?」
金剛「前のテートクはずっと外食に行ってたネ…私たちの食事は…」
スッと指をさすとごく少量の重油?となぜか合わない白米だった…
提督「…っ!」がんっ!
怒りが一気に込み上げ1発強烈なパンチを壁にぶつける。
殴った拳からは血がポタポタと滴り落ちていた。
金剛「テートク!?」
鳳翔「閣下!?」
2人が慌てて駆け寄る。
提督「こ…のっ!っ!」
繰り返し、繰り返し壁を殴り、壁が赤く染まる。
金剛「テートク!落ち着いテ!」
グッと体を抑えられ抱きしめられる。
鳳翔「金剛さん!?」
提督「ふぅ…!ふぅ…!」
怒る獣のように唸る。
金剛「さっき私に言ったばかりじゃないデスカ!自分の体を大事にしろって!テートクがそう思うなら私も同じネ!だから!落ち着いてクダサイ!」
金剛の懸命な慰めと、抱擁によりなんとか怒りを落ち着かせた。
鳳翔「あ、あの…これはどういう…?」
提督「その前に!」
ビクッと鳳翔が震える。
提督「その前に…全員分、ちゃんとしたご飯を、食事を作ってあげてください…」
鳳翔「で、ですが…食料はお前たちには…いらないと…」
提督「それも今日で終わりです!とにかくとびきり美味しいものを!作ってあげてください!お願いします!」
金剛「鳳翔…!このテートクは前のテートクとは違うネ!優しくて…とっても暖かい人ネ。ダカラ…信じてあげてクダサイ…!」
鳳翔「わ、わかりました。全員分!頑張ります!」
提督「ありがとうございます。それとお手数をお掛けしますが…食事は執務室まで運んでいただけますか?少し、落ち着きたいので…」
鳳翔「かしこまりました!」
金剛「あ、テートク!」
慌てて金剛が追いかける。
執務室ーーー
金剛「手、みせてくれマスカ?」
提督「お願いします」
スッと差し出すと、今度は舐めずにちゃんと消毒とガーゼをして治療してくれた。
金剛「あの、テートク…」
提督「はい?」
金剛「あの、えと…私達のために怒ってくれるのはものすごく嬉しいデース…でも疑問がありマース」
提督「?なんでしょうか?」
金剛「どうしてテートクは私たちに優しくしてくれるのデスカ?」
そう、金剛も内心疑っていたのだ。今のうちに信じさせておいて、また裏切られるのではないのか…はたまたなにか企んでいるのではないか…と
しかし提督の答えは金剛の考えを易々と突き抜けた。
提督「理由?そんなものありませんよ?」
金剛「エ…?でも理由もないの」
提督「家族に!家族に、優しくするのがそんなに不思議ですか?」
金剛「family?私達がデスカ?」
提督「はい」
あまりの答えに脳が追いつかない。
金剛「で、でも…私テートクのお姉さんでもないデース!」
提督「んー…例えといえば早いですね。要は家族のように思ってるんですよ。みなさんのことを」ニコッ
金剛「ど、ドウシテ?」
提督「前の鎮守府に入ってすぐは皆さんと同じだったんです。僕は。でもそこの皆さんが僕を家族としてみてくれて…それから僕も癒されて、家族の温かさを知りました。だからここに来た時も決めてたんです。あの時の恩返しをしようと。人は違えど自分がされたことが他の場所で活かすことができる。同じような人を救えるならそれをしたい、僕もそれが幸せですから」
子供には似合わないセリフを恥ずかしそうに語る提督はどこかたくましく、そして金剛にとっては暖かい、太陽のように思えた。