沈黙が数分間流れた。
提督「そんな…」
鳳翔「…っ」
妊婦「大丈夫、あなたなら…この子…を…立派に育てられる…から」
夫「…っ!わかった…」
医師「では、胎児を最優先!必ず二人共救えるように全力を尽くせ!」
看護師「手を握って差し上げてください」
夫「はい」
こうして提督達が見守る中、オペが進められていった。
5時間後…
「オギャー!オギャー!」
医師「おめでとうございます!女の子ですよ!」
夫「良かった!おい!お前!産まれたぞ!元気な女の子だぞ!」
妊婦「良か…った。私、がんば…ったよ」
夫「ああ。ありがとう…!」
提督「良かった…これで」
誰もが安心していた。
赤子は無事に帝王切開により、元気に産まれ、なんとか母体の方も止血が成功し、一命を取り留めたと思っていた。
しかし…
ピーーーーー…
心肺停止…
夫「え…?」
医師「そ、そんな!すぐに素性を!」
看護師「輸血回します!」
その後も蘇生作業が進められたが…助かることはなかった。
提督「そんな…グスッ」
鳳翔「…っ!」
提督「鳳翔さん…!どうして、どうしてですか!?なんで!あの人は頑張ったじゃないですか!なのに!…なのに!こんなの…」
鳳翔「提督…世の中には救える命と救えない命があるのです。提督は私たちのことを救ってくださり、今の私たちがあるのです。ですが、今のように運命には抗えない…どうしても避けられない死があるのです…」
提督「うっ…!グスッ!もっと…!もっとここに医療技術があれば…!」
鳳翔「提督…」ギュッ
提督は泣いた。
悲しみに明け暮れ、涙を流し、叫び、ボロボロと涙が溢れていた。
しかし、夫と妻の顔はどこか幸せそうな顔をしていた。
医師「申し訳ありません!私達が至らないばかりに…!」
夫「…いえ。これが、妻の選んだことなら、文句もなにもありません。ありがとうございました」
提督「鳳翔さん…あなたは先に戻っていてください」
鳳翔「提督は?」
提督「少し、旦那さんに用がありますから」
鳳翔はなにも言わず察してくれたのか、そのまま部屋を後にしてくれた。
手術室前ーーー
夫「あ、あなた方は?」
提督「本鎮守府提督、金山翔と申します…。奥様のこと、心中お察しいたします。ですが…誠に…!申し訳ありませんでした!」
夫「な、なぜ謝られるのですか!?」
提督「僕の鎮守府には艦娘には適した、最新鋭の設備を備えておりました…ですが人間にはそんなに設備を揃えておらず…結果このような結果になったと、考えました」
夫「…」
提督「提督であると僕がいながら…本当に!申し訳ありませんでした!」
深々と頭をさげる。
夫「お顔をあげてください」
提督「?」
恐る恐る顔を見る。
夫「お気遣い感謝します。ですがこれは妻が出した答えです。あなたが責任を感じることではありませんよ。私の方こそありがとうございました」
提督「え…」
夫「ははっ♪これから頑張ります!」
提督「は、はい!」強い人だな。
この生まれた少女が将来、提督と再開するのはまたのお話。