金剛との騒動の翌日。今日はたまたま艦娘全員揃って休日となってしまい、出撃はゼロ。無論、秘書艦も。
となると当然執務も一人。
提督「んーー!一人で執務というのも流石に疲れますね…」
気晴らしにと窓を開け放ち、海風を浴びる。
が、突如背後からの視線に気付く。
提督「ん?」
長門「あ」
そこにはドアを少し開けて、隙間から執務室を覗き込む長門の姿があった。
提督「長門さん?なにをしてるんですか?」
長門「いや、あの!わ、わたしはだな!えっと!えと!そう!様子を見にきてやっただけだ!」
提督「は、はあ…そ、それはどうも」なんでそんなに焦る?
長門「で、じゅ、順調か?」
提督「あ、はい!なんとか」ニコッ
長門「そ、そうか」カァァッ
提督「あ、あのとりあえず中に入られては?」
長門「へ!?あ、ああ。失礼する」
そのまま長門を中に招き入れ、ソファーに腰掛けるよう、誘導する。
提督「にしても!良い天気ですね!」
グッと背伸びをし、外を眺める。
長門からみたその提督の横顔はまさに胸部装甲を破壊する砲弾そのものだった。
幼くつぶらな瞳、しかし、何十隻という艦娘を束ねる、頼り甲斐のある凛々しいオーラ、風に揺れる色混じりのない長い漆黒の髪、吸い込まれるような綺麗な黒と奥に空色の目、気がつけば長門は無意識に提督の顔に見惚れていた。
提督「長門さん?」
長門「はっ!?す、すまん!ぼーっとしていた…」
提督「だ、大丈夫ですか?ねつでもあるのでは?」
長門「大丈夫だ…問題ない…!」
提督「そ、そうですか」
しばらく気まずい沈黙が続くが長門が口を開いた。
長門「提督は…その、なんだ。決めたのか?結婚相手を…」
提督「いえ、まだ決められなくて」
えへへ、と手を頭の後ろに回し、照れる仕草をする。
長門「今は、付き合ってみて決めると聞いている」
提督「あちゃ…そこまで知っていましたか」
長門「そ、それでだな提督!」
提督「?」
長門「わ、私が提督に片思い…してると言ったら変…か?」
提督「ふぇ!?い、いきなりどうしたんですか!?」
提督とて驚くのは無理もない。
前の鎮守府でも苦しい環境の中でも顔色一つ変えず、皆の光であり、誇りであった気の強い長門がこんな発言をするとは予想だにしていなかった。
長門「や、やはり変か…?」
涙目でウルウルとし、ソファーに座っているせいで下から目線になり、上目遣いをされ、見つめられる。
提督「いや、特には」
長門「な、なら!私も!て、提督の…!こ、こ、…こ!」
提督「?」ここは僕から言った方が良いのかな
長門「恋人にしてくれ!!!!!」
突然メガホン並みの大声で、顔を真っ赤にして長門が叫ぶ。
周りのガラスが砕け散り、軽く地響きさえ感じた気がする。
頭がクラクラする。
提督「あ、あの、構いませんけど…ひ、ひとまず声の加減を…」
長門「あ…!す、すまない!」
提督「いえ…おきに…なさら…ず」バタッ
長門「おい!提督!?しっかりしろ!おいぃ!」
その後提督は6時間寝込んだままだったそうな…