山ほどのお礼を受け、なおさら頑張らねば!と張り切った結果、出撃に次ぐ出撃の毎日を送っていた。
そんなある日のこと。
提督は海に来ていた。
佐世保港付近の浜辺ーーー
クゥーッ、クゥーッと海鳥の鳴き声、ザァー…、ザァー…と全てを流してくれる波の音が響いていた。
提督「ん、んーー!気持ちい!」
ぐーっと背伸びをし、海を眺める。
すると突然後方から足音がした。
慌てて振り向くと、
大和「あの…」
提督「は、はい!」
そこには大和撫子?いや、日本人さながらの傘のような者を持った、背の高い美人が立っていた。
ついつい見とれてしまう。
大和「か、海軍の方でしょうか?」
提督「あ、はい。そうですが…あなたは?」
大和「失礼しました!大和型一番艦の大和です」
提督「初めまして、佐世保鎮守府提督、金山翔少将です」
大和「あ、あなたが提督なんですか?お若いですね」
言われると思ったが、正直もう慣れていた。
提督「まだ12なんですよ。しかし、何故大和さんが?僕の鎮守府の名簿に大和さんの名はありませんでしたが」
すると俯いて、暗い表情をして、こちらを見つめてきた。
その瞳は身体の身長には合わない、捨て犬のように寂しい顔をしていた。
大和「私…逃げてきたんです」
提督「逃げる?」
大和「もともとは室蘭鎮守府にいたのですが、私は大きいだけで、火力はあっても足は遅いし、燃費も悪いので用済みとなり、解体処分が決まったんです。でも、死にたくない、それで逃げ出したんです」
提督「そんなことが…。ですが何故遠路はるばる北海道から九州まで?」
大和「噂をお聞きしたんです。佐世保鎮守府の提督は優しい人だと」
提督「噂になってたんですか…」なんか恥ずかしいな…
そんなことを考えていると突然大和は提督の前に駆け寄り、深々と頭を下げてこう言った。
大和「お願いします!私は先ほども言ったように足も遅いし、燃費も悪いですが火力には自信があります!どうか私を提督の部下にしてください!お役に立ちたいんです!」
突然のことに頭がついてこない。
冷静に考えた。
たしかにこっちには世界のビッグセブンの長門がいる、だがそれだけでは不十分、加えてこんなか弱い艦娘を放っておくのもあんまりだ。
提督「わかりました!ようこそ!佐世保鎮守府へ!」
大和「ほ、本当に預かってくださるのですか!?」
提督「はい!もちろん♪」ニコッ
大和「よかっ…た…グスッ。本当にありがとうございます!」ギュッ!
提督「ムグ!?」
突然抱きつかれ、大和の胸に顔を埋められる。
息ができず、苦しい。
しかし、そんな提督をよそに、大和は嬉しさと、安心、に浸って一生懸命提督を抱きしめていた。