救急搬送された提督は直ちに緊急手術を受け、何とか一命をとりとめた。
しかし危険であることに変わりはなく二日間眠ったままの状態となった。
2日後ーーー
長門「翔…」
長門は二日間提督の手を握ったままだった。しかし昼を過ぎようとしていたときだった。
握っていた長門のてを弱い力で握り返した。
提督「ん、んー…」
長門「翔!気がついたか!?」
目を開くとぼやけた視界が広がり少し目を擦ってみる。そこには心配そうな顔をして提督の顔を覗き込む、長門の姿があった。
提督「はっ!あれからどのくらいたったんですか!?」
長門「2日間だ。なぁ、提督。思うのだがあそこは私たちのように一筋縄ではいかん気がする」
提督「それは僕も思いました。怖がるどころか、憎しみの方が圧倒的に勝っている…」
静寂の病室の中長門と提督2人揃って黙って考え込んでいた。
提督「んー…」
長門「鳳翔…。そうだ!鳳翔だ!」
提督「?」
長門「私も考えていたのだが、あの空母の母と言われている鳳翔だ!きっとあそこでも冷静な判断ができるはず!なんとか鳳翔とコンタクトを取ってみるのはどうだろうか?」
提督「たしかに!名案です!」
まだ傷こそ完治していないものの2人は大急ぎで荷物をまとめ佐世保鎮守府へと戻った。
佐世保鎮守府ーーー
今度はさらに警戒心を強く持ち門をくぐった。
しかしそこには余り気配がなく、案内板のところまでたどり着いた。
いざ食堂に行こうとしたときだった。
ブォォォォン!
提督「ん!?あれは!ゼロ式!?」
長門「今度は空母か!」
提督「対空戦闘用意!主砲発射の用意!」
長門「三式弾装填完了!」
提督「ってぇ!」
巨大な爆音とともに、周りの部屋や建造物もろとも消し去った。
パラパラと破片が落ちる音がした。
提督「さ、さすがはビッグセブン…」
長門「や、やりすぎただろうか?」
提督「こ、このくらいがちょうど良いですよ!うん!」
長門「そ、そうだな!そして何事も無かったかのように食堂へと向かった」
食堂ーーー
提督「すませーん!」
鳳翔「は、はぁい!」
慌てて鳳翔が走ってくる。
だが提督を見た途端に表情が一変した。
鳳翔「一体なんのご用でしょうか?」
シンプルに怖い…
提督「あ、あの…えと」
長門「率直に言わせてもらう。ここの鎮守府を助けに来た」
鳳翔「助ける?」
提督「大本営からお聞きしました。できれば詳しくお話を伺いたいのです」
鳳翔からは痛い位の視線を感じた。
そして疑いの眼差しを向けられるが、怖気付かず真摯に真っ直ぐ鳳翔の目を見つめる。
鳳翔「信じて…よろしいのですね?」
提督「はい」
こうしてなんとか佐世保鎮守府内の現状と、この鎮守府の過去を知ることができた。
内容はあまりに生々しく、長門においては途中から震えていた。
鳳翔「ということが…」
提督「そんなことが…」
長門「そんなやつ!絶対に許さん!」
鳳翔「あの、呉鎮守府から参られたのですよね?」
提督「へ?あ、はい」
鳳翔「あそこもかなり荒れていたとお聞きしましたが…」
提督が答えるまでもなく、長門が間に入った。
長門「ああ。荒れ放題どころか地獄だったよ。しかし提督が、翔が、きてくれたおかげでみんな救われたんだ」
鳳翔「あなたが…?」
提督「まぁ、僕だけではなく、こんな僕を信じてついてくれた皆さんのおかげでしたけどね」クスッ
不思議そうな顔で提督を見つめていた。